ひきこもらない

著者 :
  • 幻冬舎
3.59
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本棚登録 : 494
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031326

作品紹介・あらすじ

お金と仕事と家族がなくても、人生は続く。東京のすみっこに猫2匹と住まう京大卒、元ニートの生き方。

感想・レビュー・書評

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  • 定職につかず、好きなことをして生活しているという印象のphaさん。
    この本を読むと、それなりに葛藤があったようにも思える。

    p5~6
     例えば会社に勤めることや、家庭を持つこと。近所付き合いや親戚付き合いをこなすこと。同じ家に何年も住み続けること。きちんと洗濯をしてきちんと服をたたんで収納すること。1時間以上じっと座って会話を続けること。映画を見ること。メールや郵便をため込まずに処理すること。半年以上先の計画を立てること。特定のパートナーと何年も関係を続けること。睡眠薬なしで毎晩同じ時間に眠って毎朝同じ時間に起きること。
     そうした、社会の多くの人が毎日こなしている(らしい)ことが自分にはできない。だから世間一般が言うような普通の生き方や暮らし方は自分には全く参考にならない。


    p44
     僕はコーヒーとチョコレートが大好きだったのだけど、一切摂るのをやめた。ちょっとつらいがしかたがない。お茶も、緑茶や紅茶や烏龍茶はカフェインが入っているので、麦茶やハーブティー以外飲まないようにした。コーラもカフェインが入っているのでだめだ。

    著者は不眠症気味で、カフェイン抜きの生活を送っているそうだ。中々ストイックである。
    その効果たるや、寝付きが良くなった、昼寝がスッとできるようになった、睡眠時間が多少短くなっても平気になった、など。

    この辺は、見習いたい気がする。
    自分の場合、鬱状態、不眠、食欲不振などで、7月より精神安定剤のお世話になっている。幸い、ここにきて、大分良くなってきたので、減薬を始めたところだ。ただ、夕食後の服薬をしない日は、寝付きが悪く、眠りも浅い感じ。
    この辺を何とかするためには、カフェイン抜きというのも一考すべきかもしれない。

  • 定年したらどう過ごそうかとよく考える。シルバー人材センターに登録して公園の草刈りでもやろうか、カルチャーセンターに通って年頃の近しい人たちとお喋りでも楽しもうか、子どもが結婚したら孫たちのベビーシッターにでもなろうか、自治会や福祉団体と地域のボランティアでもはじめようか・・。昔からひきこもるのが好きで、一人で無限に遊んでいられる。仕事も子育ても介護もなくなれば、途端にひきこもって孤立して認知症になって死ぬだろう。定年後は意識して社会と関わらなければ。そんな風に考えている自分にとって『ひきこもらない』は真逆の指南書である。一人遊びが上手な人は、ひきこもっても、ひきこもらなくても結局は一人のようだ。ひきこもらない孤立を楽しむ。それが定年後の正解なのかもしれない。

  • 日本一有名なニート(35を超えたので実際は無職)と名高い(?)pha氏の最新作。
    氏が出ているフジの『ザ・ノンフィクション』を観たので購入。
    今までの著作のマイナーアップデートだと感じる部分と、新しい試みの部分があると感じた。

    「話しかけられるだけで気力を使う人間がいることを知ってほしい」
    「潰れかけの店が1番落ち着くけど、本当に潰れがちで困る」
    「食券制のチェーン店でしか外食したくない」

    等の内向的あるあるは健在。

    一方で、高速バス旅やサウナと水風呂、街歩き、旅先でなにもしない旅、等のインドア派がインドア派のまま、外で遊ぶ技術も併記されていて、ある意味「実用的」な側面もあり、非常に面白かった。

  • 京都国際漫画ミュージアム行ってみようかな

    ニートなのに1人でも暮らしていけているというのがやはり高学歴。

  • 日本人は物質的な豊かがステイタスのようにとらえる場面が多くて、
    他人の地位や、持ってるもの、着ているもの、住んでいる場所などで評価しがち。

    でもphaさんの文章からはそれが感じられない。
    もっと精神的な豊かさを第一優先として生きている。
    深夜特急の旅の仕方に少し通ずるものがあるような。

    日々の息抜きのヒントにも。

  • どこか外で休憩したい時に、コーヒーがありすぎる。
    確かにと同意しますし、共感しました。
    カフェインを控えているときに、さて何飲もうかと選ぼうとしても少ない。

    ネカフェで三時間パックの例がしっくりきた。
    やっぱり席代だけでお金をとってくれた方が、外でのんびり過ごすにはありがたい。
    そういう居場所が増えればいいなーって考えにも賛同しました。

    喫茶店でコーヒー一杯で三時間粘るより、ネカフェで三時間集中した方が、没頭したい時は適してる。
    やっぱり、喫茶店でコーヒー一杯で座っても、場所がフランチャイズの店で待ってる人が増えてざわつき始めたら、20分ぐらいで失礼するし。

  • たしかにどこにでもテレビあるよなぁ
    父島ってそんな行くの大変なんだ
    いろんな場所に行けば行くほど自分の中でイメージが増えて地理を楽しめるようになるのは共感しかない
    強くてニューゲームしたいと昔は思ってたけど、今は絶対やり直したくなんかないって思うから、若い頃になんて戻りたくないにも共感
    地方の安い別荘を数人で共有するというのは面白そうと思ったけど、やっぱり飽きるしめんどいもんなんだなw
    持ち家は維持費が大変っていうのは別荘でも変わらないね
    90万で購入し8万で売却と書いてあったけど、さらに管理費3年で108万だもんなぁ
    期間決めて共同で賃貸とかはありなのかな?
    ノイズ耳の発想はなかった
    人の多さが守ってくれる感覚はわかる

  • 何となく手に取った『引きこもらない』(pha)。

    タイトルからして「引きこもり脱却術的な何か」が書いてあるかと思いきや、

    中身は全然違うもの。

    著者が「半年以上定住NGな方」だからこのタイトルになったのか、とりあえず謎です。(書いてあったかもしれないけど…)

    読んでみて以下4点は「そうよねー!」ってなりました。

    ❶人間というのは周りの環境にすごく影響を受けるものだから、身を置く環境を変えてみると、自分の行動のどの部分が周りの影響でやっていたことで、どの部分が環境によらず自分がやりたいことなのかが見えてきたりする。

    ❷別に旅に出たからといって何かが根本的に解決するわけじゃない。だけど、自分の部屋で「あーもうだめだ」とうだうだ考えているよりは、よく知らない場所で「あーもうだめだ」とうだうだ考えているほうが少しだけ気分がマシだ。

    ❸高速バスのターミナルの真ん中に立つと、「その気になればここからどこにでも行けるのだ」という万能感と、「一旦乗り込んでしまうともう簡単には戻ってこられないのだ」という不安感の2つを同時に持つことができて、そのなんとも言えないミックスされた気分が、すごく旅っぽいと思う。

    ❹その場所に実際に行ってみないとわからない地理感覚がある。だから知らない土地に行くのは、そこに特別な何かがなかったとしても面白いのだ。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    そして…

    【別荘購入話】や【音の話】は勉強になりましたし…

    「自分のやりたい事は常に考え続けよう」と思った次第です。

  • 非日常のための日常。日常のための非日常。

    サラッと読むには良い。
    著者の言葉選びが好き。場面が思い浮かぶ。
    ノイズの話は個人的に面白かった。

    定期的に旅に出たい衝動に駆られる人にオススメ。
    旅の楽しみ方のエッセンスになるかも。

  • phaさんの考え方にハッってさせられる部分や
    共感できる部分もたくさんありました。

    最後の京都は移動祝祭日だっていう
    話が1番好きで
    学生時代京都で過ごしたかったーっていう
    悔しさを感じました笑

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。作家。著書として『どこでもいいからどこかへ行きたい』『しないことリスト』『夜のこと』『人生の土台となる読書』など多数。大学生のときに京大短歌会に少しだけ参加。第5回笹井宏之賞では最終選考に残る。文学系ロックバンド、エリーツの一員としても活動。東京・高円寺の書店、蟹ブックスでスタッフとして勤務している。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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