読書で離婚を考えた。

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031340

感想・レビュー・書評

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  • 以前『ダ・ヴィンチ』で対談を見て面白そうだなと思ってた本。円城さんは2冊位途中で挫折し、田辺さんは未読(ごめんなさい)。2人の選んだ課題図書もほぼ読んだ事なかったが、読みたい本が見つかったし、やりとりも微笑ましかったからよかった。

  • 面白かった~。
    でもなんだ、結局その、愛し合ってんじゃん。
    タイトルが衝撃的だから手に取った訳だけど...あてられた感じ。
    ひとりものには羨ましかったりする。

    本好き同士が付き合ったり、結婚したりしたら『お互いに本を薦め合う』ってやりそうだけど、この企画では『相互理解』を目的としてるのがミソ。
    普通相手の好きそうな本を選ぶから。
    『相互理解』の言葉にしばられて、妻が「夫が何故これを選んだのか分からない」と悩んだり、夫が妻に対して『自分の書いていることを理解してない」と静かにキレたり。(ネタっぽいですが)
    結構ドキドキしながら読みました。
    大雑把な私はどちらかというと、田辺さんの方に肩入れして読んだなあ。
    円城さんの考え方も(理解できないところもあるが)好きだけど。

    お二人の考えを想像することに必死になり、選ばれている本の事まで気が回りにくくなる。
    それがブックガイドとしては弱点かもしれない。
    読んでみたい本はいくつかできたが。

    円城さんの本は気になっていたが難解だという評を読んで躊躇していた。
    田辺さんはこの本で初めて知りました。
    お二人の著作、興味が湧いたので読んでみようかな。

    • 5552さん
      まっき~さん、こんばんは。
      ポチ&コメントありがとうございます!

      この本、面白かったです!
      でもまっき~さんがおっしゃるとおり、ど...
      まっき~さん、こんばんは。
      ポチ&コメントありがとうございます!

      この本、面白かったです!
      でもまっき~さんがおっしゃるとおり、どこまでネタだか分からない。私は円城さんのしつこさが途中でアヤしく思えてきて、最後までどっちかなーと疑いつつ読んだらあのラブラブ(^-^)
      ちょっと拍子抜けでした。

      おふたりの関係をご友人が「電波女(円城さん)とダメ男(青蛙さん)」と評したと書かれていて、言いえて妙!と思いました。
      Wアンノ夫妻も良いカップルですよね~。

      「くるり」の曲、興味を持ってくださりありがとうございました。「ワールズ~」はテレビで流れてきて一瞬でそのメロディに聞き入ってしまいました。ボーカルの岸田さんがアメリカの9.11テロを見て、感じて、考えて出来た曲だと雑誌のインタビューで言っていた気がします。

      またお気軽にお越しください!
      2018/02/10
  • 作家同士の円城塔さん田辺青蛙さん夫妻による読書感想リレー。夫は妻へ、妻は夫へ課題図書を指定し、読んでレビューし合います。

    「離婚を考えた」のタイトルは少々盛っているように思いますが、ついつい惹かれるタイトルです。この企画の目的は「読書によって相互理解を深めること」。ところが蓋を開けてみればお互いの好みに全く一致しない指定図書の数々、噛み合わない感想、ついには不平不満を選書で伝える始末。回数を重ねるたびにその仲は険悪に…。気付けば二人の(奥様の?)トゲのある物言いに夢中になってしまいました。
    でも離婚には至りません。「読書で夫婦は分かり合えない」ことが結論づけられます。

    夫婦と言えども別の人間。本の趣味趣向が異なっても全く違う性格であってもいい。互いの違いを認め合う夫婦、小言を交わしながらも違いを楽しめる夫婦って素敵だと思いました。これがいわゆる「相性の良さ」なのかも。

    お二人それぞれ「自分の好きな本」を手に取っていないだけに、ブックリストとしての魅力はちょっと低め。純粋に夫婦エッセイとして楽しかったです。

  • 作家の円城塔と田辺青蛙夫妻による、往復書簡形式のレファレンス本。
    互いに、相手にお勧めする本を通して相互理解を進めよう、という趣旨で始められた企画ではあったものの、相互理解は全く進まず、「わからない」「伝わらない」という思いがつのります。
    それが夫婦の危機につながる……というわけではありませんでしたが、たしかに実生活でパートナーと互いの読書観を共有しようとするのは無理があるかもしれないなあと感じました。
    本作品自体は、それぞれのコメントも面白く、知らなかった本にも多く出会えますので読み物として楽しむことができます。

    特に、円城の分析にある、
    「ジャパニーズ・ファンタジーはやっぱり、女性読者が集まるお話が多いように感じるわけです。勿論、伝奇ものなどで男性読者の方が多かろうというものもあるわけですが、なんとなく、そういう感じがします。……(中略)なるほど、日本の古典というものはたいてい、男女が離れたくっついたを語っていて、戦場の手柄を高らかに謳い上げたりはしないわけです。勅撰和歌集、ということは、国としてつくった歌集が、もう恋の歌だらけで、戦場の勲もなければ、天下の経綸もなく、勝者を讃えたり、敗者を嘆いたりもしない。基本的に、わたしがあなたを、あながをわたしに、恋しくてふるえる、とか延々やっているわけです。これは、偉大なことではないか、と池澤氏は言うわけです。戦争の話なんかを自慢げにしているよりも、恋の歌を詠み交わしあっている方が、文学的にはよほど成熟している(円城による意訳)。……(中略)以上の、「日本の古典文学は恋愛もの」と「恋愛ものが好きかどうか」を混ぜると、ジャパニーズ・ファンタジーは恋愛もの好きの人じゃないとなじみにくいのではないか、という推測が成り立つわけです。」
    というものは、納得できました。
    ……ほかの部分の円城の語りでは「わかりにくい」ところもありましたが。

    自分の好きな本、好きな傾向、などしっかりと分析しながら読書をしているのだなあ、と感心しつつ、自分は「面白い本が読めればいいや」と思ったのでした。

  • 私が通う図書館は、市民が返却した本を一時保管する棚がある。その棚にいつも注目していて、そこに面白い本がないか物色するのが好き。この本はそこにありました、円城塔さん、気になってる作家さんの一人なので。

    夫婦が分かり合うために本を勧め合うという企画本。円城嫁の田辺青蛙さんも(兼業)作家さんです。この手の本の紹介本って私大好き。40回の往復書簡なんだけど、ひとっつも読んだ事のある本はありませんでした、やっぱり小説家さんってのは本読んでますよね、、そして幅広い~。本の題名はインパクトありますが、読みながらいやいやちゃんとお互いいたわりあって楽しく仲良く暮らしてる感、漂ってると思う。

    本の紹介は勿論あるんだけど、それ以外の彼らの人となりの吐露が面白い。旦那は理系頭でロジカルで色々きちんとしてたい、一方嫁は猫のようなというかね。かみあわなさがこっちからするとほほえましく写るという。

    最初はオモロない、なんか外れだったかも、、と思いながらも読み勧めたのです。でも知らない本の紹介、特に奥さんの、円城さんが勧めた本の紹介が素敵だったな。円城さんは本紹介も雲にまく感ありというかね。誰もがハマるとは思わないですけど、これを読むとお二人が好きになると思う。続編があれば手に取りたい(調べたけどなかった笑)

    私的な気になった本リスト
    人間にとってスイカとは何か
    →スイカに依存して暮らす人々の村へ20年(!!)通い続けた記録
    台所のおと
    →幸田露伴の娘、文の本。恐ろしいほどにきっちりしてそうで怖いもの見たさある
    年収は住むところで決まる
    →これは絶対読んでみたい、住むところというのはどんな地域で住むかってこと、決して高層マンションとかじゃない
    活字協想曲→公正の人のお話
    私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ←恋愛小説集Ii、でた、岸本佐知子さん、ここが一番私とかすった本だった
    パリの夜→ロランバルト、ここも私とかすったとこ、ロランバルトさんはいいです、喪の日記がよすぎたので是非こちらも読んでみたい
    白い方丈→好きなタイプの本だと思うが、須賀敦子全集第二巻て、。京都とミラノのお話。
    和のおかず決定版
    壊れた脳 生存する知→外科医、三度の脳出血
    バトル・ロワイアル→なんとなく押さえておこうかなという打算


  • 円城塔と田辺青蛙という夫婦がお互いに課題図書を出しながら、読書感想エッセイを交互に発表する。

    本のタイトルから、離婚についての考察が繰り広げられるのかと思ってしまうが、そんなことはない。
    また、この夫婦に離婚の危機が起こるのか?とも考えられるが、そんなこともない。
    むしろ、「この夫婦、異様に仲がいいな。新婚さん?」というのが読後感の印象。タイトルはあくまでこの仲の良さ前提の照れも入った一種のギャグでした。

    まだ恋愛感情が色濃く残っていそうな現在進行系カップルの交換日記を読んでしまった気恥ずかしさというか。

    お二人のキャラがなかなか面白く(円城さんは割ときっちりとやりたい性格、田辺さんは割とアバウトに独自なワールドでやってきたい性格)その対比によるリズムが、この本を魅力的にしている。

    また、二人とも小説家なので、本に対する知識が深く、脈略の無い本の選択ではありながら、世の中には面白い本があふれているんだなーと灌漑深くなる。

    amazonだったらすぐに手に入るけどあえて本屋に階に行くとか、紙の本を手に入れることをルールにしていることが、本に対する愛を感じた。その中で、田辺さんがアメリカに出張している時に課題の本が手に入れずらいとか(電子書籍はルールとしてNGとしている)、やはり電子書籍はこういう時にも威力を発揮するのだなぁと感慨深くも気付かされた。(インターネットは当然だけど、グローバルに強い。)

    課題図書の中では、以下が気になりました。

    「〆の忍法帖」山田風太郎
    すごいオリジナリティー、山田風太郎さんはいままで読んだことないけど、いつか読まなくてはと心に誓った。

    「ボビーコンロイ 死者の国より帰る」ジョーヒル
    「熊が火を発見する」テリービッスン
    日常に少しシュールな設定というような小説。

    「羆嵐」吉村昭
    人食い熊の大正時代の事件を題材にしている。文体によるリアルさなど、興味が湧いた。有名な作品みたいですが、私は知りませんでした。

  • 面白かった!
    読書傾向がまるで違う作家夫婦が、互いに相手が出した課題図書を読んで感想を書く、リレーエッセイ。
    そのエッセイに更に突っ込みも加わっていて、何度か思わず吹き出した。
    全く興味が持てなかったのが丸出しだったりして、触れられている本を読みたいという気持ちにあまりならないので、読みたいものが溜まっている私にはある意味優しい(笑)。
    タイトルはどぎつさを狙って内容と合わなくなってしまっていると思うが、円城氏がエッセイを重ねた結果、出した結論がとてもいい。
    パートナーだけでなく、親子や友人間にも通じる結論だと思う。

  • 読書リレーによる書評本。ふたりの作家により書かれているので、ふたり分の個性が詰まっています。思ったことは色々あれど、読み終わって一番の感想は「ご自愛ください」でした。かなりご夫婦で本の趣味が異なるご様子。それをハードスケジュールでリレーするのだから、体力も削がれることでしょう。夫婦エッセイとしても楽しく読めました。

  • 作家で夫婦が互いに相手に本を勧めるという書評というよりエッセイに近い。書評家の解説よりは感想に近い。また読みたい本が増えてしまって困ったものである。

  • タイトルに反して中身はとてもほのぼのとしたリレーエッセイ(になるのかな?」
    勧められた本の感想にお互いの日常を絡めて書かれている文章はとてもおもしろくてスイスイと読めます。

    てか、読みたい本が増える〜(笑)

    こういう夫婦のカタチもいいなぁ。

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著者プロフィール

1972年北海道生まれ。東京大学大学院博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベー
スボール」で文學界新人賞受賞。『道化師の蝶』で芥川賞、『屍者の帝国』(伊
藤計劃との共著)で日本SF大賞特別賞

「2023年 『ねこがたいやきたべちゃった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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