読書で離婚を考えた。

  • 幻冬舎 (2017年6月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031340

読書で離婚を考えた。の感想・レビュー・書評

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  • 『てのひら怪談 ビーケーワン』や『あめだま』の田辺青蛙(セイア)さんと、円城塔さんが、ご夫婦だという事をこのエッセイで知りました。意外な組み合わせ。

    北海道ではないけど北国育ちで年齢もあまり差がないので、円城さんに共感することが多かった。レシピ本通りに作ることがなく一期一会の料理ばかり作ってしまうところは青蛙さんに軍配が上がって、読んでいる時はお二人の間を行ったり来たりしました。

    熊害とか大阪酔い…結婚式二人でプラグスーツとか驚きの連続でした。庵野監督&モヨコさんが脳裏に浮かんだ。最初は面白くて笑っていたけど、途中で雲行きが怪しくなっているような(?)気がして心配になったり、ハラハラドキドキしました。けどなんだかんだ言ってラブラブ?なんだよね。

    ・「恐怖新聞」の鬼形くんをカミオカンデに放り込む、または宇宙に打ち上げるしかない。(円城さん)
    ・世界がゾンビで溢れたら逃げたりしないで、痛くないように噛んでもらって、サッサとゾンビ側に行く。(青蛙さん)

    ついつい笑ってしまうことが多くて楽しめました。読みたい本も数冊チェックしました。
    すごいな…と感じた部分も多くて、28の神話づくり(課題図書は奥さまが提案された『薄紅天女』)で、円城さんが述べられていた…

    “僕が書くお話は、年に百冊くらい読む人用ではないかな、というのが自己評価”(117ページ)が、深く印象に残りました。

    図書館でも本屋さんでもこういう風に「年に10冊ほど読む人ならこのコーナーにある本」とか、年間100冊ならこの本あたり…と、複数の目安のようなものがあったら、本を好きになる子とかが、もっと増えるんじゃないかな。。。と思った。

    相互理解できなくてもいいじゃない。読書が好きならそれでいいように思う。すてきなエッセイでした。
    =夫婦のかたちに正解はない。本の読み方にも正解はない= 帯より

  • 作家同士の円城塔さん田辺青蛙さん夫妻による読書感想リレー。夫は妻へ、妻は夫へ課題図書を指定し、読んでレビューし合います。

    「離婚を考えた」のタイトルは少々盛っているように思いますが、ついつい惹かれるタイトルです。この企画の目的は「読書によって相互理解を深めること」。ところが蓋を開けてみればお互いの好みに全く一致しない指定図書の数々、噛み合わない感想、ついには不平不満を選書で伝える始末。回数を重ねるたびにその仲は険悪に…。気付けば二人の(奥様の?)トゲのある物言いに夢中になってしまいました。
    でも離婚には至りません。「読書で夫婦は分かり合えない」ことが結論づけられます。

    夫婦と言えども別の人間。本の趣味趣向が異なっても全く違う性格であってもいい。互いの違いを認め合う夫婦、小言を交わしながらも違いを楽しめる夫婦って素敵だと思いました。これがいわゆる「相性の良さ」なのかも。

    お二人それぞれ「自分の好きな本」を手に取っていないだけに、ブックリストとしての魅力はちょっと低め。純粋に夫婦エッセイとして楽しかったです。

  • 面白かった~。
    でもなんだ、結局その、愛し合ってんじゃん。
    タイトルが衝撃的だから手に取った訳だけど...あてられた感じ。
    ひとりものには羨ましかったりする。

    本好き同士が付き合ったり、結婚したりしたら『お互いに本を薦め合う』ってやりそうだけど、この企画では『相互理解』を目的としてるのがミソ。
    普通相手の好きそうな本を選ぶから。
    『相互理解』の言葉にしばられて、妻が「夫が何故これを選んだのか分からない」と悩んだり、夫が妻に対して『自分の書いていることを理解してない」と静かにキレたり。(ネタっぽいですが)
    結構ドキドキしながら読みました。
    大雑把な私はどちらかというと、田辺さんの方に肩入れして読んだなあ。
    円城さんの考え方も(理解できないところもあるが)好きだけど。

    お二人の考えを想像することに必死になり、選ばれている本の事まで気が回りにくくなる。
    それがブックガイドとしては弱点かもしれない。
    読んでみたい本はいくつかできたが。

    円城さんの本は気になっていたが難解だという評を読んで躊躇していた。
    田辺さんはこの本で初めて知りました。
    お二人の著作、興味が湧いたので読んでみようかな。

  • 作家の円城塔と田辺青蛙夫妻による、往復書簡形式のレファレンス本。
    互いに、相手にお勧めする本を通して相互理解を進めよう、という趣旨で始められた企画ではあったものの、相互理解は全く進まず、「わからない」「伝わらない」という思いがつのります。
    それが夫婦の危機につながる……というわけではありませんでしたが、たしかに実生活でパートナーと互いの読書観を共有しようとするのは無理があるかもしれないなあと感じました。
    本作品自体は、それぞれのコメントも面白く、知らなかった本にも多く出会えますので読み物として楽しむことができます。

    特に、円城の分析にある、
    「ジャパニーズ・ファンタジーはやっぱり、女性読者が集まるお話が多いように感じるわけです。勿論、伝奇ものなどで男性読者の方が多かろうというものもあるわけですが、なんとなく、そういう感じがします。……(中略)なるほど、日本の古典というものはたいてい、男女が離れたくっついたを語っていて、戦場の手柄を高らかに謳い上げたりはしないわけです。勅撰和歌集、ということは、国としてつくった歌集が、もう恋の歌だらけで、戦場の勲もなければ、天下の経綸もなく、勝者を讃えたり、敗者を嘆いたりもしない。基本的に、わたしがあなたを、あながをわたしに、恋しくてふるえる、とか延々やっているわけです。これは、偉大なことではないか、と池澤氏は言うわけです。戦争の話なんかを自慢げにしているよりも、恋の歌を詠み交わしあっている方が、文学的にはよほど成熟している(円城による意訳)。……(中略)以上の、「日本の古典文学は恋愛もの」と「恋愛ものが好きかどうか」を混ぜると、ジャパニーズ・ファンタジーは恋愛もの好きの人じゃないとなじみにくいのではないか、という推測が成り立つわけです。」
    というものは、納得できました。
    ……ほかの部分の円城の語りでは「わかりにくい」ところもありましたが。

    自分の好きな本、好きな傾向、などしっかりと分析しながら読書をしているのだなあ、と感心しつつ、自分は「面白い本が読めればいいや」と思ったのでした。

  • 円城塔と田辺青蛙という夫婦がお互いに課題図書を出しながら、読書感想エッセイを交互に発表する。

    本のタイトルから、離婚についての考察が繰り広げられるのかと思ってしまうが、そんなことはない。
    また、この夫婦に離婚の危機が起こるのか?とも考えられるが、そんなこともない。
    むしろ、「この夫婦、異様に仲がいいな。新婚さん?」というのが読後感の印象。タイトルはあくまでこの仲の良さ前提の照れも入った一種のギャグでした。

    まだ恋愛感情が色濃く残っていそうな現在進行系カップルの交換日記を読んでしまった気恥ずかしさというか。

    お二人のキャラがなかなか面白く(円城さんは割ときっちりとやりたい性格、田辺さんは割とアバウトに独自なワールドでやってきたい性格)その対比によるリズムが、この本を魅力的にしている。

    また、二人とも小説家なので、本に対する知識が深く、脈略の無い本の選択ではありながら、世の中には面白い本があふれているんだなーと灌漑深くなる。

    amazonだったらすぐに手に入るけどあえて本屋に階に行くとか、紙の本を手に入れることをルールにしていることが、本に対する愛を感じた。その中で、田辺さんがアメリカに出張している時に課題の本が手に入れずらいとか(電子書籍はルールとしてNGとしている)、やはり電子書籍はこういう時にも威力を発揮するのだなぁと感慨深くも気付かされた。(インターネットは当然だけど、グローバルに強い。)

    課題図書の中では、以下が気になりました。

    「〆の忍法帖」山田風太郎
    すごいオリジナリティー、山田風太郎さんはいままで読んだことないけど、いつか読まなくてはと心に誓った。

    「ボビーコンロイ 死者の国より帰る」ジョーヒル
    「熊が火を発見する」テリービッスン
    日常に少しシュールな設定というような小説。

    「羆嵐」吉村昭
    人食い熊の大正時代の事件を題材にしている。文体によるリアルさなど、興味が湧いた。有名な作品みたいですが、私は知りませんでした。

  • 面白かった!
    読書傾向がまるで違う作家夫婦が、互いに相手が出した課題図書を読んで感想を書く、リレーエッセイ。
    そのエッセイに更に突っ込みも加わっていて、何度か思わず吹き出した。
    全く興味が持てなかったのが丸出しだったりして、触れられている本を読みたいという気持ちにあまりならないので、読みたいものが溜まっている私にはある意味優しい(笑)。
    タイトルはどぎつさを狙って内容と合わなくなってしまっていると思うが、円城氏がエッセイを重ねた結果、出した結論がとてもいい。
    パートナーだけでなく、親子や友人間にも通じる結論だと思う。

  • 円城塔さんと田辺青蛙さんのご夫婦が、お互いに向けてオススメ本を紹介し、その本の感想をそれぞれに書く読書リレー(交換日記?)エッセイ。
    どんどん殺伐としていくのも面白いし、その点に自覚的なのも良い。なんとか離婚する前に連載が終了して良かった。
    単行本化に向けて書き足されたのであろう下の注釈も怖いような面白いような。オススメされている本、とりあえず読んでみたい本に登録してみた。

  • 実際には読み切ったわけでなく、恐怖新聞を
    奥様が勧めて、その感想までのところで断念。

    面白くなかったからではなく単に私が体調悪かった
    だけという事情。

    タイトルがセンセーショナルな割に
    文章は淡々としている。

    あまりこの本を読んだからって、紹介されてる
    本を読もうと言う気分にはならなかった。

    ああ、こういう本を手に取る方もいるのね
    という事実だけが淡々と積み上がる。

    脚注欄の双方へのツッコミが、さらっと
    書いてるようで、実際には毎日、こいつ
    ムカつくと本当は思っていそうで

    特に旦那さんは奥さんにイライラしているのか
    と感じることが多かった。

    どちらも相手と向き合うよりご自分と
    向き合う仕事同士、べったり一緒じゃ
    ないから別れないんだろうな…と。

    本当に離婚に至るような冷え方を読みたかった
    ならば肩透かしを食う。

    そもそも本当に別れるなら、こんな企画を
    立ち上げて仕事にしているわけもないのだから。

    程々の距離のとぼけた味わい、と思って読むには
    私には少々神経質かな。

  • 著者のお二人に興味のある人以外は読まないでください(笑)。

    読書に正しい読書なんてない。
    何を読んだって、どういう風に読んだっていい。

    ずーっと円城さんは奥さんにかわいい私を演出しようとしている。という
    突っ込みを入れるがことごとくスルー。

    お互いのわかってほしいところがずれていて
    それがずれたまま進む。
    そこがまたおかしみがあっていい。

    同じ世界を見ていますか?という質問をしてしまった時点で
    ある種こぼれ落ちるものがある。

    『夜中に犬に起こった奇妙な事件』のやり取りが
    そういう相容れないものを体現していて
    この先どうなるの?とはらはらしましたが
    あぁこれはデフォルメされた現実なんだと
    安心するやら、悲しいやら。

  • 円城塔さんは田辺青蛙さんと結婚されていたのですね、田辺青蛙さんの本は読んだことがなかったので、早速「モルテンおいしいです」を読み始めました。タイトルがステキ!と思ったら、円城塔さんがタイトルを考えたとのこと。おしどり夫婦という言葉が浮かびましたが、タイトルに離婚がついていてドキッとします。でも読んでみると仲よさそうでお互いをリスペクトしてて微笑ましいです。本を夫婦で勧め合うってケンカになりそうなギリギリな感じなんだけど、趣味が全く合わないってところが円満の秘訣なのかな。
    まだ続きが読みたいです!

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