ディレクターズ・カット

  • 166人登録
  • 3.23評価
    • (3)
    • (14)
    • (33)
    • (7)
    • (0)
  • 30レビュー
著者 : 歌野晶午
  • 幻冬舎 (2017年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031678

ディレクターズ・カットの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • +++
    テレビのワイド情報番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介された、若者たちが繰り返す無軌道、無分別な言動・行動が、じつは下請け番組制作会社の有能な突撃ディレクター仕込みのやらせだとわかったとき、無口で不器用かつネクラな若い美容師が殺人鬼へと変貌する。さらに視聴率アップを狙うディレクター自身が加速度的暴走を開始。静かなる殺人鬼は凶行を重ねる。警察の裏をかいて事件を収拾し、しかもそれを映像に収めようとするディレクターの思惑どおり生中継の現場に連続殺人鬼は現れるのか!? ラスト大大大どんでん返しの真実と、人間の業に、読者は慄然とし衝撃に言葉を失う!
    +++

    導入部は、若者たちのあまりにも無軌道で身勝手な振る舞いにうんざりさせられ、一瞬読むのを辞めようかと思わされるのだが、歌野作品はここであきらめてはいけないと思い直してさらに読み進める。次第に、彼らの振る舞いが、テレビ番組のためのやらせだとわかり、多少は腑に落ちる。この導入部と、その後とで、彼らの人格や言葉遣いが変わりすぎているのも、前者が演じていたからと捉えると、違和感も薄れるだろう。ここまでして他者を抜きたいのか、という思いと、連続殺人鬼となった川島輪生(もとき)の次の行動に対する興味でしばらくは読み進んだが、ラスト前になって、物語はがらりと様相を替え、息を呑むことになる。それまで起こっていた出来事の裏で、そんなことが行われていたのかと驚くとともに、腑に落ちる部分も多々あって、思わずため息が出る。しかし、それで終わりではなかったのだ。最後の最後にさらなる逆転が待ち構えており、その上さらに、予想外のからくりが種明かしされる。これぞまさにディレクターズ・カットではないか。裏切られる喜びを何度も味わえる一冊である。

  • 街の至るところに防犯カメラがあり、ほとんどの人が録画機能を持つ機器(スマホ・ケータイ)を持ち歩き、何かあればすぐさまネットにアップする今の時代、確かにここに書かれるような犯罪があっても、なんの不思議もないだろう。テレビ局による「やらせ」が絡んでくるところもうまい。さすが歌野晶午、決して読み心地がいいとは言えない話を、スピーディに展開して、どんどん読ませる。

    でもなー、歌野晶午なんだからついつい「葉桜」レベルの作品を期待しちゃう。ラストの説明が一発でスカッと決まらなくて、どうにももたつく感じ。いやまあ、あれと比べたらいけないんだろうけど。

  • 歌野の最近の長編の中ではダントツに面白かった、と言いたい。スリリングな展開でぐいぐい読めた。時代の流れにばっちり合っていて素晴らしい。万人受けするものではない、というのは、歌野作品ならもはや当然でしょう。帯の文句がだいぶ先のところまでネタバレしてしまっているので、帯を見ずに読み始めた方が絶対にいいと思います。

  • DQNキャラの描き方や終盤のサスペンスフルな誘拐劇、結構複雑な話なのにさらっと読めてしまえるところが印象的。最後までページを捲る手が止まりませんでした。
    ただ終盤のどんでん返しは設定を巧く活かしているものの、予測の範疇であるため不満が残りました。

  •  モラルのない若者たちの行動を特集するテレビ番組コーナー「明日なき暴走」。しかし実はこれはやらせであり、番組ディレクターの長谷見潤也が、楠木虎太郎たちにやらせたことだった。しかしファミレスでの撮影を終えた後、駐車場で1人になった虎太郎は何者かに刃物で襲われる。

    前半は常識と非常識の区別がつかない胸糞わるい“今ドキの若者”の描写が続き、後半はそれをメディアに載せる側の業界のいやらしさの描写が多数。こんな裏側ばかり描かれると、テレビってみんなこんななのかなぁと疑ってしまう(^^;

  • 文章、表現が若干だるいけど、最後のネタばれ、どんでん返しはまあまあかな

  • 2018/1/20

    胸糞悪い!!
    自己顕示欲を満たすために無秩序に振る舞い、法を犯す。
    気に食わない人間を殺していく孤独な美容師と、注目を浴びるためにやらせを厭わないテレビマン、そして無秩序な若者たち。
    歌野晶午作品だから、と気をつけながら読んでいたけどやっぱり驚かされる。

  • 103-12-7

  • 見る目のない店長、横柄な先輩、要領のいい同期。腐った連中が馴れ合って、田舎者の嫉妬で足を引っ張ってくる。職場に働き甲斐は全くない。憎しみだけがとぐろを巻いて充満している。すべてをネガティブにしか受け止められない異様にねじけた心根は、人生の道程におけるいくつもある選択肢を見誤らせ無間地獄のループに陥ることに。職場を針の筵にし、家庭を地獄の窯にしているのは自分自身の選択。自分を切り捨てた連中に一泡吹かせたい。どこまでいっても救いようのない動機。舌のざらつきは、ついぞとれなかった。

  • ちょっとコレは無理でした。
    気持ち悪い。
    不快。

全30件中 1 - 10件を表示

歌野晶午の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ディレクターズ・カットを本棚に登録しているひと

ツイートする