- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344031678
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
読んだには読んだけど、私的には印象に残らなかった。
-
テレビ番組のスクープの為にヤラセ映像を撮る若者達。日々傍若無人な行動を取っていたある日、一人が刃物で襲われる。映像を撮る事を指示していた長谷見に連絡が入り、ネットや警察よりも先に犯人に迫ろうとするが…。見事に犯人含め登場人物が全員自己中の駄目人間でそれぞれが勝手な思惑で動くので読んでてイライラする。でもそれがまた今時ありそうでネットやメディアが都合の良い部分しか見せない怖さもリアル。最後の仕掛けが歌野さんらしいしテーマに合ってると感じた。
-
4.0 初めての作者。前半、読み辛く感じページが進まなかったけど後半は一気読み。予想外の結末。良い意味で裏切られた感じ。
-
一応結末で話の構造は分かったけれど、文章だと伝わりづらいかな。映像だったならば、謎解き部分の「あそこがああなって」みたいなことがもうちょっと伝わりやすいかも。
-
+++
テレビのワイド情報番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介された、若者たちが繰り返す無軌道、無分別な言動・行動が、じつは下請け番組制作会社の有能な突撃ディレクター仕込みのやらせだとわかったとき、無口で不器用かつネクラな若い美容師が殺人鬼へと変貌する。さらに視聴率アップを狙うディレクター自身が加速度的暴走を開始。静かなる殺人鬼は凶行を重ねる。警察の裏をかいて事件を収拾し、しかもそれを映像に収めようとするディレクターの思惑どおり生中継の現場に連続殺人鬼は現れるのか!? ラスト大大大どんでん返しの真実と、人間の業に、読者は慄然とし衝撃に言葉を失う!
+++
導入部は、若者たちのあまりにも無軌道で身勝手な振る舞いにうんざりさせられ、一瞬読むのを辞めようかと思わされるのだが、歌野作品はここであきらめてはいけないと思い直してさらに読み進める。次第に、彼らの振る舞いが、テレビ番組のためのやらせだとわかり、多少は腑に落ちる。この導入部と、その後とで、彼らの人格や言葉遣いが変わりすぎているのも、前者が演じていたからと捉えると、違和感も薄れるだろう。ここまでして他者を抜きたいのか、という思いと、連続殺人鬼となった川島輪生(もとき)の次の行動に対する興味でしばらくは読み進んだが、ラスト前になって、物語はがらりと様相を替え、息を呑むことになる。それまで起こっていた出来事の裏で、そんなことが行われていたのかと驚くとともに、腑に落ちる部分も多々あって、思わずため息が出る。しかし、それで終わりではなかったのだ。最後の最後にさらなる逆転が待ち構えており、その上さらに、予想外のからくりが種明かしされる。これぞまさにディレクターズ・カットではないか。裏切られる喜びを何度も味わえる一冊である。 -
街の至るところに防犯カメラがあり、ほとんどの人が録画機能を持つ機器(スマホ・ケータイ)を持ち歩き、何かあればすぐさまネットにアップする今の時代、確かにここに書かれるような犯罪があっても、なんの不思議もないだろう。テレビ局による「やらせ」が絡んでくるところもうまい。さすが歌野晶午、決して読み心地がいいとは言えない話を、スピーディに展開して、どんどん読ませる。
でもなー、歌野晶午なんだからついつい「葉桜」レベルの作品を期待しちゃう。ラストの説明が一発でスカッと決まらなくて、どうにももたつく感じ。いやまあ、あれと比べたらいけないんだろうけど。 -
サラサラ〜っと読めて、そのまま終わってしまった感じ。読みやすくはあった!
-
短編かと思いきや、長編だった。
最後まで読んでやっぱり歌野晶午さんの作品が好きだと思った。
とにかく読みやすいのと、先が気になりすぎて、1日で読み切った。 -
荒々しくて暴力的な前半から、冷めたような鋭い後半への展開の仕方は驚きだった。
登場人物が多い割にはフォーカスされてるのが2.3人ていうのはちょっと残念。 -
うーん…
消化不良…
まず帯に問題があると思う。これくらいのオチなら、『大大大どんでん返し』とは言わないし、まぁまぁある程度想定内でしょ。どんでん返しの意味を履き違えて帯に書いたりすると、期待はずれ、ってなるから、もう少しよく考えて書けないものなのかな。
歌野晶午作品の中では、ちょっとイマイチかなぁ、でも、最後まで読ませるリーダビリティは健在。 -
記録
-
テレビディレクターの長谷見は、若者たちを使っての「明日なき暴走」というコーナーのやらせ映像によってかろうじて仕事をこなしていた。
その打ち上げをしている最中、若者たちはその悪態からある男に目をつけられてしまう。
ラストにどんでん返しがあるんだろうなあとは思っていたけど、これはたしかに予想はしていなかった。
テレビ業界のやらせって時々世間で話題になるけどそんなに問題なのかなあ。ドキュメンタリー系はやらせをしてはいけないと思うけど、それ以外はやらせだろうがそうじゃなかろうが、誰も傷つけることなく面白ければいいんじゃないかな。
なにかを厳しく弾圧すれば形はいびつになる典型な気がした。 -
暴力よりも暴力的で、流血よりも流血的
破壊よりも破壊的で、残酷よりも残酷的 -
清々しいほどのクズ
-
下請け制作会社のディレクター長谷見潤也。
学生の虎太郎と組んでヤラセ番組で人気を得るが、
長続きしない。
ひょんなことから、連速殺人事件の犯人と絡むことになる。
視聴率至上主義のテレビ業界の闇。 -
登場人物の思考、行動がなかなか自己中心的で、最初の章は読むのも辛く進まなかった。
章を進めるごとに、展開の進度が上がるので最後までは読めるのだが、、個人的にはちょっとモヤモヤするラストだった。