ディレクターズ・カット

著者 :
  • 幻冬舎
3.15
  • (5)
  • (34)
  • (79)
  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 364
感想 : 65
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031678

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりの歌野作品。
    若者たちの暴走の様子をよく報道番組で見かけるが、そのニュースソースは実は作られたものだった…
    最近はテレビだけでなく、ネットの動画などでも話題のために無謀なことを繰り返す若者が多いと言う社会現象を取り上げた作品だったので、読んでみたけど、冒頭から自分勝手な登場人物たちに終始イライラ。その黒幕である製作会社のディレクターも自分のエゴばかりで、若者以上に腹が立つ。
    同時に社会から淘汰された美容師見習いが、電車内で誤って人を刺してしまったことから、日ごろの鬱憤を晴らすように、次から次へと刺殺事件を起こしていく。
    動画を撮影する若者たちと刺殺事件の犯人の話をクロスしながら進んでいくのだが、展開にもかなり無理が…どんでん返しが得意な作家さんのイメージがあるが、今回はちょっとうまく行かなかった感じ。登場人物の誰にも共感が出来ず、後味が悪い作品だった。

  • 読んだには読んだけど、私的には印象に残らなかった。

  • テレビ番組のスクープの為にヤラセ映像を撮る若者達。日々傍若無人な行動を取っていたある日、一人が刃物で襲われる。映像を撮る事を指示していた長谷見に連絡が入り、ネットや警察よりも先に犯人に迫ろうとするが…。見事に犯人含め登場人物が全員自己中の駄目人間でそれぞれが勝手な思惑で動くので読んでてイライラする。でもそれがまた今時ありそうでネットやメディアが都合の良い部分しか見せない怖さもリアル。最後の仕掛けが歌野さんらしいしテーマに合ってると感じた。

  • 4.0 初めての作者。前半、読み辛く感じページが進まなかったけど後半は一気読み。予想外の結末。良い意味で裏切られた感じ。

  • 一応結末で話の構造は分かったけれど、文章だと伝わりづらいかな。映像だったならば、謎解き部分の「あそこがああなって」みたいなことがもうちょっと伝わりやすいかも。

  • +++
    テレビのワイド情報番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介された、若者たちが繰り返す無軌道、無分別な言動・行動が、じつは下請け番組制作会社の有能な突撃ディレクター仕込みのやらせだとわかったとき、無口で不器用かつネクラな若い美容師が殺人鬼へと変貌する。さらに視聴率アップを狙うディレクター自身が加速度的暴走を開始。静かなる殺人鬼は凶行を重ねる。警察の裏をかいて事件を収拾し、しかもそれを映像に収めようとするディレクターの思惑どおり生中継の現場に連続殺人鬼は現れるのか!? ラスト大大大どんでん返しの真実と、人間の業に、読者は慄然とし衝撃に言葉を失う!
    +++

    導入部は、若者たちのあまりにも無軌道で身勝手な振る舞いにうんざりさせられ、一瞬読むのを辞めようかと思わされるのだが、歌野作品はここであきらめてはいけないと思い直してさらに読み進める。次第に、彼らの振る舞いが、テレビ番組のためのやらせだとわかり、多少は腑に落ちる。この導入部と、その後とで、彼らの人格や言葉遣いが変わりすぎているのも、前者が演じていたからと捉えると、違和感も薄れるだろう。ここまでして他者を抜きたいのか、という思いと、連続殺人鬼となった川島輪生(もとき)の次の行動に対する興味でしばらくは読み進んだが、ラスト前になって、物語はがらりと様相を替え、息を呑むことになる。それまで起こっていた出来事の裏で、そんなことが行われていたのかと驚くとともに、腑に落ちる部分も多々あって、思わずため息が出る。しかし、それで終わりではなかったのだ。最後の最後にさらなる逆転が待ち構えており、その上さらに、予想外のからくりが種明かしされる。これぞまさにディレクターズ・カットではないか。裏切られる喜びを何度も味わえる一冊である。

  • 街の至るところに防犯カメラがあり、ほとんどの人が録画機能を持つ機器(スマホ・ケータイ)を持ち歩き、何かあればすぐさまネットにアップする今の時代、確かにここに書かれるような犯罪があっても、なんの不思議もないだろう。テレビ局による「やらせ」が絡んでくるところもうまい。さすが歌野晶午、決して読み心地がいいとは言えない話を、スピーディに展開して、どんどん読ませる。

    でもなー、歌野晶午なんだからついつい「葉桜」レベルの作品を期待しちゃう。ラストの説明が一発でスカッと決まらなくて、どうにももたつく感じ。いやまあ、あれと比べたらいけないんだろうけど。

  • テレビのワイド情報番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介された、若者たちが繰り返す無軌道、無分別な言動・行動が、じつは下請け番組制作会社の有能な突撃ディレクター仕込みのやらせだとわかったとき、無口で不器用かつネクラな若い美容師が殺人鬼へと変貌する。
    さらに視聴率アップを狙うディレクター自身が加速度的暴走を開始。
    静かなる殺人鬼は凶行を重ねる。
    警察の裏をかいて事件を収拾し、しかもそれを映像に収めようとするディレクターの思惑どおり生中継の現場に連続殺人鬼は現れるのか!?
    (アマゾンより引用)

  • サラサラ〜っと読めて、そのまま終わってしまった感じ。読みやすくはあった!

  • 短編かと思いきや、長編だった。
    最後まで読んでやっぱり歌野晶午さんの作品が好きだと思った。
    とにかく読みやすいのと、先が気になりすぎて、1日で読み切った。

  • 荒々しくて暴力的な前半から、冷めたような鋭い後半への展開の仕方は驚きだった。
    登場人物が多い割にはフォーカスされてるのが2.3人ていうのはちょっと残念。

  • 冒頭、息継ぎする間もないような言葉のつなぎ方になれなくて一瞬戸惑った

    長谷見があまりに自分勝手でちょっと引いてた
    最後どう落ち着けるのかなーと思って読み進めてたけど、どんでん返しに3回くらい驚かされてしまった

  • 面白かった。一気に読むにも ちょうどいいボリューム。

  • うーん…
    消化不良…
    まず帯に問題があると思う。これくらいのオチなら、『大大大どんでん返し』とは言わないし、まぁまぁある程度想定内でしょ。どんでん返しの意味を履き違えて帯に書いたりすると、期待はずれ、ってなるから、もう少しよく考えて書けないものなのかな。
    歌野晶午作品の中では、ちょっとイマイチかなぁ、でも、最後まで読ませるリーダビリティは健在。

  • 記録

  • テレビディレクターの長谷見は、若者たちを使っての「明日なき暴走」というコーナーのやらせ映像によってかろうじて仕事をこなしていた。
    その打ち上げをしている最中、若者たちはその悪態からある男に目をつけられてしまう。

    ラストにどんでん返しがあるんだろうなあとは思っていたけど、これはたしかに予想はしていなかった。
    テレビ業界のやらせって時々世間で話題になるけどそんなに問題なのかなあ。ドキュメンタリー系はやらせをしてはいけないと思うけど、それ以外はやらせだろうがそうじゃなかろうが、誰も傷つけることなく面白ければいいんじゃないかな。
    なにかを厳しく弾圧すれば形はいびつになる典型な気がした。

  • 暴力よりも暴力的で、流血よりも流血的
    破壊よりも破壊的で、残酷よりも残酷的

  • 清々しいほどのクズ

  • 下請け制作会社のディレクター長谷見潤也。
    学生の虎太郎と組んでヤラセ番組で人気を得るが、
    長続きしない。
    ひょんなことから、連速殺人事件の犯人と絡むことになる。
    視聴率至上主義のテレビ業界の闇。

  • 登場人物の思考、行動がなかなか自己中心的で、最初の章は読むのも辛く進まなかった。
    章を進めるごとに、展開の進度が上がるので最後までは読めるのだが、、個人的にはちょっとモヤモヤするラストだった。

全65件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

歌野晶午の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
東野 圭吾
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
東野 圭吾
今村 昌弘
東野 圭吾
恩田 陸
東野 圭吾
東野 圭吾
佐藤 正午
伊坂 幸太郎
近藤 史恵
今村 昌弘
米澤 穂信
呉 勝浩
夕木 春央
塩田 武士
伊坂 幸太郎
雫井 脩介
西 加奈子
柚月 裕子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×