生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031722

感想・レビュー・書評

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  • 日野原重明医師はあまりにも有名で、著書を手に取る時も何度かあったけれど、何となくとっつきにくくて読む気が起こらなかった。

    この本を読む直前に、伊坂幸太郎さんの『終末のフール』を読んだせいなのか、生きるのは苦労が尽きないけれど、救いは確かにあるんだなぁと心から感じる。

    日野原先生は本当に謙虚で言葉も選ばれているので、どんな年齢の方でも素直に読むことができると思います。

  • もう15年くらい前に朝日新聞のたしか週末版のコラムで知った日野原先生。当時ですでに97歳とかだった記憶です。鮮明に内容を覚えてるわけではなかったけど、亡くなったと知って少し寂しくなりました。

    この本を読んで日野原先生がクリスチャンだったことを改めて知ったけど、確かに考え方や発される言葉が聖書の言葉のように思いました。
    会ったこともないのに亡くなったあたりの記述では自然と涙が出ました。ご冥福をお祈りします。

  • 105歳で大往生を遂げられた日野原さんの遺作。
    「100歳になって、いかに自分が自分のことを知らないかがよく分かった。80歳くらいの自分が可愛く思えてくる」
    100歳まで生きないとわからないことですね。これは。

    よど号事件に乗客として乗り合わせていたという話も興味深い。
    ハイジャックという言葉を犯人も意味わからずに使っていて、ジョークを飛ばすと、一同大笑いになったという話があったけど、素晴らしいユーモアセンス。
    実際に介護されていたお嫁さんによると、ポジティブで、とても楽しい人であったらしい。
    賢い人は機嫌がいい。

  • 「人間は弱い。死ぬのは僕もこわいです。」105歳の医師、日野原重明氏が、死の直前まで語った、希望と感謝の対話20時間越。最後の力を振り絞り伝えたかった言葉とは。生涯現役、渾身最期の一冊。 「死ぬのは僕でも怖いんだよ。」だからこそ、朝起きて自分が生きていることが、心から嬉しい。105歳になっても尚、僕にはまだ自分でも知らない未知の自分がたくさんあると感じているのです。 今、最後の力を振り絞って私がしたいのは、あなたとの対話です。人生の中で、いつも私と共にあったのは言葉でした。 私が言葉によって支えられてきたように、迷い傷ついたあなたへ、私の最期の言葉を伝えたいのです。(本書より抜粋) 2017年7月18日この世を去られた日野原重明さん。2016年年末からはじまった本書のインタビューは、亡くなる直前まで、時にはベッドに横たわりながら20時間以上行われました。言葉を軸にしながら、死と生、病と健康、出会いと別れ等々、人生の深淵について語ります。 【本書の内容】 第1章 死は命の終わりではない 第2章 愛すること 第3章 ゆるすことは難しい 第4章 大切なことはすぐにはわからない 第5章 未知なる自分との出会い

  • 生きるということを考えさせられました。
    面白かったです!

  • 医師でありキリスト教徒である日野原重明氏が105歳、死を目前に対話を用いて遺された言葉。


    何かで紹介されていて読んでみました。
    日野原氏については存じ上げていないのですが、知らないながらにも徳のある方なんだろうなと感じられました。
    対話形式の文章の中にはいつも感謝の気持ちが滲み出していて、特に最期のほぼ編集されていない日野原氏自身の生身の言葉は、感謝の気持ちに溢れていました。死を目前にしてここまで慈愛に満ちた言葉を紡ぐことができるこの方が眩しくて仕方ありません。
    自分自身何歳まで生きるかは分からないけれど、もし明日にでも死んでしまうとして、こんな風に考え言葉にすることが出来るだろうかと思うと、とてもできないな、自分はまだまだだなと感じました。



  • 昨年、105歳で亡くなった聖路加国際病院の名誉院長の日野原先生。
    「生活習慣病」と言う呼び名を普及されたり、地下鉄サリン事件の時には、どの病院よりも患者を受け入れたなど、数々の偉業が残る方。その一方で第二次世界大戦を経験し、日本初のハイジャック事件「よど号事件」の被害者でもある、大変貴重な経験をした方と言う印象も強い。
    その日野原先生が病と闘いながらも、亡くなる寸前まで受けていたインタビューをまとめたのが、本書と聞いて、どうしても読んでみたくなった。
    自分はクリスチャンではないので、信仰的な部分はすんなり受け入れられないところもあるけれど、全体的に優しい人柄が伝わる一冊。号泣するほどではないけれど、読んでいて、心がじわじわ温かくなる感じがした。

  • 聖書の一節を引用しながら日野原先生の穏やかな人柄に触れることができる。
    読みやすい。

  • 友人にオススメ本を聞いたら、日野原氏の「十歳のきみへ」という本を紹介された。

    著者の日野原重明氏は、もと聖路加国際病院院長であり、その本を書かれた当時は95歳だった。95歳から10歳のこども達へのメッセージが綴られた本だ。

    さっそく図書館に予約を入れたが、1月に予約を入れて、6月末の今日現在いまだ順番待ちの状態だ。入れた当初で64人待ちだったので、「それほど皆が読みたい本なのか」と少し驚いた。

    その本と並行で、この「生きていくあなたへ」という本の存在も知り、一緒に予約しておいた。こちらは、サブタイトルが「105歳 どうしても遺したかった言葉」となっており、上記の本から10年後に出された本である。

    この本は、インタビュー形式で著者から取材し、その内容を編集して出版されたようだ。そのインタビューが行われたのが2017年の1月、そして日野原先生はその年の7月に105歳で人生を終えられた。従って、本書は日野原先生が後世の人々に残しておきたいと思われた言葉のエッセンス集と言えるかもしれない。

    平均寿命をはるかに超える105歳まで生きてこられたからといって、人と異なる経験を多くされているかと言えば、そんなことにはほとんど触れられていない。

    特別な体験としては、赤軍派による「よど号」ハイジャック事件に巻き込まれたことと、地下鉄サリン事件で被害にあった多くの人を聖路加病院に受け入れたことが書かれていたが、それらのエピソードも含めて、人が生きていく上での本質的なことについて、深みのある言葉で終始語られていた。

    著者の言葉で印象に残ったこと。
    著者は、80歳から自分自身の新たな発見を意識され、105歳まで毎日、新しい自身の発見を楽しんでこられた。「生まれ変わる」というのは死んでまた生まれるということでなく、「生きながらにして生まれ変わることができる」と。死ぬのは「古い自分が死ぬのだ」と語られていた。

    サンテグジュペリの「星の王子さま」から、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目にみえないんだよ」を引用され、目に見えないもの(例えば「愛」とか)の大切さを語られていた。

    命は、時間の中にある。つまり人のために自分の時間を使うことが命だと。命を使うと書いて「使命」と語られた。10歳の子どもや人々に言葉を遺そうされたことも、著者が「使命」と感じられていることだろうなと思う。

    ありのままでいるためには、「あるがまま」であること。苦しい現状があっても、それをそのまま受け入れた自分であること。そして「キープオンゴーイング」が、最後まで貫かれた著者の生き方のキーワードのように思う。

  • 105歳の医師の言葉には、さすがに説得力というか重みが違う。太平洋戦争を軍医として生き延びてきたんだから。

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著者プロフィール

1911年山口県生まれ。1937年京都帝国大学医学部卒業。1941年聖路加国際病院内科医となる。学校法人聖路加国際大学名誉理事長、聖路加国際病院名誉院長、一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長などを歴任。予防医学の重要性を指摘し、医学・看護教育の充実、ターミナル・ケア(終末期医療)の普及に尽力。2000年には「新老人の会」を結成。1999年文化功労者。2005年文化勲章受章。2010年には国際コルチャック協会名誉功労賞受賞。2017年7月18日逝去。

「2022年 『2023年版『生きかた上手手帳』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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