きっと誰かが祈ってる

  • 幻冬舎 (2017年9月21日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784344031760

感想・レビュー・書評

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  • ワケあって実母と暮らせないゼロ歳児から二歳児までを養育する乳児院で働く島本温子が初めて養育担当した子 名付け親までした"多喜"には格別の思いがいまだにある。
    そんな二人が主役の爽やか読後感な本でした♪ 良い養父母に出逢って幸せな暮らしを送っていた多喜だが交通事故で暗転し
    、どうしようもない義理叔母と暮らす羽目に。危機迫る多喜と、名乗れないけど救出したい温子の運命や如何に?! けっこう泣かされます。初めての作家さんでしたが「嫌われ松子の一生」の作家さんと聞いて納得(笑)

    • pさん
      文庫で読みました、私も泣かせれました。
      文庫で読みました、私も泣かせれました。
      2020/02/07
    • ありが亭めんべいさん
      pさん、ありがとうございます。嬉しいです♪
      pさん、ありがとうございます。嬉しいです♪
      2020/02/08
  • 何らかの「子ども」に関わる立場にいる人は、平生なキモチでは読めないかもしれない。
    願わくは、自分が関わったことで、誰かが少しでも救われてくれたならと思っている。そして、祈っている。

  • 涙がでました。
    最後の多喜がおおきく手を振るシーン。
    だいじょうぶあなたはしあわせになれる。ひとりじゃないと、新しい家族に引き取られ去っていく赤ちゃんに向けて、そして、自分自身にエールを送っている姿にぐっとくるものがありました。
    また、保育士さんの奮闘する姿をみながら、今の私よりもずっと若かった自分の母親の姿を想像し、なんとありがたいことかと涙がとまりませんでした。

    自分のもらった愛情を、私も周りの人に注いでいこうと無性に思える素敵な一冊。

  • 乳児院、双葉ハウスで働く保育士の島本温子。

    後輩、寺尾早月が初めてのマザーをつとめている、健一郎。里親が見つかり、双葉ハウスを出るときが近づく。愛情を注ぎすぎ、お互いにとって離れがたくなっている様子を見て、かつての自分がアドバイスされたことを伝える。
    「乳児院で過ごす子にとって、わたしたちとの関係は、その後の人間関係の原型になる。わたしたちが愛してあげれば、あの子たちの中で、自分は愛される存在だっていう自信が生まれる。そうすれば、あの子たちが大きくなったとき、人を愛することができるようになる。人として営んでいける。わたしたちは、この後何十年と続く、あの子たちの人生の土台を築くお手伝いをしてる。こんなに大切で、神聖な仕事が他にある?」

    そんなとき、初めてマザー(母親役)になり、温子が育てた多喜は、今どうしているのかと、ふと思う。
    ネットで調べたところ、なんと養親は3年前に事故死していた。

    その多喜を今の生活から救うため、温子は行動する。
    実際は、このようになる事は少ないとは思う。
    でもこんな保育士さんが活躍できる世の中であることを願う。
    多喜のその後が気になるが、温子が幸せを願い名付けた、喜びの多い人生になりますように。

  • 愛情…
    一人じゃないのっ

    心温まるお話でした。

  • 母性と、生きていくための土台を描いたおはなし。
    出来過ぎといえばそうかもしれないけど、終盤は泣きながら読んでしまった。

  • 無事に助け出されて良かった。

  • 乳児院、事情があって実の親と暮らせない赤ちゃんを保護し、守り育てる場所。保育士たちは赤ちゃんと一対一の関係を作り母親同然に向き合い、その子をいつくしむ
    けれど、自分の本当の子供ではもちろんない。いずれ実親や育ての親、次の施設の養育担当者のもとに巣立っていく
    精いっぱいの愛情を注いでも2歳までの記憶は残らず、保育士は忘れられてしまうのが現実。さみしさ、むなしさを感じる瞬間があるのも無理はない。
    けれど、その愛情は決して無駄ではない
    始めて温子が担当した多喜ちゃん。育ての親亡き後。虐待する叔母のもとで辛い生活を送っていた。ついに彼女に性被害の魔の手が伸びてきたとき、温子をはじめ関係者たちがピンチを救う。たとえ生みの親がいなくたって
    人には誰もがその人の幸せを祈ってくれている誰かの存在がある

  • 乳児院の保育士と、彼女が初めて担当し、退所し小学生になった「多喜」が主人公。
    教員の身としては、保育士の担当の子を思う気持ちが痛いほど分かり、保育士目線で読んだ。
    多喜のその後も気になるし、乳児院のその他のストーリーも知りたい!続編等ないかなぁ。
    山田宗樹の小説は、深く、読みやすく、やはりとても良いです。

  • 初読みの作家さん。

    この文章では、他の方々のレビューのようには、私は全く涙も感動も無かった。
    書き方が薄っぺらい。
    もしあの作家さんが書いたら、同じテーマでも全く違う作品になるだろうと思われる他の作家さんが何名か浮かぶ。

    そもそも乳児院の保育士さん達は、育てている子供達への言葉遣いが、本書登場人物の島本温子と寺尾早月のような乱暴な口調なのだろうか?
    読んでいてそこが嫌だった。
    本当に現場での言葉遣いが(わざとであっても)そうなのだろうか?
    彼女達の深い愛情が、この乱暴な言葉遣いによって台無しに感じてしまった。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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