吹上奇譚 第一話 ミミとこだち

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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本棚登録 : 425
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031852

作品紹介・あらすじ

その街では、死者も生き返る。現実を夢で見る「夢見」。そして屍人を自在に動かす「屍人使い」。二つの能力を私は持っている。吉本ばなながついに描いた渾身の哲学ホラー小説。書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 海と山に囲まれた孤島の吹上町に住んでいた二卵性の双子のミミとこだち。
    10数年前、交通事故で、父を亡くし、母は寝たきりの風土病の眠り病でずっと寝ています。
    そして、ある日、妹のこだちが行方不明になり、ミミは故郷の占い師を訪ね、こだちを探しに行きます。
    そこで、出会った人と家族の物語です。

    異世界のようなんだけれど、登場人物の会話が妙に現在っぽかったり、と不思議なお話しでした。
    吉本ばななさんは、デビュー作から全作品を拝読していた作家さんでしたが、『王国』シリーズから、雰囲気が変わった気がして、ずっと読んでいませんでした。
    このお話は、先にばななさんのかかれたあとがきを読んだら、『王国』シリーズに似ているそうで、最後まで読めるか心配でした。(ファンタジーは『ハリーポッター』くらいしか通読できてなくて)
    私は、ちょうど、ばななさんにお子さんがお生まれにになった前後(随分前です)ばななさんのHPで日記を毎日拝見させていただいていましたが、このお話はばななさんの経験されたことの集大成をファンタジーとして描かれたような感じがしました。
    ばななさんのあとがきにには「もしよかったら、このくせのある、不器用な人たちを心の友にしてあげてください。この人たちは私が創った人たちではなく、あの街で今日も生きているのです」と結ばれています。
    ご家族やお友達思いのばななさんらしいお話しだと思いました。

    • hiromida2さん
      まことさん 夜分遅くに失礼します。吉本ばななさんの作品は私も大好きで…(個人的には長編が特に好き)精神世界を描ける作家さんで いつも読んだら...
      まことさん 夜分遅くに失礼します。吉本ばななさんの作品は私も大好きで…(個人的には長編が特に好き)精神世界を描ける作家さんで いつも読んだら心洗われた気持ちになれた。以前は新刊が出る度に読んでましたが、私も ある時から しばらく ばななさんの本読んでなくて…まことさんのレビューみて また 読みたくなりました。読んでない本だし、また探して読もうと思います♪(o^-^)ゞ
      2019/06/20
  • 不思議な町の、不思議な家系に生まれついた姉妹のお話。
    ふわふわと、思想と現実の境を行ったり来たりしながら進むお話に、急いで読んでるとその世界を見落としてしまいそうになりました。ゆっくりと、その世界観にどっぷり使って読み進みたい本でした。

  • ホラー、ファンタジーというけれど、しっかり吉本ばななワールド。 眠り病の母を連れ戻しに行った妹を探すミミ。不思議な占い師に導かれて、墓守くんや勇くんに出会う。この世界も出てくる人もみんな不思議。選ばれし人々が集う物語…のも否めないが。前半は読みづらい気もした。

  • ファンタジー…というか、「私の知らないだけで、そんな日常は存在してるかも」という、現実の延長線上にありそうな物語でした。
    当たり前が幸せと気付いて、そこから景色がキラキラしだす。いつもそう思えればいいけど、そして初めからそう思えればいいけど、そんなに良くできてないから、回り道をたくさんする。その回り道が、とても大切な準備期間になって、当たり前のキラキラが姿を表す。
    歳を重ねるごとに、鎧をたくさんまとってしまって、「本当」を見ずに鈍感になっている私だけれど、回り道から戻って、キラキラを感じられる人でありたい。

  • もしかしたら、どこかに本当にこんな町があって、ミミやこだちが住んでいるのかも。
    ばななさんの文体に慣れてくると、自然とそう思える。
    物語としてはまだまだ導入部のようで、続きがとても気になる。

    無条件に誰かの事を必要と思えるって、素敵だな。
    その為になりふり構わず行動できるこだちも、
    一つ一つ自分で納得して進んでいくミミも、愛おしいと思う。
    現実の自分がそうではないから余計に。

  • 思えば、吉本ばななさんの本とともに生きてきたこと十数年。
    苦しいことや悲しいことは必ず起こるから、それ以外はなるべく明るくありたい、とどこかで書いてあって、本当にそうだなあと思った。
    私の中には、色んなところにばななイズムが紛れている。
    いつもいつも、どこかの作品の、どこかの言葉に救われる。

    次の作品もゆっくり待ちたい。


  • 久しぶりに手にとった吉本ばなな。ファンタジーだけれど、ファンタジーと現実の境目のぎりぎりあちら側くらい。非現実も、悲劇も、哀しみも、薄暗い部分も、不可思議も、恐怖も、そういう色んなものが心地よく流れてゆく。全く違うけれど「つぐみ」を思い出すような、チクチクする感じも好き。暖かい気持ちになれた。続きが、読みたい。

  • 夜にカバーを外して電気を消してごらんください。 驚きの世界がそこに現れます。

  • 表紙の魅力に逆らえず、購入。
    きれいに固められた、透明でいて、少し灰色がかった景色。
    妹はクールで情熱的で決断力がすごい。
    この子はけして後悔などしないのだろう。
    姉はいかにも長女だが、前進をはじめると強い。さばけた感じが羨ましい。
    そして母はこの子達の母だし、父も父らしい。
    何だか不穏な影がうろうろしてるけど、それがこの町の日常なのだろう。
    大きな事件性と大冒険に繋がりそうな仰仰しいネタだが、日常じみているのがむしろすごい。

    確かに、読んでいて、いまほしかったフレーズがいくつもちりばめられているのを感じた。
    勇気が出た。

    ※表紙をめくって本体の装丁は、蓄光の上暗き場所へ持っていくとタイトルが微光を放つ。

  • 不思議な話。私は後書きでぐっときた。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。

「2020年 『BANANA DIARY 2021-2022 力をくれるもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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