- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344031937
作品紹介・あらすじ
ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。
感想・レビュー・書評
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「ツバキ文具店」の続編。
前作では、祖母に厳しく育てられた思い出、祖母を亡くし一人で生きていく、たくましく凛とした鳩子の姿が描かれていたが、本作では結婚し家族ができたことで、一人の食事を味気なく感じたりするなど、もう孤独な生活には戻りたくない、という鳩子の気持ちがひしひしと伝わってきました。
母親になったことで、絶対祖母と同じような育児はしないと思いつつも、折々で祖母を思い出し、祖母はきっとこんな気持ちだったんだろうなぁ、と今初めて気付いたり‥‥旦那さんと思いっきり夫婦喧嘩をしてみたり‥‥なんだか、本作では鳩子の人間らしいところがたくさん見られて可愛らしかったです。
全編を通して、死を意識する場面が多く描かれていました。大切な人が死んでしまっても、残された者が、ふと思い出す限り私たちの中に生き続けているんだと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本、「ツバキ文具店」の続編だったんですね…
読む順番間違えた。
依頼者が書けない手紙をなりかわって書く代書屋さんの話。鎌倉らしいすこし歪んだというか、澱んだというか、どことなくまったりした時間の中で物語は進む。
読む側もゆったり読むのが良い。決して速読などしてはいけない。
鳩子さんとミツローさんの連れ子QPちゃんの関係は、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を彷彿させる(出版された順番で行くと、「キラキラ共和国」の方が先だけど…)。こういうの読むと無条件に心があたたかくなる。
あと、鳩子さんの書く手紙が、これまた優しくて心に響く。大切な人へ手紙を書きたくなったらお手本にするとよい。
「ツバキ文具店」も読まないと…
そんで、「キラキラ」も再度読みたくなるんだろうな。 -
そもそも、順番が逆なのだが、「ツバキ文具店」を読む前にこちらから先に読んでしまった(-_-)
鎌倉には以前から行きたいと思っているのだが、残念ながらまだ一度も訪れたことがない。
なので、見開きページに「鎌倉案内図」として、本作で登場するお店や社寺などが手書きの地図で記されており(もちろんツバキ文具店も)、これを見ているだけで楽しい。
それに本作で例えば「八幡様を背にし、段葛を海の方に向かって歩いている」と書かれていても、恐れることなかれ!この地図を見ながら「なるほど」という感じで、情景を正確に理解することができる。
読んでいる間、何度もこの地図を開いては、「ここからここを」とか、「この辺を歩いていた」とか理解の確認として、役に立った。
鎌倉のお友達が、定期的に缶入り鳩サブレーを送ってくれるのだが、なぜ『クルミッ子』好きのオーラを出している私に『クルミッ子』ではなく、『鳩サブレー』なのかとずっと不思議であった。しかし、鎌倉の人にはあの『クルミッ子』よりも『鳩サブレー』の方が、鎌倉らしいのかとか、今にしてようやくわかり、お友達の心に感謝することができた。
そして今まで、『鳩サブレ』と思っていたが、何と!『鳩サブレー』だったとか、鳩サブレーは鳩三郎から始まったとか、日常で使えそうな小ネタまで知ることができて、別の意味で楽しかった。
小ネタ入手情報はさておき、本作は「ツバキ文具店」の続編。鎌倉で「ツバキ文具店」を先代から譲り受けた主人公・鳩子は「代書屋」として依頼者の気持ちを代筆する業を営んでいる。
カフェを経営するミツローさんと娘・QPちゃんの小学校入学の日に入籍し雨宮鳩子から守景鳩子という名前に変わるところから始まる。
ミツローさんとは、しばらくは週末婚の生活で日々代書の仕事にも追われている鳩子であった。やってくる依頼は、離婚の要望、お金の返済の要求、そして亡き夫からの手紙や川端康成としての手紙の依頼などの手紙の代書依頼がくる。そんな人たちの気持ちを考えながら鳩子なりに依頼者と受け取り側の人に対して敬意を持ち、誠実な対応を行う。家族と豊かで暖か時間を過ごす。
本作の各章は食べ物がタイトルとなっていたり、本文中にも、ニコニコパンやスーラタンメン、鯛焼き、豆乳プリンなど食べ物の登場回数が高い。
人の体は食によって作られている。美味しいものを食べることで、人は幸せになるということを作者が伝えていることは明らかである。それは以前読んだ「つるかめ助産院」でも、感じた。そんな作者の想いは私の中で『自然』と一体化する。小川糸先生の作品の世界で感じる温かさはこんなところからきているのでないかと思う。
そう考えると、今回も文章はとても素直で自然だ。
本作のタイトルにもなっている「キラキラ」。バーバラ婦人が教えてくれたキラキラの法則は実はおまじないなのだが、大人になって、こんな可愛いおまじないを事もなげに伝えることができる登場人物さえも温かい。
そして最後に、改めて言いたい。こんな途轍もなく心が癒される小説が書ける作者が素敵だ。
追伸: コロナが落ち着いたら、この「鎌倉案内図」を手に鎌倉に行きたい。-
kurumicookiesさん、こんにちは(^^♪
遅ればせながら、フォローして下さりありがとうございます。
この本を読まれた方は、なぜ...kurumicookiesさん、こんにちは(^^♪
遅ればせながら、フォローして下さりありがとうございます。
この本を読まれた方は、なぜか鎌倉に憧れるようですね。
はい、そこにおりますのでいつでもご用命くださいませ(*^-^*)
小説を一切読まないので、なかなか皆さんの読書の参考になるようなレビューをあげられません。
でも好みなので、仕方がないと諦めてくださいね・笑
今後ともよろしくお願いします。2020/08/09 -
nejidonさま、フォローありがとうございます。そして、コメントまでいただき恐縮です(≧∇≦)
鎌倉に行く際は是非、情報をいただきたく宜...nejidonさま、フォローありがとうございます。そして、コメントまでいただき恐縮です(≧∇≦)
鎌倉に行く際は是非、情報をいただきたく宜しくお願いします!
小説以外の本でも興味があるのは沢山あり、nejidon様の本棚を参考にさせていただいております。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
コメントの返信のうまくいかないので、もし届いていなかったら、大変ご無礼いたします。2020/08/09
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みなさんは本を読むスピード如何ほどのものでしょう?
自分はかなり早い方だと思います
もうどんどん読み進めちゃいます
たまにメモを取りながらゆっくり噛み締めながら読むのが楽しいという方がいますがちょっともう自分には無理です
ゆっくり読書を否定してるわけではありませんよ!それぞれに楽しみ方は違っていいんです
ただなんとなくですが面白い作品と出会った時に早く読む派の人はより早く、ゆっくり読む派の人はよりゆっくりになるような気がします
自分の思い込みかもしれませんがね
んで、それで言うと本作『キラキラ共和国』はちょっと時間かかっちゃいました
ということはいまいちって思ったんだろうな〜と
その時々の精神状態にもよるのかもしれないんですが
なんか小川糸さんとケンカしちゃったな〜って感じです
ふんわりほんわかを感じてほしいからゆっくり読んでね〜って文章なんです(と感じた)
でも自分はいやいや大丈夫だって、どんどん読み進めても俺はちゃんとほんわか感じ取れるから!
でもそんな急ぎ足の自分を両手で抑えて、ダメダメ!せっかくだからもっとじっくりこの世界に浸って!鎌倉を感じて!ってブレーキかけられてるような…
なんかそんな感じしちゃったんですよね〜
実際の小川糸さんはそれこそ好きに読んでねっ仰っしゃりそうですけどw
(うん、これ多分誰にも伝わらないな) -
ツバキ文具店の続編。
普通続編は、それ単独で読んでも大抵内容が分かるように構成されるものだが、この本はツバキ文具店を読んでいないと、登場人物も背景も想像しづらいのではないかな?
是非ツバキ文具店から読んで頂きたい(*^▽^*)
相変わらず、ほんわか、美しいストーリー。
自信を持って子供達にも読むことをお勧めできる本。
短調なのに、どこかほんわか、とても温かみのあるストーリー。
お手紙がメインだが、私は彼女が作るお料理に心和ませて頂いている。
今の忙しい世の中から、少し離れることができるからなのか?おばあちゃんの味だからなのか?
素敵なキッチンだなぁと思う。 -
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小川糸さんの、このシリーズを読むと、鎌倉に行ってみたくなります。行ったことはないですが、鎌倉ってちょっと、京都に似ている所のような気がします...小川糸さんの、このシリーズを読むと、鎌倉に行ってみたくなります。行ったことはないですが、鎌倉ってちょっと、京都に似ている所のような気がします(^^♪2019/05/12
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就活の面接で「1番大切にしていること、こだわりはありますか」という質問に、
「文字を綺麗に書くことです」と答えた自分に
変化をもたらせてくれた本。
綺麗なだけが相手への敬意を伝えられる技術じゃない。
どれだけ相手への思いを込めて書くか、ということ。
糸さんの紡ぐ言葉が本当に好きです。 -
ドロドロしたイヤミスも、あっと驚くどんでん返しミステリも、スカッとさわやかな青春小説も、どれも好きですけど、やはり読み終わった後にほっと肩の力が抜けるような、心の温度が一度上がるような、そんな優しい小説がいちばん好きです。
『ツバキ文具店』を読み終わってからも自分の中にずっと住んでいるぽっぽちゃんたちとNHKのドラマでまた出会えたことがうれしくて仕方がありませんでした。終わった時のあの喪失感たるや。
そして、今度は新しい一歩を踏み出したぽっぽちゃんたちとの再会がかなうなんて!
今回は代書のおはなしたちよりも彼女たちの人生の変化の大きさに驚いたり喜んだりわくわくしたり、そして哀しくなったり…なんていうか、とても穏やかにゆっくりと走るジェットコースターに振り回されるような、そんな楽しみに満ちていました。
ぽっぽちゃんの心が安定してきたから、舞い込んでくる代書のおねがいも心優しいモノになっているのかもしれませんね。
それにしても人生って本当にどんな風に転がるかわからないものですね。彼女たちをみているとそう思います。
ある日、偶然の出会いで人生が変わっていく。そしていくつもの選択の結果、私たちの人生はのぼったりおりたり曲がったり戻ったりしているのですね。だから面白い。
読み終わるのがいやで、後半は一日一章ずつ読んでいきました。なんていうか、気分はご近所さんなんですよ、明日、水色の便せんを買いに行かなきゃ、なんて思ったり。
願わくば、誰もが笑顔で明日も過ごせますように、と、ただただそれだけ -
『キラキラ共和国』読了。
前作の『ツバキ文具店』も面白かったけど、今回は読んでいるうちに心の体温が一度上昇したような感じのホッコリするお話が散らばっていた。
鳩子のゆっくりと家族を作っていこうとする過程がよかったな〜
読んでいるうちに未来に希望を抱きはじめている自分に気づいた。
それくらい、なんていうか、大変かもだけど、そう遠くない未来に幸せが待っていると思えるような話の内容でした。
すごくワクワクしながら読んだよね。面白かったな〜
私、あまり小川糸さんの作品を読む機会がない方なんだけど、よかったな…続編があると嬉しいかも。レディ・ババとかその後どうなったんだろうってめちゃくちゃ気になる。。。
2021.11.1(1回目)
著者プロフィール
小川糸の作品






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