お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 幻冬舎 (2017年11月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344032156
感想・レビュー・書評
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面白かったです。新たな言葉の勉強にもなる。言葉の意味を検索しながら読みました。
ブロックチェーン、何なのと思っていたけど、その仕組みによって様々なものが中央集権的ではなくなるんだなと理解できた。
個人的には、第四章お金から解放される生き方が納得、様々な仕組みが整い、お金を稼ぐという観点がなくなると、目的•意義が価値を持つ。
最近、出会った人からもそんなことを感じ納得詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今来ている価値主義に関してわかりやすく書いてある。有用性、内面性、社会性。トークンエコノミー。
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良い本!
お金が入口だけど、常識を疑い続けること、本質に辿り着くための愚直な積み重ねの重要性まで学べる。 -
お金や経済についての認識を深めたい人にオススメの本。
前半は資本主義経済のメタ的な理解(根本にあるシステムの提示)を、後半は価値主義という新たな考え方を説明している。
SNSや仮想通貨などによってお金でカバーできないところの価値を拾い上げることができる、という発想は目から鱗だった。
個人的には、世の中の仕組みについての理解を深めることができたので満足のいく一冊であると感じた。 -
現代社会はお金に囚われている印象があったが、それはお金が本来の生まれた意義(物々交換するときの効率化)が資本主義の発展によって乖離していき、1人歩きした結果だと本を通じて感じた。
そんな中で、今後テクノロジーの発展により資本主義から価値主義に変わるという見解は目からウロコな考えだった。お金の有用性の価値に縛られず、自分の内面的・社会的価値を高める必要性があると感じさせられ本。 -
『お金を増やすよりも、自分の価値を高めることが大事』
■読了時間 2時間25分
■この本をオススメする人
・お金から解放された生き方を学びたい方
・デジタルネイティブ世代の若い方
■感想
メタップスというIT企業の社長である著者の書いた、経済とお金の価値の変化について書かれた一冊。仮想通貨などのフィンテックの知識がゼロベースの方には、著者の思考を理解するには少し読書難易度が高いかもしれません。
フィアット通貨以外にも、ビットコインなどの多種多様のトークンが発行され、お金のカタチが変わっていることと、評価経済への移行により人々が価値を見出す対象が過去とは変わっているという話が中心です。お金の流れが昔とは変わっているので、知識をアップデートしておくことは重要だと感じました。
著者の会社では、時間に価値をつける「タイムバンク」という事業をしていました。残念ながら2021年現在ではサービスの内容が変化しており、色々と社会実験中のようですが、金額価値のなかったものに価値をつける柔軟な発想で、とても面白い試みであると思います。
キングコングの西野亮廣さんの本でも「人気と認知度は違う」という話がありましたが、著書の中でも同じような話があります。お金は「価値の尺度を図るツール」。お金を稼ぐことが目的ではなく、自分の価値や提供するサービスの価値をあげれば、後からお金はついてくるという原理原則を肝に銘じておきたいと思います。 -
ころっと概念を書き換えられてしまうような話。テクノロジーによって社会的な価値や信用がある人間が強くなる社会になる。他人の模倣ではなく、自分の好きなこと得意なことで生きていくほうが価値を生み出しそれが資産になる。
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お金のためではなく自分の価値を上げるために働く。
顧客の内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなる。 -
3年ぶりに改めて読んでみたが、忘れていた概念や視点が多く出てきたのでメモ
出版直後に仮想通貨バブルは弾け、VALUは終了し、タイムバンクもよくわからんアプリに変貌してしまったみたいだが…
◆未来を決める3つのベクトル
金、感情、技術
◆お金について
・そもそもお金とは?
最初は物々交換の不便さを補う手段
→次第にお金そのものが目的となり、証券などができてからは独り歩き
・国の中央銀行という考え方はここ150年くらいのもので、それ以前は各銀行が勝手に通貨を発行
→仮想通貨と同じ
◆経済について
・本能、金銭、承認、三つの欲望のネットワーク
・心理的に人は、すでに多くの人に支持されているものを買う(その方が失敗が少ないから)
→さらにその商品が売れるというサイクル
→自然に経済格差は発生してしまう
・経済システムやサービス発展の5つの要素
①インセンティブ…金や承認
②リアルタイム…常に状況が変化
③不確実性…運と実力の両方
④ヒエラルキー…指標や自己の立ち位置
⑤コミュニケーション
・上に加え、持続のための2つの要素
①寿命…淀みを防ぎ、次のサービスへ繋げる
②共同幻想…価値観に共感していれば失敗も許容
・これらは自然の法則と似ている
→というより経済は自然と同じルール、普遍的な要素
→そのため、共産主義などの自然に反する?システムは持続しない
★テクノロジー
・これまでの中央集権化に対し、分散化がトレンド
ハブの存在を必要としない(自然と同じ)
→その延長でシェアリングエコノミー、トークンエコノミー、評価経済などが発達
・シェアリングエコノミー
Uber、エアビー、メルカリなどは、企業はただシステムが円滑に回るよう設計している黒子にすぎない
・トークンエコノミー
参加者が経済圏の改善や維持に努めるようなインセンティブ設計となっているので、ハブがないのに上手く回る
→代表であるビットコインは、経済圏を誰かが支配しようとしたりして皆がシラけると、フォークという選択肢が用意されている
→こうした「自律分散」が今後のカギではないだろうか
無人コンビニ、無人ヘッジファンド
・今後は個人が安価で、自律分散の仕組みや経済圏自体を作れるようになるのではないか
→歴史を振り返ると、印刷術の発明により書物が普及、さらにネットの登場で知識が完全に民主化
→これからは経済も民主化、お金そのものよりもどのように経済圏を作って上手く回していくかのノウハウが重要
★価値主義
・資本主義の限界、実態とかけ離れすぎて起きたリーマンショック
→じつは実体経済(消費経済)は全体の1割、金融経済(資産経済)が9割
資産経済はどんどん膨らんでおり、投資先を探してさまよっている状況
・資産として認識されていない「価値」への揺り戻し
→お金は価値を媒介する唯一の手段だったが、テクノロジーのおかげで他の選択肢が生まれてきている
フォロワー数などの注目度、社員の満足度、データ
・価値の種類
①有用性としての価値(役に立つか)
②内面的な価値(個人の感情)
③社会的な価値(慈善活動)
→資本主義では①のみを評価として認識してきた
しかし、②③を無視するとうまくいかない
→テクノロジーによって②③も数値やデータ化できるようになった、いいね数や閲覧数など
・評価経済の問題点
評価経済においても、資本主義のように価値が雪だるま式に増えていく
→しかし現在認識されている評価は「信用」ではなく、「興味」「関心」に過ぎず、アクセス数やフォロワー数はそのあたりが混同されている
→炎上商法は資本主義における詐欺や強要のように、手段を問わない利益の追求により他の価値を毀損している
・マネーキャピタル(金融資本)に対してソーシャルキャピタル(社会関係資本)
社会的なネットワークを資本と捉えることで、営利と非営利の境界が消える
→価値主義では経済活動に公益性が求められ、政治活動には持続可能性が求められるようになるため、政治と経済の境界も消える
ソーシャルビジネスや、企業が展開するベーシックインカム的なやつも増えるかも
・既存の経済と新しい経済は併存し得る
選べるし、複数に所属することで安心
→タイムバンク
時間は通貨と異なり「自然と減っていく」ので、経済のアンカーとすることは新陳代謝の面から優れている
→VALU
個人の価値をトレードできる
★お金からの解放
・人生の意義を持つことが価値
ミレニアル以前の世代は、衣食住など足りないものを埋めるために頑張る
→ミレニアル以降は満たされているので、意義や目的が必要、マズローの5段階
・儲かることよりも、情熱を傾けられること
→テクノロジーにより、内面的な価値も可視化できるようになってきた
→熱中できることに取り組み、お金ではなく個人の価値を上げるために働くべき -
経済を成り立たせる要素を抽出し、今成功しているサービスや社会システムを紐解いていく過程が面白かった。「価値主義」という視点から、現在広まりつつあるシェアリングエコノミーや仮想通貨経済、YouTuberなどの社会活動を紐解いていくのは大変納得感があった。「自身の価値を上げることを目標にする」や「資本価値以外の価値を捨てないようバランスを取る」など、今の社会で主流になりつつある成功の理想像のようなものがわかりやすく描かれている。
一方で、ビットコインやAI、VRなどの先端技術について、その理想的な側面のみを切り取りって今後の世界を夢想する箇所があり、そこは「夢を見過ぎ」と言いたくなる。もちろん著者が言うように、新しい技術が出たばかりの頃は懐疑的な視点で溢れるということがあるのは認めるが、実際にそれら技術に携わっている身からすると、やや楽観的過ぎと言わざるを得ない。その辺はいったん眉唾物として置いておいて、社会における「価値」とは何か、成功する経済の仕組みにはどんな要素があるのか、といった点に着目して読むと面白いと思う。 -
それなりに面白い。どちらかと言えば理系の本かな。
日本人はお金に関して学ぶという事がほとんどないので
この本は目からウロコ、みたいな人も多いと思います。
そして読んだ人はビットコインに走るかもしれませんね。
著者はお金をツールとしか考えていませんが
読者は一攫千金を狙う人が多いような気もします。
気に入った一言
人間の心は放っておくとすぐサビる -
お金そのもののことよりも、ブロックチェーンなど新しい経済システムが出てきたことにつなげて、新しい価値観、人生に意義を持つこと、内面の価値観を語った本
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お金はあくまで交換価値のためのものであるというところが一貫していて、そのうえで、現代だからこそできる、交換価値を表現するためのお金の在り方の示唆としておもしろかった。
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広範囲に渡る内容で、頭の中で内容を整理するにはもう一回読んだ方が良さそう。
今の時点でなんとなく掴んだことは、
私たちの中で比較的お金は優先順位が高くて、例えば就職先や結婚相手を決めるときに、「お金が稼げるか」ということはかなり重要な基準になる。
なぜなら、まずお金がないと生きていけないし、世の中のみんなが「お金がある=価値があることだよね」って思っているから。
お金が優先度高い世界を作ったのは、資本主義で、人々も物質的に満たされていなかったから、頑張って競争に勝てば、たくさん報酬が得られるということがモチベーションになったし、それによって社会も発展した。だからお金の優先度が高い世界が人々の価値観とマッチしていた。
でも社会は発展し、制度が整い、それなりに生存できて、物質的にも満たされる世の中になっていき、人々の価値観が変化した。
そこにインターネットの登場。個人と個人のやりとりが活発化することで、一部の権威ある人々が一方的に価値を提供するだけではなくなった。
そうすると、国家の支配下以外の場所で新しい経済圏が登場してくる。例えばビットコイン。多くの個人が価値を認めれば新しい経済圏は大きくなり、一部の人が富を独占しようとすると、それに反対する勢力が生まれる。支配者のいない自然界と同じように、自動的にバランスを取るようになっていく。
新しい経済圏では、必ずしもお金=価値があることではなくなる。フォロワーやいいねの数など、お金の有無とは別に、その経済圏で価値と思われることがあれば、お金に変換することができるようになっていく。(クラウドファンディングみたいに。価値が認められればお金が集まる)そもそもお金自体が価値ではなくて、お金は価値を見える化するためのツールなだけだから。
ということで、人々がそれなりに満たされ、インターネットが発達した結果、価値の分散化が進むから、お金=価値の時代は終わっていくだろうし、これからはお金基準で考えるんじゃなくて、価値のあることをやることが大事。
しかも価値は複数並存していくであろう経済圏によって異なるので、その人その人によって異なるものになる。だから自分が一番熱中できることを頑張っるのが成功するための近道。
絶対的な価値基準があることは分かりやすいけど、
そもそも人間は多様なんだから、マッチしない人が出てきてしまう。でもAという経済圏でマッチしなくてもBという経済圏では輝けるかもしれない。
自然界には強くて大きい生物だけじゃなくて、弱くて小さい生物だって生きている。ただ活躍しているフィールドが違うだけ。
だから人間も同じで、価値基準がお金だけじゃなくなることは自然の流れだし、自然の流れには逆らえないし、自然の流れに適応していける人が生き残れる。結局自然界のシステムと一緒。
常に変化している世の中に適応していかなきゃなあと思うけど、どんどん複雑化していくだろうから、最新情報をキャッチアップし続けなきゃいけないし、なにが価値あることかを考え続けなきゃいけないと思った。
だから完成することはないし、それが生残るってことなんだね。 -
お金の正体を知る手がかりとなる本になった。
とはいえ染みついた価値観がそう簡単に変わることなどなく、資本主義経済にちょろまかされて手段が目的化してないか、常に自問自答していきたい。 -
目からウロコの情報ばかりだが、一例をば。
「経済」とは「物事を上手く回すシステム」である。 -
気づき
・貨幣はただの道具。貨幣は誰もが作れるものになる。
・パレートの法則(2:8の法則)
・貨幣(資産)を持つよりも、個人の価値を持つ方が重視されるようになるのではないか→
何かに熱中できる人がお金持ちになる!
ToDo
・なにか不都合があったら「仕組み(システム)」を見直すべき!行動だけを追ってはダメだ
・仕事において、常に自分がいなくなっても動く仕組みを作っておく
・『今の仕事は自分の価値をあげてくれているか?』と自問自答し続ける
イギリスの作家ダグラス・アダムス
「人間は、自分が生まれた時にすでに存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる」 -
お金や色々な価値に関する本です。
民主主義から価値主義へと変化するであろう今後の世界において、何が重要なのかを学ぶことができました。 -
自分の価値を上げるために働く。
ここはとても共感。
誰かになるんじゃない、個性やスタイルを追求していくことが価値を高める。富としてのお金はそれほど重要ではない、ミレニアル世代としては心が満たされるかも価値である。 -
# 書評☆2 お金2.0 | 発展する経済システムの5の要素とは?
## 概要
- 書名: お金2.0
- 副題: 新しい経済のルールと生き方
- 著者: 佐藤 航陽
- 出版日: 2017-11-30
- 読了日: 2019-10-07 Mon
- 評価: ☆2
- パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/25/
## 評価
株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤 航陽により書かれたお金に関する本となっている。
書籍の内容は,冒頭に記載ある通り,お金を取り巻く世界の著者の捉え方・考え方・見聞をまとめたものとなっている。
2018年半ば頃に電車内広告で大きく取り上げられており,気になっていた。図書館でも人気の本で,借りるまで半年くらいかかってしまった。前評判・話題性が高かっただけに,中身に期待していた。
しかし,期待や話題だけが先走っていて,肝心の中身は普通だった。既に書いた通り,*あくまで著者のお金に対する見聞をまとめたもの*だ。書名がお金2.0とややだいそれたものになっているが,何か目新しいことが書かれているわけではなく,既に世の中で普及しつつあるような経済システムについて著者の考えが書かれているだけだ。
p. 28あたりに記載があるが,書名の「お金2.0」はFintech1.0とFintech2.0から来ている。1.0は従来の金融の概念に基づいたもの,既存の技術を活用したり効率化したものだ。具体的には,ロボアドバイサー,スマホ決済,クラウドファンディングなど。一方,2.0は1.0とは全く異なり,既存の仕組みを無視して新しく構築されたものだ。仮想通貨,シェアリングエコノミー,評価経済などが該当する。
読み物として普通だった。ただ,前評判が高かっただけに残念だった。
## 引用
> ### p. 50 発展する「経済システム」の5つの要素
> 「経済システム」は、大前提として自己発展的に拡大してくいような仕組みである必要があります。
>
> 誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みでは長くは続きません。
> ___
> この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。
>
> ①インセンティブ、②リアルタイム、③不確実性、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション、の5つです。
> ___
> 現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M (設けたい・モテたい・認められたい) の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすいです。
発展する経済システムの特徴がまとめられていた。たしかに,発展しているサービスはこれらの要素を満たしているように感じた。
## 結論
電車内広告で長く大きく取り上げられており,Amazon.co.jpや図書館の予約数などから人気・話題の本であり,期待していた。
しかし,中身は著者のお金に関する見聞をまとめたものであり,これを知ったところでどうなるの?というところが多かった。発展する「経済システム」の5の要素など,悪くないところはあったものの,前評判が高かっただけに,期待はずれとなってしまった。
250ページ程度と文量も多くはないので,教養としてさらっと読むのがよいだろう。 -
それまで国家が運営の役割を担っていた経済圏を、国家だけでなくビットコインを筆頭に、企業や個人が作れるようになった。さらに通貨を基軸としないトークンエコノミーや、時間を売り買いするという筆者の新たな試みであるタイムバンクなどが、この先の時代のお金のスタンダードになっていくかもしれない。筆者の言うように、お金をツールとして見る視点が今後さらに求められていくのだと思う。筆者が事業の中で得たという成長する経済システムに共通する要素の話は、とても興味深く理にかなっていて新たな知見をもたらしてくれたように思う。この本から発展して色々なことを学んでいきたいと思える1冊だった。
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お金2.0 新しい経済のルールと生き方
佐藤 航陽
2019年7月29日読了。
2017年11月発行の本書。それから2年弱経過した今と比較する気持ちで読んでみた。
第1章
お金の正体
価値の保存、尺度、交換の役割がある。
資本主義社会ではお金が中心の世界だった。政府が信用を与えコントロールする中央銀行が発行する通貨の世界。
第2章
テクノロジーが変えるお金のカタチ
ITの登場、進化と共にお金の意味やカタチが変わりつつある。
ビットコイン、ブロックチェーン、アマゾン、フェイスブック等の登場で中央銀行が発行する通貨を軸とした経済社会以外のお金の稼ぎ方、意味合いが登場しつつある。
YouTubeやインスタグラムで自らが情報を発信し、その行為に共感した人々が価値を見出しお金を出す世界。
経済が国から企業、組織、個人へと分散化しつつある。
第3章
価値主義とは何か?
資本主義社会に取って代わる新しい考え方の経済およびその社会。
最近、価値主義という言葉がより浸透してきてますね。
資本主義でいう、すぐ役に立つ有用な価値だけでなく、今まで可視化できなかったもの(感情とか、興味とか、内面的なもの。社会性のある行為)がテクノロジーによって見える化してきている。そうした今まで評価し難かったものがより重要性を増して、これまでの有用な価値と並行して経済を牽引していくと。
テクノロジーの進化で、経済は「作り、選ぶもの」になるとのこと。別に法定通貨の日本でも良いし、企業が発行している仮想通貨を軸とした経済圏で活動してもいい、または自分でそうした経済を作りだしても良い。経済の民主化が起こると。
確かに、フェイスブックが仮想通貨リブラを発表してニュースにもなりましたね。
フェイスブックに登録している何十億という人々がそこで発行された通貨でやり取りを始めれば小さな国よりよっぽど影響力のある経済圏の誕生ですからね。
「アマゾン銀行が誕生する日 2025年」という本が最近出ましたけど、読んだら面白いかも。
などなど、今の我々は変換点にいる世代でこれから社会は進化するテクノロジーと共にどんどん変わっていく世代だと。
これまでの常識が覆される日は近いのかも知れない。
内容的には物足りないけども、ザックリと今起きている「流れ」みたいなものを知るには良い本かと思う。 -
お金が大好きなので読みました。タイトルにはお金とあるが、お金のことだけでなくテクノロジーの進化や世の中の動きがわかる本。
ざっくりとは、ビットコインを代表とする仮想通貨の誕生により、中央銀行が通貨発行権をにぎる中央集権の構造から、権力が分散していく分散型の社会に移りゆく話、そしてその構造は通貨だけでなく経済や情報発信など世の中全体が同じような大きな流れにあるうんぬんかんぬん、といった話がわかりやすく書かれています。
著者の提案する、お金の価値が下がり感情的な価値や社会的な価値が力を持つ価値主義の社会には、共感が持てます。そういった世の中により近づいていってほしいものだなと思いつつ、肩にのしかかる家のローンのことを考えると、まだまだ目の前お金の力は強大だなと感じます。。 -
価値
❶有用性としての価値
リターンが前提、資本に転換できる
❷内面的な価値
愛情、共感、興奮、好意、信頼など役立つ訳ではないけど、ポジティブな効果を及ぼす
消費とか役立つといった実用性とは無縁
❸社会的な価値
個人ではなく社会全体の持続性を高めるような活動
資本主義では❶しかカバーしていない
価値主義では❷❸も価値として取り扱う
ベーシックインカムを巨大企業が負担する世界
家賃フリー、グーグル製品だけで生活、生活パターンデータ提供
→お金の価値が下がる、なくても良い
経済を選べる時代
今は、国の専売特許
経済システム自体が競争と淘汰の原理がはたらく
→お金や経済の民主化
時間を資産として扱う
目に見えにくく流動性を作りにくい性質から、財産として扱われず
ネットとスマホで時間もデータ化可能、資産として扱える土台は出来た
今の経済は時間が経つほど利子が増大するため新陳代謝を妨げていて経済の衰退を招く
ダグラスアダムス
生まれた時既に存在したテクノロジーは自然な世界
15〜35歳で発明されたテクノロジーはエキサイティング
35歳以降で発明されたテクノロジーは自然に反する
お金や経済の民主化
資本にならない価値で回る経済の実現
役立つ事メリットがある事≠楽しいこと共感出来ること
儲かる事→熱中できる事
その人でなければ出来ないとかこの人なら出来るといった独自性が価値に繋がる
人間の心は放っておくとすぐ錆びる
色々なものに感動したり悲しんだり出来るのは、世界に直に触れているからであり、精神にサビが溜まっていくと麻痺して何を見ても感じられなくなる。
価値を高める働き方が必要
スキルを上げ、共感を得られるよう内面を高め、信頼人脈で繋がる、ブランディングする必要あり -
最初はなんかうさんくさい、、、。
最近よく見る2.0、4.0シリーズだ、と思ってた。
実際は、意外に本格派な気がした。もちろん僕は経済の専門家ではないけれど、実感としては本に書いてあることは社会の流れに沿っている。あるいは、社会の流れを説明できている。そう感じた。何かと不透明な今の時代、それくらいの因果関係でも頼りにしてビジネスやるしかない。ゆるい羅針盤みたいなもんかな、と。
価値主義の考え方や資本主義の限界は、目新しいものではなくて、今までの実感を経済の視点で捉えたものだと思う。価値がうんぬんというより、フィンテックで、価値を現金化できるようになったことが大きな力なんだと思う。その意味で、まだまだ法定通貨の力は強い。
いずれにせよ、僕には結構勉強になった。
ただ、なんかむりくり歴史に寄せて説明したり、ちょっと重複にすぎないビジネスの話とかムダな部分はそれなりにあると思った。 -
日系Fintech企業メタップスの創業者による、これからのお金・経済システム・価値基準についての本。これまでは法定通貨が大きな価値を持っていましたが、価値の源泉が多様化するとともに分散化していくのです。ビジネス的にはその価値を提供するプラットフォーマーになれるかが大事なんだろうと思います。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/07/20.html
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「はじめに」での文章がよかったので、期待して読み始めたものの・・
著者は資本主義を補完する「価値主義」という枠組みを提案しているが、個人的な価値だけで経済(利益を生み出す)が回るわけでもない。
また、著者の経営する会社が「なぜ上場したのか?」への答えとして、資本市場の中でのプレイヤーとして活動して初めてわかったことが、「経済を持続的に発展させていくために必要なシステムだった」そうなのですが、上場する前にわかりそうなことなんだが・・
こうした底の浅いトンデモ発言が散見されるも、参考になる意見も。
経済システムが発展するための5要素、インセンティブ、リアルタイム、不確実性、ヒエラルキー、コミュニケーションという指摘。(P51)
その流れで、日本経済の停滞をヒエラルキーの固定化(大きな政府)によって不確実性(資産や人材の意流動性などの新陳代謝)が失われたためという分析(P102)はわかりやすい。
とはいえ、この本が新しい何か(考え方)を生み出しているとはとても思えない。