お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 281
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032156

作品紹介・あらすじ

「資本主義」を革命的に書き換える「お金2.0」とは何か。2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。その典型がビットコインです。あまりにも既存社会の常識とは違うので「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。

感想・レビュー・書評

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  • 先週(2017.12)の一週間で、ビットコインが150-250万円の間で乱高下しました、先ほど確認したら170万円程度でした(レビュー書き終わった12.17では217万円)が、そのレベルでも数か月前の数倍以上です。私も少し持っていたので、上がる度に喜んでいたのですが、ふと、これは通貨の信用が失われ始めているのでは、と思いました。

    この愁いは外れてくれることを祈るばかりですが、そのような私にとって「今まさに、経済、のあり方が変わろうとしている」という、この本の1ページ目に書かれていた部分が最も強烈なメッセージでした。

    2017年という年は、私が初めてビットコインを持ち、さらにそれを送金手段として使った、記念すべき年となりました。私の頭の中で何かが変わった、若しくは、追加された気分です。このような味わいは、1999年に初めてアマゾンで本を購入して、宅急便で本当に送られて来たとき、これがコンピュータを使ってモノを買うことなのだ、と実感して以来です。

    まだビットコインを持っている人は少ないですが、相手が了解すれば、法定通貨ではなくても、お金のやりとり・価値のやりとり、ができる手段として、仮想通貨という手段がある、という認識ができたのは、私にとって大きな一歩だったと思います。そのような私にとって、この本は衝撃的でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・現実は3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしている、それらが未来の方向性を決めている、それは、お金・感情・テクノロジー、引っ張る力は、お金が一番強く、感情、テクノロジーの順。ただ必ず3つのベクトルが揃っていないと現実ではうまく機能しない(p22、26)

    ・Fintech 2.0は、近代に作られた金融の枠組み自体を無視して、全くのゼロベースから再構築するタイプ。典型がビットコイン(p29)

    ・以前は各銀行が、それぞれの預かり証書である銀行券を発行して、それをバラバラに流通させていた、今の仮想通貨における、アルトコインのような状況(p35)

    ・現代の欲求は、本能的欲求・金銭欲求・承認欲求(社会で存在を認められたい)の3つに分けられる(p45)

    ・手軽にネットでサービスを作って世界中の人に使ってもらえるようになった時代である今の経済は、読み解く対象から、創り上げていく対象に変化しつつある(p49)

    ・よくできた企業やサービスは個人に依存していない、仕組みで動く。フェイスブックの成功は、人が人を呼ぶ仕組みがうまくつくられているから。上手くいく経済システムとは、1)インセンティブ(儲けたい、モテたい、認められたい)、2)リアルタイム、3)不確実性(運と実力の要素がバランス)、4)ヒエラルキー、5)コミュニケーション(p51)

    ・更に2つ追加するとすれば、1)寿命があることを考慮しておく、2)共同幻想(参加者が共同の幻想=会社でいう、ビジョン・経営理念)が寿命を長くする(p58、69)

    ・ドイツ経済学者のシルビオ・ゲゼルは、自然界の中のあらゆるものが時間の経過と共に価値が減っていくのに、通貨のみは減らないどころか金利によって増えていくことを指摘、それは欠陥だと主張した。それを解決するアイデアとして、価値が時間と共に減る自由貨幣(スタンプ貨幣)を考え出した、ピケティが資産所有に対して税金をかけるべきといった資産税に近い概念(p62)

    ・ビットコインの特徴として、この経済システムに参加する人々が、どういった利益が得られるか、という報酬が明確に設計されている点(p63)

    ・いいね、はユーザー間でやりとりされる「通貨」のような役割を担っている、拡散によって増えていくフォローワーは、貯金のように貯まっていく「資産」に近い(p72)

    ・フェイスブックが大きくユーザーを増やしたキラーアプリは、写真であった。タイムラインに写真を投稿したときのユーザーの反応はテキストの場合とは全く異なっていた(p73)

    ・快感は他人との比較によって高まる、ヒトの脳は周囲と自分を比較する物差しがあったほうが、より刺激や快楽を感じやすい性質を持っている(p86)

    ・脳は疲れない器官とされているが、脳の司令によって動く身体や、その環境にさらされ続ける精神は間違いなく消耗する。脳は快楽物質の分泌によって喜んで次の行動を指示するが、身体や心は休息が必要(p91)

    ・自然が経済に似ている、のではなく、経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及した、ということ歴史から考えてもそうである。経済のベクトルは、自然にもともと内在していた力が形を変えて表に出てきたもので、自然は経済の大先輩である(p93)

    ・絶えずエネルギーが流れるような環境にあり、相互作用を持つ動的なネットワークは、代謝をしながら自動的に秩序を形成して、情報を内部に記憶することでその秩序をより強固なものにする(p96)

    ・分散化の流れの一部として現れた新しい経済システムとは、共有経済(UBER、Airbnb)、トークンエコノミー(仮想通貨やブロックチェーン)、評価経済(Yutuber、インフルエンサー、ファンが作る)、これら3つは分散化が引き起こした大きな流れの一部である(p115)

    ・日本ではメルカリが急成長して、日本初のユニコーンとなった、個人が余ったリソースを直接的に共有し合うことでコストを削減するサービス(p117)

    ・シェアリングエコノミーとは、ネットワーク化した個人を束ねて1つの経済システムを作り、人間には煩雑な支払い、中立性を求められるレビューのような最低限の機能を代理人として提供する、近代の「代理人型社会」と、これからの「ネットワーク型社会」の良い処を混ぜたハイブリッド型モデルといえる(p118)

    ・中国には、ユーザーは面白いと思ったら、有料のアイテムを購入してその人に送ることができる「投げ銭」機能がある(p122)

    ・トークンエコノミーの例としては、メッセンジャーアプリ「Kik」が発行する「Kin」が期待される。Kikはアプリ内で活用できる独自の仮想通貨を発行して、コミュニケーションを起点に独自の経済圏を作ることを計画している、ユーザーの活性化に貢献するようなコンテンツをアップしてくれたクリエーターには、Kinを報酬として払う、広告が表示されるとKinが貰える(p125)

    ・中国のマイナーが自分たちの都合の良いように改変しようとしたが、それに反対する人たちが別の仕組みを提唱して、ビットコインキャッシュに分裂した(p133)

    ・ディープランニングとは、膨大なデータを機械に学習させることで、特徴量の抽出を自動で行うことが可能になる。猫を認識させるのに、猫の概念を人間が教える必要がなくなる(p135)

    ・Numeraiは、データサイエンティストが機械学習などを用いて投資モデルを作って、Numeraiにアップして実際に収益を挙げた場合には、発行するトークンが貰える(p138)

    ・知識は完全にコモディティ化して「物知り」であることに価値はなくなった、これらの変化は全て、グーテンベルクが活版印刷技術を発明して「知識の民主化」をしたことで引き起こされた、これと同様に「お金」もコモディティ化して、今ほど貴重なものとは考えられなくなると予想される(p144)

    ・今は、消費経済に対する資産経済の割合はどんどん大きくなって、経済はより不安定、縮小すらし始めている(p152)
    ・資金調達が容易であるので、相対的にお金の価値が下がり続けている、逆に増やすことが難しい、信頼・時間・個性のようなお金では買えないものの価値が相対的に上がってきている、今起きているのは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつある。(p153、155)

    ・ネットの普及で、自分の価値をどんな方法で保存しておくか選べるようになってきた、1億円の貯金と、100万人のフォロワーがいるのとどちらが良いかは人によって異なる(p156)

    ・ものを扱わないネット企業で、財務諸表上の価値として認識されないもののとして、人材および「データ」がある(p159)

    ・グーグルは、情報(検索エンジン、Yutubeで得られる情報)を、広告システムで好きな時に売り上げ利益といった資本に転換する手段を持っている。これは資産として計上できない(p161)

    ・これから資本主義から「価値主義」となる、価値を最大化しておくことが重要である、価値とは、経済的には人間の欲望を満たす実世界での実用性(使用価値、利用価値)を指す場合や、倫理的・精神的な観点から、真・善・美・愛など人間社会の存続にプラスになるような概念を指すこともある(p164)

    ・お金は価値を資本主義経済の中で使える形に変換したものに過ぎない、価値を媒介する1つの選択肢に過ぎない(p164)

    ・価値の3分類とは、1)有用性、2)内面的、3)社会的価値がある、資本主義は「有用性」のみを価値をして認識して、他の2つの価値を無視してきた点にある、価値主義とは、資本主義が認識できなかった領域もテクノロジーの力を使ってカバーする、資本主義の発展系と考えた方がよい(p169)

    ・いくつかの会社で導入されている仕組みに、社内通貨がある、社員が毎月一定の社内通貨を保有していて、それを同僚に感謝の印として付与できる仕組み(p171)

    ・数十年後には、営利と非営利の区別はなくなっていて、活動は全て「価値」という観点から捉えられるようになっているだろう(p182)

    ・ベーシックインカムを導入する国が増えるだろう、これは、生活するための必要最低限の生活コストを国民全員に支給する仕組み、もしくは巨大企業が公共サービスに近いものをほぼ無償で提供して生活コストを下げるということも考えられる(p185)

    ・ベーシックインカムは、お金のコモディティ化を急速に推し進める一手になると思われる(p188)

    ・沖縄が琉球コインを発行して地域経済を盛り上げていくというニュースがあった、このような流れは、地方公共団体にとどまらず、銀行・民間企業・非営利組織・商店街・学校・ファンクラブ・個人にまで及ぶ。誰でも容易に通貨を発行して独自の経済システムを作れるようなるだろう(p190)

    ・分散化が進むと、自分の資産をビットコイン、日本円、楽天ポイントに分けて保有して、シェアリングエコノミーのサービス上で自分で働いて得た報酬をトークンとして受け取り、個人間のネットワーク上で誰かから服を買ってそのトークンで払っているかもしれない(p191)

    ・お金と時間の2つの特徴を混ぜた「時間経済」を作ってみることにした、実験しているのは、1)経済を選べる時代を作る、2)個人が主役・時間を通貨とする経済ができるかどうか(p195)

    ・金融資本は時間が経つほど価値が増大していくという性質がある、時間は経過するほど保有量は自然と減っていくので、自分が優位なうちに(若いうち)に行動しようという、インセンティブが強くなる、保存できないし使わなければ自然消滅するので、これを使ってなにかしようと考える人が増えるはず(p199、200)

    ・トークンネイティブとは、生まれた瞬間からビットコイン・ブロックチェーンがあるので、今の私達とは全く違った視点で、お金や経済のことをとらえていて、私達が思いつきもしないサービスが生まれるはず、デジタルネイティブ世代は、トークンネイティブ世代が作るサービスが理解できなくなり、規制が必要だと思うかもしれない(p206)

    ・人間は、自分が生まれた時にすでに存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。15-35歳に発明されたテクノロジーを新しくエキサイティングなものと感じ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる、日本の常識は、日本の人口分布でボリュームゾーンである45歳前後の概念(p206、210)

    ・価値主義の世界では、好きなことに熱中している人ほどうまくいきやすい、世の中に変わっている、それを探す方法として、あなたが1日中やっていても苦痛ではないことを探すのがいい(p218、226)

    ・価値の具体例として、1)スキル経験のゆな実用性としての価値、2)共感・好意のような内面的な価値、3)信頼・人脈のような繋がりとしての社会的な価値(p229)

    ・エストニアが独自の仮想通貨「エストコイン」を発行して、仮想通貨ベースの資金調達法ICOを実施する可能性を示唆した(p240)

    ・BMI(ブレインマシン・インターフェース)は、脳とコンピュータを直接繋ぎ、脳そのものを制御したり、脳を使ってコンピュータを動かしたりすることを可能にする技術(p247)

    ・視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚などは、脳が作り出している感覚なので、ここを直接制御できれば、まるで本物が存在しているかのように五感で感じられるようになる。(p247)

    ・VR、AR、BMIが発達してくると、人間は「現実」そのものを選ぶことができる、自分が最も居心地の良い世界を自分にとっての「現実」と選択するようになる、今の私達からしたら到底受けれがたい環境であるが、それは私達がそれが無かった世界を知っているから、生まれた瞬間からその技術が存在している場合は、便利なツールとして受け入れることができる(p248)

    ・一番居心地が良い仮想空間で1日のうち最も長い時間を費やすことになるだろう、そこを「現実」と考えるようになるだろう(p250)

    ・テクノロジーには興味深い性質がある、1)人間の能力を拡張させる、蒸気機関やエンジンは人間の身体能力の拡張、コンピュータ・AI・VRは、人間の精神の拡張、2)普及すると人間そのものを教育し始める、お金に縛られたり、コンピュータに判断をゆだねる、3)身体の近い処から、空間的に遠い処に拡張していく(p252)

    ・お金や経済を扱うためには、お金と感情を切り離して1つの「道具」として見つめなおすことが近道(p257)

    2017年12月17日作成

  • 資本主義から価値主義へ。
    アタマをシフトするための本ですね。

    以下、気になったワードに追記して整理

    他人に伝わる熱量で取り組めるか
    →興味を持ちつながり続ける行動力

    資本主義
    金融の歴史や人々の欲望を最適化した結果

    お金の役割
    価値の保存、尺度、交換

    産業革命によって労働者と資本家に別れ
    宗教や身分からお金にパワーシフト

    未来を決める3つのベクトル
    1 お金 経済
    2 感情 共感、嫉妬、憎悪、愛情
    3 テクノロジー

    フィンテック1.0
    既存の枠組みでの工夫
    枠組み 決済、投資、融資、保険、会計

    フィンテック2.0
    まったく新しいパラダイム、仕組み
    中央管理者不在のシステム、分散化
    独自に価値を発揮

    欲望の大別
    1 本能的欲求
    2 金銭欲求
    3 承認欲求

    金で満たされるレベルの欲求が経済

    動的ネットワークの特徴
    1 格差 欲望のネットワークには自然発生
    2 不安定不確実 些細な事象が全体へ


    持続的自動的に発展する経済システムの要素

    1 インセンティブ 明確な報酬
    お金に限らず精神的な報酬も いいね RT
    2 リアルタイム 連続する変化
    自分の努力や判断で結果に差が出る TL
    3 不確実性 運と実力
    フロンティア精神
    4 ヒエラルキー 秩序の可視化
    成果に応じた給与や等級 ランキング G会員
    5 コミュニケーション 交流の場
    意味ない時間も深い関係性をつくる

    +α1 寿命 飽きないシステム 乗り換え
    フェイスブック→インスタ
    +α2 共同幻想 共感 思想や価値観の共有
    アップルマニア

    経済と自然の根底にある同一システム
    1 自発的な秩序 安定 平衡
    2 エネルギーの循環構造 食物連鎖
    3 情報による秩序の強化 遺伝

    テクノロジーを活用して実験してみる

    テクノロジーの変化を線でとらえる
    0 ソフトウェア
    1 クラウド
    2 ビッグデータ
    3 IOTアクセス
    4 機械学習
    5 ディープラーニング

    マルクス主義は
    私利私欲否定、コントロール経済、競争否定
    によって、新陳代謝の機能がおかしくなった

    本 言語
    旅 体験
    人 関係


    分散化社会と経済

    共有経済 シェアリングエコノミー
    UBER Airbnb メルカリ
    代理人からネットワークへの移行期モデル

    評価経済 インフルエンサー

    トークンエコノミー
    クローズコミュニティ
    1 通貨型トークン ポイント
    2 配当型トークン 禁止の方向
    3 会員権型トークン 優待

    資本主義化では商人、知識人、軍人の統治
    知識はネットでコモディティ化
    お金がコモディティ化すると
    価値のある経済圏の持続ノウハウがカギ


    お金にならなかった価値
    個性、人脈、行動データ
    興奮、好意、羨望、共感、

    お金になりやすい非物質価値
    評価や信用 広告や時間と交換可能
    注目や関心 マネタイズだけ考えると炎上

    価値の3分類
    1 有用性 役に立つか
    2 内面的 愛情、共感、好意、信頼
    3 社会的 持続可能性、慈善

    資本主義の問題は1のみを価値とした
    2や3には物質性がなく曖昧なのでAIの出番
    ギフトは2や3の価値表現方法の1つ

    価値と利益がイコールで結びつく
    →面白いことに挑戦し続ける

    社会の課題をビジネスとして解決
    ソーシャルデザイン
    ソーシャルビジネス
    ソーシャルアーキテクト
    ソーシャルデベロッパー
    ソーシャルコーディネーター

    利潤追求事業は長期的な収益を出しにくい
    価値社会ではビジネスが公益性を帯びる

    ベーシックインカム
    企業による無償提供もあり
    労働やお金から解放された社会
    お金が報酬として機能しなくなる

    選択可能な社会
    正解はひとつではない
    無数の小さな経済圏
    再チャレンジが容易

    意味や目的を持つ世界 ミッション



  • いまいちしっくりこない部分も。。。
    価値のあるものは変わっていくだろうけど、それがゆえにお金がコモディティ化し、価値がなくなっていくことはないと思う。
    お金の価値は変わらないと思う。価値そのものを図るための物差しだから。

    新しい価値観が生まれ、価値があるものが認められていく、が、結局それってどんだけのものって聞かれたとき、わかりやすいのはお金への換算。

    そして本の中でも色々な価値について紹介がある、、、極論いってしまえば、1億回のいいねより、100億回の再生回数より、1000億円より、結局は何が大切かなんて、本当は答えわかっているはずなんだろうけど、、、、人間って面白いね。

  • 現在20歳だが、自分は著者が語る「価値主義」によって意思決定をしている部分があると感じた。全てがそうかといえばそうではないとは思うが、大部分を占めていると思う。ただこれから本格的に社会に出ていくときに、実際のところどこに焦点を当てて人生の選択していくのか...。自分に問いかけていく必要がある。

  • お金の話であって、そうではなかった。

    ワクワクもするし、恐ろしい話である。お金としての報酬がなくなる社会があったとして、警察や消防などのインセンティブはどうなるんだろうと考えざるを得ない

  • お金2.0というタイトルからして、
    一昔に色んな分野で出ていた WEB2.0 Docomo2.0 INDUSTRY4.0 を彷彿させるような古臭いタイトル。

    うらはらに内容は先進的で、頭の中でモヤモヤしている雲が晴れた気がする良書でした。

    重要ななのはお金のアップデートのみにあらず、それ以上に資本主義から価値主義へここ10年で以降するだろうという予測。
    これは概ね同感だしその根拠も腑に落ちた。

    ただ、全てがyoutuberのような価値主義だけの仕事にはなるわけもなく、それについてはハイブリッドなエコノミーを選択するようになると補足されているのが良かった。

    こういう先進的な本。好きだなぁ。

    感銘を受けたので、
    φ(..)メモメモ

    =====
    お金2.0

    ・現在の3つのベクトル
    1.お金(経済)
    2.感情(人間)
    3.テクノロジー
    引っ張る力 ・・・お金 > 感情 > テクノロジー
    *「世の中は連立方程式のようなものだ」(by 竹中平蔵)


    ・経済格差
上位1%の富裕層が世界全体の富の48%を所有している。
    所得:「上位80人」=「下位35億人」


    ・発展する「経済システム」の5つの要素

    1.インセンティブ
 生物的な欲望(衣食住、子孫残す)
    社会的な欲望(金銭欲、承認欲、競争欲) -> 3M(設けたい、モテたい、認められたい)
    #現代ではお金以外の要求が高まっている

    2.リアルタイム
 時間によって状況が常に変化することを参加者が知っている

    3.不確実性
    運と実力の両方の要素がある
    #不確実性が全くない世界では積極的に取り組む意欲が失われがち

    4.ヒエラルキー
 秩序の可視化
    優位なポジションを手に入れた者は新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込んでおく必要あり
    #個人ごとの成果の可視化 = ヒエラルキーの可視化

    5.コミュニケーション
    交流しながら助け合い議論する
    -> 1つの共同体認識


    ・経済に持続性をもたらす2つの要素

    1.寿命
    寿命が存在するのを前提にし、寿命がきたら別のシステムに移れる選択肢を複数用意
    お客さんの飽きを想定する

    2.共同幻想
    参加者が共同の幻想を抱いている場合寿命は飛躍的に延びる
    国家:倫理、文化
    組織、サービス:理念、美学


    ・創発的思考
    創発とは ・・・経済・自然・脳のように複数の個が相互作用して全体を構成する現象
    今後はこのような構造を使いこなす「創発的思考」が必要。

    − レオナルド・ダ・ヴィンチ
    「モナ・リザ」を描いて芸術家として有名だが、 音楽、建築、数学、幾何学、解剖学生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学… 何でもできる「万能人」。
    -> 「すべて同じものに見えていたのでは」説
    #ダヴィンチの名言「私の芸術を新に理解できるのは数学者だけである」

    - ライプニッツ
    微分を見つけた。
    すでに存在している分野の学問を統一して「普遍学」という1つの学問に体系化しようと考えていた。

    社会の中で分類された概念も、違う角度から観ることが大事
    「普遍性」も「共通パターン」を見つけると、未知の自体にも臨機応変に対応できる。
    +α今は様々なテクノロジーがある。


    ・分散化経済

    - シェアリングエコノミー(共有経済)
UBER , Airbnb , Mobike

    - 評価経済
動画UP投げ銭、

    - トークンエコノミー
Kik


    ・自律分散
    膨大なデータが溢れたことで進んでいく「自動化」
    ネットワーク社会に移行することで起きる「分散化」
    これらが混ざった時に起こる「自律分散」というコンセプトが多くの三表のビジネスモデルを覆す。
    更に10年以内に誰でも安価に自律分散の仕組みを構築することができるようになる

    ・Numerai
    AIとブロックチェーンによって運営される無人のヘッジファンド


    ・消費経済(実体経済)と資産経済(金融経済)
    馴染みのある消費経済の流通は1割にも満たない。
    世の中に流通しているお金の流れの9割は資産経済でうまれており、どんどん拡大されている
    -> 資金調達が容易な環境に
    -> 相対的にお金の価値が下がり続けている
    -> 逆に増やすことが難しい、信頼、時間などのお金で買えない価値が相対的に上がってきている

    ・資本主義から「価値主義」へ
    今後は可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていく
    - 営利と非営利の境界線消える
    - 経済と政治の境界も消える。(経済と宗教の境界も消える)
    - ベーシックインカムがお金のコモディティ化を急速に加速させる


    ・「価値」の三分類
    - 有用性としての価値
経済、金融、会計での価値。「役に立つか?」が指標
    - 内面性な価値
愛情、共感、興奮、好意、信頼など。個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼす時
    - 社会的な価値
慈善活動、NPOなど。社会全体の持続性を高めるような活動。


    ・イギリスの作家「ダグラス・アダムス」の言葉
    人間は、自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。
    15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる


    ・「価値主義」がもたらす大きな変化
    1.お金や経済の民主化
    2.資本にならない価値で回る経済の実現

    ・ミレニアム世代
    - 1980年以降に生まれた世代
    - 何に向かって頑張ればよいのかわからない。不完全燃焼のような感覚が多くの人を不幸にしている
    - あらゆるものが満たされた世界では、人生の意義や目的こそが逆に「価値」になる

    ・資本主義世界と価値主義世界
    - 資本主義 利益に結びつくことを最優先に考え行動する
    - 価値主義 金銭的なリターンを第一にするほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになる(youtuberとか)


    ・10代の多感な時期の気持ちを忘れない
    - 人間の心はすぐ錆びる
    - 1日やっても苦痛じゃないことを探す
    - 「モンテッソーリ教育」


    ・電磁国家エストニア
    - skype発祥の地
    - 電子国家、国境なき国家
    - 電子投票システム、電子IDカード、電子居住権、仮想通貨「エストコイン」

    ・宗教団体 「Way of the Future」
    - 「人工知能」を神として崇めて社会をより良くしていく

    ・アインシュタインの言葉
    空想は知識より重要である。知識には限界がある。想像力は世界を包み込む。
    大切なのは、疑問を持ち続けることだ。神聖な好奇心を失ってはならない。

  • お金の価値は昔と変わって来ていて、現在は物よりも価値主義に変わって来ている。
    経済の発展を考えるときにはテクノロジーも切って切り離せない。発展する経済システムはインセンティブ、リアルタイム、不確実性、ヒエラルキー、コミュニケーションズが備わっている。
    我々はミレニアル世代と言われ、物には満ち足りて生きていた。これから大事になのは生きている価値、充足感を何から満たすかだ。

    アウトプット
    熱中できる何かを探し、突き進む
    新しい物を毛嫌いせず、先見の明を持って本質を掴む。

  • 2018年が訪れる前に読んで欲しい良書です。
    これからのお金についての考え方、どのように生活が変わっていくのか。
    そしてFinTechとのお話もわかりやすく書いており、佐藤さんが予想するお金の世界の流れが理解できます。

  • 必読書

    お金、経済システムについて体系的・多面的に整理されていて、非常に勉強になる

  • 発展する経済の5つの要素と価値主義の具現化

    ・ 世の中は連立方程式のようなもの(竹中平蔵)
    ・ 実務の中で再現できないことは本当に「理解した」とはいえない
    ・ 現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字をとって3M(儲けたい・もてたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすい
    ・ 常に状況が変化するということを参加者が知っていることが重要
    ・ 優位なポジションを手に入れたものはその地位を守ろうとするので新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込んでおく必要がある
    ・ 参加者が恊働の幻想を抱いている場合、システムの寿命は飛躍的に延びる
    ・ 「寿命」がきたら別のシステムに移動してもらう(facebookのInstagramやwhatsapp)
    ・ 脳は予測が難しいリスクのある不確実な環境で得た報酬により多くの快楽を感じやすい
    ・ テクノロジーの変化を「線」で捉えるとは、現在の社会システムがどんな課題を解決するために作られたものなのかの「原理」を正しく理解し、最新のテクノロジーはそこにどのような変化を起こすのかを1つの「現象」として理解することを意味します
    ・ 10年以内に誰でも安価に自律分散の仕組みを構築できるようになる
    ・ お金そのものには価値がなくなっていき、むしろどのように経済圏をつくってまわしていくかというノウハウこそが重要な時代に変わっていくと考えています
    ・ 統計上の数字では間違いなく多くの人がなじみのある消費経済ではなく、少数の人が回す資産経済が大半のお金の流れをつくっている
    ・ 今後は可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます
    ・ なぜ多くの人が評価経済や信用経済に対して違和感を抱くのかというと、今話題になっている大半の仕組みが「評価」や「信用」ではなく、「注目」や「関心」にすぎないから
    ・ 価値主義では、提供する価値と経済的成功が密接に結びつくので、より多くの人に価値を提供しようと考えると、ビジネスは必然的に「公益性」を帯びるようになります。一方、民間組織が貧困撲滅などの政治的な目的を実現しようと思えば、寄付金や税金に頼らないビジネスとしての「持続可能性」が求められるようになってくるでしょう
    ・ 価値主義では新たなテクノロジーの誕生によって、内面的な価値や社会的な価値をも可視化して、それらも経済として成り立たせることで、資本主義の欠点を補完することができるようになっています
    ・ 誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどんあがっていくことになります
    ・ 人が感じてくれた興味や共感などが貴重な「資産」となる
    ・ 発展する経済システムの5つの要素
    1) インセンティブ:社会的な欲望が明確に満たされる
    2) リアルタイム:状況が変化することを参加者が知っている
    3) 不確実性:実力と運の要素がいいバランスで混在する
    4) ヒエラルキー:自分と他人の距離感や関係性をつかみやすくする
    5) コミュニケーション:助け合ったり議論したりする場
    ・ 持続性を持たせる2つの要素
    1) 寿命を意識する
    2) 共同幻想を抱かせる

  • これからは資本主義だけではなく、価値主義にシフトしていくであろう、というのが本筋。
    IT化が進み、ビットコインや楽天ポイントのようなものがもっと整備され広がりいくつもの経済圏を作り出す。行政や日常業務も全てIT化され、人々は仕事をしなくてよくなるかも。ベーシックインカム=生活保護みたいなのが全国民を対象に払われる。今の生産性効率化重視の考え方がなくなり今までお金にならなかった価値(人脈とか、得意なことや、社会的価値のあることなど)にシフトしていく。

    印象的なのはビットコインを否定してる学者たちをバッサリと切っていたこと。ビットコインは著者が考える経済圏の卵のようなものであり、今後はこのような仮想通貨はもっと発展していくと。これまでの金融の概念ではあてはめられない。

    グーグルやフェイスブックの創設者は子供の興味をとことん伸ばしていくモンテッソーリ教育を受けていた。

    最後に宇宙に経済圏が拡大していく、人々が宇宙に旅行するのもそう遠くないとか、人工衛星が空からWi-Fiを飛ばすとかっていうところにも話が及んでてSFっぽくなってきた。

    全体的に同意はできるけど、5〜10年後の話ではなく50年、100年後の世界かなあと思った、けど、どうなんだろう、このスピードだとそんな遠くないのか…?そういう世界を想定しておくのはありだけど、目先のキャリアや投資先を変えるものではないなあという印象。。自分の子供の教育とかになら影響するかも。

  • 近年、ごく短時間に進む流れの本質が極めて簡潔かつ体系的に整理され、著者自らの経験に基づく地に足ついた論理で展開される。

    (その上での疑問メモ)
    →価値も現在の貨幣価値に換算される(↔︎価値市場が全てに取って代わることはない)、×Rが拡大しても人は土から離れられない、あるマイクロ経済圏が破綻した際そのベーシックインカムに依存する人々の生活を保障するものは、経済圏を運営するものとそこにライフログを提供することで保護されるものとの断絶は固定化しないのか

    仮想通貨の脆弱性を理解した上で、この未来をどう評価するか。

    ・経済システム=人と人とのつながり(組織も含む)
    ・持続的かつ自動的に発展していくために要素:
    ①インセンティブ、②リアルタイム、③不確実性(運と実力のバランス)、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション
    +①寿命による移動先、②共同幻想、のよるサイクルの永続性

    ・自然(自発的秩序、物質・エネルギー循環、情報による秩序強化)の共通性
    →これを逸脱する経済システムは続かない?

    ・テクノロジーの潮流は「分散化」という線上に見るべき

    ・トークンエコノミーはネットワーク内で経済システムが完結
    →国家不介在による通貨発行益の享受、不安定性
    →現実世界のアセットと結びつくことでの価値の可視化
    →独占・支配に対する分裂による回避
    →自律分散による経済(システムの構築)の民主化
    ※国家の専売特許ではなくなる

    ・価値主義における「価値」の3分類
    ①有用性としての価値
    ②内面的な価値
    ③社会的な価値
    →データ化することによる②③の価値化

    ・複数の経済圏の構築・試行錯誤、企業によるベーシックインカム(ライフデータの提供)

    ・儲けでなく価値(≠炎上による関心・注目)を高める働き方

  • 経済システムは以下の5つで成り立っている
    1.インセンティブ
    報酬が明確であること
    生理的欲求から社会的欲求

    2.リアルタイム
    常に動いていて、

    3.不確実性
    確実な未来はわからない

    4.ヒエラルキー
    立ち位置が明確であること。

    5.コミュニケーション
    参加者同士のコミュニケーション

    追加 寿命がある。共同幻想で寿命を長くする(ビジョンの浸透)



    今起きていることは、分散化。
    シェアリングエコノミー、評価経済、トークンエコノミー(ブロックチェーン、仮想通貨)
    誰かが介在するビジネスのあり方が変わっていく。

    人々の幸せの実現方法が、資本主義によって得なくてもよくなった。お金を持って、それで価値を買う世界から、自分達から価値を創造消費できる世界になり、価値主義に切り替わる。

    個人の価値をたかめること。スキル、好意、信頼人脈。


    お金が相対的に価値を生み出す資産だったのに対して、これからは個人が価値を生み出す主体となれるため、お金の相対的なメリットがなくなり、ひとつのツール、コモディティになる。どちらを選ぶかは、自分次第。

  • 久々の自分でもヒットした本である。

    シェアリングエコノミー、仮想通貨、ブロックチェー、インフルエンサーなど異なる現象に普遍性、フラクタルのようなパターンが見られる。
    テクノロジーにより「中央集権化」→「自律分散」への移行する。いままで企業→個人というお金の動きが個人→個人という動きになる(B to CからC to Cへ)
    自律分散の動きはより自然界に近い形になる。

    価値とは何か。佐藤氏は価値を3種類に分類している
    ①有用性としての価値②内面の価値③社会性の価値
    資本主義経済では「役に立つ事」「儲かる事」であるので
    ①が優先される。
    今まではそれが正解であったがではテクノロジーにより豊かになった結果※お金の相対的な価値が下がった。またテクノロジーの発達により内面的な価値(熱狂、共感など)が可視化、流通できるようになった。
    現在の社会は企業が資本を蓄積しているので個人では対応出来ない。お金がお金を増幅させる仕組み(手段の目的化)により世の中が歪になった。
    そこで評価経済が立ち現れつつありそれはクラウドファンディング(「他者からの注目」をお金にかえる)などにもう既に見られる。「内面的な価値」(データ、ファン)は財務諸表に現れない。

    法定通貨が支配する資本主義経済とは違い、評価経済では「個性」「独自性」が評価され「住む」ものでなく「仕組みを創り出す側」となる。

  • 資本主義と価値主義。ミレニアル世代以降の価値観というのは資本への囚われから解放されているという点で本来的には生きやすくなるはずのところ、半ば解放されてしまっていることで資本主義の重力が強く意識されてしまうと生きることが難しくも感じやすい振れ幅がある様に思う。ザッカーバーグのスピーチの通り、誰もが人生の中で目的(意義)を持てる世界を創り出すことがミッションだと強く感じますね。価値主義の先にはその世界があると信じて、進んでいくのみです。

  • 内容自体シンプルかつ面白かったけど、
    色んな分野からのインプットと書いた人の事業経験を元にしてその人の導き出した法則性とその法則性を適用した物事の捉え方が書いてあるかつ、その思考の順序がわかる構成になってて、
    自分が本とか経験から考えた個々のことをどうやって統合していったらいいかの手本になったのが大きかった。

    よう考えたらそれぞれバラバラに感じるインプットでも、自分の興味に沿ってしてる限りは、その人に固有の興味の軸に沿ったものになってるはずやから、それぞれを統合して自分の一つの考えとしてまとめるのは可能なはずだと思った。

  • 以下メモ

    ・お金にお金を増やさせた方が効率的
    ・偏り(格差)が生まれるのは、経済のような動的ネットワークでは自然に発生してしまうもの(ex:人気なものがさらに人気に。売れるものは、売れているから、さらに売れる)。
    ・社会における多くの非効率や不幸を最小にするためには、物事をうまく回すための普遍的な構造を理解し、何か新しく作る人たちが、それを使いこなせるようになることが近道です。
    ・「経済システム」の五つの要素:インセンティブ、リアルタイム、不確実性、ヒエラルキー、コミュニケーション
    ・報酬系
    ・普遍性・パターンを実社会で実験し検証する。
    ・問題はシステムによって生まれる。スケープゴートをいじめて憂さ晴らしするのではなく、システムの欠陥を直し問題を解決する。
    ・自律分散型社会に
    ・資本主義(お金がメイン)から価値主義(お金以外の価値も(有用的・内面的・社会的))へ。お金なくても生きていける(価値をお金 -> 生活に必要なものに変えられるようになる)。好きなことする。個人の価値を上げていく。

  • 本全体としては流れが掴みづらい印象だけど、個々のパートにとても興味深い主張や気付きが散りばめられているので、読後に自分なりに考えを深めるにはとても良い教材になる。面白かった

  • ビットコイン、ブロックチェーンなどポスト資本主義についてよくわかった。また、ビジネスモデルを経済システムとして捉えた発想は勉強になりました。

  • 経済は欲望のネットワーク。

  • 法定通貨以外の価値をベースにした経済圏が複数併存する時代という見方には激しく同意。 ソーシャルキャピタル等の概念で類似のことはここ10年ほどで言われ続けてきており、筆者の主張が全く新しいものだとは思わない。が、実務家ならではの感覚と随所に放り込まれる歴史観、それに最新の実例をふまえた説明になったことで説得力ある整理になった。新しい経済学を構築する起点にすらなりうるストーリー。 飽和経済の中でお金を稼ぐことが難しくなり、法定通貨で測れない価値を蓄積することが重要になるとの主張は新しい時代の生き方の指針となる

  • 資本主義から価値主義へ。
    お金と感情を分けて考える。
    どんな経済システムの中で生きていくのかも自己選択できるようになっていく。

    これからの生き方に大変参考になった。

  • ・資本主義から価値主義へ
    ・あらゆる価値を最大化しておき、その価値をいつでもお金と変換できるようにすること。
    (=お金を貯めて持つより、お金を稼げる力のほうが大事)

  • 今はお金が絶対の価値になっているけれど、それはここ100年ちょっとの話で、今後お金の価値は揺らぐ。その分、新たな価値を持ったものが産まれてくるはずで、それが何か?という事がきちんと纏められて書かれており、私の様な経済のど素人でも分かりやすかった。

  • ‪言わずもがなのベストセラー本。てっきり仮想通貨の話かと思っていたら経済から労働まで幅広くて面白かった。資本主義から価値主義への変化について述べた第3章が特に。自分の中の常識がことごとく破壊される。デジタルネイティブならぬトークンネイティブかぁ…ダグラス・アダムスの言葉が重い。‬

  • 参考になる考え方は多くありましたが、一方で、本当にこの本に書いてあることがすべておこるような社会が近い将来くるんでしょうかねとも思いました。という考えが古いのかも知れませんが。

  • 「お金」というものの実態は何なのかという定義づけから始まり、その支払という手段が別のものに変わっていっている現実を説明。そこから、すでに始まっている未来の形まで、一つの流れとして分かりやすく書かれています。お金中心主義の時代に生きてきて人間からすると抵抗感のある未来図でもありますが、その変化はやはり感じていて、今までの価値観を変える必要があることは痛感します。ただ訳のわからない世の中の急激な変化について行くことは自分を滅ぼす可能性があるのですが、本書はその世の中でどのように自分を変えれば良いのかについての指南書になるとも思います。
    「お金」の稼ぎ方は、今の時代に生きているほとんどの人間は知っていると思います。これからはそうでない別の「価値」を稼ぐ必要が出てきます。それはどうやったら良いのだろうと、将来に対しての不安に対してはあくまで一例をあげているにすぎません。自分で勉強しなさいということだと思います。その動機付けに本書を読まれたらと思います。

  •  これは、お金ではなく、将来経済の新しい在り方を予測した本だ。

     資本主義では、もちろんお金は重要だ。
     だけど、お金では買えない価値があるということも言われてきている。
     そこで、将来は人間としての「価値」が資産になると考え「価値主義」を提唱している。

     さて、ここで以前に読んだ坂口恭平の本で「態度主義」という言葉を思い出した。
     私はこれができます。あなたはこれができます。
     そのスキルを交換しましょう。
     
     ポスト資本主義は個人の能力=価値をもとにしている考えが大きい。
     その価値をお金に換算してしまえば、それは資本主義なのだが、ビットコインの登場でお金ではなくトークンへの変換が可能になってきた。
     ビットコインはお金じゃない、情報そのものに価値があり、それは資本主義に組み込まれない使い方ができる。

     テクノロジーの進化、そして社会の新しい価値観が融合して、新しい経済のルールができる。
     今後、社会がその方向に進んでいったときに、いや俺はそんな社会は認めない、なんて頭を固くせず、時代に乗っていける柔軟な考えでありたい。

  • これまでの資本主義での「お金」至上主義から、「価値」の重要性が増していき、「資本経済」から「価値経済」へとパラダイムシフトが発生し、「お金」は「価値」の一部として取り込まれ、相対的にその「価値」も減少していく。その過程では、これまでの労働の考え方(報酬としての金銭)ではなく、まさに一人一人が自己実現していくことがこれからの労働になっていくと論じている。
    本書のタイトルである「お金2.0」からは、仮想通貨などに変わるという単純なものではなく、現在のお金の考え方がパラダイムシフトによって根本から変わるということを示唆していると感じた。

    これからの世の中(経済)は資産(お金)を最大化することが目的ではなく、価値を最大化することが目的となる。お金は価値の一部にしか過ぎなくなる。

    内面的な価値の例として、誕生日プレゼントやお土産が実用性としての価値が重要ではなく、気にかけてくれているという好意そのものに価値があるという指摘は自分に欠けている価値観だと反省した。

    この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道と言えます。そして、そこでは世の中の需要たったり、他の人の背中を追う意味は薄くなります。なぜなら、内面的な価値ではオリジナリティ独自性や個性が最も重要だからです。その人でなければいけない、この人たからこそできる、といった独自性がそのまま価値に繋がりやすいです。

    現在は、ルネサンス以来のパラダイムシフトが起こりうる状況を作りだしている。お金が有り余り行き先を失ったお金がテクノロジーへの投資を加速させており、次のパラダイムシフトが起こると予想される。

    自身では資産を所有せずに、個人が所有している資産を供給したい側と利用したい側をつなぎ合わせれば、UBERやAirbnbのようなサービスは、至る所にヒントが転がっている気がしてくる。後はそれを人より早く行動に移せるかどうかだけである。


    ・自分なりに現代社会の欲望を大別してみると、①本能的欲求、②金銭欲求、③承認欲求の3つに分けられます。本能的欲求に比べると、金銭欲求も承認欲求もいずれも歴史の浅い欲求です。
    経済は人と人の繋がりが切れたり、新しく繋がったりと、ネットワーク全体が常に組み替えを繰り返していて流動的です。そして、このような動的なネットワークには共通する特徴が2つあります。
    ①極端な偏り。経済が欲望のダイナミックなネットワークたとすれば、このようなネットワークには「偏り」が自動的に生じます。多くの繋がり.を持つ中継点ほどさらに多くの繋がりを獲得しやすく結果的に極端な偏りが発生する。例えば格差社会もこの特徴によって発生する。一般的にはパレートの法則と呼ばれます。
    ②不安定性と不確実性。些細な出来事がネットワーク全体に影響を与えて、常に全体が不安定で不確実な状態になる。
    ・持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。①インセンティブ,②リアルタイム、③不確実性、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション、の5つです。
    ①報酬が明確である(インセンティブ)。現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M (儲けたい・モテたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすいです。現代ではお金以外の欲求が高まっています。自分がその会社で働いていることで社会的な承認が得られるか、若年層であれば異性からの評判が良いかなども重要になります。
    ②時間によって変化する(リアルタイム)。人間(生物)は変化が激しい環境では緊張感を保ちながら熱量が高い状態で活動することができます。反対に変化が全くない環境では緊張も努力も必要がなくなり、全体の活力が次第に失われていきます。
    ③運と実力の両方の要素がある(不確実性)。人間は生存確率を高めるために不確実性を極限までなくしたいと努力しますが、一方で不確実性が全くない世界では想像力を働かせて積極的に何かに取り組む意欲が失われてしまいます。自らの思考と努力でコントロールできる「実力」の要素と、全くコントロールできない「運」の要素が良いバランスで混ざっている環境のほうが持続的な発展が望めます。
    ④秩序の可視化(ヒエラルキー)。持続的に発展する「経済システム」を作る上で、秩序が可視化されている必要があります。世の中には、偏差値、年収、売上、価格、順位のような数字として把握できるものから、身分や肩書きのような分類に至るまで、階層や序列に溢れています。目に見える指標がないと参加者は自分の立ち位置がわからなくなってしまいます。また、指標が存在することで、自分と他人の距離感や関係性を掴みやすくなるメリットもあります。一方でこのヒエラルキーも、それが固定化されると、②リアルタイム(時間によって変化)と、③不確実性(運と実力の要素)が失われ、全体の活気を失わせてしまうことにもなる諸刃の剣です。当然、優位なポジションを手に入れた者はその地位を守ろうとするので、新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込んでおく必要があります。
    ⑤参加者が交流する場がある(コミュニケーション)。人間は社会的な生き物ですから、他人との関係性で自己の存在を定義します。参加者同士が交流しながら互いに助けあったら議論したりする場が存在することで、全体が1つの共同体であることを認識できるようになります。部門の飲み会やら会社の総会やらで、参加が面倒たと考えている人も多いでしようたた、実は組織としてはこういった交流の場が重要で、業務とは関係ない話でもしてメンバーが仲良くなっていると、いざ仕事でトラブルがあったり悩んでいる時にも気軽に声をかけることができて、互いに協力しあうこともできます。会社で働くメンバー同士の交流の機会が増えるはと企業としての一体感は高まります。
    ・国家、通貨、宗教、偏差値、学歴、経歴、年収、資産、倫理、権利など、私たちの精神や行動を縛る概念のほぼ全てが人工的に作られた幻想ですが、これらの効力が薄れ、時にはまた別の幻想が誕生し、人々の新たな価値判断の基準になっていきます。

    ・先進国では、ものやサービスが溢れています。まずヒットするサービスを考える場合は、衣食住などの生理的欲求以外の社会的欲求を刺激できる仕組みを導入できないかを考えてみることが重要です。またサービスがリアルタイムとは言わずとも、毎日・毎週・毎月変化する企画があることで,ユーザーは常にそのサービスのことが気になってくるようになり、何度も訪れてくれる可能性が高まります。また、そのサービスを利用している人同士がコミュニケーションを取れる場所やら空間やらの機能を用意してあげるとべターです。さらにそこで特にサービスの発展に貢献してくれたユーザーに対しては、他の人とは区別して「特別待遇」をし、それがユーザー間で可視化されていることが必須です。そして、貢献度に応じて受けられる優待や割引などを用意しヒエラルキーを作ります。
    ・こうしてサービスを軸にして、それを使ってくれるユーザーを母集団にして1つの経済システムを形成し、サービスが成長することでユーザーも得をし、ユーザーが得をすることでサーピスも成長するという「利害の重ねあわせ」を丁寧にやっていき,共生関係を作り出していきます。これによってサービスの差別化が難しくなったとしても、サービスを軸に形成された経済圏が競争優位性となり成長を続けることができるようになります。
    ・今後、情報伝達がここまで速くなった世界では模倣は簡単です。目新しいと思われたアイディアも一瞬でコピーされます。ただ、強いロイヤルティカスタマーに支えられた経済システムは一朝一夕でコピーできるものではありませんし、コピーしたとしても同じものを作ることはできません。製品やアイディアで勝負する時代から、ユーザーや顧客も巻き込んた経済システム全体で競争する時代に変わってきています。

    ・私たち人間や動物の脳は、欲望が満たされた時に「報酬系」または「報酬回路」と言われる神経系が活性化して,ドーパミンなどの快楽物質を分泌します。この報酬系は、食欲・睡眠欲・性欲などの生理的欲求が満たされた場合はもちろん、他人に褒められたり、愛されたりなどの社会的な欲求が満たされた時にも活性化して快楽物質を分泌します。
    ・この報酬系のおかげで、私たちの行動における動機付けがされます。少々言い方が悪いですが、人間も動物もこの報酬系の奴隷のようなもので、ここで発生する快楽物質が欲しいために色々な行動に駆り立てられます。この快楽物質という「ご褒美」なしに、人間は何かに繰り返し打ち込んたりすることはできません。そして、報酬系が分泌する快楽物質には中毒性があります。一度、気持ち良いと脳が感じると何度も繰り返しゃりたくなってしまう性質があります。一方で、脳の報酬系は欲求が満たされた時たけではなく、報酬が「期待できる状態」でも快楽物質を分泌することがわかっています。
    ・長時間変化の乏しいような環境であったり、予測可能性の高いような場合は、脳内の報酬系が刺激されにくいのです。脳は確実な報酬が予測されている状況下では、快楽を感じにくいのです。例えば、頑張っても頑張らなくても自分の給与は変わらず、毎日同じことを繰り返し、予測通りの数字が上がっているような職場だったら、あなたは楽しいと思うでしょうか?
    ・反対に、脳は予測が難しいリスクのある不確実な環境で得た報酬により多くの快楽を感じやすいということが研究でわかっています。さらに、自分の選択や行動によって結果が変わってくる場合には刺激や快感はさらに高まります。
    ・この脳内の報酬系の仕組みをフル活用した装置が、私たちがよく子供の頃に(場合によっては今も)遊んだ「ゲーム」です。優れたゲームほど、適度に私たちの報酬系を活性化させ、人々を熱中させるように作られています。ゲームの存在は、目に見える「リターン」がなかったとしても、仕組みによって人間の脳の報酬系は刺激されて快楽物質を分泌し、特定の行為に熱中するようになる証明とも言えます。
    ・つまり、金銭的な対価を一切求めずに、経済システムを作ろうとするとゲームに近づいていくことになります。昨今の優れたサービスや組織が、ゲームの手法を真似た「ゲーミフィケーション」を取り入れているのを見てもわかる通り、ゲームというものが私たちの脳を直接的に刺激する仕組みを凝縮したものであることは間違いありません。

    ・自然を3つの特徴(自発的秩序・エネルギーの循環・情報による秩序の強化)を持つ有機的なシステムとして眺めてみると、全く関係ないように見えるものも、自然と同じような構造で動いていることに気づかされます。
    ①自発的な秩序の形成。ルールを作っている人かいないにもかかわらず、簡単な要素から複雑な秩序が自発的に形成されているという特徴です。
    ②エネルギーの循環構造。自然界で暮らす生物は食物連鎖を通してエネルギーを循環させ続けています。熱力学の世界では時間が経つと秩序のある状態から無秩序な状態に発展していくとされていますが、自然や生命はこのエネルギーの循環の機能があるため秩序を維持するこもが可能犬と言われています。
    ③情報による秩序の強化。もし、この世界が完全に決定論的な規則で成り立っていたり、反対に完全にランダムの世界だったとしたら「情報」の必要性はありません。「情報」が必要になるのは「選択」の可能性がある場合だけです。つまり、生命が「情報」を体内に記録し始めたのは選択の必要性がある環境だったからと考えられます。「情報」が内部に保存されることで、構成要素が入れ替わっても同じ存在であり続けることができるのです。
    ・生命・細胞・国家・経済・企業まで、いずれも無数の個が集合して1つの組織を作っており、いずれも動的なネットワークとして機能しています。興味深いのは、入れ子のような構造が続いていることです。自然の中に社会があり、社会の中に企業があり、企業の中に部署があり、部署の中に人間がいて、人間の中に器官があり、器官の中に細胞があるといった風に。社会ではそれぞれ、違うものとして名前をつけていますが、構造的には、全て同じものとして捉えることができます(フラクタルといいます)。

    ・テクノロジーの変化を見る時は「点」ではなく「線」で捉えることが大事です。日々登場するIT業界のバズワードを追っていっても、それぞれを「点」で見ていては何も見えてきません。テクノロジーの変化を「線」で捉えるとは、現在の社会システムがどんな課題を解決するために作られたものなのかの「原理」を正しく理解し、最新のテクノロジーはそこにどのような変化を起こすのかを1つの「現象」として理解することを意味します。

    ・これから10年という単位で考えれば、大きな変化の流れは「分散化」です。なぜなら、既存の経済や社会は、「分散化」の真逆の「中央集権化」によって秩序を保ってきたからです。それは、近代社会が「情報の非対称」を前提に作られているためです。情報が偏って存在し、それぞれがリアルタイムで完全に情報共有できないことを前提に、代理人や仲介者を「ハブ」として全体を機能させてきました。
    ・これからは、オンライン上で人と情報とものが「直接」かつ「常に」繋がっている状態が実現します。そうすると中央に代理人がハブとして介在する必然性はなくなり、全体がバラバラに分散したネットワーク型の社会に変わっていきます。この状況では、情報の非対称性は消えつつあるので、間に入っている仲介者には価値はありません。むしろ情報の流れをせき止めようとする邪魔者になってしまいます。分散化が進んでいくと情報やものの仲介たけでは価値を発揮できず、独自に価値を発揮する経済システムそのものを作ることができる存在が大きな力を持つようになっていきます。
    ・この「分散化」という現象は近代までの社会システムの前提を全否定する大きなパラダイムシフトであり、中央集権的な管理者からネットワークを構成する個人への権力の逆流、「下克上」のようなものです。

    ・共有経済(シェアリングエコノミー)と呼ばれるサービスは、社会が常に繋がって分散している状態ができて初めて機能し得るものです。UBERもAirbnbも車や不動産を所有しているわけではなく、ただの個人と個人を繋ぐネットワークを構築し、支払いの仲介や,レビューによる信頼性の担保など、よく回る1つの経済システムを作っているだけです。シェアリングエコノミービジネスは、分散している状態でネットワーク化した社会での成功例の典型で、運営者に必要なのは「主体」としてサービスや商品を提供していくことではなく、「黒子」として個人をサポートしていくことに尽きます。
    ・そこではいかに優れた経済システムを設計できるかが全てです。遊休資産を活用して収入を得たい個人を対象に、適切な報酬の設計を行い、誠実に運営をして顧客満足を追求する人はレビューによって評価を可視化され、さらに多くの収入を得ることができるようにする。ユーザー同士がチャットやコメントを通してコミュニケーションを取れる機能を提供し、ユーザーの手によって勝手に発展していくようなサイクルを作る。

    ・従来は企業と個人の間が主流たったお金のやりとりが、ネットワーク型の社会に移行すると個人から個人への流れがメインになり、そこには今までとは全く異なる経済が発展しつつあります。

    ・実際に私たちが生活している経済は少なくとも2つの性質の異なる経済が混ざりあってできています。労働をして給与をもらい、コンビニに行ってお金を払うという一般的な経済は、「消費経済(実体経済)」と呼ばれています。大半の人はこの経済の中で生きているはずです。もう一つは、お金からお金を生み出す経済、これは「資産経済(金融経済)」と区別されています。こちらの経済をメインに生きている人は資産家や金融マンなどのごく一部の人たちです。ただ、世の中に流通しているお金の流れの9割近くは資産経済の方で生まれています。
    ・今はこの消費経済に対する資産経済の割合はどんどん大きくなっていて、経済はより不安定な状態になっていっています。むしろ、人々は消費をしなくなっていて、先進国に関して言えば消費経済は縮小すらし始めているようにも感じます。ミニマリストが増え、ユニクロの製品のように安くて良いものが手に入り、車や家を購入しなくても普通に生きていけます。一方で、資産経済はどんどん拡大を続けていて,世界中で金融マネーは投資先を探してさまよっています。もう利回りの良い金融商品などなくなってきているため、お金はあるけれど使う対象がないといった状況にあるわけです(あくまで資産経済の話)。日本では企業の内部留保金も過去最高の406兆円となっています。

    ・ものを扱わないネット企業で、財務諸表上の価値として認識されていないものの1つが「人材」、もう1つが「データ」です。ネット企業にとってはこのデータこそが価値であり、会員データ・購買データ・広告配信データなどを失った瞬間に廃業しなけれぱなりません。
    ・フェイスブックの最大の価値はユーザーのデータであり,これらの価値をお金に換えていないたけでした。もしこういったユーザーの行動データも資産として企業価値に反映させることができれば、財務諸表から企業価値を判断する際の認識のズレも生まれなかったはずです。金融の枠組みはどんどん現実世界の価値を正しく認識できなくなっています。

    ・今後は、可視化された「資本」ではなく,お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。私はこの流れを「資本主義(capitalism)」ではなく「価値主義(valualism)」と呼んでいます。
    ・資本主義で一番大事なことは資本を最大化すること、簡単に言えば「お金を増やすこと」を追求することです。どれたけ人々が熱中して膨大なユーザーがサービスを利用してくれていても、それらが「お金」という形に換えられなければ資本主義経済では存在しないものとして扱われてしまいます。逆に、実際は価値がないものであっても、それをうまくお金・資本に転換できさえすればそれは評価の対象になってしまいます。
    ・価値主義ではその名の通り価値を最大化しておくことが最も重要です。価値とは非常に暖昧な言葉ですが、経済的には人間の欲望を満たす実世界での実用性(使用価値・利用価値)を指す場合や、倫理的・精神的な観点から真・善・美・愛など人間社会の存続にプラスになるような概念を指す場合もあります。興奮・好意・羨望などの人間の持つ感情や、共感・信用などの観念的なものも、消費することはできませんが立派な価値と言えます。価値主義における「価値」とは経済的な実用性、人間の精神にとっての効用、社会全体にとってポジティブな普遍性の全てを対象にしています。

    ・価値という言葉は、①有用性としての価値、②内面的な価値、③社会的な価値、の3つに分類できます。
    ①有用性としての価値とは、「役に立つか?」という観点から考えた価値です。実世界での「リターン」を前提にした価値です。
    ②内面的な価値とは、愛情・共感・興奮・好意・信頼など、実生活に役に立つわけではないけれど、その個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼす時に、価値があるという表現を使います。
    ③社会的な価値とは、個人ではなく社会全体の持続性を高めるような活動(NPO等)も私たちは価値があると表現します。

    ・内面的な価値も数字のデータとして認識できれば,それらは比較することができ、かつそのデータをトークン化することで内面的な価値を軸とした独自の経済を作ることもできます。このような内面的な価値を軸とした経済の例が、「評価経済」や「信用経済」です。お金ではなく、他人からの評価や信用などの人間の内面的な感情によって回る経済を指しています。ソーシャルメデイア上で多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーと呼ばれる層が、消費に対して大きな影響力を持ったり、メデイアとしての役割を担ってきたりしている現象も、評価経済や信用経済の一部として語られています。
    ・誕生日プレゼントやお土産も、実用性としての価値が重要なのではなく、気にかけてくれているという好意そのものが価値であることもよく似ています。
    ・一方で、なぜ多くの人が評価経済や信用経済に対して違和感を抱くのかというと,今話題になっている大半の仕組みが「評価」や「信用」ではなく、「注目」や「関心」に過ぎないから、ということがまずあげられます。ネットのインフルエンサーが集めているのは、興味・関心・注目であって、世の中の人が考える評価・信用とは似て非なるものです。
    ・アクセス数やフォロワー数などのデータは、興味・関心・評価・信用などが混同してしまっていて、それらを明確に区別できていません。その人が多くの人に評価されているのか、注目されているたけなのか、面白がって野次馬的に見られているたけなのかは現在のフォロワー数やアクセス数のような簡単な指標からは判断できないのです。もし、今目の前で起きていることが「注目経済」「関心経済」と表現されていれば、多くの方も納得できたでしょう。
    ・もう1つの理由としては、注目や関心などの特定の内面的な価値のために、共感や好意などの他の内面的な価値や、治安や倫理などの社会的な価値が犠牲になることがあるからです。「注目経済」「関心経済」においての必勝バターンは、何を犠牲にしても注目と関心を集めることに尽きます。例えば、倫理的に問題のあるような行為をして、それを動画に収めてYouTubeにアップして炎上させて再生数を稼ぐといったこともよくやられています。
    ・社会は絶妙なバランス感覚で成り立っています。ある特定の価値が過剰に持ち上げられて、他の価値を毀損し始めると、バランスを取るように揺り戻しが起きます。評価経済や信用経済のメリットばかりが最近は強調されていますが、根本的にはどの仕組みも行きすぎると資本主義と同じような問題は起こり得る、ということを全員が認識しておくことが重要です。

    ・かつて企業は情報格差や政治的特権を活用して利益を上げることができました。今は消費者がネットを使ってあらゆる選択肢を調べて自力で最良の選択ができるようになってきています。ネットの集合知のおかげで消費者が劇的に賢くなりました。これからの時代は本当に価値のあるサービスを提供しない限りは利益を出しにくい、価値と利益がイコールで結びつく時代だと思っています。一方で、以前はビジネスとしては全く魅力的には映らなかった研究開発的事業や社会貢献的事業も、それに価値を感じる支持者を集め、利益の出るビジネスとして成立しつつあります。
    ・スマホやブロックチェーンなどのテクノロジーの普及によって、これらの社会的な価値を軸にした独自の経済圏を、グローバルで誰でも簡単に構築できるようになると、この流れは一気に加速します。
    ・反対に「楽に儲かる」という動機で始められるビジネスの多くは、情報がオープンである世界では過剰な競争を発生させ最終的には満足な収益が出にくくなっています。
    ・これら全体の流れを見ると、社会的に価値のある取り組みは利益を出しやすくなってきている一方で、利潤のみを徹底的に追求する事業は短期的な利益を求めすぎて消費者に避けられてしまうか、過剰競争に巻き込まれて長期的には収益を出しにくくなっているような気がします。数十年後には「営利」と「非営利」という区別はなくなっており、活動は全て「価値」という視点から捉えられるようになっているでしょう。

    ・AIなどのテクノロジーが急速に発達していき、大半の労働は価値を失います。人間がやるよりも機械がやるほうがはるかに安価で効率的であるからです。そうなると大半の人が失業してしまうことになります。そこで、ベーシックインカムの導入などを考える国が増えてくるでしょう。
    ・へーシックインカムによって働かなくても生きていけるという状態を全員が享受できるようになったら、私たちにとってお金はとのような存在になるでしょうか。お金のために嫌な仕事をする必要もない。労働からもお金からも解放された状態になります。当然ですが、お金の相対的な価値はさらに下がります。現在はお金には人を動かすカがありますが、生活するためにお金を稼ぐ必要のなくなった人からすれば、お金はもっとあったら便利なものであり、なければならないものではなくなっているはずです。なので、お金からは人の行動を変える魅力は失われます。現在の経済では最も強カなお金を稼ぎたいという欲望(金銭欲)が、報酬として機能しなくなることが想像できます。
    ・私たちがどんな職業につき,誰と結婚して、どんな宗教を信じ、どんな政治思想を持つのも個人の自由であるのと同様に、何に価値を感じて、どんな資産を蓄え,どんな経済システムの中で生きていくのかも自分で選んで自分で決められるようになっていく。私たちはその過程じあります。そこでは優劣を決めようとしたり自分の基準を他人に押し付ける必要は全くなく、ただ個人が自分に最も適した経済を選んでいくという「選択」があるだけです。

    ・ミレニアム世代(1980年以降に生まれた世代)は、比較的裕福になった後の世代なので、お金や出世みたいなものにモチべーションを感じにくいです。生まれた時から衣食住が満たされている状態で、あの服が欲しかったとか、もっと美味しいものが食べたかったみたいな強烈な執着というのが生まれにくいのは理解できます。
    ・ミレニアム世代以前は足りないものがあって、それを埋めるために必死に頑張るという明確な方向性を持っていました。そして、その基盤を受け継いだ世代は満たされてしまっているので、何に向かって頑張れば良いのかがわからなくなっている。そしてその不完全燃焼のような感覚が多くの人を不幸にしているという事実。おそらく上の世代からは「なんて賛沢な悩みだ!」とお叱りを受けると思いますが、これが深刻になってきているので、危機感を覚えている人が増えてきたということです。
    ・人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものですが,あらゆるものが満たされた世界ではこの人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつあります。この流れはさらに加速していき、人間は物質的な充足から精神的な充足を求めることに熱心になっていくことは間違いありません。これから誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどん上かつていくことになります。

    ・金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。つまり、これまでと真逆のことが起こります。利益やメリットを最優先にする考え方は実用性としての価値の観点であって、それを内面的な価値に適用したところで全く機能しません。簡単に言えば、「役に立つこと」や「メリットがあること」と、「楽しいこと」や「共感できること」は全く関係がないのです。これまでの経済はいかに役に立つかを価値の前提にしてきて、使用価値のないものに価値を認めてきませんでした。内面的な価値は、商品でもサービスでもありませんでした。しかし、共感・熱狂・信頼・好意・感謝のような内面的な価値は、SNSといったネット上で爆発的な勢いで広まっていきます。今や誰もがスマホを持ち歩いてネットに常時接続しているので、人の熱量が「情報」として一瞬で伝播しやすい環境が出来上がっています。
    ・仮想通貨やトークンエコノミーの普及によって、こういった目に見えない価値もネットを経由して一瞬で送れるような仕組みが整いつつあります。ものやサービスが飽和して使用価値を発揮するのがどんどん難しくなり、多くのミレニアム世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなります。
    ・この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道と言えます。そして、そこでは世の中の需要たったり、他の人の背中を追う意味は薄くなります。なぜなら、内面的な価値ではオリジナリティ独自性や個性が最も重要だからです。その人でなければいけない、この人たからこそできる、といった独自性がそのまま価値に繋がりやすいです。

    ・かつてルネサンスが起こった時は,イタリアは貿易によって急速に裕福になっていきました。貿易や金融で財産を築いたメディチ家など大富豪が有り余る富で芸術家を支援しました。結果的に、近代芸術の発展につながります。さらに宗教の後ろ楯を得たニュートンなど科学者が様々な物理法則を発見して、産業革命を引き起こし、そこでもたらされた経済的な基盤きもとに宗教から民主主義・資本主義・科学の時代へ大きなパラダイムシフトが起きていきます。
    ・今回の経済に関する革命は、今まで「儲からない」という理由で投資を受けられなかった最先端のテクノロジーへの投資を加速させ、人類を次のパラダイムに移行させるトリガーになり得ると見ています。

    ・先ほど経済と政治の境界も消えると話しましたが、同様に経済と宗教の境界線も消えていくでしょう。株式会社も宗教法人も、利益か思想かの入り口は違いますが、やることが似ているからです。株式会社は理念を掲げて社会的な価値をより追求していく流れにあり,一方で宗教は内面的な価値を取り込み経済を形成していきます。
    ・経済システムも国家も都市も宗教も会社も、私たちは目的や規模や用途に応じて別の名前をつけて別の概念として扱ってきました。しかし、「価値」という視点で分類し直すと、これらを区別する意味はなくなります。価値主義では、物理的な存在を前提にした近代の分類が溶けてなくなり、バーチャルな空間でのネットワークの構造に着目するからです。

  • 正直、日々目に入るニュース以上の内容はない。
    ただ、価値の捉え方の具体例があったのは参考になった。
    短い本だったので幸いにも読むのに時間をかけずに済んだのが救い。

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著者プロフィール

福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。2015年に東証マザーズに上場。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「30 Under 30 Asia」などに選出。2017年には時間を売買する「タイムバンク」のサービスの立ち上げに従事。宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務。
『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(幻冬舎)で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」リベラルアーツ部門賞を受賞。

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