- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344032170
感想・レビュー・書評
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著者の落合陽一さんが、日本を再興するための戦略を熱く語った本。
斬新な提案が多いが、必ずしも現状を全否定するわけではなく、"士農工商"を序列ではなく、分類と捉えれば、現代の職業体系に近いとか、少子化も高齢化もテクノロジーの発展により、身体的なダイバーシティが拡がると考えられるなど、ネガティブな要素もチャンスと捉えて、新たな発想を生み出していて、とても参考になった。
また、なんでも欧米がいいと考えがちな日本人の思考は正すべきとしつつ、ライフワークバランスをよくするために、やみくもに"ライフ"と"ワーク"を二分しようとするより、仕事と生活が一体化した"ワークアズライフ"の方が、日本人には向いているというなど、日本の伝統的な考え方や日本人の性格なども踏まえた上で、斬新ながら、むしろ現実的な提案がなされていて、日本の将来のポテンシャルに、もう少しだけ期待してみようと思えた。
そして、超がつくほどの多忙さの中でも、大学での研究、教育に時間を割き、人への投資をすることに拘っている点も素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
落合陽一さんの第一印象は「この人ナニモノなの?!」ってこと。
学長補佐であり、社長であり、アーティストであり、父親でもあって...。
読了後、色々なことがわかったけど、一つだけわからないことも。
日本は超拝金主義という部分は、留学していていたときに「日本人は何でそんなに働くの?」と何度も聞かれたので非常に共感しました。
カネのために色んなものを犠牲にしがちだけど、お金はモノに交換できる便利な紙でしかない。
結局、この人は何者なの?!笑 -
読んで「へー」というだけではダメな一冊。落合陽一さんだからこんな考えができるんだと他人事に思っていたら日本が変わることはできません。共感してできそうなことがあれば行動してみる。子供の学校を選ぶときに本書で出てきた考えを少し思い出しながら見てみる。そんなことが読者に必要だし、やってみたいなと思わされます。
本書が他の本とちょっと違うのは、欧米の真似ではなく、日本の過去の文化を振り返りながら日本に合った方法を提案しているところです。
本書は言葉の説明の部分がかなり長いです。その部分を飛ばすとテンポよく読む(聞く)ことができます。
●少子化は悪いことではない
「出生数が減った!増やさねば」と言う世論とは少し違う意見です。減ったら減ったなりのやり方があるし、ロボットやAIを生かすことで労働人口の不足には対応できるという主張です。そして、子供は少ないからこそ、リソースがさける、大人のほうが多いからこそ子供一人ひとりを大切にできるというのはそうあるべきだとわたしも思います。
子供を大切にすることは、子供自身はもちろん、子供の親だけでなく、国としてメリットがあるというのは再確認できました。
●年功序列の廃止
事務仕事が得意で現状維持が好きななおじさん達は別の場所でニーズがあるというのはすごく共感できました。
年功序列廃止の実現のためには、兼業 OK、クビを切りやすい制度の実現が必要です。とはいえ、すぐには変わらない気もする。そこで、自分で転職なり行動することで年功序列から自らはみ出してみるというのはどうでしょうか。学校教育が年功序列のため、レールから外れるのは少し怖いかもしれませんが、転職なら今の時代挑戦しやすいと思います。転職しなくても本の感想書いてみると言うのでも何か変わるきっかけになるかもしれません。(なってほしい)
●教育に力を入れる。
福沢諭吉、吉田松陰も教育に力を入れていました。それは、優秀な若い人が国を変えるということを知っていたからだそうです。著者も睡眠時間3時間で毎日多様な業務に追われているようです。その中でも教育には力を入れているとのこと。 -
5年前の本。落合陽一の本は読んだことがないので、どれくらい読みが当たっているのか分かるかしらと確認するつもりでパラパラ読んだ。
古い感じは全然しないので、未来予想の射程が長いのだろう。
仕事で、中身のない修辞のみの文を見ると、「英語に訳せるか」を判定基準にしているので、以下の記述は、そうそうと思った。
P115
今後は「訳せない」こととは、考えがまとまっておらず、コミュニケーションが取れないことと同義となるのではないでしょうか。
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日本再興について、著者独自の視点で提言されており、明るい未来が見えました(笑)
○現在の日本にとって少子化は悪くない❕
○士農工商の商は、何も生み出していない❕
などなど、なるほどー!と思えるアイデアがありました。
ぜひぜひ、読んでみてください -
頭のいい若者の勢いのある本です。正直横文字多くてよく分からんという感じでありました。文中で意味の無い横文字で言わない方がよいなんてことが書いてありましたが、結局日本語に置き換え可能な言葉も沢山横文字で出てきています。
みんなこの横文字を一生懸命解説と引き比べて読んで「分かった!」という気もちになるのでしょうか。
これからAIが発達し、通貨の在り方が変わり、国、統治の主体の在り方が変わるに当たって、一番変わらなければならないのは教育及び職に対しての考え方という事なんでしょうね。既にして昭和的な教育を受けてきた僕らにとって、これから訪れるであろう新世界がはまさに怖れの対象ですが、そこにワクワクや可能性を見いだせる若者が世界を作っていくのであれば、まさにこの転換点というのはチャンスに見えるのかもしれませんね。
彼の提唱する「百姓になるべき」という言葉は、百の事をする人という多様な人間を指しているのですが、これからは専門業種だけでは生きて行けなくなるんでしょうね。まだ人生長いので自分を省みて考えこんでしまいました。 -
いま話題の人 落合陽一。
YouTubeを見る中で、見つけた若い人である。
現代の『魔法つかい』ともいわれる。
そのあらゆる面においてのコミットメントする姿勢は、素晴らしい。
イマドキの若いものはなんて言ってられない。
こういう若者が、現れるのは、たのもしいことである。
筑波大学の教員であり、学長補佐。ベンチャー企業の経営者。
アーティストとして、芸術作品を生み出し、
テクノロジーとアートとプロダクトつくり。
実に、マルティプレイヤー。教育、研究、経営、アートに関わっている。
これからの『働き方』を予感させる その仕事の多様性。
『価値』が重要なキイワードであるが、「価値」の定義が不明である。
少なくとも、価値にも ダイバシティがあると思われる。
バリューダイバシティの時代。
落合陽一の3つの再興戦略
①経営者として、今までとは違うスタイルのイノベーション開発。
②メディアアーチストとしてクールジャパンの素地の正体をつかみ、
クリエイティブにする。
③大学はどうあるべきかを考えてグランドデザインをつくる。
ふーむ。戦略ではないよな。戦術方針みたいなものだと思うよ。
『賢い上にひらめきがある天才が必要だ』と自分の登場をほめている。
こういう押しの強さが必要なのだね。
東洋思想と言いながら、実にアメリカナイズされているのはおもしろい。
さすがに、落合信彦の息子だけある。
『変わりつづけることを変えず、作りつづけることをやめない。
東洋の自然観はデジタル時代に新たな自然を構築する。
バックグランドとビジョンを拡張し、世界に貢献する。』
と落合陽一は 宣言する。
いやはや。その意気込みが 必要なのだ。
主張は 大きく言って 3つ。
①欧米とは存在しない。ヨーロッパとアメリカは違う。
②日本人は、公平にこだわり、平等にこだわらない。
③ワークアズライフ。百姓の「多動力」がいる。
百姓とは、百の仕事をもっている。
タイムマネジメントから、ストレスマネジメントへ。
リーダーは、尖っている能力、足りないのは補ってもらえばいい。
意思決定と実務権限はわけられるべきだ。
後継者ではなく、後発を育てよ。
リーダーとは、愛されることなのだ。
ふーむ。おもしろい切れ味である。
文章は、頭の回転の速さに、ついていかない状態で
飛躍に飛躍を重ねるが、その八艘渡りに近い展開は
スリリングでもある。いやはや。おもしろい時代になったもんだ。
若者が 堂々としているのは、たのもしい。 -
落合陽一の頭の中を覗き見るのに、一番整理されていそうなので読んでみました。
日本再興の基盤となるのは先端テクノロジーによる物作り、各人の個性にマッチングするための味付けはアート。
著者は恵まれた環境で幼少期を過ごしてきたようで、そのためか行動と考え方が大胆かつポジティブです。
殆どの人は著者のようには生きられないと思いますが、方向性は大いに参考にすべきでしょう。
現在の日本社会は、まさに本書が示しているような姿に徐々に変化しています。
今後は変化の度合いも加速していくように感じます。
ところで物作りを仕事としない人達は、この本を読んで何を思うのでしょうか? -
必要があって読む。
うーん、話題の人ながら、失礼ながらこの人、あまり頭が良くないなあと終始実感。
この人が提言する日本再興論を実践したら、日本が再興されないことは目に見えている。
なぜなら、思考方法に中心が一つしかないから。それを是とする人々を、自分は信用しない。 -
日本の歴史を振り返り本来の日本の文化を提示し、中央集権から地方分権にするなど、明治以降の欧米化をリセットして新しい日本の文化・社会を再構築せよと迫ります。
そして、少子高齢化を好機として人工知能を始めとした5G、ブロックチェーン、AR/VR/MRなどのテクノロジーを用いて新しいビジネスでイノベーションを起こせと叱咤します。
デジタルディスラプションを起こすのではなく、「今パイを持っている人たちを更に儲けさせてあげるような枠組みを考えてあげないといけません」とあるのが正に日本文化的です。
また、個人への提言である「ポジションを取れ。とにかくやってみろ。」も著者の行動からとても説得力があります。
著者プロフィール
落合陽一の作品





