日本再興戦略 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032170

感想・レビュー・書評

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  • 前半分は冗長だし支離滅裂。士農工商のメタファー(歴史的に正しいかは疑問)だけ頭に入れておく。
    第5章から一気に面白くなる。リーダー2.0のあり方、ホワイトカラーおじさんや年功序列の排除、落合陽一だけの特筆すべき論はないが、「やっぱりそうだよな」と納得感のある提言が並ぶ。時代に取り残されてるかも、と思った人は日曜朝の比較的気分がいい時に読んでみては。

    追加 他の方が「命を削った書」と書いていたけれど、全編見る限りゴーストライターが書き起こしたようなこじんまりした筆致。ただ、「おわりに」における落合氏自身の昨年末の行動とその想いは迫力あり。最後の最後で熱い想いを持てた。

  • 1年前の出版。
    もう古いけど、まとまった著作としては最新?

    章立ては以下のとおり
    欧米とは何か 
    日本とは何か
    テクノロジーは世界をどう変えるか
    日本再興のグランドデザイン
    政治
    教育
    会社・社会・コミュニティ

    最初の問い立てが良い。
    曖昧な平等意識?グローバリズム?に流されて、日本とは何か ということを煮詰めて考える習慣がないのが日本。
    こんなにクッキリ世界の果ての孤島なのに!
    落合氏の提示する答えは??(士農工商に反応している人が多くて驚く。高偏差値男子校出身者ばっかり?ww)だけれど、それは人によって違っていいし、エリート層であればこの問いは常に念頭にあるべきだと思う。

    そのあとの章においての落合氏の主張は、一極集中の打開、グローバリズムに対抗する方法、少子高齢化の現実に即した対策、にまたがっている。
    ただ、上記のような耳タコワードはくり出さない。
    "トークンエコノミー”という言葉が使われているが、 限定された範囲で使える電子マネーやポイント制度の拡大をイメージすればいいだろうか?
    それにより、地域固有の経済圏を構築することができそうと。 また少子高齢化はそのままに受け止め、 AIやロボット技術への労働移譲、教育への厚い投資を期待する。
    このあたりのアイディアは賛同できる。

    教育についてはイマイチ。
    彼自身がかなり学校に苦労した部分があるのでしょうね。
    で、男子校でひとりっこだね、たぶん ... そんな感じがぷんぷんする。
    まぁ、でも、そういう自分をオープンにする、というのは立派だし、彼のようなやり方が合う子だっているだろうな。

    総じて、なるほどと思わせる言葉選びがされている一冊、という印象。
    叩き台になる一冊だ。
    そして まだお若い 落合陽一さん、
    彼が幸せでありますように!と つい願ってしまう可愛げもたっぷりこもっていました (^^)

  • 【気になった場所】

    高度経済成長の正体
    国民に均一な教育を与えた上で、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメディアによる世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略
    →今の状況でこれを続けると、機械親和性が低く、代替性の高い人類を生産する仕組みであるため、一人当たりの生産性は下がる

    日本人が合わないもの
    ・平等
    →公平にこだわり、平等にこだわらない日本人
    ・近代的個人
    ・ワークとライフを二分法で分けること
    →ワークとライフが一体化させたほうがいい

    これからの日本人に大事なのは、複数のコミュニティに所属しつつ、そのコミュニティを自由に変えられること
    →この感覚を共有できる地域経済をつくり出していく必要がある
    →そのために、ビジョンと教養が必要

    東洋的な価値観
    ・自責で考え、不明点を理解しようと心がける姿勢

    「ムラ」という考え=現実的で効果のある策
    ・日本という国民国家の概念を捨て、都道府県・地方自治ごとで考え、意思決定する

    日本の統治構造ができるまで
    ・出雲政府と大和朝廷の勢力争い
    →大和朝廷が勝ち、日本を統一
    →日本は日本として成立し始める

    ・中臣鎌足の大化の改新
    →天皇制という概念を王政と持つ一方、天皇が政治を行わず、官僚が行う
    →日本の基本スタイルが生まれる

    日本の宗教はイノベーティブ
    ・一般的な宗教は、カリスマ性のある開祖が存在し、その後コミュニティを作る上で自発的に生まれる
    ・統治者と国が国策として宗教組織を生み出す
    ・国が神を設定したのに、天皇一神になっていない(八百万の神)

    インド人にとってカースト制度は幸福
    ・身分が決まってる(自由ではない)一方、将来が約束されているという点で安定している
    →政権や経済政策が不安定なため余計感じる

    日本も本質的にカーストが向いている国
    ・士 政策決定者、産業創始者、官僚
    ・農 一般生産、一般業務従事者
    ・工 アーティストや専門家
    ・商 金融商品や会計を扱うビジネスパーソン
    →職業の行き来のしやすいカーストへ
    →柔軟性のあるカーストへ

    農=百姓
    ・マルチパーソン、多動力
    →百姓を目指し、その中からクリエイティブクラスが生まれていく

    1988-2000に流れたトレンディドラマ・拝金主義などを植え付けた日本のマスメディアがこのカーストを破壊
    →日本人が目指す人物像が画一的になってしまった

    拝金主義を抜け出せ
    ・お金は神様ではない、ツールだ
    →自己認識の上でこの概念を排除しなければ、いつまでも幸せになれはい
    ・抜け出すのに必要なのは、文化であり、美意識であり、その基盤となる教育

    人口減少や少子高齢化はチャンス
    ・機械化に対するネガが起きにくくなる
    ・解決すれば、他国にノウハウを伝授できる
    ・貴重な子どもに教育投資をするようになる

    日本再興の切り札
    ・ロボット
    ・自動運転
    ・ブロックチェーン あらゆるデータの移動歴を信頼性のある形で保存し続けるためのテクノロジー
    →非中央集権的
    ・トークンエコノミー 通貨に限らず価値交換に使えるトークンの発行に依拠した経済の意
    →Tポイントカードもマイレージもトークン

    リーダー2.0とは
    ・何か一つでも尖っていればいい
    ・それぞれの得意分野に特化させる
    ・後継者でなく後発を育てる
    →意思決定と実務の権限を分けて、優秀な人を周りに置いてチームをつくれる人

    これからの時代に必要な能力
    ・ポートフォリオマネジメント
    ・金融的投資能力=何に張るべきかを予測する能力

    日本経済・再興戦略
    ・ホワイトカラーおじさんの社外アウトソース
    ・男女のフェアな扱い(≠平等)
    ・年功序列との決別
    ・近代的人間からの卒業

  • ちょっと言葉が分かりづらく、読む進めるのが難しい本でしたが、誰も想像していなかったスマホ、メルカリ、アマゾンなどなど当たり前になってきている世の中、この本に書かれていることも突拍子もない話でもないのかな、と感じることができました。日本独特の文化、価値観についてわかりやすく解説されていると思います。

  • 落合陽一氏の本を初めて読んでみました。

    朝生レギュラー陣からも絶大なる信用を得ている御仁だったので、楽しみでした。

    一読した感想は、間違いなく発想の天才です。

    個々の政策提言については、どの程度の実現性があるのかイマイチ不明ですが、彼の発想は従来の思考の延長線上ではなくアンタッチャブルな領域にも躊躇なく踏み込んでいく革新性があります。

    例えば、「日本にはカーストが向いている」「士農工商を復活させよ」などという物騒な提言は、著者ならではの挑戦的な提言です。

    本書の面目躍如は、具体論に入る第4章からです。

    例えば、日本の最大の悩み、弱点とされる「少子高齢化」を逆にチャンスにとらえて、AIを駆使したロボット化促進で、新たなビジネスチャンスを生み出そうという発想もユニークですし、そのロボット化は専守防衛のための兵器にまで広げるというアイディアも素晴らしい。

    既存のプラットフォームでビジネスモデルを考えるのでは、既存のルール(先行者に有利なルール)に縛られざるを得ず、その意味でもブロックチェーンを使ったトークンエコノミー(ビットコインなど)の育成強化は日本には必要不可欠という提言も斬新です。

    教育についても、平均点主義なセンター試験を止めることで、一芸に秀でた人材の発掘も可能になり、今後はジェネラリストよりもスペシャリストを養成して、専門的技能は劣るが説得力のあるビジョンが描ける人材のもとで効率的な研究開発を進めていくべきという提言もなるほどと思いました。

    彼は28歳という若さで、助教授をやりながら起業し、30歳のときに助教授を辞職し、筑波大学内に自分の研究部門を設立し、新たに基盤長・准教授に就任という仕事も役職も自分で持ってくるという離れ業を成功させています。

    「手を動かせ。モノを作れ。批評家になるな。ポジションをとった後に後悔しろ」

    日本にとって歓迎すべき若いカリスマスターの登場です。

  • 自衛軍については?自身のポートフォリオマネジメントの必要性を再確認。ワークアズライフは業界によって向き不向きがあるように思う。

  • ー 最近、僕は「人類のよさは、モチベーションだ」とよく言っています。リスクを取るほどモチベーションが上がるというのは、機械にはない人間のよさなのです。

    「機械は正規分布の中にしか吸収されないので、リスクを取るほどモチベーションが上がる状態というのは、統計の中では出てきません。この「リスクを取る」ということが機械はすごく苦手ですから、人間はそこを強くしないといけません。

    革命というのはモチベーションの塊です。統計の中からはなかなか出てこない結論です。ただ、モチベーションは、文化資本の再分配関係にものすごく依存しています。モチベーションを生むコンテクストは、文化から生まれます。 ー

    国防とかビットコインとか士農工商復活論とか、ちょっと「ん?」って議論もあるけど、彼にとっては意見表明することが大事なので、なかなか面白い作品。

    プライムリーディングでちょうどいい。

  • ●「個人」として判断することをやめればいいと僕は考えています。「僕にとって誰に投票するのが良いか」ではなく、重層的に「僕らにとって誰に投票するのがいいのだろう」と考えたらいいのです。個人のためではなく、自らの属する複数のコミュニティーの利益を考えて意思決定すればいいのです。
    ●イノベーションとの組み合わせ。例えばシリコンバレーはソフトウェアと、中国では生産設備と、フランスは最近文化との組み合わせでスタートアップ育成に力を入れている。
    ●「グローバル人材に必要なのは英語」とよく言われましたが、Google翻訳がこれだけ進化した時代に、同じことが言えるのでしょうか?「何のために英語を勉強するの?海外の人に伝えたいことがあるの?」と聞いてみたのですが、特に答えは返ってきませんでした。発信する内容もないのに、英語を学んでも意味はありません。
    ●日本にはカーストが向いている。インド人によく「カーストってあなたにとって何なの?」と質問をするのですが、多くの人が「カーストは幸福の1つの形」と答えてくれたことがありました。
    ●アーティストと言うのは、人類が今までに蓄積してきた美の最大到達点をさらに更新しようとしている人たちです。博士と言うのは、人類がそれまで蓄積してきた知の領域をほんの少しだけ外に広げる人たちです。だからこそ社会的価値がとても高いのですが、日本ではそうした認識がありません。
    ●もしタクシーが自動運転になったら、手紙がEメールになった時のように、ものすごく頻繁に、タクシーを使うようになるはずです。単純に、デジタルカメラのことを思い出してください。
    ●トヨタが車だけにこだわる必要は全くありません。スマホを作っても良い。これからはライフスタイルブランドにならないといけないのです。トヨタの今後のライバルは必ずしも自動車メーカーではありません。LVMHかもしれない。
    ●例えば、空き部屋をシェアするエアビーアンドビーについても「こんなサービスをなじめない」と言う人がいますが、頭ごなしに否定するのではなくて、むしろ「自分のマインドセットが今風ではないんではないか」と疑ったほうがいい。そういう新しい価値観を受け入れていく方が生きやすい。それができない人は、ストレスばかり溜めてしまって、新しい時代の中で、すごくかわいそうな人になってしまいます。
    ●介護ロボットの導入を促すときは、こんな例を出せば良い。ウォシュレットに自分のお尻を洗ってもらうのと、人間に洗ってもらうのとどっちが好きですかと聞くと普通大半の人はウォシュレットと答えるはずです。
    ●全世界でサービスを無料にして薄く配ると言う考え方によって巨万の富を得ているGoogleやアップルと言うカルフォルニア帝国の主に対して、「それは非合理的ではないのか」「われわれはめちゃくちゃ搾取されているのではないか」と気づいたローカルが、ブロックチェーンやビットコインや非法定通貨のエコシステムを使って、新しいデジタル世界を構築していこうとする戦いです。
    ●弁護士は、社会制度を複雑にしたおかげで生き残った職業です。それは公認会計士や税理士も同じです。これらの仕事の給料は高いですが、社会に富も価値も生み出していません。制度を難しくこねくり回しているだけなので、あまり意味がないのです。
    ●ちゃんとした日本語で書ける人は、英語もちゃんと書けるものです。だから英語を苦労して習得するよりもちゃんとした日本語の本をかけるようになった方が良いでしょう。
    ●「今即時的に必要なものをちゃんとリスクをとってやれるかどうか」です。リスクをあえて取る方針と言うものは、統計的な機械にはなかなか取りにくい判断です。ここをやるために人間がいるのです。

  • 欧米の文化を全ていいものだとして無制限に採用するのではなく、日本にベストの形で導入するべき。これからは、お金が稼げるだけの職業に価値はなく、芸術家や博士といった人間の可能性を広げる職の人々の方が社会的価値が高くなる。現代日本における人口減少と高齢化はネガティブなものではない。うまい対応策を考案できれば、最高の輸出品となる。
    これからの時代では、足を止めての自分探しはおすすめできない。できることをとりあえずやりながら、同時に自分探しを行う。

  • ・PASMOも仮想通貨のひとつ

著者プロフィール

落合陽一(おちあい よういち)
メディアアーティスト、研究者。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教、デジタルネイチャー研究室主宰。2015年Pixie Dust Technologies.incのCEO。2017年から筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。2017年12月からは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社による筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長 及び 准教授を兼務。代表作に、最初の著書『魔法の世紀』、『日本再興戦略』『デジタルネイチャー』など。ほかにも様々な作品と著作に関わる。2019年9月7日、『2030年の世界地図帳』を刊行。

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