- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344032262
作品紹介・あらすじ
勉強が嫌いで、周囲の目ばかりを気にして日々過ごしている隼人。さらに、些細な出来事がきっかけで、仲の良かった友達との関係がもつれ、孤立することになってしまった。ある日、自分の部屋に帰ると、そこには見慣れぬ大きな物体が。それは、長期間不在になる父親が残していったロボット・ユージだった-。
感想・レビュー・書評
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この作品は、中学1年生が主人公だし、最初「中学生向けの本なのかなあ」と思いながら読んでいました。
そしたら、最後の方は大人でも泣ける話でした。
築山幸一郎が多感な中一の息子の隼人のために、アメリカ出張の前に作って部屋に残していった、張りぼてのような人口知能搭載のロボット、ユージ。
ユージは、隼人に「ボクハ、ハヤトニ、アイヲツタエル、タメニ、ウマレタ」と自己紹介をします。
母の真由美は、隼人に生まれることのできなかった弟「由志」の存在を話します。
隼人は最初、ユージのみかけが悪いので、ユージを嫌がり、外に出しません。
でもユージとの交流が進むにつれ隼人は変わります。周りの友人に足をひっぱられそうになりますが、ユージの助言により、見事に立ち直ります。勉強も進んでするようになり、サッカーの朝練も自主的に始めます。好きだった女生徒の円花との仲も上手くいきます。
ユージを外に連れて行って、初めて、二人でサッカーをする場面は涙しました。
そして、隼人はユージが最初に言ったことばの「アイ」をずっと「愛」だと思っていましたが、ユージが伝えたのは「愛」ではなく他のものでした。
最後にはユージとのつらい別れが待っていました。
○隼人がユージから学んだこと
・勉強にしても、何にしても必要最低限を超えないと損だ。
・『勉強』という道具を使って、逃げないことを学ぶ。
・時間の使い道は、消費・浪費・投資も三つに分類される。「投資」の時間をしっかり持つことが大事。
・同じ勉強をするなら『投資』になるようなやり方をした方がいい。
・『何をするか』より『どうやるか』
量的にも必要最低限を超えるのは大事だけど、質的に超えることはそれ以上に大事。それができると、勉強している時間はずっと将来への投資になる。
・自分の人生でやりたいこともやらずに生きていく、そんな人生にするんじゃない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初ユージみたいなロボットがそばにいてくれたらいいなと思った。いろんなことを教えてくれたり、話し相手になってくれたり。友達というか、先生みたいな存在。
『どうせやるなら必要最低限を超える』この言葉がすごく印象的。やっつけ仕事みたいに流すことが多い自分だけど、しっかり時間もかけて取り組むこともしていきたい。
教頭先生との挨拶や水やりをする場面が好き。
ラストはジーンときた。命あるものを大切にしていきたい。喜多川泰さんの本は、また読みたい。 -
30代の中年が考えさせられて泣いた本。
もっと評価されてもいいんじゃないかなぁって、いつも思います。
・イライラしてしまう理由
・本当の理由を考えること
・しんどい、やめたいの先にあるもの
など、感動とともに多くの学びを得た一冊。
若い頃に読みたかったなと思いつつも、「後悔は学びに変わる」ので全力で学びに変えていきます。
涙腺弱い方はカフェや出先ではなく、自宅で読むことをおすすめします。 -
フォロワーさんに勧めていただいた本。Kindleで読みました。
時間の投資、勉強の最低限度を超えて、自分の未来のために時間つかう。本当にそうだなぁと思います。私コロナ療養中で自宅隔離の身で体調が悪いとふさぎ込みますが、自分への投資をしっかり考えたい、娘にも読んでもらたいです。
人に期待せずイライラしないようにも心がけたいです。
最後の場面は泣けました。ユージ、ありがとう。-
Sakuraさん、こんにちは!
早速手に取って読んで頂け、何だが感無量で嬉しいです。
Sakuraさんのレビュー読ませて頂いて、
おす...Sakuraさん、こんにちは!
早速手に取って読んで頂け、何だが感無量で嬉しいです。
Sakuraさんのレビュー読ませて頂いて、
おすすめしてよかったと思いました。
この作品、
読んですぐに子供に「すっごくよかったから読んでみて」と
すすめましたが、全く取り合ってもらえませんでした(汗)。
Sakuraさんの娘さん、読んでくれるといいなぁ~って思います。
ラスト、泣けますよね…!私もジーンとなりました。
PS:Sakuraさん、療養中とのこと…お大事にしてください。
そして、回復して思いっきり心から読書楽しめるようになるよう、
願っています。2022/08/30 -
かなさん
素敵な本をご紹介いただきありがとうございました。自室から出られず、Kindleで読みました。娘に読んでもらうには紙の方が良かったの...かなさん
素敵な本をご紹介いただきありがとうございました。自室から出られず、Kindleで読みました。娘に読んでもらうには紙の方が良かったのですが、Kindleで勧めてみようと思います。ちなみに娘は手紙屋という本を勧めたらとても気に入っていました。
それからお見舞いのメッセージありがとうございます。勇気づけられました。2022/08/30
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今ドキの中学1年生の隼人、父親が長期海外出張に出かけることになり、その父親が残していったのが、隼人にアイを伝える使命をもった人工知能ロボットのユージだった…。ユージと過ごすことで、隼人が大きく成長していく作品になっています。この作品の装丁のおかげで、読んでいてもユージを想像しやすかったのがよかったと思います!「自分の価値観を大事に、他人に惑わされることなく自分のやりたいことをする」「必要最低限のことを超えてみる」など、うちの子供にも読んでもらいたいと率直に思いました。ラストはさみしいけどあったかい気持ちになれました!喜多川泰さんの作品は2作品目ですが、やっぱりすごくいいです。
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勉強もあまりせず
どうやら悪い友達といる中学生「隼人」
息子を心配する真由美
父の幸一郎は単身赴任することになる
親子の為ロボットを開発して置いて赴任先に行く
ロボットは「ユージ」
ユージと時間を重ねるごとに隼人が変わっていく
アイを教える「ユージ」
アイとは
これは多感な子が成長する話であり
母が成長する話であり
友情、家族の話でもある
深い言葉が胸に響く
大切なことにたくさん気付かせてくれる
『運転者』が読みたくて
図書館で予約待ちなため
同じ作家さんの本作品を図書館で取り寄せた
最初は中学生の話か、、
大人になりすぎた私にはどうかなと思い読んでいた
読んで正解
読んで良かった
『運転者』BOOK・OFFで購入済み
こちらを読むのがさらに楽しみになった -
泣いた…。
「ユージ」と共に過ごすことで、成長していく隼人の姿は、大学生の私が読んでも胸を打つものがあった。
タイトルの「ソバニイルヨ」ってそういう事だったのかぁ、、すごいなぁ。
なにより、「ユージ」に感情移入しすぎて後半ずっと顎痛くなりながら(泣くの我慢して)読んでた。
喜多川さんの本は、本当に物語を通して大切なことを自然に伝えてくれる。すごい。
最後のユージの言葉から、また沢山色々な本を読みたいなって思えた! -
始まりからは想像できない感動の結末
過去に尊敬している父親の事をからかわれ虐められた経験から処世術として「周りと同じ普通である事、話題についていくこと」を身につけた隼人。外界で傷つきたくない気持ちが身内に対しての攻撃性に変わり…異変を感じるも、手が出せないでいる両親。父の出張の初日にやって来たAIのUG。反発しながらも次第に心を開いていく隼人。気になるキーワードが沢山!
イライラするのは、相手に期待しているから。無意識の内に周りの人に、自分に対して「こうして欲しい」「自分ならこうする」「その通りに動け」と期待するから腹が立つ。自分の1日の幸せは誰かの反応で得るものではなく、誰にも頼らず自分で作り出すもの。
人のせいにしない。どちらが悪いかは考えてはいけない。自分の責任だと考えた方が早く幸せになれる。起きた問題から逃げない人になれた未来を想像してみる。
大きな夢を持つという事は、多くのやるべき事と出会う人生を選ぶという事。道を考え、かなり苦しそうでも「やる」という覚悟。自己責任。
親が子供の強さを信じて待ってあげた分だけが子供の伸び代。これ教育者にもいえるな…。
何もかも親が教えようとするよりもたくさんの人と出会ってその人達から教えて貰った方が子供は成長する。新しい価値観を持つ人と出会えるようにする事が大切。
必要最低限を超えようとした時間だけが将来の財産になる。勉強=投資ではない。「何をするか」ではなく「どうやるか」で消費・浪費が投資になる。
量だけでなく質も必要最低限を超える。やると決めたらそのやり方を自分で決める事ができる。「どうせやるなら」日々勉強や仕事の時間を丁寧に。自分の将来の投資になっているのが目的。丁寧に書いたものは必ずその思いが相手に届く。成長できる沢山のことを手に入れないともったいない。「どうせやるなら」軽々と超えられる様に。
自分で出来ることは自分でやる強さは大切。教科書も参考書も自分で読めば理解できるように作られている。考える前にすぐ誰かに聞く事で自分の理解する能力を放棄している。
人生を楽しむ秘訣『君子の学は通ずるが為に非ず。窮するも困しまず、憂るうるも意衰えず、禍福終始を知りて心惑わざるが為なり…荀子』
苦境や逆境は全ての人生に平等にある。良い時も悪い時も表裏一体で循環している人生法則を理解してどんな時も心が右往左往しないよう、心を強く、明るく美しく保つ為に勉強はある。
「気にしない強さ」人はそれぞれ好きなものが違う。それが当たり前。自分の好きを否定されても気にする事はない。人からどう思われるか、人生を他人の価値観に合わせる事に費やすのではなく、自分の価値観にもっと正直に生きるべき。
生まれてきて自分の役割を果たす事は人間にとって幸せな事。コレを見つけるのが最も大変だと思う…。
アイ→愛→I(自分)かと思いきや→哀だった。
哀を知り優しくなる -
「どうせやるなら」最低限を超える。
やらなきゃいけないことを超えたところに、全てがある。その手前でやめるのは、マラソンをゴール手前で棄権することと等しい。
ライオンを前にして"逃げる"選択肢を取るかは、1人か2人か、その相手が誰かで変わる。
逃げることが悪ではない。問題に面した時に、理想とする行動を取れる人が逃げない人。
ユージーが伝えたかったアイの意味は本書の最後で明かされる。
私が描いたアイとは異なっていたが、隼人とユージーの成長を通して得られた学びが嬉しい。
本書に出会えてよかった。