身代わり忠臣蔵

著者 :
  • 幻冬舎
3.21
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本棚登録 : 83
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032545

作品紹介・あらすじ

江戸城松の廊下で、高家・吉良上野介が播磨赤穂藩藩主・浅野内匠頭に斬りつけられた。浅野は即日切腹の上お家は断絶、吉良は額と背中を斬られただけで一命を取り留めたはずだった。しかし…。衣食住に女にと、何不自由ない暮らしを謳歌する"吉良上野介"だったが、赤穂浪士の仇討ち話を耳にして-。替え玉人生の極楽と地獄を描く"異聞"忠臣蔵!!

感想・レビュー・書評

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  • 「身代わり」についての扱い方・描き方は、
    いわゆるよくある設定だが、
    おなじみの忠臣蔵から、美談要素をことごとく取っ払っているのが面白い。

    吉良もたいがいだが、浅野内匠頭だってほめられたもんじゃない。
    ホントは仇討ちなんてしたくない内蔵助は、あくまで再就職の手段として考える。
    幕府の連中は、仇討ちをエンターテイメントとして待ち受けている…

    こういった「本当にそうだったかもしれない」
    と思わせるエピソードを重ね、
    時代小説マニア以外にも通じる平易な文章で、
    軽快に語ってみせるのが、この著者の真骨頂ではないかと。

  • 忠臣蔵を下敷きにしたコメディ
    でもまあ確かに、バカ殿同士の喧嘩の仇討ちを自分たちもやる気で世間も期待してってどうなんだ。今の感覚で見たら史実というか下書きがもう滑稽(ごめん)
    →→皮肉な話を人情話にしてある。

    あと、だいぶ下世話(笑)

  • 「超高速!参勤交代」の作者の作品。これも映画化されると云うので読んでみたが、まあ面白かった。有名な忠臣蔵をモチーフにしたコメディだが、ほっこりさせるところもあり、なかなかうまく造っている。まあ、ちょっと下品なのは何とも云えないが・・・

  • ちょっと牽強付会ぎみかな?

  • 江戸城松の廊下で、浅野内匠頭に斬りつけられた吉良上野介。吉良は額と背中を斬られただけで一命を取り留めたはずだった。しかし…。替え玉人生の極楽と地獄を描いた<異聞>忠臣蔵。

    本作の主人公(上野介の末弟)孝証が実在の人物とは知らなかった。そもそも忠臣蔵に詳しいわけではないので、孝証を取り上げた作品が過去にあったかどうかも知らないけれど、身代わりという荒唐無稽な発想はなかなか面白かった。大石内蔵助の描写も味があった。
    (B)

  • やはり土橋章宏には歴史ものは期待できないと思ったので、星二つ。

    100頁程で「積読」ではなく「読了」として登録。

    歴史小説の定石を著しく外すので、プロットや文脈以前の段階で興ざめ。

    例えば家臣が君主を「あのうつけ」とか「馬鹿」とか、普通に陰口をたたいたり、たとえ赤穂の侍でも、「吉良は」と呼び捨てにしたりと、歴史ものをよく読む読者が興ざめするような場違いな言葉、つまり著者の定石外し(或いは無知)が多すぎる。(現代の会社内のような何気なさで、世間話のような軽さ。歴史ものの特有の雰囲気を知っている読者には、いちいち興ざめさせられる言葉が多かった。)

    おそらく意図的にではない証拠に、どうでもよすぎる会話にこのような定石外しが散在した。プロットは面白かったのに興ざめしたので、見切りをつけて読了とした。

    「いも殿さま」では何とか人情ものとして読み過ごせたが、さすがに忠臣蔵のようなシリアスな設定では、著者の定石外し(或いは無知)はひどく興ざめさせられた。

    或いは「金の殿」のように、完全にSFちっくにしたら或いはよかったのだろうとは思った。

    せいぜい明治維新以後の「ライツオン」ぐらいの時代設定なら我慢できたが、さすがに忠臣蔵は定石だらけの物語なので、歴史好きには耐えられない文体であった。

  • エンディングが分かっているのにドキドキが止まらない
    浅野内匠頭をクズ人間として扱うというかなりチャレンジングな事を

  • 着想がすごい。面白かった。長さもちょうど良い。

  • 2018.6.18

  • 武士にとっての恥〈逃げ傷〉。
    その事実を隠蔽すべく、吉良家がとったのは、身代わりをたてることだった。
    生活の一変ぶりに一喜一憂する、弟の孝証の姿が、コミカルでたのしい。
    全体的に、コメディタッチ。
    話の筋やキャラクターがオーソドックスな分、身代わりの奇策ぶりが際立って、おもしろかった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。2011年「超高速!参勤交代」で第37回城戸賞を受賞し、同名映画は第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第57回ブルーリボン賞作品賞を受賞。さらに同名の小説で作家デビューを果たす。他の著書に『幕末まらそん侍』『超高速!参勤交代 リターンズ』『引っ越し大名三千里』『スマイリング』『チャップリン暗殺指令』など。

「2022年 『決戦!賤ヶ岳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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