WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032910

感想・レビュー・書評

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  • デジタルネイティブ世代のコミュニティ論。

    と聞くと、私自身はまあー読まない類の本なのだが、「持続可能」というキーワードに釣られて読んでみて、とても良い刺激を受けた。

    自由か、安心か。
    という問いから始まって、デジタルコンテンツが豊富になる(自由度が増す)ことで、既存の安心を得る基盤となっていた、家族や地域、会社といった繋がりはどんどん失われていくことに及ぶ。

    そうした中で、どんなコミュニティを立ち上げていけばいいのか。
    ここでは、安心・安全をベースとして、狭い熱狂(テンション・モチベーション)を拡げ、また安心・安全を基盤に戻ってくる構図が見られる。

    自分が話をする時には、全体にどう周知させるかとか、不安感を煽ることで事象に取り組ませることを考えたりする。
    けれど、この本はほとんど真逆の発想で、狭い熱狂を伝播させ、持続させる仕組みを作ろうとする。
    なるほど、対象を明確に設定して、狭い相手をまずは熱狂させることが可能か。
    そして、答えを全て用意するのではなくて、考えの余白を作ってみよう。
    ……という視点で一度、話をしてみようと思った。

    『宇宙兄弟』の惑星ヘアピンを商品化する話も非常に面白くて、作品をベースに、印象的なシーンや登場人物の心情を私たちが追体験できる商品の価値が述べられている。
    ディズニーランドと同じ方式で、深く体験をしていく中で「もう一度読もう」「これは神作だ」というコアさが生まれてくる。
    そうしたコアから「持続可能」に繋げていくのだから、面白い。

    私自身は他者と交わることが煩わしい方で、こうやって本との対話で云々している方が好きだ。
    でも、そんな自分でも社会と繋がっている感覚があるから、安心もしているのだろう、とも思う。
    そうすると、私が安心と思えるコミュニティってどのような存在なのか。
    積極的にコミットする訳ではない人でも、「BUT NOT ALONE.」を体感できるような居場所が出来るとしたら、ワクワクするなぁとも思う。

  • 佐渡島さん@sadycorkの新著『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE』拝読した。バウマン『コミュニティ』で主題になっていた安全(安心)と自由のトレードオフ的関係性について、最新の事例・仮説を交えて書かれてた。コミュニティの実践書であり、心理学社会科学的一冊。

  • 現代のコミュニティ形成について書かれている本です。

    「We are lonely, but not alone.」は、
    宇宙兄弟の中で登場するセリフらしい、、
    僕は読んだことないけど。 (笑)

    インターネットが普及する現代の孤独問題について書いてありました。

    Amazonや、楽天の違いには納得!!
    便利な世の中になったとしても、
    コミュニティは強い!
    重要性をとても感じました。

    オンラインサロンなどが流行っていますが、
    僕はリアルでのコミュニティづくりも大切にしていきたいです。

  • 僕は村上春樹の一番の傑作は「風の歌を聴け」だと思う。

    他の作品は「?」も多いが、これだけは穴が開くほど読んだ。デレク・ハートフィールドのくだりなんて最高だと思う。けれど「この本が好きだ」と、いの一番に言う人にはあまり会ったことがない。

    ところがどっこい、コルク代表の佐渡島傭平さんがそうだというから我が意を得たり…というミーハーな私。これもまた、本書の描く「現代のコミュニティ像(と、その形成スキーム)」の例に、見事に当てはまるのだろう。

    本書、佐渡島さんの記した「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」の中身の議論は、これまでも幾多のメディア/広告の評論のなかで繰り返し語られてきたことであり、とりたてて新しい視点はない。ただ「実践者としての言」という点で、ズドンと腹落ちする圧倒的な重みがある。

    この20年間「インターネットだ」「SNSだ」「紙の時代じゃない」という類の、〇〇原理主義的な議論が続いており、いまだにあちらこちらで聞くけれど(今日もちょうど“ビッグワード”としてのSNS原理主義に出会った)、いくら媒体の話だけをしたところで本質をとらえた議論にならない。

    メディアと人間の心理は再帰的な関係があり、お互いがお互いを変質させ、今も過渡期にある。本当につかまなければならないのは、まさに今、現在のメディア環境の中で「本能的に私たちひとりひとりが何を求めているか?」であって、技術論はそのあと。

    それが著者のいう「安心、安全な共創のコミュニティ」であり、コンテンツを作る側は母集団を起点に外へと広げていく。その経路を、現代のメディア環境にあわせて、できるだけ“なめらか”に設計する…言うが易し、ではあるが。

    人々は、やはりJelly Garciaのギターソロを聴きにライブに足を運んだわけではなく、Grateful Deadというバンドを取り巻くコミュニティに参加することで満足を得ていた、と。糸井重里監修(2011)「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、いまだにちゃんと真実であり続ける。

    副題として添えられている「現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」。これから地方が「持続可能な農村自給圏」の形を探っていくうえで、とても示唆的なキーワードのように見える。

    人々はなぜ、今もまだ孤独なのだろうか?

  • 佐渡島さんの本には興味があるし、カヤックのヤナさんがFBで紹介していたので購読。コミュニティ(リアルもSNSも)のあり方や、うまく運営するコツ、そしてなぜそういうことが必要になったかなど、なるほどと思うことが多数。「マイナーだと思っていた価値観が、そうでもないと気づいたりする」「コンテンツが少ない時代にはプロ野球だけが共通の話題」「モノではなく、体験+コミュニティで売る」「知る、やってみる、分かる、できる、している」「安心・安全の確保、何をすべきかわかった状態」「自分の居場所が分からないと、どこへ行ったらよいか分からない」「アップデート、リミックス、キュレーション」

  • 前著もそうだけど、この人の本ほどグサグサくるものはない。教授とか広告代理店とか語るのを仕事にしている人ではなく、コンテンツのど真ん中に居て、その未来を変えざるを得ないから実践している人の事例集にリアリティがないわけがない。

  • 現代の閉塞感を分かりやすい形で噛み砕きながらその感覚に寄り添いつつ、安心や熱狂の場としてのコミュニティの成り立ちを紐解く内容。コミュニティをつくる順番が編集のあり方にも通じるというのは、本書の構成自体にも垣間見られた様に思えた。

    蛇足で、タイトル見るとむしろエヴァ新劇場版を真っ先に思い浮かべてしまった人は自分だけではないはず

  • コミュニティ作りの重要性を説く人や作るまでの成功談を語る人は多いが、実際に作った上で自分を客観的に振り返る冷静さがこの書にはある。静かな熱狂、安全と安心、などなどさすが文字を生業とする人の文章は耳に入って頭に残りやすい。

  • じっくり読んだ。
    これからの時代のみんなが少しずつ気づき始めているコミニュティの重要性とその活性化方法について良くまとまっていた。
    文章も平易なものでとても読みやすい。
    自分が何かコミュニティに関わりを持ちたいと思っている人も、そしてそのようなコミュニティを作りたいと思っている人も必読の一冊。

    ところで、本の題名が妙に長く実に拡散しにくいものである。これはわざとなのだろうか?

  • ”佐渡島庸平さんがコルク、コルクラボを通じて得たコミュニティに関する知見をまとめた一冊。アップデート主義にもとづき、現在進行系での思考が言葉になっている。

    書名は、コルクがプロデュースする小山宙哉さんの漫画「宇宙兄弟」の台詞"We are lonely, but not alone."から。
    「我々は孤独だけが、一人ではない」というフレーズからは、さまざまな想像がわくが、ここ最近「つながり」や「孤独」を考える機会が多かったので、脳内の多くの箇所が刺激させられた。(「孤独なボウリング(Bowling Alone)」とも関係あり?)
    ※息子さんが友達にさそわれて久々に学校にいくシーン(p.260)、印象的だった。

    読了して一番心に残ったのは、コミュニティ運営のもととなる想いがどこにあるか、ということ。
    佐渡島さんの場合、「どうすれば作家がもっと幸せになるか」が原点にある。コミュニティ運営は、あくまでもその手段だというのが強いな、と感じた。

    <抄録(抜き書き)>
    ・"We are lonely, but not alone."

    ・孤独は、周りに人がいるかどうかではない。心のつながりの問題だ。(p.3)

    ・「安心と自由」どちらが重要か(p.14)
     ※ジグムント・バウマン『コミュニティ』とも重なる問い。典型的なトレードオフの関係だけど、両方を目指したい。
      ↓
    ★「not alone,」そんな気持ちを持たせてくれるのは、コミュニティだけだ。
     今までの物理的な必然性で生まれたコミュニティではなく、インターネットの中で「好き」を中心にしてできたコミュニティに可能性がある、というのが僕の仮説だ。インターネットの力は、自由と安心、両方をもたらしうるのではないか。(p.16)

    ・ネット以前の社会で、企業価値が高い会社は、幸せの象徴になりえるものを扱っている会社だった。(p.32)
     ※モノ! お金(銀行、証券)、車、電化製品 …

    ・3人に共通しているのは、みんな自分の小さな問題を見つけて、その問題解決を必死にしている間に世間に認められたということだ。彼らの価値は、問題解決ではない、問題発見だ。ブレない価値観を持ち、「自分の好き」を大切にしている。世間の価値基準に合わせて、不自由を我慢していないから、自分が取り組む問題を発見できる人たちだ。(p.40)
     ※ゆうこすさん、角田陽一郎さん、はあちゅうさん

    ・整理されていない情報に触れると、人は自分で情報を選択するという責任を背負う。その自由すぎる故の責任の重さは、多くの人を不安にし、不幸にする。今は、多くの人が情報の爆発に対応できていない。どのように情報を減らすのか。それが仕組みでできていくといい。情報の一つ一つに意思決定をするのではなく、どのコミュニティに入るかだけを意思決定する。そうすると、人は情報爆発に対応できるのではないか。
     健全なコミュニティが発展することに、僕は希望を見つけているのだ。(p.48)
     ※趣旨には賛成。だけど、宗教などに盲目的に従う危険性も感じる。全体主義的ななにか。コミュニティとの違いはなんだろ??★★


    <きっかけ>
    コミュニティ本のまとめ読みの一環で。
    本屋を何軒かまわったけれど見つけられず…。→amazonで購入

    CMC読書会の第24回(2018年8月)課題図書に設定しました。”

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著者プロフィール

株式会社コルク 代表取締役社長。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。井上雄彦、三田紀房、安野モヨコ、小山宙哉、伊坂幸太郎などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わる。 http://corkagency.com/

「2015年 『凡庸な作家のサバイバル戦略──結局どうすりゃ売れるのさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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