ありえないほどうるさいオルゴール店

著者 :
  • 幻冬舎
3.39
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本棚登録 : 493
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032927

感想・レビュー・書評

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  • 書評もあらすじも作者も見ず、タイトルと装丁だけを見て気になった本を読んでみよう!と思い立ち選んだ本。

    舞台は運河のある北の町の小さなオルゴール店。
    心の中に流れている音楽をオルゴールにできるというちょっと不思議な人が店主です。

    悩みや後悔、迷いを抱えたいろいろな人がふらっとこの店を訪れて、オルゴールをつくる。
    その人の抱えている問題をオルゴールや音楽が解決するわけでも、ましてや店主が解決するわけでもないのだけど。
    それでもオルゴールをつくるのは、そこから流れてくる音楽が少しだけ、希望に思えて、気持ちを前向きにしてくれるからかな…。
    どのお話も、ラストをしっかり語っているようで語っておらず、あと一歩踏み込んで書いて欲しかったかなというのが正直なところ…。あと一歩踏み込んで、そこで生まれる心の動きを読んでみたかった。
    でもそこは、読み手が自由に想像できるのも読書の楽しみ方のひとつだから、これはこれで良い読後感かも。

    全体的な雰囲気はとても優しく温かくて、読めて良かったと思える一冊でした。

  • 北のとある観光地に埋もれるようにひっそりと営業しているオルゴール店。
    店内はぎっしりとあらゆるタイプで様々なジャンルの曲をそなえたオルゴールが並べられ、自由に視聴出来るように店内は一切の音楽は流していない。
    そんなオルゴール店の店長は、客の心の中に強く印象付けられた曲を聴き取りオルゴールにすることが出来ると言う。
    『ありえないほどうるさい』とは真逆の、静かで穏やかに進む物語。
    将来を憂い迷う母親が見つめる難聴の息子、年上の恋人との関係が破綻しようとしている男性、卒業を前に分裂してしまったガールズバンド、自分のピアノ演奏の方向に悩む少女、自分と真逆の父親への反抗心を抱えたまま故郷に帰る途中の男性。
    様々な客の心にある音楽と、それをきっかけに再生していく人々。
    短編なので、その後の顛末は殆ど描かれない。ただ何らかの形で新たな一歩を進めるのだろうとは思う。
    また終盤にはこのミステリアスな店長にせまる話も出てくる。こちらも向かいの喫茶店ウエイトレス視点なので一歩引いているが、意外な人間らしさも見えてホッとした。
    この話でなぜ『ありえないほどうるさい』のかが理解できた。

  • 北海道小樽と思われる街のお話。
    偶然足を踏み入れたオルゴール店がキーとなる連作短編集。
    その人の心情に合わせた曲のオルゴールを出すことができる店主。
    優しい物語。

  • あ~優しいお話だった(*´ー`*)読み始めて「あれっ?タイトルとは違う静かな良い雰囲気のお店じゃないの♪」と思ったけれど、うるさいのはオルゴール店の店主の聞こえすぎる耳だった!(^o^)最後は引っ越しちゃうんだけれど、喫茶店の女の子瑞希と一緒なのかな?(*^^*)あぁこんな店に出会えると良いな~(^^)と思う反面、心に流れるメロディーを読み取られるなんて恐い(>_<)と思ってしまった(-_-;)

  • 言葉から連想しながら読み進めていたけど、どれもいい意味で裏切られる。そう来るのか、みたいな。なんだこれ、楽しいじゃないか。
    初めて本屋で見た時、読み終えてない本があったから買わなかったけど、そのあと本屋に行ったらなくて。どうしても読みたくて別の本屋に買いに行ってよかった。

  • 装丁がかわいい。不思議なオルゴール屋さん。私に流れる音楽はどんなものなんだろう。

  • 心に染み入るような、やさしい物語。
    一気に読んでしまうのが惜しいので、毎日寝る前に一話ずつ。

    北の小さな町(といいつつ、観光客も来るらしい)にあるひっそりと佇んでいる小さなオルゴール店に訪れる人たちの心の中にあるもやもやを、まるで澄んだ音色が解きほぐしていくようです。

    生まれつき耳の聞こえない少年と母親の話に、涙腺が緩みました。
    わたしの子どもも、障がいを持って生まれました。
    なので、より共感の度合いが強かったのでしょう。

    わたしも体調によっては、音が頭に響いてしまってうるさくて仕方ないときがあるけれど、それが四六時中であれば、気が狂いそうになるかもしれない。
    過ぎたるは及ばざるが如し。
    何事も程々がいいということね。

    とうとう、読み終わってしまいました。
    ラストに相応しい、風薫るような季節へドアを開いて「お先に、どうぞ」
    あぁ、なんてきらきらしてる終わりかただろう。
    久しぶりに、多幸感溢れる素敵な物語を読みました。

    ありがとう。

  • 世界にたった一つ、あなただけのオルゴールを作ってみませんか?
    心の中に流れている音楽を聴きオルゴールを作ってくれる小さなオルゴール店で奏でられる、耳利きの店主とお客の心温まる不思議なメロディー。

    小樽としか思えない北の町に佇む小さなオルゴール店。タイトルは『ありえないほどうるさい』だけれども、店内はとても静か。その理由も後で出てくるけれども。
    一話目の「よりみち」のお客は、小さな男の子を連れた母子。耳の聞こえない男の子の心に流れていたのは子守唄・・・これで心をぎゅっと掴まれてしまった。そこからラストの老夫婦の話まで、何度鼻の奥がつーんとなったことか。優しいんだけど切ない、じんわりとくる話ばかり。
    店主さんとウエートレスさんも、幸せになれたようで良かった。

  • 心の曲が聴こえる、不思議なオルゴール屋さんに来店した人々のお話。一つ一つのお話の結末が余韻があるというか、この後こうなったのかなと、読者に想像させるような感じ。オルゴール屋さんと瑞希が 一緒にいるといいなぁと思う。ファンタジー、かな。ありえないほどうるさい…ったことはないと思うぞ(笑) ありえないほど優しい、と思う。

  • ふんわりとした優しい雰囲気のお話。
    どのお話もその後は読者に委ねられる終わり方で
    その後がどうなったかが気になるお話(笑)
    オルゴール店の店主と喫茶店の女の子が一番気になるなー(笑) 

    自分の心の中には何が流れているんだろう。
    あったら入ってみたいお店です^^

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著者プロフィール

瀧羽麻子(たきわ あさこ)
1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞。著書に『株式会社ネバーラ北関東支社』『はれのち、ブーケ』『いろは匂へど』『左京区七夕通東入ル』『左京区恋月橋渡ル』『左京区桃栗坂上ル』『ぱりぱり』『松ノ内家の居候』『乗りかかった船』『ありえないほどうるさいオルゴール店』などがある。

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