読書という荒野 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
  • (17)
  • (37)
  • (38)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 547
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344033054

作品紹介・あらすじ

【出版界の革命児による圧倒的読書論がここに誕生! 】
実践しなければ読書じゃない。
暗闇の中のジャンプ!天使から人間へ。認識者から実践者へ。

適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来ない。表現することはおろか、悩むことすら出来ない。人は言葉を獲得することによって人生を生き始める。だから読書することは重要なのだ。本は最も身近で最も安価な人生を切り拓く決定的な武器だ。

【目次】
はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ
第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
第4章 編集者という病い
第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

感想・レビュー・書評

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  • 血で血を洗う読書という荒野を突き進め。
    本書の第6章のタイトルです。
    「血で血を洗う」なんて、読書を形容する言葉としては、初めて見ました。
    でも、読んで分かりました。
    見城さんにとって読書とは、そのくらい苛烈なものなのです。
    見城徹さんは慶応大卒後、廣済堂出版に入社し、角川書店へ転職。
    そして、1994年に独立し、出版社を開業しました。
    あの幻冬舎です。
    私は本好きな大学生でしたが、「トンがった出版社だな」という印象を持ったのを覚えています。
    刺激的な惹句の踊る新聞広告を見て、何度、書店へ走ったことか。
    創業当初から、五木寛之や村上龍、山田詠美など人気作家をそろえていたのも特色。
    本書を読んで理由が分かりました。
    社長自ら、口説いたのですね。
    著作を全て読むのは当たり前、相手の懐へ飛び込み、機を捉えて相手が承諾せざるを得ない「カード」を切るのです。
    この辺りは本書の読みどころでしょう。
    我が意を得たりという言葉にもたくさん出合えました。
    たとえば、「ビジネス書や実用書には『結論』しか書かれていない」として、こうした本を読むことは「読書」に値しないと切り捨てます。
    「僕が考える読書とは、実生活では経験できない『別の世界』の経験をし、他者への想像力を磨くことだ。重要なのは、『何が書かれているか』ではなく、『自分がどう感じるか』なのである。」
    全くその通りと思います。
    ぼくは44歳ですが、これまで約3千冊の本を読んできました。
    大半は小説とノンフィクション。
    なぜなら、本を読んで感動したい、心揺さぶられたい、こことは違う世界を見てみたい―。
    そんな願いがあるからです。
    ただ、見城さんほど本と格闘してはいません。
    いや、全く足元にも及ばない。
    何たって、読書で得たものを武器にして、世の中を渡って行くのですから。
    よく、ビジネスパーソンや経営者が「忙しくて本なんて(まして小説なんて)読んでいる暇なんてない」と言うのを聞きます。
    しかし、本当にいい仕事をしたいなら、むしろ小説をどんどん読んだ方がいい。
    私も背中を押された気がしました。
    ありがとうございます。

  • 読書観というものが、ここまで人によって違うのか、というのを見せつけられる。

    見城徹さんの本は、過去感度か読んだことがあるのですが、過去で一番やられた本です。良い意味でも悪い意味でも。

  • 幻冬舎の社長ってこんな人なんですね。まあ肯定否定半々というところでしょうか。あまり共感はできなかったが参考にはなりました。

  • 激しいな。こう振り切れないまでも振り切ろうとする大切さを感じさせる。人生分かった風にいたらガツンといかれる。読書というものがある限り、人生は間違いなく楽しい。

  • 【感想】
    「読書」というよりも「言葉」の大切さ。
    こんなにもストイックにやらなければいけないのかと思いつつ、見城徹の類を見ないストイックな姿勢に心が揺さぶられた。
    常に渇き、絶望し、逆境に身を置き、1日1日をフルスロットルで生きるこの男は、実際一緒に仕事をするとどうなんだろう?
    外から見る分にはスゴイ人だなと思えるが、一緒の環境ではできれば働きたくないな。。。

    読書1つ取っても、この御方にとっては1つの「闘争」なんだろう。
    温度感はともかく、自身の貴重な時間を割いているのだから、何かメリットにしなくてはいけないなぁ。

    読書とは「投資」。読書とは「闘争」。そんな読書のステージは、彼にとって「荒野」だったのだろう。
    自分自身、為になる読書を今後ともやらなくてはいけない。


    【内容まとめ】
    1.実践しなければ、読書は読書じゃない本とは、単なる情報の羅列ではない。
    →自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。
    2.「自己検証、自己嫌悪、自己否定」この3つがなければ、人間は進歩しない。いつも寝る前には、その日1日を振り返り、悶え苦しむ。
    3.売れるコンテンツの条件は、「オリジナリティーがあること、極端であること、明解であること、そして癒着があること」
    4.努力は、圧倒的になって初めて意味がある。
    →どこから始めていいのかわからない、手がつけられないくらい膨大な仕事を一つ一つ片付けて全部やりきること。
    5.絶望しきって死ぬために、お前は今日一日を最大限生きたのか?
    →本から何を読み取り、どう動くか?どう自分の生き方に作用させるか?読書は単なる情報収集の手段ではないのだ。


    【引用】
    言葉が武器なのだ。
    読書とは、「何が書かれているか」ではなく、「自分がどう感じるか」だ。


    p5
    ・自己検証、自己嫌悪、自己否定
    この3つがなければ、人間は進歩しない。
    1.自己検証
    →自分の思考や行動を客観的に見直し、修正すること。

    2.自己嫌悪
    →自意識過剰さや自己顕示欲を恥じ、自分のズルさや狭量さ、怠惰さに苛立つこと。

    3.自己否定
    →自己満足を排し、成長していない自分や、自分が拠って立つ場所を否定し、新たな自分を手に入れること?

    いつも寝る前には、その日1日を振り返り、悶え苦しむ。


    p49
    どんなに美しい理想を掲げても、実際に成し遂げるためには数多の苦しみ、困難がある。
    何かを得るためには、必ず何かを失う。
    代償を払わずして何かを得る事は不可能だ。
    この考え方は、現在に至るまで僕の根本に位置している。

    そしてこれに気づくまでに、僕は猛烈な量の読書をした。
    人間は一つの人生しか生きられないが、読書をすれば無数の人生を体感できる。

    人間は多様で様々な価値観を持つ。
    そうした他者への想像力を持たない者に、成長も達成もない。


    p78
    身体をビルドアップすることは、自分が苦しんだ分だけ必ず成果が出る。
    仕事に比べて、何とわかりやすいことか。
    トレーニングを終え、「これでまた、自分は戦える」と思った時の充実感は何物にも代え難い。


    p85
    売れるコンテンツの条件は、「オリジナリティーがあること、極端であること、明解であること、そして癒着があること」

    僕は人と会う時は、常に刺激的で新しい発見のある話、相手が思わず引き込まれるような話をしなければいけないと思っている。
    たとえ30分でも僕と会った人には、「見城さんって何度も会いたくなる面白い人だね」と言われなければ絶対に嫌なのだ。


    p90
    よく僕は「圧倒的努力をしろ」と言う。
    圧倒的努力とは、人が寝ている時に眠らないこと。
    人が休んでいる時に休まないこと。
    どこから始めていいのかわからない、手がつけられないくらい膨大な仕事を一つ一つ片付けて全部やりきること。
    努力は、圧倒的になって初めて意味がある。


    p90
    ・実践しなければ、読書は読書じゃない
    本とは、単なる情報の羅列ではない。
    自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。


    p102
    常々言っているのだが、感想こそ人間関係の最初の一歩である。
    結局、相手と関係を切り結ぼうと思ったら、その人のやっている仕事に対して、感想を言わなければダメなのだ。
    しかも、「よかった」「面白かった」程度では感想とは言えない。
    その感想が、仕事をしている本人も気づいていないことを気づかせたり、次の仕事の示唆となるような刺激を与えたりしなければいけない。


    p112
    「男の言い訳」
    →タイムアップぎりぎりに逆転のトライを挙げたラガーの話。
    一生をかけた遺言で、「あれはトライだった」と言った。

    仕事を進める上で譲れない美意識を持っているということは大切だ。
    見栄や利害損得で行動する人は、大きなことを達成することはできない。
    その瞬間、自分が損をすることになっても、やせ我慢して貫くびがくをもっていれば、それが魅力として外に溢れ出し、人が付いてくる。

    男として、時に本心をグッと飲み込み、結果で自分の存在意義を証明する生き方。


    p130
    ・3人の大物と、きらめく新人3人をつかむ
    →そうすれば、中間にいる人達は向こうから声をかけてくれ、自分から開拓をしなくても来た中から才能を見つけていけばいい。
    一度こうした好循環に入ると、編集者としては無敵である。


    p198
    頭ではわかっていても、やはり死ぬのは怖い。
    だから、せめて救われるために、死の瞬間に「自分の人生は満更ではなかった」と思って目を閉じたい。
    後悔を少しでも減らすために、早朝に起き、身体を鍛え上げ、休息なく働き続けているのだ。


    p200
    ・絶望しきって死ぬために、お前は今日一日を最大限生きたのか?
    本から何を読み取り、どう動くか?
    どう自分の生き方に作用させるか?
    読書は単なる情報収集の手段ではないのだ。


    p217
    ・夢や希望など、豚に喰われろ。
    夢や希望を語るのは簡単だ。語り始めたら、自分が薄っぺらになる。
    野心も同じだ。自己満足でしかない。
    そんなものは捨てたらいい。
    そんなものと無関係に生きようとしたとき、人は匍匐前進の一歩を踏み出している。
    日々を自己検証しながら圧倒的努力で生きる。
    夢など、実現した後に静かに噛みしめるように「これが自分の夢だったんだ」と語ればいい。


    p218
    言葉は重いものである。
    夢や希望や成功という言葉を使えるだけ、自分は考え抜いているのか?
    そのことを問い直し、もし考え抜いていないと思ったら、思考する言葉を手に入れて欲しい。


    p236
    正確な言葉がなければ、深い思考はできない。深い思考がなければ、人生は動かない。

    自己検証する。自己否定する。
    それを繰り返し、繰り返し、自己嫌悪との葛藤の末に自分の言葉を獲得する。
    その言葉で思考して、思考して、思考し切る。
    その格闘の末に、最後の最後、自己肯定して救いのない世界から立ち上がる。
    認識者から実践者になる。暗闇の中でジャンプする。人生を切り拓く。

    読書はその為の最も有効な武器だ。

  • 箕輪さんから献本いただいた見城さんの新著『読書という荒野』 ギデンズの社会学的想像力ならぬ編集者的想像力に満ち溢れている。しかも血塗れの。言葉の羅列は無機物に過ぎないのに、そこには記憶と慟哭が刻印され、ページをめくる毎に読む者の鼓動を加速させる。

  • 読んでて「楽しかった!」なんて感想は信じない方がいい。ここには悦や愉はあっても、楽はない。
    激しく生きる愛すべきおじさんの読書と闘いの歴史から、生きた言葉を獲得するための「体の使い方・人生の使い方」を学びとる一冊。

  • 思想を貫き通して死ぬことが左翼的であれば、私も左思想の人だなと感じた。昔、付き合ってた人に考えが左だと言われたことを思い出した。

  • 見城さんの熱量マックスの人生、素敵。周囲に投げかける言葉をもっと磨きたいと強く想い、そのために読み応えのある文章、小説をもっと手にとっていきたいと。見城さんが影響を受けた小説、というきっかけから次に読みたい本が増えた。

  • 熱量とともに、それを表現する著者の言葉の選択、語彙の幅の広さに感動すら覚える。言葉の豊かさが思考や感度を高めるというのがよく分かる。

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著者プロフィール

見城徹(けんじょう とおる)
1950年静岡県生まれ。株式会社幻冬舎代表取締役社長。慶應義塾大学法学部卒業後、廣済堂出版に編集者として入社し『公文式算数の秘密』でベストセラーに。
その後角川書店に転職、『野性時代』副編集長を経て、『月刊カドカワ』編集長。つかこうへい『蒲田行進曲』など多くの直木賞作家・ヒット作を手がけて41歳で取締役に昇進したが、1993年退社、そして幻冬舎設立。多くのヒット作を生み出した。
主な著書に『憂欝でなければ、仕事じゃない』『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない』、『編集者という病い』『たった一人の熱狂』『読書という荒野 』など。

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