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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784344034143
感想・レビュー・書評
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第二話は第一話よりさらに精神に深く迫ったというか、一部オカルトっぽい要素が強めだった。でも印象としては穏やか。
こういうシリーズものの二冊目って微妙な立ち位置になることが多いけど(ご本人もあとがきにそう書かれているが)私はこの作品がとても好きだ。
ミミとこだちの母親は、突如としてなぜかどんぶりを作ることに目覚め、猛烈な勢いでどんぶり(とくに親子丼)を研究しはじめる。
ミミは墓守くんの彼女である美鈴と知り合うが、美鈴は霊媒師として数年に一度活動しながらも基本はひきこもっていて、まともには見えないのだけど、ミミは美鈴に対してとても好印象を抱いて仲良くなりたいと思うようになる。
そしてある日美鈴は仕事をしに出かけたのだが、除霊しようとした少女の霊に身体を乗っ取られて帰ってくる。
人は基本的に自分の生活のための営みを日々(一生懸命)こなしていると思うのだけど、この小説の登場人物たちも同じで、第二話であるこの本に於いては主人公のミミとこだちはわりと穏やかに過ごしているものの、2人以外の人物の一部はとても濃く何かを営んでいる。
毎日どんぶりを作ることに没頭する2人の母親や、命がけでボロボロになりながら霊媒師の仕事をする美鈴、町の中に漂う「何か」を弔うために花束を作り続ける墓守くんなど。
そんな中、ミミは身近で2つの死に遭遇するのだけど、現実にもありそうなその2つのエピソードがとても切なく辛い。
産まれて、生きて、勉強や仕事をして、人と触れ合って、恋をして、別れたりして、それでもまた生きていく。
そんな風に当たり前に営んできた生活が、突然断ち切られる可能性は誰にでもある。人の命は、厳密に言うと1秒先のことでさえわからない。
2人の母が作るこだわりにこだわった親子丼は生命力に満ちていて、疲れきった人たちに元気を与えていく。命の間際を見た人の凄みのようなものを、この母からはとても感じる。
そして私は美鈴のキャラクターがとても好きだ。憑依してしまうくらい人のことを理解してしまうからこその苦しみを持っていて、命のギリギリのところにいるような危うさに抗いながらも生きている。
こうレビューを書いていくとやはりオカルト要素は強めかもしれないけど、不思議と読後はその要素を強くは感じなくて、とても優しい物語だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017年10月に発売された『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』に続く第二話になります。
あとがきから読み始め、今回ばななさんの周りで、たくさんの大切な人達やペット達との別れがあった事を知ってから本編を読んだので、余計に少女の霊に取り憑かれた美鈴の話は沁みる部分がありました。
前作から哲学ホラーと称されていますが、ホラーの様でありながらファンタジー色もあり、そこに人間くささも加わって不思議な世界観を感じる物語になっています。
それ故、両極端に好みが分かれる作品だと思いますがハマる人にはとても好きだと思える作品です。 -
第一話でストーリーの土台をわかっているせいか、第二話は読みやすかった。
墓守君の彼女の除霊師として生計を立てている美鈴のこと。
身体を乗っ取った黒美鈴。
ミミの身体の友達の都築君のこと。
どんぶりを作ることを追求し、それが人々の心を打つものになる母のこと。
墓守君の作る花束の力。
彼らは確かに生きている。
そう感じる一冊でした。 -
第一話よりも、好き。きっとこの世界観に慣れたのだろうと思う。一気に読んでしまった。
それぞれの登場人物のちょっとした心境の変化が、その世界の色をクルクルと変える感じが心地よく、まだ吹上町の奇妙だけど温かな世界に浸かっていたい、という気持ちにさせる。 -
いつも思うけど、よしもとばななさんの物語は、優しさに溢れている。
一風変わった人が、ぞろぞろ出てきて、それぞれが悩みながらも自分らしく生きる道を見つけていく。
それをたどっていくうちに、自分も自分らしく生きていくことを考える。 -
黒美鈴の件では泣いてしまった。
大切なことを思い出すのに似た感覚。すぐに忘れてしまう的な。
でもきっと心の奥底にいるはず。 -
眠りから覚めた母とミミ,妹と結婚した勇の新しい暮らしが始まり墓守くんやその恋人,ボクシングの下手なセフレの都築くんとの改めて始まる関係の佇まいがとても素敵だ.そして,屍人あるいは幽霊との交わりが生きるということの意味を私たちにそっと差し出しているようだ.
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わからない、
これは吉本ばなな女史コアファン向けなのかもしれない、
どうやら第三弾まであるらしい、
あとがきにあるように、
「わかる人、必要な人には必ず役立つものだ。」のかもしれない。
一話から間をおかず二話を手に取ったけど、
“わからないひとにはわからなくていい”
、という引導を渡されたような読後感。
縁があればまた第三話を。うーん。
感想になってないけど。すみません。 -
吹上奇譚の第2弾。
個人的には前作のほうが好きです。
少しわかりにくい?いや、突拍子もないことが起きてなんと幽霊と電車に乗るんだなぁ。
でもさすが、最後はほっこりしました。
第3弾は「ざしきわらし」だそうです。楽しみに待ちます。 -
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九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1315025 -
続編が気になるよ〜う!!よしもとばななさんの本で連続するものを初めて読んでいるけれど、早く続きが読みたくて仕方ない…内容は決して軽いものではなく、命について考えされられるものが沢山あるけど。
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誰かのために一生懸命になること、
それはいつの間にか自分自身を癒やすことになる。
ミミのお母さんの作る丼や、
墓守君の作る花束、
美鈴の霊媒も・・・
黒美鈴の話は、切なかった。 -
2021.12.31読了。
今年13冊目。 -
久しぶりに読んだら、前よりもすきだった。
うれしい。
どんぶりっていいな。
私のライフワークは、なんだろう? -
68 都築君との関係。
なんだか不思議な本だった。
読んでる間はふーっとわかるー、
そうだー、って感じ。
読み終わった後は、こうだった!
ってはっきり説明できない。
一話よりもこちらの二話のがしっくりきた。 -
好きに書いた…というだけあって、この作品はもうファンタジーなのかホラーなのか、もう何なのかわからないくらい何でもありのお話だった。それでも違和感なく受け入れて読み進められるところが、さすがのストーリー。生と死。生きていることの意味を、ぼんやりと考えながら読みました。
著者プロフィール
吉本ばななの作品
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