オーディションから逃げられない

  • 幻冬舎 (2019年2月7日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344034211

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    渡辺展子はいつも「ついてない」と思っていた。
    中学でできた親友は同じ苗字なのに学校一の美女・久美。
    同じ「渡辺」でも、注目されない方の「渡辺」になった。
    絵が好きで美術部に入るが、そこでは
    一風変わった絵を描くだけの同級生がなぜか注目を集め評価されてしまう。
    就職活動をしてみれば、仲良し四人組の中で自分だけ内定が取れない。
    幸せな結婚生活を夢見ていたのに、旦那の会社が倒産する…。


    人生はオーディションの連続だと思っている展子。
    本人の意思に関係なく生活の全てがオーディションに参加させられてて、
    合格したり、不合格になったりしている。
    そんな風に考えている真面目な性格の展子。

    オーディションを受けたくないと言っても駄目。
    そもそも多くのことが、そういう仕組みになっている。
    展子の考え方も聞けば、成程なぁ。
    そういう風に考えたら考えられない事もないなぁ。
    っておもいましたが、普通は受験とか就職とか大きな節目を考えるかな。
    彼女の場合は、子供の頃から人生の全てを計っていたからしんどかっただろうな。
    とっても真面目で一生懸命に生きている。
    働く女性として、母としてぎちぎちに頑張ってた。
    頑張り過ぎて痛々しかった。

    最後に彼女が気付いて良かった。
    楽に生きられる様になって良かった。

    選んで選ばれて、合格して不合格になって…それが人生なのですね。
    私も選ばれなかった事を楽しめるような、そんな人になりたいです。

    他の誰かと比べても仕方がないですね(*´▽`*)

  • 展子は自分は「ついてない」と思いがちだが、それは残念なこと。私はいつも周りに「感謝」したり、嫌なことがあってもそこから学ぶことがあると思い、「ついている」と思って生きるようにしたら、「ついている」ことが多くなった。

    2号店、3号店を作ってから、展子は人のことを思いやれず、自分の思いでつき進んできた。ただ残念ながら、「正しさ」だけでは人はついていかない。相手を思いやる優しさも必要と改めて思った。

  • 人生いつでもオーディション。ま、考えようによってはそうなのかも。展子に近い考えかもなぁと思いつつ読む。
    こうあれもこれもきっちりやりすぎると周りが迷惑ね。うん、そう。
    もうちょっと、いやかなり力を抜いて行こう! と思った。
    なんとかなるさ〜。

  • 人生はオーディションの連続。
    オーディションを受けたくなくても受けている。

    太一と出会ってからの展開に引き込まれた。
    頑張れ!と応援したり、
    そんなにガミガミしてると綻びるよ~と展開を心配したり。
    姉妹だからこそ言い過ぎて、言えなくて衝突するのがよく分かったり。

    妻となり母となり、予想もしていなかったパン屋になり経営者にもなり
    その都度オーディションを受けていると考えるとしんどいだろうなぁ。
    オーディションだから合格しないといけないもんね。

    私もわりと正しさを重視するほうだし、
    他人に求めるレベルが高すぎる気がする。
    読みながら、これ、自分への戒めじゃないかとドキドキ。
    正しさは人を傷つける。
    はい、そう思います。気を付けます。

    不得手なところだけを見て人を判断しないでという太一の言葉も
    何で仕事ができない人を怒るのがいけないのよ、できなさすぎるのよという展子の言葉もよくわかる。

    バランスよく、なんとかなるさを混ぜていこうと思った。

  • 華子さん、気持ちは分かるが苦手です。

  • 中学1年生の多感な女の子。
    いろんな場面で選ばれたり選ばれなかったり、日々オーディションと思いつつ生活してる主人公が44歳になるまで、、、

    とてもかわいくて性格もいい友達、パン屋を地道に続けてきた父親、恋愛、結婚、事業といろんな人生の収受選択と結果。

    女の子だった主人公の長い人生なのにあっという間に読み終わってしまいました。頑張った、と。

    選んで選ばれて、選ばれなかったことも楽しめる人生、それができたらもっと楽しく生きていけることでしょう。

  • 人生はオーディションの連続。なるほどなぁと思うものの、いちいちそんなことを考えていたらしんどそうだなぁとも思う。
    自分を「ついてない」と思い込む主人公・展子。かなりの運に恵まれている訳ではないけど、ついてない訳でもない。なのに、自分はついていないから、とすぐ卑下する。仲のいい友達も出来て進学も出来て、就職も出来て恋人も出来て、端から見れば平凡でもなかなか順調な生活を送れているように見えるけど…と、読みながらかなりモヤモヤした。
    展子は根本的に自分に自信がなさすぎる。でも大人になってパン職人とそして経営者として開花して自信をつけて、展子にいい風が吹くかと思いきや、そしたら今度は対人スキルの低さ故に周囲と軋轢が生じて…。展子が他者へ求める質のレベル云々辺りは自分と重なってしまって身につまされるようだった。分かる!分かるよ、展子!なんでこんなのも分からないの?なんでこんなことにも気付かないの?私も展子と同じ考え方をしてしまう。
    だから大人になった展子はついつい応援したくなる存在になった。どうか、どうか幸せになって!そんな思いで読み進めた。
    最後のページにたどり着いて、それはとてもきれいな終わらせ方で、ホッとするのと同時に、自分が人との縁に恵まれていたことに展子がちゃんと気付いてくれて、それが何より嬉しく思えた。
    いいお話だった。

  • R7/6/22

  • 人生はオーディションの連続なんだな。そして合格も不合格もそれを決めるのは自分自身なんだな。

  • 主人公の人生を淡々と語ったお話でした。
    大きな盛り上がりもなく…ただ人生ってそんなものなのかもなぁと思いました。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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