ゆりかごに聞く

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 166
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344034600

感想・レビュー・書評

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  • ミステリという名の、母性、哀しみ、やるせなさが絡み合う物語。
    世の中産んだ瞬間に当たり前のように強制される、持たなければいけない母性の重圧に苦しむ人だっている。
    完璧な母性なんてない。
    毎日手探りでいい、必死でいい、一緒に過ごすそれが一番大切。泣いて笑って怒って、自分を責めたっていいじゃない。毎日ちょっとずつ芽生えていく母性があったっていいじゃない。
    終わりなんかない、一生子を想う、それが母性だと思う。それを最初から放棄する、知ろうともしない親、途中放棄する親がいるという悲しい現実。
    涙と共に怒り、哀しみ、やるせなさがいつまでも心にとぐろを巻いて渦巻く。
    重い読書時間だった。

  • 出生に秘められた悲しい物語。

    プロローグ
    一章
    二章
    三章
    四章
    五章
    エピローグ

    新聞社に勤める宝子のもとに、二十一年前に亡くなった父親の変死の知らせが届く。

    娘を愛せず、離婚し、絶望的になっていた宝子は、父からのメッセージを受け取り、自分の出自をたどることに。

    八王子の阿部定様事件、産婦人科医殺人事件とのつながりが徐々に見えてきたとき、自分の驚愕の出生の秘密を知る。

    誰しもが子供に母性を生ずるわけではない現実が、悲劇の連鎖を生む。


    生まれてきた子供に愛情をそそげるかではなく、子供に自分の愛情を感じてもらえるか。深い。

  • +++
    新聞社で働く柳宝子は、虐待を理由に、娘を元夫に奪われていた。ある日、21年前に死んだはずの父親が変死体で発見され…。遺留品には猟奇的殺人事件の大量の記事の切り抜きと娘に宛てた一通の手紙。「これからも見守っている」。宝子は父の秘密を追うことになるが、やがてそれは家族の知られざる過去につながる。一方、事件を追う刑事の黄川田は、自分の娘が妻の不貞の子ではないかと疑っていた。
    +++

    親になるとはどういうことだろう。母性は人のなかにいつ芽生えるものなのだろう。父性はどんな条件でどの段階で芽生えるのだろう。そんな、人の生にまつわるあれこれを考えさせられる物語である。親に愛されること、子を愛すること。それは誰にでも無条件に与えられるものではないのだということが、本作を読むと痛いほど伝わってきて、胸が締めつけられる。さまざまな命の扱われ方を考えさせられる一冊でもある。

  • 究極の問い。
    「私は誰」
    人間って自分の親が誰と誰か、って絶対に自分じゃわからないんだよね。
    母親だって子どもを生んだ瞬間に入れ替えられたらわかんないし。DNAで調べても絶対に間違いないって答えはないわけだし。
    それでも「親」だ「子」だ、と思って一緒に過ごしているから親子だと思っているだけで。
    一緒にいるから似てもくるしなじんでも来る。そんななかで、突然その根拠が揺らいだら…その不確かさって本当に怖い。自分の根幹が揺らぐ感じ。
    母親はこうあるべき、母親としてこうするべき、そういうたくさんの「べき」の中でおぼれそうになる女性って本当に多いと思う。
    母親である前に、一人の女性であり、母親であると同時に、一人の働く人でもあり。そのいくつかの自分と、こうある「べき」自分のギャップ。
    子どもを産んだ瞬間に「母親」として生きることを求められる、でも、自分は「母親」であるだけではないんだ。という声に出せない叫びの一番奥を目の前に叩きつけられたような気がする。

  • 面白かった。
    昔亡くなった筈の父が、つい最近変死体で発見される。本当に父なのか、それならなぜ父は姿を隠していたのか…
    少しづつ明らかになっていく事実と、プロローグがどう繋がるのか、最後までピリピリしながら読んだ。

  • 12月-4。3.0点。
    二度目。

  • 虐待を理由に娘を夫に奪われた宝子。21年前に死んだ父親が変死体で発見され、彼の持ち物から自分へあてた手紙とある事件の切り抜きを見つける。父親について調べるうちに…。確かにミステリですが、テーマは子供への愛。想像以上に重かったです。ベビーシッター経験のあるEXITの兼近さんの言葉を思い出しました。「子が生まれたときに親も産まれるんだ。最初からできる親は居ない。最初から立てる子供は居ない。」…抱え込まずに人に頼ることができますように。周りが理解してくれますように。哀しい子供たちが一人でも減りますように。

  • 11月-2。3.0点。
    女性記者の主人公。21年前に火事で死んだはずの父が、ついこの間死亡したとの連絡が。

    離婚して娘を手放した主人公、何組かの親と子を巡るミステリ。
    サラッと読める。自分の出自が偶然に繋がるのが、こじつけ感が少しあった。まあまあの面白さ。

  • 自分の子でなくても愛せる。自分の子でも愛せない。いろいろだな。

  • 久々の一気読み読書。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。著書に『夜の空の星の』『完璧な母親』『きわこのこと』など。

「2018年 『玉瀬家、休業中。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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