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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344034990
感想・レビュー・書評
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マハさんの魅力は、本質を見抜く力。
だから今回の心の対話が実現した。
川端康成の本は、すばらしい絵や彫刻を目にした時の幸福感に似ている。
東山魁夷が、わたしはいつも「生かされている」と思っている。生かされている宿命の中で精一杯生きたい。
最近、「たゆたえど沈ます」を読んだばかりだから、ゴッホの話はすっと入ってきた。
娘の買った本の中に、「花咲くアーモンドの木の枝」を見つけたばかりだった。寝転がって描いた桜の花みたいな絵。対話がもう深くて自然だ。
初めて知って面白かったのは陶芸家達。
私の父母が眠る街も焼き物の街だけど、益子焼の大家が大家という言葉を否定する濱田庄司。毎日出来上がりの違うわんぱく坊主の焼き物達に目を細めている様子が目に浮かぶ。今が育ち盛りと言いながら。
マハさんの資料収集力、遊び心、グルメ力。そして創作力に脱帽。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
京都の清水寺で、日本と世界のアーティスト・クリエイターがどうやってコンタクトし、互いに影響を受け、励まし合ってきたかを展観するイベント「CONTACT つなぐ・むすぶ日本と世界のアート」が2019年9月に開催されました。参加アーティスト30人のうち物故作家20人(文中では「星々」と呼ばれる)にコンタクトしてインタビューをし、そのプロセスと内容を作者の原田マハさんが掌編小説にまとめたものです。
マハさんは二十人の憧れの星々に会いました。
会話をし、質問を投げました。
彼らは輝いていました。かけがえのない、決して消えない星々。平均一人約8ページから9ページの訪問時間。
このメンバーで、お話が面白くないわけがないでしょうという方々ばかり20人。日本の芸術家、文学者もそのうち半数以上を占めるのも魅力でした。
各人、ゆかりの地で、その人に合った手土産(奥ゆかしくてもらって嬉しいものばかりです)を持参し、時に一番してほしい質問を投げかけます。
芸術家たちが生き生きとマハさんと会話をしているのが、不思議だけど、本当にそこに存在していました。
ゴッホやマティス、セザンヌなどはマハさんの小説でお馴染みでしたが、宮沢賢治は、その声を聞いたのは初めてでした。花巻弁で自分のことをとてつもなく明るく語りサイダーで客人をもてなしているのを(もっと朴訥な人かと思っていました)読んで、本当にここにいるのだと嬉しくてたまりませんでした。
是非、20人の星々に逢いに行ってみてください。
<20人の消えない星々>
猪熊弦一郎/ポール・セザンヌ/ルーシー・リー/黒澤明/アルベルト・ジャコメッティ/アンリ・マティス/川端康成/司馬江漢/シャルロット・ぺリアン/バーナード・リーチ/濱田庄司/河井寛次郎/棟方志功/手塚治虫/オーブリー・ビアズリー/ヨーゼフ・ボイス/小津安二郎/東山魁夷/宮沢賢治/フィンセント・ファン・ゴッホ-
このメンバー見て、とっても会いたいけど、会うのが怖い、という人が何人かいました。4人も!怖い本ですね。このメンバー見て、とっても会いたいけど、会うのが怖い、という人が何人かいました。4人も!怖い本ですね。2019/09/18
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地球っこさん♪こんばんは!
嬉しいコメントありがとうございます。
是非、是非、星々に会いに行かれてください♪
地球っこさん♪こんばんは!
嬉しいコメントありがとうございます。
是非、是非、星々に会いに行かれてください♪
2019/09/18 -
kuma0504さん♪こんばんは!
いつもレビュー楽しく拝見しています。
会うのが怖い4人とはどなたのことでしょうか?
マハさんのお話...kuma0504さん♪こんばんは!
いつもレビュー楽しく拝見しています。
会うのが怖い4人とはどなたのことでしょうか?
マハさんのお話は、楽しくて、私は特に怖いとは感じませんでした。
よろしかったら、一度、試しにお目にかかられてみてください。200ページくらいの薄い読みやすい本です。2019/09/18
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今は亡き偉大なアーティストたちに原田マハさんが突撃インタビュー(コンタクト)
趣向は面白いなと思ったけど、「この人ならこんな感じ」という知識が自分になさすぎて今一つのめり込めなかった。
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原田マハさんが、過去の偉人たちに会いに行きインタビューする。こんなに自由に偉人達と会い、話せるなんて素晴らしい。贅沢な時間を過ごさせていただきました。気の利いた手土産も気になる。
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原田マハ作品に嵌まってはいますが、私は美術系の知識はあまりない。だからマハ作品を読むときはスマホ片手に、お話に出てくるアーティストやその作品を検索しつつ、読み進めています。
で、今回は20人のアーティストが出てくる。なので味わうというより、片っ端から検索しまくりながら知識を少しずつ増やしていく作業になりました(笑)。正直、ちょっと頭が疲れた(笑)。
いつもの、まるで伝記であるかのようなフィクション。それを10ページにも満たないような短さで一話完結させているが、これ、短い時間で20人分の下調べ、それはそれは大変だったかと。しかも、毎回そのアーティストにぴったりの手土産を設定していて、やはり原田マハさんは凄いと思いました。
因みに、この中でも東山魁夷のお話がいちばん好きです。 -
ア-ト小説作家の原田マハが、天空の星々となって輝き続ける今は亡きアーティスト20人に、手土産持参でインタビュ-を試みたファンタジック短編集です。JR上野駅の壁画<自由>、三越百貨店の包装紙デザインを手がけた<いのくまさん>こと猪熊弦一郎(1920-1993)、ポール・セザンヌ(1839-1906)の<糟糠の妻オルタンス>、無類の肉好きという黒澤明(1910-1998)の創作へのこだわり、ゴッホ(1853-1890)が弟テオの子の誕生祝いに贈った<花咲くアーモンドの木の枝>など、アートへの誘いが続きます。
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原田マハさんが、時代や国境を飛び越えて、芸術の巨匠たちにインタビューする短編集。
芸術家たちが生き生きと動き話している描写がとても自然で、芸術の巨匠たちと、同じ時代に近くで生きている気がしてとても親しみを感じた。 -
2019年9月開催の展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」のために原田マハが書き下ろしたアート短編集。アート、文学、映画、マンガなど20名の巨匠たちの創作の秘密を解き明かす。
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作家、兼キュレーターの著者が企画した、展覧会で配布された副読本を元とするオムニバス・アート短編集。
古今東西のアーティスト20人に架空のインタビューを試みるという、ファンタジックな構成となっている。
設定の斬新さと、『手土産を持参する』『質問は一つ、ないしは二つまで』という制限を設けた点もあり、文学から芸術まで、巨匠と呼ばれる人々の素顔に迫る描写が、簡潔ながら快い。
平易な文体が親密な空気を醸し出し、著者の敬愛を滲ませる。
アーティストらの仕草や語調に、彼らの芸術性と人間性を思わせる巧みさは見事だ。
傍らに同席しているかのような臨場感と感動を抱かせる佳作。 -
後書きから言葉を借りるとしたら、「マハ・マジック」に満ちた一冊。(別の言葉を使うなら、ドリーム小説……に近いものを感じつつ。笑) 片思いのアーティストの心の端々に、手土産と質問という限られた手段を通して触れていく企画。ただただ話すだけではこんなに楽しく読めなかっただろう、その限られたルールの中だからこそ成り立つ一冊。この本をきっかけに知ったアーティストもあり、個人的にはとても満足した。好きなエピソードは、猪熊さんと、ルーシーリー、宮沢賢治、ゴッホかなぁ。
著者プロフィール
原田マハの作品





