捨てる贅沢 モノを減らすと、心はもっと豊かになる

  • 幻冬舎 (2019年11月27日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344035423

感想・レビュー・書評

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  • 『私たちにとって本当の無駄は捨てることではなく、軽々しく、考えもなく買うという消費サイクルのことを指しているのではないでしょうか?』(P84-85)

    「もったいない」という考え方は確かに正しいけれども、どうもその言葉に強く振り回されてしまう自分がいます。
    まるで言い訳のようにその呪文を唱えては捨てずにとっておく…。

    現代のもので溢れている時代を生きる私たちにとっては、「もったいない」という考えは全てに適用されるわけではない、と筆者は説きます。
    むしろ、それよりも重要なことが、冒頭に書いた消費サイクルである、と。

    ではどうすれば良いか…。その方法が「買う」「捨てる(決断する)」の2つの視点から、小説の引用を交えて、丁寧にわかりやすい例えで書かれております。

    著者は、全てを捨ててミニマリストになれ、といいたいわけではありません。
    「ミニマリスト」という考え方の流行に乗るのではなく、自分にとって何が必要で何が不要か。その自分にとっての価値観を見極めるのが、「買う」「捨てる」という行為であり、そうすることでまた、今まで見えてこなかった自分らしさが見えてくる。
    作業に陥りがちな片付けという行為は、これほどにも深いものであるのかと改めて突き動かされました。

    もう一つ、感動した言葉。
    『「不必要」があるからこそ、人は魅力的にもなり、人間的な深みが備わるのです』(P217)
    この一文を読んだ時、一見、この本の主題と矛盾しているのではないかと感じましたが、読み終えてからそうではないと気づきました。

    どれほど、自分にとって不要なことであっても、それをやってしまうのは仕方がないことで、それはそれと割り切ること。取捨選択という行為を通じて、自分を見極めることは重要ですが、突き詰めると人生はつまらないものになります。

    部屋を片付けよう!と一念発起して、気がつけばテレビを観て一日経っていた、なんてことがあっても、それはそれで充実したと思えればよく、後悔しても良い。

    大切なのは、長期的な視点で、不必要・必要を積み上げていくことなのです。

    読み終えてからの、片付けることの作業感が、だいぶ少なくなったように思えます。

  • どこまでモノを減らすのか、
    モノとどう向き合えば、自分は満たされるのか、
    人生は豊かだと感じられるのか。

    そういった答えのない問いへの
    ひとつの考え方に触れることができた。
    静かで間接照明のような優しい灯りのような本だった。


    p.217
    「多くの画用紙と時間を無駄遣いして、
    ある日美しい絵画が完成するのです。
    従って、どの日の買い物、(何かをするために費やした時間にしても)どの時間が必要であったのか否かを見極めることなどできないのです。それは時の流れと共におのずと理解することになるのです。
    何もしない時間さえも必要なのです。それはまさに生きている瞬間を味わうため。従って何事も後悔してはなりません。不必要なことでさえ人生を歩んでいく上では必要になるからです。」

    この部分を読んだとき、心が軽くなった。
    有意義にお金や時間をつかいたい!と
    力んでしまっていた自分に気がつけた。

  • この本の骨格を形成してるのは「ライフスタイルに自信を持つこと」だと思います。ド三ニック・ローホー 著「捨てる贅沢」、2019.11発行、奇をてらったかのようなタイトルですが、内容は常識的でわかりやすいです。①昔はみんな「ミニマリスト」だった。衣食住と生存と仕事に関係する、必要なモノを持つだけ。今は、買ってしまったモノを持て余している。②「もったいない」の概念。昔は無駄遣い。今は、時間、エネルギー、スペース、健康を価値のない活動で失うこと。要すれば、現在の一瞬一瞬を目一杯生きるということでしょうか!

  • シンプルライフとミニマリストの違いを知ることができました。
    シンプルライフとは、ただ単にものをなくすことではなく、本当に必要なものだけを求めていくこと。
    ただ、今のミニマリストは、自分の必要なものがわかっていないのかもしれませんね。
    勉強になりました。

    半年前に読んでいたのですね、2024年12月6日に読み終わりました。
    前回はほとんど記憶になかったのですが、とても印象に残る言葉が多かったです。

  • これまで何冊もミニマリスト・シンプリストの本を読んだけど、
    「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」より本質を突いてくるようなワードが多かった気がする。
    ものは(基本的には)買った時が1番価値があり、
    どんどん下がってくるものだから、
    その下がっていく価値に執着するのはやぱ違うなと。

  • 前半はものを持ちすぎることがもたらす害と、物を捨てることに対するさまざまな不安を解説しながら捨てることを促す。
    共感できるところは「うんうん」と思うが、できないところはできないので、全て書かれた通りにはできない。
    自分にとってはあまり役立たない第三章の後に、第四章では「シンプルライフとは」の解説。
    個人的にここを最初に持っていっても良いのではと思ったが、若干前半内容との違和感を感じた。
    前半とにかく「必要でなければ、思い出のものも捨てよう」のに対して、ここではシンプルライフは「祖母の思い出のものが何一つもない、ということではない」とあった。
    捨てる基準は自分で作ることが大事だとわかっているものの、前後の温度差で「じゃあ一体何すれば良いの」と思った瞬間がある。
    といっても、本書を読んですでに進んでいる断捨離はもう少進められそうでよかった。

  • どんな物を捨てて、どんな物を持つか、選択に迷ったら時にぜひ再読したいと思った。

  • 毎年この時期は、大掃除のためのモチベーションを上げたくて、掃除や片付けの本を読んでいます。
    今年は、メンタル系に焦点を当てていて評判の良い本書を選んでみました。

    「不必要なものを所持することは、時間、エネルギー、所持スペース、健康を全く価値のないもののために失うことです」
    ハイ、おっしゃるとおりです、が、静かに正論に論破されるような威圧感を感じてしまいました・・・

    また、「持ち物は過去や思い出にリンクします。これは硬直した痕跡。思い出の品は今のあなたを幸せにしてくれますか?」
    うーん。どこまで捨てればいいんだろ?と逆に不安になる・・・

    ってことでとても評判の良い本でしたが、もったいない精神が強く、ある程度の断捨離は既に出来ている私にとってはあまり合わない本でした。

    一番の学びは「よく考えて物を買うことが大切」
    これだけはすぐに実践できる。。セールには飛びつきません!

  • ミニマリストの本ではない、モノと物欲から解放されようという本です。
    色々読んできたけど、この本では以下のことがためになりました。

    ・昔は誰もがミニマリストだった
    ・1家庭で30万個のモノを所有している、どれだけ過剰にモノを持っているのか実感していない
    ・持ち物は家賃高くつく同居人
    ・モノには手入れや修理で維持することに手間がかっている、なければどれだけのエネルギーが節約できるか
    ・できるだけよく知っているお決まりのブランドのものを使う、それ以上探す必要もなく、一生同じブランドを愛用するのもよい
    ・必要とされる衣食住、生存と仕事に関係するもこにはけちけちしない
    ・もったいない、まだ使えるかも、は今後言ってはいけない
    ・取っておきたいモノの基準をリスト化する(柄物は四角か丸いかたちだけ…プラスチックは使わないなど)
    ・ネット販売で時間を無駄にしない

  • 決してミニマリストになりなさいと言っているわけではない。
    物が溢れすぎている今、必要なものや心がワクワクするものを選び、選んだものを大切に使うことで、豊かな生活を手に入れる。
    断捨離、コツコツ進めよう。

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著者プロフィール

ドミニック・ローホー――著述業。
フランスに生まれる。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスのソールズベリーグラマースクール、アメリカのミズーリ州立大学、日本の仏教系大学で教鞭をとる。アメリカと日本でヨガを学び、禅の修行や墨絵の習得などをとおし、日本の精神文化への理解を深めてきた。フランスはもとより全世界で著書がベストセラーに。『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』『シンプルに生きる 人生の本物の安らぎを味わう』(以上、講談社+α新書)、『シンプルだから、贅沢』(講談社)ほか、日本でもその著作は大きな支持を得ている。

「2022年 『成熟とともに限りある時を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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