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本 ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784344036055
作品紹介・あらすじ
日本には、左利きやAB型と同じぐらい、LGBTがいる。世の中は男と女の二択だけではないし、そもそも自分に性があることがイヤな人もいる……。
女性であることに違和感を持ち、「男になりたいんだ!」と思い込んでいた。でもよく考えてみたら、手術をして性別を変えたいわけじゃないし、男性として何かをしたいわけではない……。
あれ?ぼくはLGBTなの?それとも……?
自分はいったい何者なのか。悩み考えた道のりを描いた実録漫画。
第1章 男になりたい!
ぼくの現状/胸のこと/名前/好きな服を着たい/薄着がニガテ/化粧ってなんの罰ゲーム?/私? ぼく?/どちらの性別に見られているでShow/「自分の性別に違和感がある」という感覚/違和感はいつから?/女の子ってなんだ?/女の子になろうキャンペーン/消えない違和感/乱暴な口調=男子?
第2章 ぼくはLGBTなのか?
Q.「LGBT」なのか?/そもそもLGBTって?/広いぞ!トランスジェンダー/手術!とまではいかない/性別モラトリアムで生きているということ/自分の居場所/「女の子だから」への反発/男性嫌悪/「男になりたい」とは/
第3章 男になりたい、わけではない…?
なんで自分が女性であることが嫌なんだろう/性があることが嫌…?/書類/性があることが嫌ってつまり…/Aセクシャルというもの/熱量のある絵/お付き合い/いくら説明しても…/「○○らしさ」への固執
おわりに
こんな実録を描いておいてアレですが/特別ではなくて/あとがき
感想・レビュー・書評
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以前、学校でLGBTQに関する研修を受けて、
性とはグラデーションであって、ハッキリと分かれるものではないのだということを知り、なるほど、と思った。
社会通念と化しているジェンダーの役割から漸く解放されつつある今だからこそ、こういった当事者の声も拡散しやすく、理解も進むのだろう。
女性であることに違和感を持ちながらも、男性になりたいわけではない…
この本は、小さな頃から思春期を通って今に至るまでの、著者の心の変遷が分かりやすくまんがで描かれている。
勤め先の学校は、女子の制服にスラックスも採用していて、着用している生徒も結構いる。理由は色々だと思うが、それが普通になっていることが嬉しい。
そんな中、この本も学校図書館に購入してもらったのだが、選ぶのが難しいくらいにLGBTQの本は色々と出版されている。
学校にも何冊かあるが、カウンターで借りる勇気がない子もいるかもしれない…と思うと本当に必要な生徒にどうやったら届くかな…と悩んだりもする。
2020.10.29 -
「思春期にぜひ読んで欲しい」
もし他人がこの本を持ってきて、この言葉を多感な思春期の自分に言われたら絶対反発して読まないだろう。
でも凡才で、言葉が出ない自分が精一杯この本を薦める時にまず出るのが、この言葉。
そのぐらい自分の根幹を揺さぶられた本だから。
生まれ持った性別、自認する性別、好きになる性別。
それぞれを真剣に考えたことが果たしてあっただろうか。
自分の中で違和感があったからこそ、「性別」について深く考えた作者、からたちはじめ氏は本で語る冒頭の考えから終わりに向かうにつれ、自分の考えを自分なりに整理していく。
自分の過去に目を向けたり、自分は今どうやって考えているのかを言語化したり。
なんとなくで生きる自分にとっては目から鱗な考え方だった。
作者なりの自分との向き合い方が漫画で描かれており、読んでる時は「自分はどうなんだろう」と考えさせられる。
大人になってからだって、「性別」について考えることもできる。
でも自分のためだけに時間を使える10代のうちに、性別・性的志向について考えるって大事。
柔らかいイラストで分かりやすく、LGBTやアセクシャルについても言及されているので、とっかかりには最適。
こんな風にごちゃごちゃ考えなくても、コミックエッセイとしても興味深い作品だったので、気楽に手に取ってもらいたい。
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著者の、ジェンダーに悩んだり、怒ったり、誰かの安心になるといいなと思ったり、子どものころから20代後半にかけてのあれこれを綴ったエッセイ。
特に若いときって、まわりのプレッシャーもあり、強く自分のジェンダーを考えるように思う。モラトリアムって、そうですよね。
ありのままって、自分に対しても難しいものなのだなあと思った。
←からたちさんは、エッセイコミックを書いている間に自身のジェンダーの認識が変わってはる。
悩んでいる人に手渡したい本の1冊です。
自分のジェンダーはなんだろう…と考えてみて、女性というより「おばちゃん」というジェンダーな気がしてきた。冗談ではなくて。年取るとね。
もはや、ジェンダーを意識するのは、社会的な不公平についてだけなのだー。 -
書店で見つけた瞬間、「これは私が読むべき本だ」と直感が騒いで手に取りました。
わかるなぁ。
こう、行ったり戻ったり、揺れたり動いたり、アイデンティティが欲しかったり欲しくなかったり、何かのせいにしたり自分のせいだと発覚したりしながら、少しずつ少しずつ、自分の性のあり方を確かめていくんだよなぁ。
私自身まだそういう揺れ動きの真っ只中にいるから、からたちさんの葛藤が読んでて痛いほど伝わりました。
モラトリアムでいい。
自分の性のあり方をハッキリはさせたいけど、決め付けたくはないからね。
知り合いにも自分の性のあり方で悩んでる子がいるので勧めようと思います。 -
昔からクラスに1人くらいいた、やけにボーイッシュで自分を”ぼく”と呼ぶ女の子。 当時はまだ性別に関する定義が豊かではなかったのでよくわからないままだったが、その子が何者だったのかがわかる一助になりそうな本。
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私が知りたかったことは
聞きたかった話は
頭の隅にあったもやもやは、これだった! -
筆者さんの分けるLGBTがなるほど!でした。
自分に合ったパートナーを見つけるためには、性指向に名前を付ける必要はあるのかもしれないけど、なんでもかんでも名前を付けて「自分は○○だから~」とするのは、個人的にはやらないよう心掛けたいと思っている。 -
最初は絵も字も大きくて、細かいわけじゃなく、すぐ読み終わりそうな気がしたけれど、読んでみると結構深く考えながら読ませてもらった。動物でも植物でも分類できないものを無理矢理分類するから、どちらにも属さない群が発生するという。自然界とはそんなもので、分類するという学問的なことが後から追いついていくのだろうと思う。この本のおかげで全く理解できなかったことが少しはわかった気がする。
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あらすじ
体の性別に違和感を持っていた著者が、今までのことや現在の気持ちの変化など、性を通して自分と向き合った道のりを描いた実録漫画。
ノンバイナリーについての本があるかなと思い調べていたときに見つけた1冊。
自分はからたちさんみたく男になりたいと思っていたわけではない。
でも、乱暴な言葉を使ったり男子用の服しか受け付けなかったり、「エスパークス」の文具を使ったりと子ども時代から女になりすぎないようとバランスを取っていた。
この頃から「女のくせに」に言われることにモヤモヤしていた。
そして今も、途切れることなくモヤモヤは続いている。
書類の性別記入欄のモヤモヤや、驚くほど迷いなく描かれた「理想の体形」は、気持ちがわかりすぎてウンウン頷いた。
自分も、性自認はからたちさんに近いと思っている。
単純ではあるけれど、やっぱり世の中のどこかに仲間がいることがこの本でわかってホッとできた。 -
わたしははっきりと自認は女なんだけど(めんどくさいしいやだと思うこともあるけど)その他は共感するところ、おんなじだーというところがほとんどで、うれしくなりました。描いてくれてとてもありがたい。
お友達になりたいなあと思うけど、
発信する人って、やっぱり若いんだよなあ。
だれかミドルエイジの人描いてくれんかしら。
「本当に必要な生徒にどうやったら届くかな」
LGBTQで括らないで、ニュースで聞く新しい言葉。知っておきたい身近に居る人(外...
「本当に必要な生徒にどうやったら届くかな」
LGBTQで括らないで、ニュースで聞く新しい言葉。知っておきたい身近に居る人(外国籍の人やハンデを持った人)とか大きな枠の中に紛れ込ませるのは?