縄紋

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 100
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036154

作品紹介・あらすじ

「人間の面白いところは、たとえ明日、世界か滅亡すると知っても、怒りとか、嫉妬とか、そういう自分の小さなことを優先するということです 真梨幸子」

縄紋時代、女は神であり、男たちは種馬、奴隷でした。

フリーの校正者・興梠に届いた自費出版の原稿。それは “ 縄「紋」時代 ” に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された男女の遺体など、現在にも繋がる共通点が幾つも現れて.....。この著者の正体は誰なのか、「縄紋黙示録」に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始めーー。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学区が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。これは小説か予言なのか。

世界まるごと大どんでん返し!

感想・レビュー・書評

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  • 真梨幸子の新作。
    遅れて販売される予定の電子書籍が待ちきれず、ソフ
    トカバーの単行本を購入。手にするとかなりの束。読
    むのに何日かかるのか、と思いきや・・・。

    ・・・コレが正解かどうかは解らないが、なんと歴史ミ
    ステリー。それも、日本史の始まりとされる縄文時代
    にフォーカスしてきたところでまず度肝を抜かれた。
    縄文、そもそも中学以降の授業でも殆ど触れられない
    時代であり、知っていることと言えば土器と竪穴式住
    居くらい。普通は興味が持続出来ない題材だと思う。

    が、読み進めるウチにその壮大なテーマから目が離せ
    なくなってしまったのだから凄い。この作品の中では
    「神社」が重要なアイテムとなっており、現存するモ
    ノも多数登場するのだが、それらに関する取材の細か
    さが半端でない。思わず「ハァ〜・・・」と唸ってしま
    うような情報が多々出てくる。女史の作品でこういう
    気分になったのは初めてかもしれない。
    タイトルの「紋」の文字にも当然意味があるので念の
    ため。

    そして、最近更に研ぎ澄まされているミステリー要素、
    今回は凄まじいまでのどんでん返しが披露される。終
    盤で全体像が見えた段階で不覚にも息を呑んだ。結果、
    約2日で読破。この作家、やっぱり只者では無い。

    もちろん教祖としての立場も忘れず、全編に渡って細
    々したイヤミスも展開される。熱狂的な真梨幸子信者
    の皆様の期待も全く裏切っていないので、同朋の皆様
    もどうぞご心配なく。真梨幸子ワールドでいちばんと
    言っても良い壮大な作品、どうぞお楽しみあれ。
    オススメです!

  • 序章からして既に怪しいが、その後の展開もまるで予測不可能な怪作だった。作中作である『縄紋黙示録』なる自費出版本の内容と、その校正を引き受けたフリーの校正者が巻き込まれた事件が交互に描かれる。縄紋(縄文)時代というほとんどなにも知らない歴史と、現代の繋がりが明かされていく。殺人事件なども絡んで、ミステリーとしても愉しめた。

  • 初めて読む作家。オビには”イヤミスの女王が放つ、和製『ダ・ヴィンチ・コード』”と非常に扇情的な文言がたくさん並んでおり、縄文好きとしては読んでおかねば、と手に取った。
     結論、色々詰め込みすぎてぼやけたラノベ猿の惑星。竜頭蛇尾ながら、まずまずエンジョイできた。確かにイヤミス。
     まずとっかかり、ユヴァルの『サピエンス全史』のあらすじじみた話ではじまり、すべてどこかで読んだ小ネタばかりだが、それも素人自費出版の原稿という体裁なので、そういうのもアリなんだろうか、と読み進む。読者にはすぐに犯人の目星がつく殺人事件、性根の腐った獄中のジャンキー殺人犯、読むと感染する狂気、なぜか入れ込んで洗脳される人々。まあ、かなり嘘くさい。
     まあ、歴史的な部分は歴史書でもないので好きに書けばいいとは思うが、誤解の多い狂った箇所と現時点の定説がまぜこぜになっているので、妙に自分が校正している気になって、イラっとしてくる。登場人物があまりにも物知らずで、フィールドワークに出て狂ったように(狂ってはいるが)エキサイトしたり驚くのが興ざめ。自費出版の校正校閲というのはウィキペディア頼みなんだろうか、と、ぞっとした。ここが一番怖かったシーンではある。ともかく、日本の縄文やら日本の神々の話、まつろわぬ民の話、カニバリズム、ウイルス、失業問題、ネット依存、太陽嵐やガンマ線バースト、邪馬台国ミステリ、江戸ミステリ、アラハバキと盛りすぎて、しかも全て、どっかで読んだ話に、逃げ道付きで無理のあるトンデモ説なんかものせることで、作中でこの『縄紋黙示録』の安っぽさを醸し出している。これはもしかしたら、北島マヤが大根役者を演じるような、そういうことなんだろうか。だとしたら、大成功だと言える。ラストは私の好みではないし、読了後に後引くほど気になることもない。
     読み終わって、最後に参考資料を見てみると、やっぱりなという感じ。ただ、パット・シップマンのインベイダーズ(The Invaders: How Humans and Their Dogs Drove Neanderthals to Extinction)など、2、3参考にしたか?と目星をつけていた書籍は見られなかった。

  • 「イヤミスの女王」真梨幸子の新境地とも言える歴史ミステリー。ですが、その脇できっちりと本来の禍々しい殺人事件も進行して、満足な一冊でした。

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著者プロフィール

真梨 幸子(まり ゆきこ)
1964年、宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『殺人鬼フジコの衝動』がシリーズ累計50万部を超えるベストセラーになり、舞台化・ラジオドラマ化、代表作の一つと目される。2015年、『人生相談。』で第28回山本周五郎賞候補。
他の代表作に、TVドラマ化された『5人のジュンコ』、『祝言島』など。

真梨幸子の作品

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