明け方の若者たち

  • 幻冬舎
3.66
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本棚登録 : 6995
感想 : 537
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036239

作品紹介・あらすじ

安達祐実、村山由佳、尾崎世界観、紗倉まな、今泉力哉、長谷川朗、推薦!
近くて遠い2010年代を青々しく描いた、人気ウェブライターのデビュー小説。

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間。

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。
世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、"こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。深夜の高円寺の公園と親友だけが、救いだったあの頃。

それでも、振り返れば全てが、美しい。
人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

ドキドキする。好きな人を想うときみたいに。 
――安達祐実(俳優) 
痛くて愛おしいのは、これがあなたの物語だからだ。カツセの魔法は長編でも健在。
――村山由佳(作家) 
どうしても下北沢に馴染めなくて、逃げるように乗った井の頭線。通り過ぎた明大前のしみったれたお前。お前にあの頃出会いたかった。 
――尾崎世界観(クリープハイプ) 
ひたむきに生きるとは、こういうことなのだと思う。 
――紗倉まな(AV女優) 
人にフラれて絶望するという経験をせずに死んでいくのか、俺は。と絶望したし嫉妬した。 
――今泉力哉(映画監督) 
「こんなはずじゃなかった」未来を生きている大人は共感しかない。甘い恋愛小説と思って読んで後悔した。
――長谷川朗(ヴィレッジヴァンガード下北沢 次長) 

感想・レビュー・書評

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  • 人生のマジックアワーの印象って一生残るよなぁ、うまくいってもいかなくても。
    恋愛中の部分は、『花束みたいな恋をした』を読んだ時も少し似たようなことを感じた気がする。
    ピークがとても高い恋って、なかなか続かないことが多いイメージがどんどんできあがってしまう…
    落差ができることが多いからなぁ、、

    読後に"ハイブリッド レインボウ"を聴いたが、このやるせなさというか、明るいとも暗いとも取れない感じというか、読後感と似ている曲だと感じた。

  • イイ!
    めっちゃイイ!

    20代って羨ましね
    恋愛、失恋、仕事、友、とにかく毎日が青春
    抱えきれないくらいの青春があるから圧縮袋にギューッと詰め込みたくなる


    これはね、10代、20代の若者は読んだらダメ

    だって10代の若者たちはこれこら、20代の若者たちはまだまだ青春を楽しむことができるもん!


    これはね、非若者たち読むべきでしょ

    ボクたちみたいにもう青春を楽しむことができない、現実と向き合って生きていかなければならない人たちが

    「あの頃は良かった」って愚痴る大人はカッコ悪いかもしれないけど、「あの頃は良かった」と思っちゃう一冊です

    • kuma0504さん
      マキさん、
      ナンパスポット!
      それは非常に日本の民族的心性に合った習俗だと思われます!
      このスポットでは、よく幽霊が出るとか‥‥。
      都会的習...
      マキさん、
      ナンパスポット!
      それは非常に日本の民族的心性に合った習俗だと思われます!
      このスポットでは、よく幽霊が出るとか‥‥。
      都会的習俗ではない、ひまわりめろんさんのお兄さんでも「やった」という証言がありますし。
      そういえば、わたしは目撃していませんが、岡山市にもナンパスポットというのはあって、商店街近くで車が渋滞する所があるのですが、その曲がり角では、車から女の子にナンパしているのだ、という噂が流れてきたことがありました。

      ゆーき本さん、
      それは逆ナンというよりは、普通に集団デート或いはコンパのような気がする。
      2024/10/23
    • bmakiさん
      ひま師匠の兄上が、ひま師匠からは想像出来なくて、ひま師匠に兄上がいるという事実すら受け入れられない私がいます(笑)
      しっかりしている長男では...
      ひま師匠の兄上が、ひま師匠からは想像出来なくて、ひま師匠に兄上がいるという事実すら受け入れられない私がいます(笑)
      しっかりしている長男ではないのかぁ。。。


      おびのりさんのエピソードいいなぁ。。。
      私は背が高いので、高いところのものをとってあげたことはあるのですが、取ってもらったことがありません。
      そんなの、キュン死にしてしまいます\(//∇//)\


      くまさんが語ると、どんなことでも格調高くなってしまう不思議。
      何をお書きになっても、天才が溢れ出てしまっていますよ。。。
      2024/10/23
    • 1Q84O1さん
      忙しくてブクログがチェックできなく覗いてみるとコメント欄が賑わっていた!
      なにかと思えばナンパ話かーい!w
      忙しくてブクログがチェックできなく覗いてみるとコメント欄が賑わっていた!
      なにかと思えばナンパ話かーい!w
      2024/10/24
  • なるほど。
    これはいいぞ。

    金曜日の夜に読むといい。
    読み終わった後、小説の世界に浸る時間がほしい。
    ぼんやりと、人生のもっとも甘美な時間を思い出したりして。

    「二十三、四歳あたりって、今おもえば、人生のマジックアワーだったとおもうのよね」

    そうなんだよなぁ。
    仕事にはまだ夢が持てて、働きはじめているから少しお金も持っていて、若いから女の子とも話ができる。
    自分は何にでもなれる、そんな気がする。

    そんな時間に一緒に過ごした「彼女」。
    〇〇だからこそ余計夢中になったんだろうけど、とても魅力的な人だと思った。会えなくて辛くてのたうち回るほど大好きな人に出会えるって、人生を必死に生きていることへのご褒美だ。
    たとえ二人がうまくいかなかったとしても。

    カツセさんは「小説もエンターテインメントの一個だと考えているから、この本は他の小説と比べるんじゃなくて、Netflixや『どうぶつの森』をライバルに考えたい」と思ってこの小説を書いたという。
    僕にとってはじゅうぶんそういう小説だった。
    次の小説も読みたい。

    登場する音楽もいい。


    https://realsound.jp/book/2020/06/post-564831_4.html

  • 著名人の方々の絶賛コメントを見て、楽しみに読んでみたのだけど、ビックリするくらい響かなかった。
    もはや、自分がおかしいんじゃないかと思うほど。

    人生のマジックアワーのキラキラ感はよく伝わってきて、そのあたりはまだ良かったのだけど、中盤以降その落差が激しくなってきたあたりから、完全に読む気が失せてきた。
    200ページしかないのに、読み終えるのにとっても時間がかかってしまった。

    • ねこさん
      今、気がついたけど…自分が気に入らなかった本をへぶたんさんによく薦めてますよね。
      きゃー!性格悪いわ\⁠(⁠>⁠o⁠<⁠)⁠ノ⁠
      いいお話の...
      今、気がついたけど…自分が気に入らなかった本をへぶたんさんによく薦めてますよね。
      きゃー!性格悪いわ\⁠(⁠>⁠o⁠<⁠)⁠ノ⁠
      いいお話の間に、箸休め的な感じで読んでみてください…って、結局薦めるんかい!
      2024/08/13
    • へぶたんさん
      (´▽`*)アハハそんなことないですよ~
      響かない!の共有もしたいですもんね
      是非読んでみますよ~体力のある時に笑
      (´▽`*)アハハそんなことないですよ~
      響かない!の共有もしたいですもんね
      是非読んでみますよ~体力のある時に笑
      2024/08/13
    • ねこさん
      はーい(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠体力のある時に(笑)
      はーい(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠体力のある時に(笑)
      2024/08/13
  • 恋は盲目!俺らはこんなはずじゃなかったんだぁ!
    的な二十代の青春小説。

    井の頭線、明大前、サブカル女子
    くるり、キリンジ、ピロウズ…
    二十代の頃サブカルクソ野郎だった俺には
    けっこう共感できるところがあって
    なかなり感情移入して読んでしまいました。

    しかも彼女がものすごく魅力的で
    俺も二十代だったら絶対好きになっちゃうだろうな

    でも、この2人の本当の関係性のヘビーさ…

    「そもそも、どうして俺だったの?」
    その彼女の答えは…
    心がえぐられすぎて無くなってしまうほどの
    破壊力!
    俺も読んでてえぐられました笑

    けっこうリアリティのある恋愛や仕事での不満や葛藤、今四十代くらいの人だったら、けっこう共感できて楽しく読めるのではないかと思います。

    二十代の思い上がりの勘違い野郎は三十くらいにならないと、なかなか現実に気づかないんですよね
    私も三十で自分が何者でもないと気づき現在に至ります…泣

    • naonaonao16gさん
      うわ、おもしろそう…!!
      気にはなってましたがもっと若い子向けの作品だと思ってスルーしてました!!
      また読みたい作品が増えました~

      元京王...
      うわ、おもしろそう…!!
      気にはなってましたがもっと若い子向けの作品だと思ってスルーしてました!!
      また読みたい作品が増えました~

      元京王線住民、サブカルクソメンヘラ女にも刺さりそう…!
      pillowsがいなければ今のわたしはありません(笑)
      2021/02/18
    • sinsekaiさん
      コメントありがとうございます。
      男目線の話になりますが、女の人が読んでもけっこう楽しめると思います。

      ピロウズ好きなんですね♪
      ハイブリッ...
      コメントありがとうございます。
      男目線の話になりますが、女の人が読んでもけっこう楽しめると思います。

      ピロウズ好きなんですね♪
      ハイブリットレインボウが作中出てきます!
      俺も好きでずっと聴いてたんですが、悔やまれるのがavexに移籍したことなんですよね…泣
      2021/02/19
    • naonaonao16gさん
      もともと今わたしが好きな音楽のスタートはBUMP OF CHICKENです。
      そこからpillowsのカバーアルバムシンクロナイズドロッカー...
      もともと今わたしが好きな音楽のスタートはBUMP OF CHICKENです。
      そこからpillowsのカバーアルバムシンクロナイズドロッカーズに出会い、syrup16gに出会いました。ハイブリッドレインボーはまさにBUMPがカバーしてたなぁ
      尚更読みたくなりました!

      エイベックス移籍知りませんでした…(泣)
      結構衝撃です…
      2021/02/19
  • 「僕」が社会に揉まれつつ、
    「彼女」に沼るストーリー。

    この作品、上記の2人はともかく
    時代背景など世界観がとても好きだった。

    作品の要所に登場する音楽が
    当時を思い出させ懐かしく感じ、
    某サブカルの本屋での音楽には激しく共感。

    また主人公の「僕」がちょうど
    大学生から社会人になるタイミングもあり、
    会社への不満や誰もが一度は思う心境がつづられ
    自分の当時もそんなことを考えたこともあったな、
    と懐かしく感じる場面も。

    あと道民としてはセコマが
    推されていて嬉しかった。

    • MATSURIさん
      セコマ好きとしては嬉しいです‪⸜(*ˊᵕˋ* )⸝‬

      機会があればセコマの山わさびラーメンも
      チャレンジしてみてください(笑)

      意外とお...
      セコマ好きとしては嬉しいです‪⸜(*ˊᵕˋ* )⸝‬

      機会があればセコマの山わさびラーメンも
      チャレンジしてみてください(笑)

      意外とおいしくてクセになるのですが、
      多分すすれないです・・・(笑)
      2025/02/25
    • ハニロビさん
      山わさびラーメン⁈めちゃくちゃ気になります!

      北海道に行きたくなりますーo(`・ω´・+o)
      山わさびラーメン⁈めちゃくちゃ気になります!

      北海道に行きたくなりますーo(`・ω´・+o)
      2025/02/26
    • MATSURIさん
      ラーメンの香りを嗅ぐだけで
      ツーンってきます(笑)

      是非是非また北海道へお越しくださいദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )
      ラーメンの香りを嗅ぐだけで
      ツーンってきます(笑)

      是非是非また北海道へお越しくださいദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )
      2025/03/01
  • 出会いは沖縄料理屋、そこで一目惚れして恋愛関係になった僕と彼女。普通の恋愛話と思ったら、違ってました…。就職して「こんなはずじゃなかった」と思う人は多いはず。若者たちに、是非読んでほしいですね〜。

  • これは…ネオ純文学?

    恋愛とか青春してるなと感じる時の、目に入る景色全てエモく映るマジックを、一瞬足りともこぼさないように、巧みな表現で若者の心の揺れを見事に描き切っている。

    SNSに投稿されてるようなフィルムカメラで撮った写真に添えてある、ちょっと痒くなるようなポエムみたいでした。笑

    サイゼ、大将、ビレバン…出てくるお店のチョイスに笑ってしまいました笑
    映画ではサイゼ、大将は出てこなくて、ちょっと残念…その店だからイイ!って感じるところでもあったので。

    「効率的に」とか「合理的に」を優先するようになって、段々と大人、社会に吸収されていく終盤は少し寂しくもありました。

    現実と夢を往来しながら「こんなはずじゃなかった」と、同期と愚痴をこぼしていたのが先週の三連休だったので、余計にしみました。今をちゃんと楽しんでおこうと思いました

  • 言葉の表現の仕方や書き方がキレイでこんな例え方ができるのかぁ〜と感心してしまいました。
    彼女にハマる僕の心情が読んでいて切なくなりました。彼女が酷すぎる!と思ったのは私だけ!?
    同期であり親友でもある尚人がいてくれてよかった。
    北村匠海さん主演で2022年に映画公開されるそうで楽しみです。映画も是非観てみたいです。

  • 1人の人を愛すること、愛しているだけでは成立しない恋愛、失恋、大人になること、友情、いろんな要素が含まれていた。起承転結の激しい物語ではなく、社会人の主人公の思い出話のようなものだった。

    私は今大学4年生でバンドサークルに入っているため、学生生活の回顧シーンはかなり共感できる部分が多く、学生生活特有のキラキラしているけど堕落した感じがよくわかる。バンド名や曲名、お酒の名前などが全て書かれているのでイメージしやすくリアル。

    社会人になったらきっと私も大学時代を思い出し、あの頃が良かった、こんなはずじゃなかったと思ってしまうだろう。物語終盤に尚人が23,4歳の頃を「人生のマジックアワー」と表現するシーンがある。これはかなり心を打たれた。いつも私たちはその時は不満がたくさんあって現状に満たされない気持ちで一杯になるけど、いつだって振り返ったらあの頃はあの頃でしっかりと"期間限定"のラベルが貼られるように輝いていたのだ。人生はこの繰り返しなのではないか?たしかにこのラベルが貼られる回数は年々減るけれど、自分次第でラベルの数は増やせるはずだ。平凡な私でもその時々をもがきながら苦しみながら、懸命に生きなければならない。そうすることでまた一歩が踏み出せて輝きを生み出す。

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著者プロフィール

1986年、東京都生まれ。一般企業勤務を経て、2014 年よりライターとして活動を開始。2020年刊行の小説家デビュー作『明け方の若者たち』(幻冬舎)が大ヒットを記録し、映画化。2021年にはロックバンドindigo la Endとのコラボレーション作品として二作目となる小説『夜行秘密』(双葉社)を刊行。東京 FM でのラジオパーソナリティや雑誌連載など、活動は多岐にわたる。

「2022年 『恋が生まれたこの街で #東京デートストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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