明け方の若者たち

  • 幻冬舎
3.66
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本棚登録 : 3535
レビュー : 253
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036239

作品紹介・あらすじ

安達祐実、村山由佳、尾崎世界観、紗倉まな、今泉力哉、長谷川朗、絶賛!
近くて遠い2010年代を青々しく描いた、人気ウェブライターのデビュー小説。

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間。

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江ノ島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。
世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、"こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。深夜の高円寺の公園と親友だけが、救いだったあの頃。

それでも、振り返れば全てが、美しい。
人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

ドキドキする。好きな人を想うときみたいに。 
――安達祐実(俳優) 
痛くて愛おしいのは、これがあなたの物語だからだ。カツセの魔法は長編でも健在。
――村山由佳(作家) 
どうしても下北沢に馴染めなくて、逃げるように乗った井の頭線。通り過ぎた明大前のしみったれたお前。お前にあの頃出会いたかった。 
――尾崎世界観(クリープハイプ) 
ひたむきに生きるとは、こういうことなのだと思う。 
――紗倉まな(AV女優) 
人にフラれて絶望するという経験をせずに死んでいくのか、俺は。と絶望したし嫉妬した。 
――今泉力哉(映画監督) 
「こんなはずじゃなかった」未来を生きている大人は共感しかない。甘い恋愛小説と思って読んで後悔した。
――長谷川朗(ヴィレッジヴァンガード下北沢 次長)

感想・レビュー・書評

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  • なるほど。
    これはいいぞ。

    金曜日の夜に読むといい。
    読み終わった後、小説の世界に浸る時間がほしい。
    ぼんやりと、人生のもっとも甘美な時間を思い出したりして。

    「二十三、四歳あたりって、今おもえば、人生のマジックアワーだったとおもうのよね」

    そうなんだよなぁ。
    仕事にはまだ夢が持てて、働きはじめているから少しお金も持っていて、若いから女の子とも話ができる。
    自分は何にでもなれる、そんな気がする。

    そんな時間に一緒に過ごした「彼女」。
    〇〇だからこそ余計夢中になったんだろうけど、とても魅力的な人だと思った。会えなくて辛くてのたうち回るほど大好きな人に出会えるって、人生を必死に生きていることへのご褒美だ。
    たとえ二人がうまくいかなかったとしても。

    カツセさんは「小説もエンターテインメントの一個だと考えているから、この本は他の小説と比べるんじゃなくて、Netflixや『どうぶつの森』をライバルに考えたい」と思ってこの小説を書いたという。
    僕にとってはじゅうぶんそういう小説だった。
    次の小説も読みたい。

    登場する音楽もいい。


    https://realsound.jp/book/2020/06/post-564831_4.html

  • 恋は盲目!俺らはこんなはずじゃなかったんだぁ!
    的な二十代の青春小説。

    井の頭線、明大前、サブカル女子
    くるり、キリンジ、ピロウズ…
    二十代の頃サブカルクソ野郎だった俺には
    けっこう共感できるところがあって
    なかなり感情移入して読んでしまいました。

    しかも彼女がものすごく魅力的で
    俺も二十代だったら絶対好きになっちゃうだろうな

    でも、この2人の本当の関係性のヘビーさ…

    「そもそも、どうして俺だったの?」
    その彼女の答えは…
    心がえぐられすぎて無くなってしまうほどの
    破壊力!
    俺も読んでてえぐられました笑

    けっこうリアリティのある恋愛や仕事での不満や葛藤、今四十代くらいの人だったら、けっこう共感できて楽しく読めるのではないかと思います。

    二十代の思い上がりの勘違い野郎は三十くらいにならないと、なかなか現実に気づかないんですよね
    私も三十で自分が何者でもないと気づき現在に至ります…泣

    • naonaonao16gさん
      うわ、おもしろそう…!!
      気にはなってましたがもっと若い子向けの作品だと思ってスルーしてました!!
      また読みたい作品が増えました~

      元京王...
      うわ、おもしろそう…!!
      気にはなってましたがもっと若い子向けの作品だと思ってスルーしてました!!
      また読みたい作品が増えました~

      元京王線住民、サブカルクソメンヘラ女にも刺さりそう…!
      pillowsがいなければ今のわたしはありません(笑)
      2021/02/18
    • sinsekaiさん
      コメントありがとうございます。
      男目線の話になりますが、女の人が読んでもけっこう楽しめると思います。

      ピロウズ好きなんですね♪
      ハイブリッ...
      コメントありがとうございます。
      男目線の話になりますが、女の人が読んでもけっこう楽しめると思います。

      ピロウズ好きなんですね♪
      ハイブリットレインボウが作中出てきます!
      俺も好きでずっと聴いてたんですが、悔やまれるのがavexに移籍したことなんですよね…泣
      2021/02/19
    • naonaonao16gさん
      もともと今わたしが好きな音楽のスタートはBUMP OF CHICKENです。
      そこからpillowsのカバーアルバムシンクロナイズドロッカー...
      もともと今わたしが好きな音楽のスタートはBUMP OF CHICKENです。
      そこからpillowsのカバーアルバムシンクロナイズドロッカーズに出会い、syrup16gに出会いました。ハイブリッドレインボーはまさにBUMPがカバーしてたなぁ
      尚更読みたくなりました!

      エイベックス移籍知りませんでした…(泣)
      結構衝撃です…
      2021/02/19
  • 何かまさに今っぽいオシャレ小説って感じ。
    iPodだフジロックだヴィレバンだのと固有名詞がたくさん出てきて、文章から若者らしい空気感が感じられる。ライトに楽しめた。

    少し下世話なエピソードが多く、それが作品の透明度を落としている感が否めない。

    ひらたーく言うと
    大学生の僕がめちゃくちゃ好きな人に出会い、一生物の恋をする。ただし期限付き。
    何となく将来に夢を抱き、社会に出て現実の厳しさを目の当たりにする。

    ◉まぁ彼女がムカつく
    もうね、ネタバレはしないんだけどね、
    とにかく彼女がムカつく(二回目)

    「僕」はね、ベタ惚れ補正がかかってるから彼女のどんなとこでも好きなのよ。
    ナチュラルな、飾らない、小さい可愛らしい人なのよ。それはすっごい魅力的なのよ。

    ただし実際は最初から上下関係が決まっていた恋で、もう何でそんなことしちゃうんだろうと彼女の人間性を疑う。
    あなたは飾らない素敵な人柄かもしれませんが、人間としてやってることは最低最悪です、と言ってやりたいよ。
    男もバカだけど、惚れた弱みもここまでくると清々しいや。


    ◉人生のマジックアワー
    主人公が親友と呑んでいる場面。
    23歳あたりは結婚してないので自由、仕事してるのでお金もまぁある、オールする体力もまだあって一番いい時期だったね…と昔を懐かしむ。

    まぁ分かる。おばちゃん分かるよ。
    知ってるからね。確かに楽しかったよ、
    まごう事なきマジックなアワーでしたよ。
    でも30手前で何言ってんの。これから素晴らしいこともたくさん起こりうる人生で、今からそんな昔を懐かしんでてどうすんの、と背中を張り倒したくなった。

    歳は誰しも取りたくないけども
    一年長く生きた分、過去最高の自分を更新し続けたいです。
    でもそうやって一番輝いていた時期を思い出すのもいいよね。たまには…

    君が彼女を好きな気持ちはすごく伝わったので、そのエネルギーを費やせる別の何かが見つかるといいね。早く立ち直れよ、若人よ。


    …どんな立ち位置なん、これ。

    【心に穴が空くとか言うけど、その穴がくっきり彼女の形しちゃってんだもん。そんなの、あの人にしか埋めようがないじゃん。】

  • 言葉の表現の仕方や書き方がキレイでこんな例え方ができるのかぁ〜と感心してしまいました。
    彼女にハマる僕の心情が読んでいて切なくなりました。彼女が酷すぎる!と思ったのは私だけ!?
    同期であり親友でもある尚人がいてくれてよかった。
    北村匠海さん主演で2022年に映画公開されるそうで楽しみです。映画も是非観てみたいです。

  • 1人の人を愛すること、愛しているだけでは成立しない恋愛、失恋、大人になること、友情、いろんな要素が含まれていた。起承転結の激しい物語ではなく、社会人の主人公の思い出話のようなものだった。

    私は今大学4年生でバンドサークルに入っているため、学生生活の回顧シーンはかなり共感できる部分が多く、学生生活特有のキラキラしているけど堕落した感じがよくわかる。バンド名や曲名、お酒の名前などが全て書かれているのでイメージしやすくリアル。

    社会人になったらきっと私も大学時代を思い出し、あの頃が良かった、こんなはずじゃなかったと思ってしまうだろう。物語終盤に尚人が23,4歳の頃を「人生のマジックアワー」と表現するシーンがある。これはかなり心を打たれた。いつも私たちはその時は不満がたくさんあって現状に満たされない気持ちで一杯になるけど、いつだって振り返ったらあの頃はあの頃でしっかりと"期間限定"のラベルが貼られるように輝いていたのだ。人生はこの繰り返しなのではないか?たしかにこのラベルが貼られる回数は年々減るけれど、自分次第でラベルの数は増やせるはずだ。平凡な私でもその時々をもがきながら苦しみながら、懸命に生きなければならない。そうすることでまた一歩が踏み出せて輝きを生み出す。

  • 小説そのものとしても良い作品ですが、この本の面白さは読み手がどんな人生を積み重ねて、それをどう捉えているかで抱く感情が異なってくることだと思います。

    私は、羨望し、絶望しました。


  • とても好き。
    映画「花束みたいな恋をした」の後に読んだ。舞台や物語がとても似ている。自分自身も24歳だから主人公が感じたこと、聴いている音楽がマッチしていて妙に共感できてしまう。
    著者カツセマサヒコがまるで昔体験したかのような感情表現、風景描写。読んでいる最中におもわず「え、ノンフィクション?」て思ってしまったわ。

    「花束みたいな恋をした」が青春エモエモ映画だとしたら、この作品は「青春友情エモエモ小説たまに仕事」って感じ。

    あとなんだろう。

    明大前、高円寺って何かエモい雰囲気に纏われてるような青春話に使われるような感じがしてしまう。

    作中の彼女について、別れてからもまた出てきてくれるしょって思ってたら最後の最後まで出てこなかった。いい意味で裏切られた。

    とても印象に残るような作品でした。

  • キラキラした学生時代から、こんなはずではない、想像したものとは違う社会人生活へ。

    素敵な女性と出会い、恋に落ちるが、別れる時がやってきて。

    誰もが経験する20代の人生感が描かれている。

    どちらかと言うと30歳以上が読むと懐かしく感じられると思う。誰でもキラキラした時代はある。私もあった。でも今も楽しく生きている。
    無駄に年をとっていない。付加価値が付いた分、人生は楽しい。

    主人公と同僚の居酒屋での会話が楽しい。
    この会話を聞いて想像するだけでも、笑えてくる。

    どちらかと言うと懐かしい感じのする本であった。

  • 本屋で見かけ、久々のジャケ買いした本作。

    うーん、色々と感じるところはあるんだけども…
    総じて言うと「あえて読む必要はなかった作品」だったかなと(笑)

    本作の面白さは「恋愛にハマっていく心情」の生々しい表現だと思います。
    大学生の頃とかを思い出しながら、懐かしい気持ちに浸れます( ̄▽ ̄)

    ただ、逆に言うともはやその一本の命綱のみで戦っている感じです(笑)
    それ以外にあんまり優れたところは無いのかなと…

    ストーリーはまあ良くある感じ。
    文章も、どこぞで読んだことのある表現の割に妙にカッコつけている雰囲気というか…
    読んでて微妙に鼻につく感じがありました(笑)

    あと、自分にはこんな「フラれて死にたい」的な経験ってしたこと無いなと。
    帯の「人にフラれて絶望するという経験をせずに死んでいくのか、俺は。と絶望したし嫉妬した。ー今泉力哉(映画監督)」に激しく同意しました(笑)

    ストーリーでいくと、彼女はきっと何か言えない事情を抱えていて…的な、逆転ホームランな展開を期待していましたが…
    そんな自分はひとまず完全に裏切られましたねm(_ _)m

    でも、そこらへんは現実的かもなぁと。
    悲しいかな、こういった類いの人間って本当にいますからね。
    何も考えず、浅はかに他人を傷つけるぺらっぺらの人間って。

    彼女って、最終的に名前すら出てこないんですね、よくよく読むと。
    ここら辺の距離の作り方は狙ってやってるのかなという気もしました。

    最終的には「やりたいことに向かって再出発」的なハッピーエンドで終わります。
    が、ここらへんも、今の自分にはあんまり響かなかったかな…
    もう少し若かったら感じ方も違うのもしれませんね。

    「明け方の『おじさん』たち」にはちょっとキツい作品かもしれませんm(_ _)m

    <印象に残った言葉>
    ・私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?(P15、彼女)

    ・記憶を呼び起こすスイッチというものが、世の中にはいくつも設置されている。(P30)

    ・もうちょっと押してくれたら、いいかも?(P50、彼女)

    ・決して綺麗と言える景色じゃなかった。でも、それら全てが、なんだが掛け替えのないものに感じられた。社会人になって丸一年。あのときの僕らは、何者にもなれない自分たちを必死に肯定しながら、この街で無責任な自由を貪るように、生きていた。(P68)

    ・横顔が、夫に似てたから(P136、彼女)

    ・承認欲求や自己顕示欲、経済的な見栄に左右されず、自分の世界をしなやかに生きられる人でなければ、いつまでも自分の人生の主役になれずモヤモヤし続ける。SNSが僕らにもたらした未来は、なかなか残酷なものだとおもう。(P195)

    ・花火を見てるとき、大人が子供ほどはしゃがないのは、なぜか知ってる?いつか誰かと見た花火を、静かに思い出してるからなんだとさ(P209、桐谷)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。それでも、振り返れば全てが美しい。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

  • 本屋さんに立ち寄った際、たまたま目について、何か引かれるものがあり衝動買いしてしまった。そしてその日に読み終えた。

    物語には、なにか特別なものがあるわけでなはい。でも、その特別ではない事がとてもリアルに、痛いくらいに伝わってくる。誰しも一度は考えた事がある「こんなはずじゃなかった」という後悔や絶望。それを物語で、文章で、文字でこんなにも表現できるのかと思った。誰かが大きく成長するわけでもない現実感が、より引き込まれる内容だった。

    20代半ばの今、この物語に出会えて良かったと、私はそう思う。

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著者プロフィール

1986年東京生まれ、大学を卒業後、2009年より一般企業にて勤務。趣味で書いていたブログをきっかけに編集プロダクションに転職し、2017年4月に独立。ウェブライター、編集として活動中。本書がデビュー作となる。

「2020年 『明け方の若者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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