- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344036413
作品紹介・あらすじ
あの悲惨な戦争のさなかで、
こんなにも立派に生きた日本人がいた。
終戦75回目の夏に
どうしても次の世代に語り継ぎたい
8人の将校・兵士の物語
太平洋戦争の敗戦から75年。歴史に学び、犠牲者を悼み、平和な社会を守り続けるにはどうしたらいいのか。それは、過酷な戦場で兵士たちがいかに懸命に戦い、無念のうちに散っていったのかを記憶することだと半藤氏は言う。
かつて半藤氏が自ら取材し、貴重な証言とエピソードを掘り起こした多くの将校・兵士のなかから、「どうしても次の世代に語り継ぎたい」8人を厳選。昭和史や戦史に詳しくない人にも読みやすい文章で綴った、珠玉の太平洋戦争・人物伝。
(目次)
戦場の棒高とびオリンピック選手――大江季雄少尉
ガダルカナルを生きのびた連隊旗手――小尾靖夫少尉
ニューギニア山中の駅伝ヒーロー――北本正路少尉
南の島に雪を降らせた男――加藤徳之助軍曹
漂流二十七日の死闘――松木外雄一等水兵ほか
三度もどってきた特攻隊員――川崎渉少尉ほか
国破れて名将ありといわれたひと――今村均大将
靖国神社の緑の隊長――吉松喜三大佐
感想・レビュー・書評
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幅広い年齢層が読めるように配慮された一冊のように感じました。
まえがきが一番考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前、著者が取材した多くの兵隊のなかで、再編集された8名の実話。一介の兵士に対する優しい眼差しが感じられる。事実を分かりやすいタッチで簡潔に語っただけなのに、戦争とは何かがわかる一冊である。
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大東亜戦争の兵士達のそれぞれの苦闘や生き様が目に浮かび、ついに涙を止めることは出来なかった。
まえがきには、靖国神社について明快な解説があり、また著者の思想のようなものもあり、興味深かった。私も強い信念を持ち今後も靖国神社へ参拝したい。
戦後75年。一生戦後が先の戦争の戦後であって欲しい。今も世界では紛争等人を殺し合う事が日常茶飯事で起きている。そうでなくても、コロナも加わり世界は互いに牽制し合い、緊張状態が続いている。世界史や日本史をみても大体は戦の歴史である。人間という生き物は戦い抜きでは生きていけないのだろうか。大なり小なり平和ボケした我々日本人だってネットを使った言い合いやら何やら色々お互いを傷つけている。当然傷つけあって喜ぶ人なんていない。世界にいる人皆が傷付くことのない世の中になる事はあるのだろうか。
とても読み易く、恐らく小学生も読むことはできるだろう。戦後という意識が年々弱くなっている今、私のような20代だけでなくそれよりもさらに下の世代にも手に取ってもらいたい一冊だ。 -
昭和史や戦史に詳しくない人にも読みやすい文章で綴った太平洋戦争・人物伝。平和を願い続けた歴史探偵、生前の最後の著作がここに。
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半藤氏が亡くなった事を受け、新聞に書かれた書評を読んで、この本を手に取った。最期に出版された本が、子どもたちに優しく語る、隠れた兵士たちの生き様だった事に感無量。かの大戦争を経験せず、平和と繁栄の内に生きる私たちは、新たな地球規模の環境問題、感染問題、核問題に面している。今こそ歴史を省みなければ、また同じ過ちを繰り返すだけだと切に考えさせられた。
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2021/03/08
戦争現場・前線の体験者、当事者による心に響く言葉や行動の数々。
舞台は戦時ではあるものの描かれているのは戦争ではない。
二度と同じ舞台にしてはいけない…改めてそう思う。
著者プロフィール
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