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本 ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784344036499
作品紹介・あらすじ
1989年S県。飯野(飯野)電気喜里(きさと)工場は、日本を代表する自動車会社の最新フラッグシップモデルSB9(エスビーナイン)、その照明部品(ライト)の製造を受注。品質管理課の塚田は連日、深夜までの残業と休日出勤を繰り返し、身も心も疲弊していた。が、塚田だけではない、897名の社員全員が厳しい納期と品質管理に汲々としていた。そんな中、突如1人の工員による工場内での暴行事件が発生。被疑者は犯行後、失踪し行方不明に。同時に聞こえ始めた奇妙な音。機械の轟音による耳鳴りか、それとも得体の知れない動物の鳴き声か。その後さらに社内で連鎖する暴行事件、製造事故、自殺、突然死、そして殺人。多くの社員が工場内で得体の知れない何物かの影を見る。なにかがおかしい。狂っている。それでも取引先の製造ラインを止めないため最優先される納期。みな無言で勤務を続ける。ある日、気がつけば工場の内外、至るところ隈笹が繁茂している……。太田忠司が自身の体験を元にバブル時代の自動車関連工場の狂気とカタストロフを描いた傑作モダンホラー。
感想・レビュー・書評
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ん〜。
特に何も。 -
バブル期の、高度経済成長で皆忙しすぎておかしくなっちゃった工場で、人がどんどん死んでく話。
かなり読みやすく、どんどん読み進めちゃいました。プロローグのちょっとした伏線の回収が綺麗で、後味が良かった〜
おかしくなっちゃった人、死んじゃった人、全部呪いのせい?それとも忙しすぎるから?ずっと不穏な雰囲気が漂っていて、それがすごく良かった!面白い〜
最後の、笹が絡みついてくるところはちょっとファンタジーだったので、雰囲気変わって残念。 -
工場の描写が弊社すぎて怖くなりました。
まだ、殺人は起こっていません -
初めて読む作家さんでした。あまりホラーは読まないけど次から次に起こっていく事件の展開にあっという間に読み終えました。
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結局なんなのか分からないまま終わってしまった。
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かつては笹が生い茂り、猿神と呼ばれた地区を開発して建てられた喜里工業団地。バブル真っただ中の1989年、毎日のように稼働している飯野電気の工場で次々に起こる不審な事件。荒れる人心、どんどん湧き起こる不吉感、そしてさらなる惨劇。じわじわと気味の悪いホラーです。
怖い。本当に怖い。不審なものが目撃されたり、だんだん社員たちがおかしくなっていったり、笹が増えてきたりするのはとんでもなく不気味です。だけど一番怖いのは、この会社のありようでしょうよ! もちろんこういう時代があったことは知っています。でも今からすると信じられませんよね……ブラック企業にもほどがあるのだけれど、それが「当たり前」だったという恐ろしさ。仕事のために仕事をして、心身をすり減らす社員たちがあまりに悲惨。バブルの時代は好景気でとても幸せな時代だったという印象なのだけれど、それってごく一部の人だけなのでしょうか。こんなの全然幸せじゃないじゃん! 「昔はよかった」ってのは、ただの都合のいい幻想なのかも。そのことに一番ぞっとさせられました。 -
119基本的にホラーは好きではないけどバブル期の生産現場の異常さが窺えて近過去小説みたいな感じで面白かった。正体がハッキリせず終わってしまうのもやっぱりホラーやからかな。
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一気読み。ホラー映画見たような読後感。でも本当に怖いのはブラック企業のほうか。時代もあるけどね。
著者プロフィール
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