他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。
- 幻冬舎 (2020年11月10日発売)


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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784344036703
作品紹介・あらすじ
がんになった写真家になぜかみんな人生相談。
毎週必ず話題になる『なんで僕に聞くんだろう。』書籍第2弾。
「クリエイターと読者をつなぐサイトcakesで、2019年&2020年上期“もっとも読まれた記事”1位。更新のたびにバズる人生相談。
「DVを受けてきた自分は、どうしたら人を憎まずにいられるか」
「障害とうまく付き合っていく方法を聞きたい」
「精神疾患を持つ夫を受け入れられない」
「結婚する友だちを妬ましく思ってしまう」
「地味にまじめに勉強をしている私は間違っている?」
「就活が迫っているのに、したいことがわからない」
「毒親を辞任してるシングルマザーだけど、今の彼の子供がほしい」
「私も幡野さんみたいに本音で行きたい」
「親に復讐したい」
「23歳だけど恋人ができたことがない」
「好きだった先生を忘れられない」
「受験に失敗してからずっと前を向けない」
――家族のこと、恋愛のこと、将来のこと、病気のこと。みんな“幡野さん”に聞きたがる!
感想・レビュー・書評
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カバーを外した時の表紙の写真が素敵で、電子書籍じゃなくて紙で読みたい本だなと感じた。
相談者が悪い点も多くないかな…と私も感じるような人に対しては、それはあなたが悪いし、それで周りの人が離れるのは当然。変わる気がないならそれまで。みたいな回答をしている。
あと、記憶に残ったものは、
友達の結婚式に多く招待されるし出産祝いもたくさんしているが、羨ましさもあって複雑な気持ち、というような質問に対する回答。
祝っているふりでも良い。結婚式前のその友達に、「良い人紹介してよ」って本気4割冗談6割で話したら、式の準備中に思い出して夫婦の話題に上がる可能性もある。その時自分がその友達にとって祝ってくれた良い友達ポジションにいるなら優先的に紹介してもらえる。
とのこと。個人的には、最適解かもしれない!と印象に残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
写真家で病と闘う著者がさまざまな人から寄せられたさまざまな相談に回答している。私はTwitterでこの方を知ったような気がする。
ネット上での匿名相談なので、実際人に言えないような悩みを相談している人も多く、読んでいて疲れてしまう本でもある。著者もとんでもなく疲れるだろうなと想像。歯に絹着せぬ感じで回答されている。
人からされる「心配」というのはその人の「不安」でもあり、その不安を解消するためにこちらをコントロールしようとしてくるのは、ただ自分の不安を無くしたいがための自分本位なやり方、というのが読んでいてなるほどなと思った。 -
余命宣告を受けた若い写真家が読者からのお悩み相談に答える形のエッセイ集。ユーモアあるなかにビシッと考えさせられる一文があったりと胸に刺さった。
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幡野さんの回答は正解ではなく、自分なりの回答をつむぎだすための、ひとつのきっかけ。
「どんなことでもそうだけど、ひとつの思考や物事がすべての人に当てはまるわけじゃないです、人によりますよ。」(78・79ページ)
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写真家の幡野広志さんによる、悩み相談本の第2弾。
幡野さんご本人の手元には、質問の原文があるはずなので、この文面よりもう少し多い質問者さんの情報をもとに、回答されているとはおもいますが、毎回毎回その推察力・考察力には心底驚きます。
きっと幡野さんの考察のなかには、質問者さん自身も気づいていない本音が入っていることももちろんあるとおもいます。
けれどもまた、幡野さんの回答も、自分だけでは生み出せなかったであろう視点を与えてくれる一方で、ひとつの考え方でしかないのも事実であり、それがすべてではありません。
その強い物言いが、ときに心地よくもあり、ときにナイフのようでもあり、だからこそ、この質問にはこの回答しか有り得ないという錯覚におちいってしまう方もいるかもしれません。
でもそれこそが、幡野さんのいう「思考停止」なのかな、とおもいます。
「選択を人に委ねてしまうのは、失敗をしたくないということなんだとおもう。失敗しても人のせいにできるし、選択するという作業からも解放される。選択を人に委ねて決め手もらうというのは簡単でラクなんだ。考えるということをしなくてすむからね。でもこれは思考停止というんだ。」
「思考停止しつづければ、誰かのいいなりの人生が待っている。」(47ページ)
回答を読んだあとに選んだ行動はおなじでも、回答をそのまま鵜呑みにして突き進むのと、回答をもとに自分の中を見直して、自分なりのこたえを導き出して進むのでは、全然意味合いがちがいます。
幡野さんの回答は正解ではなく、自分なりの回答を自分でつむぎだすための、きっかけです。
考えるってすごく疲れますよね。
選ぶって本当に力使いますよね。
でも、誰かの言ったことに常に従っていては、人間として生きることはできないのです。
わたしは人間として最期まで生きたいです。 -
なんで僕に聞くんだろう。に続き、購入。
帯に【ことばに撃たれて、生き返る。】という糸井重里さんのコメントがあるが、なんて上手い表現なんだ、と思った。本当にそんな感じだ。
こういう、悩み相談のコラムや本は、どうしても自分と似た悩みに目を通し、全く関係ない悩みは読み飛ばす。と言う読み方を昔はしていたのだけど、この方の回答はすごいな、と思う人のものは、関係ない悩みまで読んでしまう。
幡野さんはその一つで、本書にも少し出てくる、鴻上尚史さんや故.小池一夫さんもそうだ。
なぜ読んでしまうのかと言うと、悩み相談には、相談者の悩み以外のことも滲み出ていて、社会の縮図だったり、人生そのものだと思うことが現れているからだ。だから、自分とは全く無関係な悩みだと思いながら読み始めた相談に、うっかり、自分が幡野さんの言葉に撃たれて動揺していたりするのだ。
悩み相談で、本人が書いてきている悩みは、なんならおまけみたいなもので(本気で悩んでいる本人には申し訳ないのだが)、文章の中に、もっと重要で深い問題が潜んでいたり、キレイに取り繕って相談しているけど、その人のずるさや弱さやウソが潜んでいたりする。そんな時、ある回答者は、あえてそこには触れず、本人が言っている悩みにだけ忠実に答える、ある意味大人な、ある意味ビジネスライクな対応をする。だけど、幡野さんは違う。ずけずけ指摘する。それ違うんじゃない?ごまかしてない?キレイに取り繕ってない?と。それを読んでいると、自分が指摘されている気持ちになって、うぐぐぐっっとなるのだ。そのかわり、幡野さんは、そこまで指摘するからには、幡野さんなりの全部で答えてくれていると感じる。
だから、厳しいことばに撃たれ、愛のあることばに撃たれ、生き返るのだ。 -
私設図書館で出逢った1冊。
写真家の幡野広志さんがWebメディアで人生相談にを受けたコラムをまとめた1冊。
時に耳の痛いような事も含めて、ほんとうに正直にひとつひとつの相談に回答している。言いにくいような事も自分自身の考えとしてはっきりと回答している。その回答の内容は耳触りの良い言葉ではない時もあるが、相談者と真摯に向き合い出てきた正直な言葉である事がひしひしと伝わる。だからとても心に響く。相談内容は多岐に渡り、悩みの内容でいったら同じような悩みはないけれど、悩みの本質を深掘りしていくと同じような思考回路を持っていたりする部分もあり、我が身を振り返る機会にもなった。
巻末より
「他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。」というのは日本の社会にベッタリとこびりついた他人への不寛容さの根底にあるのではないだろうか。人の悩みや苦しさに鈍感で、自分の苦しさに敏感であるほど、視野が狭くなり不寛容が始まるように感じる。人の悩みを理解できなくとも、思いやることは可能なはずだ。ー中略
「他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと」ということを理解して、思いやりの気持ちがあれば社会はもっとよくなるのではないだろうか。 -
幡野さんの「返し」にぐいぐい引き込まれます。
「哀れみの目で見られたり可哀想っておもわれるのって、めちゃくちゃ苦しいしムカつきますよね」に深く同意。
これ、なんでわからない人が多いんだろうって思います。
「誰かの心を支えるというのは、自分の心を削ることでもある」
有限の心を削っている「良質な鰹節みたいな人」
鰹節っていう表現がすごくいいな、と思いました。
味わい深い、鰹節。
けれども鰹節は有限。なくなってしまわないように、大切に。
幡野さんのアドバイスすべて同意できるわけではないのだけれど、まっすぐ真剣に向き合っていらっしゃることは伝わってくるので、「ああ、幡野さんはそんなふうに考えているんだなぁ」「そういう考え方もあるなぁ」ととても自然に入ってきます。
言いたいけど言えない、言葉にする勇気がまだ持てない。
自分の中にあるそんな感情に気づいたとき、この本を開くとなんらかの答えを言語化していける。私にとってはそんな一冊です。
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2020.11.16
前作の「なんで僕に聞くんだろう」で深く考えさせられたので、久しぶりに新刊を単行本で、メルカリではなく新品で発売日に本屋で買った。それほど楽しみで読みたい!と思った本だった。
発売直前の、DVの被害を受けてる相談者さんの件は残念だったけど謝罪してその後もwebで載せてるのであとは相談者と幡野さんの問題だと思う。幡野さんだって人間で、相談内容によってはこういうこともあるのは仕方のないこと。
『人生相談ほど人柄をあぶり出すものはない』と幡野さんは一貫して言っていて、特に人生相談の回答に対するコメントに人柄が表れると書いてありドキッとした。(良い悪いではないと思うけど自分に自信がないから)
相談は、けっこうcakesで読んだものも多かった。
辛口の回答を少し和らげてるんだろうけど、冗談みたいな言い回しややたらひらがなが多いのが少し気になった。
webで読んでるせいか前作よりうーんと考えさせられるような回答は少なめの印象だった。とはいえ第三弾が出たらまた買います。 -
*人生の選択は、当たり前だけど自身で決める。他人に頼らないこと。
*法律や制度を、知る。困ったときは、市役所とかきちんとしたところに助けを求めて、制度を使うこと。
*迷惑な人には、毅然に批判する。
*人をコントロールしたがる人からは、離れていい。 -
幡野さんの人生哲学を垣間見れて良かった。
読後、とても心が重くなった。
幡野さんのように、おそらく、大人の社会での生活を円満に行う上ではあまり言わない方が良いことでも、言う人(役割?)は社会に必要であることを実感した。
著者プロフィール
幡野広志の作品





