冬の狩人

  • 幻冬舎 (2020年11月18日発売)
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本 ・本 (568ページ) / ISBN・EAN: 9784344036956

作品紹介・あらすじ

これは罠か、それとも事件解決への糸口か
3年前の未解決事件が、新宿署の一匹狼を戦場に引き戻す。
累計200万部を超えるベストセラー『狩人』シリーズ、6年ぶり待望の最新作!
伝説の警察小説、新たな地平へ――。 

3年前にH県で発生した未解決殺人事件、「冬湖楼事件」。その行方不明だった重要参考人からH県警にメールが届く。新宿署の刑事・佐江による護衛を条件に出頭を約束するというのだ。しかしH県警の調べでは、佐江はすでに辞表を提出している身。そんな所轄違いの刑事を“重参”はなぜ指名したのか? H県警捜査一課の新米刑事・川村に、佐江の行動確認(こうかく)が命じられた――。
筋金入りのマル暴・佐江×愚直な新米デカ・川村。シリーズ屈指の異色タッグが恐るべき陰謀に立ち向かう! 圧巻のスケールで描ききるノンストップ・エンタテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • 冬の狩人
    著者:大沢在昌

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    **あらすじ**:

    3年前にH県で発生した未解決殺人事件、「冬湖楼事件」。その重要参考人から突然、H県警にメールが届く。新宿署の刑事・佐江による護衛を条件に出頭を申し出たのだ。しかし佐江はすでに警察を辞めているはずの男。なぜ彼が指名されたのか?――疑問を抱えたH県警捜査一課の新米刑事・川村は、佐江の行動確認を命じられる。

    筋金入りのマル暴刑事・佐江と、愚直な新人・川村。シリーズ屈指の異色コンビが、3年前の闇に挑む。伝説の『狩人』シリーズ、6年ぶりの最新作。ノンストップ・エンタテインメントの傑作。

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    **感想**:

    『狩人』シリーズ上下巻を一気に読み終えると、まさに“戦場”に立ち会ったかのような濃密な読書体験が得られます。長編であることが逆に没入感を高め、物語の世界に引き込まれました。

    このシリーズの魅力は、やはり毎回佐江と組む相棒のキャラクターの違いが事件の捜査スタイルに与える影響でしょう。今回は愚直な新米刑事・川村が相棒となり、冷徹ともいえる佐江とのギャップがドラマを生み出しています。互いの持ち味が事件解決に寄与していく展開は読み応え抜群でした。

    佐江のような刑事が現実にいたら、きっと関わるのに勇気が要るでしょうが、一度味方にすればこれほど心強い存在はいない、と感じさせられます。

    物語のラストには、次作を予感させる余韻が残されており、今後の展開に期待が膨らみます。佐江の物語はまだ終わらない――そんな気がしてなりません。

  • 佐江刑事、健在‼︎ 事件の真相に辿り着くまでの推理も、ヤクザとのやり取りもスカッとするし、あっという間の560ページでした。途中、真犯人の予想もついてしまったが満足のラストまでの展開でした。面白かったー!

  • 大沢作品に出てくる主役はいつも魅力的
    その中でも特に、佐江さんがすきっ!
    外見は中年のおじさんなのに、最高に中身イケメン!
    脳内プロポーズ5回はした❣️

  • 狩人シリーズの最新作。今回も異色の組み合わせが面白かった。とはいえラスト手前までは読む手が止まらなかったのだが、ラストはちょっと失速して減点。

  • 「北の狩人」からのシリーズ物でした。
    昔に読んだ事あったのかな?
    面白く読みました。

  • 久しぶりに佐江が帰ってきた。今回は何というか楽しそうに捜査をしているように見えるとこが面白い。地方のある事件を解決するために地元の警察官と重参と共に奔走する。今作では地元の警察官である川本の指導的役割を担いながらの活躍が印象的だった。川本の成長も絶えず感じられ、警察官の矜持を持った非常に好感の持てる人物だった。そして『阿部佳奈』の前半の姿を見せないミステリアスな点、後半の姿を見せてから共に戦う点のいずれにもとても引き込まれた。そして地方ならではの弊害を巧みに事件と関連づける筆者の手腕に改めて敬服したい。

  • H県警の川村芳樹巡査と警視庁新宿警察署の佐江警部補がH県本郷市で発生し未解決だった『冬湖楼』事件を解明する物語だが、ストーリーの展開に意外性があり非常に楽しめた.事件後行方が不明の阿部佳奈から川村へ届いたメールで動きが始まる.阿部は佐江を指名してやりとりが始まるが、やくざ者への対応が独特の佐江が次々に情報を得る.川村は佐江のやり方に当初は戸惑っていたが、県警との格好の繋ぎ役となって捜査が展開する.本郷市の看板会社モチムネと県警の深い関係、モチムネ一族に隠されたスキャンダルなどが犯人の絞り込みを難しくしていた.用宗悟志の学生時代の汚点から東京の暴力団との因縁が端となって次第に川村・佐江コンビが核心に近づいていく過程が楽しめた.

  • 分厚くて読むのに時間かかるかなって思ってたらあっという間に読みきれました。
    過去の回想とかがなく、障害なく物語が進んでいくためテンポがとても良い。
    一筋縄でいかないハラハラする展開も手に汗握りました。

  • 566ページ中の562ページまで息が抜けなかった。。ラストまで目が離せない!という言葉はよく聞くけれど、この作品は正真正銘のそれ。はぁー、ようやく肩の力を抜くことができました。。
    ラストのスピード感も素晴らしく、肩は凝りましたが、爽快な読後感が心地いいです^ ^

  • 久しぶりの大沢在昌さん作品。

    佐江の人を手懐ける高等話術と、守ろうとする人への気遣いは感服ものです。
    刑事ではなく犯罪者側になっていたらどうなっていたのでしょう。

    複雑でしたけど、面白かったです。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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