みがわり

  • 幻冬舎 (2020年10月28日発売)
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  • 本 ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036970

作品紹介・あらすじ

つまらない筋書きを断固拒否する。
これはわたしの物語。わたしの人生。

駆け出し作家の律は、自分と瓜二つの亡き女性の伝記を書くことに。
だが辿り着いた真実によって、律は窮地に追い詰められていくーー。

予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編



逃げ出そうとしたときにはもう遅かった。

新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から姉の伝記執筆の依頼をうける。
だがその姉は亡くなっており、生前の姿形は律と瓜二つだったという。
取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。
律が開けた扉は、パンドラの箱だったーー。

感想・レビュー・書評

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  • 書評『みがわり』伝記執筆を引き受けた作家を描く重層的な分身小説|NEWSポストセブン
    https://www.news-postseven.com/archives/20210212_1634157.html?DETAIL

    【書評】『みがわり』青山七恵著 二転、三転のどんでん返し - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/201213/lif2012130019-n1.html

    青山七恵『みがわり』 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/store/ebook/detail/10520

  • 意外過ぎる結末に私の思考が追い付けませんでした。監禁あたりまでは引き込まれていたのですが、なにせラストが…。芥川賞作家さんの世界観というものは凡人が処理できる思考回路の遥か斜め上をいくもんだと痛感しました。のちに私がこの小説を思い出すとしたら『お抱え作家』『海の幸スパゲッティ』のキーワード二択かと。ほかの方の感想も是非拝見してみたいです。

  • 独特の文体とストーリーに引き込まれたけど、最後の最後にちゃぶ台ひっくり返されて、頭の中で再構成している内に終わってしまい、困惑した状態で読了。
    私の理解力が足らないのか…?
    前半が結構好みだったこともあり、そのまま終わって欲しかったなぁ。

  • 年始一発目の読書。これはかなり面白かった。なんだろ、何度も何度も物語の中で迷子になる、ふわふわと漂いながら着地点を探してる感じ。そう、わけわからないの。なのに最後のオチであーって思わず唸った。創作なのか、史実なのか、伝記ってその狭間を行き来するんだろうな、そして、それが本当にあった話かなんて、読者には関係なく、登場人物以外、書かれてることが事実になるんだろうなーと。怖いね。こういうのわたしは好きだけど嫌いな人も多いだろな

  • 結構分厚いのに、夢中でペロリと読んでしまった。
    主人公の律のポジティブさにしょっぱなから魅了されて、チャールストンが得意なってなんだよ!こんなヒロインみたことねーよ!と思いながら、それがとっても嬉しい。
    最後にきて、最初に感じた「こんなヒロインみたことねーよ!」の理由が分かり、そーやったかーと思った。

    読み終わってなんとなく判然としなくて、この物語で青山さんが伝えたかったことってなんなんだろうなって考えてみた。

    百合ちゃんが律を必要としたのは、百合ちゃんにも梗子さんにもなれる視点が必要だったからだと思う。
    人の人生はよく物語に例えられるけど、誰の物語として語るかで、その人物像は全然見え方が変わるんだ。
    だから、百合ちゃんのことも梗子のことも描こうとする視点をもてる人が必要だったんだろう。

    それから百合ちゃんと梗子にとっては、物語はこれからの人生が描かれているものでもあった。
    最後、紗羅は未来が描かれないと生きていけない檻のようなものから母を救い出そうとするけど、でも彼女はある母の姿を見てそれをやめる(ように感じた)。
    なんでかなと思った。
    その前で彼女が駅で言ってたことにとても共感したし、そうだそうだ!お母さん連れ出してやれ!と思ったから。
    それはやっぱり、自分の物語は自分で書くしかないんだよってことなんじゃないかなって、今は思う。
    物語中、あんなに律に書いて書いてと頼んだ梗子が、自分で筆をとっていたこと。
    そこにすごく意味があるんだと思う。
    やっぱり自分の物語を書けるのは、自分の人生に意味を与えられるのは自分でしかないんじゃないか。
    紗羅は母にだってそれができるって、たぶん気づいたんだと思う。
    汚くてもきちんとできてなくても、それでも自分で描く人生に一番価値があるんじゃないか。
    なんか、そんなことを伝えたくて書かれた物語なのかなと思った。

    にしても、私は物語中の律が愛しい。
    ほんとにかわいいヒロイン。

  • なんとも頭の処理能力が追いつかない作品だった。
    律の支離滅裂な行動とか、登場人物たちのひっちゃかめっちゃかな関係とか、途中いきなりホラーみたいになってるところとか、オチも??ハテナだったし、私には到底理解し難かったです。ごめんなさい。

  • 初めてこの作家の方の作品を読みました。
    意外な結末。そうゆうオチか〜、、と想像していた方向と違って複雑な気分です。
    小説、物語を書くということがキー。百合と梗子が贈りあう想いや二人の描く物語を私は理解しきることはできませんでしたが、読み始めると止まらない疾走感があることは間違いありません!

  • 衝撃のどんでん返し!いや、あれは「オチ」ではなくて「ニゲ」だろう。テレビ版エバンゲリオンの「おめでとう」連発ラストを見た時のような、これはアカンやろ感。

    奥付を先に観て「あぁ、純文学系の小説かな」と思って読んだのが良かった。でないと、あのラストは受け入れらなかったと思う。監禁シーンまでは「ミザリーをやるんか」とかなり期待したのだが…。

    小説の展開は作者の手の内にあるものだとはいえ、俺には期待外れというかはしご外された感が強すぎて、残念だった。

  • 新人賞をとって作家デビューしたものの、その後は絵本を一冊上梓しただけで本を出せないでいる主人公。
    彼女に近づいてきたのはある裕福な若奥様。
    「あなたは死んだ姉にそっくりなんです」
    主人公は若奥様に姉の伝記の執筆を依頼される。
    取材する中で藪の中のあれこれが立ちあらわれ、主人公は幻惑されていく。

  • 構想としては面白かったけど、肝心の内容がいまいち。
    姉妹の関係性やお互いの心をもっと丁寧に書けていたら面白かったと思うのに残念。

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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