野良犬の値段

著者 :
  • 幻冬舎
4.23
  • (551)
  • (527)
  • (174)
  • (31)
  • (6)
本棚登録 : 4043
感想 : 485
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344037267

作品紹介・あらすじ

誘拐された、みすぼらしい6人の謎の男たち。
前代未聞の「劇場型」誘拐事件が、
日本社会に“命の価値”を問いかける。  


突如としてネット上に現れた、謎の「誘拐サイト」。
<私たちが誘拐したのは以下の人物です>
という文言とともにサイトで公開されたのは、
6人のみすぼらしい男たちの名前と顔写真だった。
果たしてこれは事件なのかイタズラなのか。
そして写真の男たちは何者なのか。
半信半疑の警察、メディア、ネット住民たちを尻目に、
誘拐サイトは“驚くべき相手”に身代金を要求する――。
日本全体を巻き込む、かつてない「劇場型犯罪」が幕を開ける!


稀代のエンタメ作家・百田尚樹が、
とうとう「ミステリー」を書いた!      
  

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「私たちはある人物を誘拐しました。この人物を使って実験をします。」突如ネット上に現れた【誘拐サイト】がSNSによって日本全体へ拡がっていく。やがて誘拐された6人がホームレスであることが判明、大手メディア会社に身代金を要求する。警察・名指しされた各メディアが、犯人と世論の動向に翻弄されながら日本全体を巻き込む劇場型犯罪が綴られた社会派ミステリ。

    初百田尚樹作品。
    ここ数冊、ブク友さんの本棚を参考に選書していることもあり、多くの同士が陳列されていたことが決め手となって手に取った。文庫本一択だった私が、柚月裕子著書【暴虎の牙】以来2冊目の単行本小説だ。

    勿論、著書を存じ上げるとともに放送作家やコメンテーター活動などはテレビジョンで拝見していたので、どのような人となりで、どのようなアウトプットをされる方か理解はしていたのだが、いやはやさすがであった。

    人質のホームレスに身代金を要求し、作中で人命の価値を問うてくる。そして実在するマスメディア名称をもじりつつ、過去の「やらかし」や現在の世論のイメージなど風刺もきかせつつと、暗に批判・皮肉と問題提訴してるあたりがユーモラス。マスコミ、読者への挑戦状と受け取れて面白かった。

    本作は、犯人、ホームレス、警察、メディア、一般人それぞれの視点で綴られているのだが、作品の構成は元より、社会問題、現代の情報ツール、世論の心象などが映像を見ているようなわかりやすい描写でスラスラ読めた。特にそれぞれの立場にたった心理描写は絶妙だ。

    強いていう難点としては兎角登場人物が多過ぎる。
    巻頭に登場人物一覧が記されているのだが萎えた。冒頭から萎える登場人物の多さに比例して、様々な登場人物による複数のエピソードが綴られている。私は途中で(この人誰だっけ確認)を放棄したのだが、意外と解釈に齟齬なく読み進められた。これは著者の手腕であろう。


    社会的弱者であるホームレスが、ホームレスにならざるを得ないさまざまな理由や背負ってきた過去など、私も偏見があったと自覚。

    そして、経済に欠かせない【倫理】【論理】【合理】性の追求とは、世論の主人公である人間が持つ【心情】をすっ飛ばすことなど出来ないこと、ロボ化が進む現代とやがて来る未来にも、きっと人間は最後に人間の意思決定を重んじるのだろうと個人的認識にたどり着いた。

    良い本だった。本当に面白かった。

    • アンシロさん
      akodamさん、はじめまして。

      本棚やレビューを拝見して、特にこちらの作品が気になりました。百田尚樹さんは名前と顔は知っているのですがま...
      akodamさん、はじめまして。

      本棚やレビューを拝見して、特にこちらの作品が気になりました。百田尚樹さんは名前と顔は知っているのですがまだ作品を読んだ事がないので読んでみたいと思いました。

      『野良犬の値段』というタイトルと誘拐して実験…それがネット拡散で日本全体へ…、うわーっ、どんなストーリー何だろう?社会派ミステリというのもあまり読んでいないのでとても楽しみです。

      またお邪魔しますのでどうぞよろしくお願いします。
      2023/12/01
  • とある誘拐事件。狙われたのはテレビ 新聞社等の大手企業、人質は企業とは全く関わりの無いみすぼらしい姿の男達六名。身代金は二〜八億円。
    誘拐犯は「誘拐サイト」を立ち上げ、彼らを使い「実験」を行うと発表した。この前代未聞の劇場型誘拐事件は日本全体を巻き込み、“命の価値”を切実に、真っ直ぐに問いかけている。
    だが、誰かが冗談交じりに言った「これがまかり通るなら、野良犬の命と引換に身代金を払わらければならない時代となる。」という言葉。とても胸糞悪い響きに感じたが、事実その通りでもある。犯人の目的は本当に金なのか。人質にされた男達は何者なのか。かつてない「劇場型犯罪」はどう着地してみせるのか、興奮で震える手を押さえ付け、荒れる鼻息を口呼吸で分散させながら夢中でページをめくり続けていた。

    何故、打算を感じ取った瞬間に否定する事自体に正義が産まれてしまうのだろう。何故、人は人の「あわよくば精神」を許せないのだろう。傲慢の被害者は君達じゃない。扇情的な演出で彼らにこの復讐をしていいのは「犯人」だけだ。同じ方法で同じ傷みを味合わせたのだ。顔の見えなかった敵は、顔の見えない戦闘兵へと姿を変えたのだ。しかし、俗悪的視点で見ればスカッとする内容の筈なのに、何故か眉間のシワは刻まれるばかりだった。現実が、心の叫びがそのまま一直線に身体を貫いてくる。

    ややご都合主義の展開と、ミステリーでの警察官無能説がここまで顕著に出ているのは一周回ってご愛嬌だろう。阿呆枠の玉岡君が最高に良い仕事をしてくれた。そのまま警察内部にて阿呆を伝染させるが良い。だなんて、もう自分が解決を望んでいるのか犯人の誘拐劇遂行を期待しているのかわからなくなっている。
    登場人物が多いのも辟易ポイントやもしれないが、人より企業をインプットしていれば問題無い。〇〇新聞、〇〇テレビの偉い人(多分)的な認知で充分だった。あまり良い事ではないけども..。相関図を書くとなると人物一覧外の子飼い達が大量発生し膨大な量になるので、A4サイズの紙なら米粒並みの字で記載していく事をオススメする。誇張である。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ハゲ界一のエンタメ作家、百田尚樹がミステリーを書いた!!!の煽り文句だけで充分に唆られてはいたが、やはりハゲ...彼の着眼点は驚異的だった。期待を全然裏切らない。手を抜くという事をハゲ...彼は知らないのだろうか。強欲を発動して良いのなら、早く次なるミステリー作品をハゲしく求めている。
    【注】愛

    コンプラなんて知らぬ!エピローグ含めた込み込みの映像化をハゲしく希望!最高に面白かったです。

    • 松子さん
      のらさん、蟻が10匹です〜♡(←わかりますかっ?)

      のらさんのエンタメとして楽しんでいた…、
      そう!それです!そこが凄いと前から思ったんで...
      のらさん、蟻が10匹です〜♡(←わかりますかっ?)

      のらさんのエンタメとして楽しんでいた…、
      そう!それです!そこが凄いと前から思ったんですっ!
      なんて本の色々な楽しみ方を知っている人なんだろうと、感想を見て思ってました!

      しかも縦横無尽な表現力…、何か書くお仕事されてましたか? うらやましぃ。。。

      白鳥とコウモリ、3日間ぐらいお休みがある時に挑戦してみます♪ そんなに長いとは知らなかった(^^;情報ありがとうございます♪
      2022/05/21
    • NORAxxさん
      こちらこそ、蟻がパパさんです(///∇///)ゞ

      いえ、漠然とした感情論ばかりなのでそれを文章に起こすとまぁなんと拙いことか...と穴があ...
      こちらこそ、蟻がパパさんです(///∇///)ゞ

      いえ、漠然とした感情論ばかりなのでそれを文章に起こすとまぁなんと拙いことか...と穴があったら入りたくなります。でも、そう言っていただけると嬉しいです!!個人的には書くより読む方が好きなので、まっちゃんさんのレビュー含めいつもココで勉強させていただいてます♪

      分厚めの単行本なので肩凝りに注意して下さいね⚠笑 楽しい会話をありがとうございます~♡
      2022/05/21
    • 松子さん
      のらさんっ!蟻がぱぱさん!
      なんか私も照れちゃいました!笑
      はい、読む時は肩こり気を付けてよみまっす(^^) どつぞ充実した週末を〜♪
      のらさんっ!蟻がぱぱさん!
      なんか私も照れちゃいました!笑
      はい、読む時は肩こり気を付けてよみまっす(^^) どつぞ充実した週末を〜♪
      2022/05/21
  • 百田直樹さんのミステリー小説。
    百田さんにとって初めてのミステリー作品とのこと。
    今まで「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」等の史実に基づいた作品も最高だったが、「モンスター」等の物語系もやはり最高だった。
    先に書いてしまえば今回も最高に面白い作品だった。

    物語は6人のホームレスを誘拐し、ネットで犯行を公開しながらの劇場型誘拐事件。
    結局はホームレス達の自作自演の誘拐事件なのだが、身代金の請求先は大手新聞会社とテレビ局。
    ここがこの物語のめちゃくちゃ面白いプロット。
    報道に携わる会社のその根本的な正義を試している様でもあった。
    人の生の価値をどう捉えるのか?
    身近な人ならともかくアカの他人の、それもホームレスなら?
    考えさせられる。

    勝手に名指しされ請求される新聞社とテレビ局のうける窮屈さ。
    報道する側(新聞社、テレビ報道)の人命の重さという偽善に対して、正当性を積み重ねてどうにか払いたくないという本音に擦り合わせていく感じが読み取れる。
    人命の重さ、その本音と建前と偽善、会社の顔と体、報道という仕事の義務感、会社員としての使命、そしてそれらのメリットとデメリット等が渦巻きだす。物凄い深い混乱が見てとれた。

    物語自体も秀逸、後半の犯人と企業、警察の心理戦もお見事。
    常に緊張感を漂わせ、読む手が止まる事がなかった。

    読後に自分だったらアカの他人の命の為に金を出すのか?
    理想と現実の狭間で現実が勝ってしまうだろう。
    そして悩む割には確実にやはり出さないだろう。
    そういう自分の中に眠る人間のおぞましさにも気づかされてしまった。

    そして自分も含め人間ってなんだろう?
    社会という集団生活を形成しているのに、自分中心で自分勝手でわがままで傲慢な考え方をしてしまう。
    それが悪いとも思わないし当然といえば当然なのだが、それで良いとも思えない、複雑な心境を味わっている。

  • <202×年4月、私たちはある人物を誘拐しました。近日、この人物を使って、”実験”を行います。これは冗談やいたずらではありません>
    こんな脅迫状で始まるホームレス6人の誘拐事件。
    これは非常に痛快で面白かったです。

    ホームレス6人が誘拐されホームレスの命と引き換えにマスコミ各社に数億円の身代金を犯人らは要求します。
    誘拐の目的は何なのか?
    何の実験なのか?
    誘拐犯にとってどんな利益があるのか?
    などゴチャゴチャ考えましたが何も考えずに読んで大丈夫。

    第二部の犯人側の様子がわかってからがとにかく面白くなってきます。
    この面白さはルパン三世か!!と思いました。
    途中からは誘拐犯たちよ、上手く逃げおおせて、幸せになって!!と思いました。

    こんなに笑ったミステリーは今までになかったと思いました。
    どんなおぞましい話かと思ったらとってもハッピーなミステリーでした。
    エピローグが泣けます。

  • 「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」はとてもすばらしい作品だと思ったけど、そのあといろいろ思うところがあって、百田尚樹さんの作品から遠ざかっていた。正直、彼は得意ではないです。

    でも、この作品、ブクログで結構評判いいじゃないですか!
    勇気出して読んでみようかな、と図書館で予約しました。

    で、感想ですが…
    おもしろかった!
    読みやすい文章だし、字も大きくて一気に読める。

    誘拐されたホームレスの身代金を大手新聞社やテレビ局は支払うのか?
    ホームレスの生命にはどれくらいの価値があるのか?

    思考実験としてはおもしろい。
    そして、思いもよらない結末。

    でもね、登場人物全員に共感できない。
    人ってみんなもう少し賢くて正しいと思うんだ。

    • bmakiさん
      こんばんは。
      私も実は百田さんご自身はそれほど好きではないです(笑)
      でも、百田さんの作品は、エンタメ性が高いのですよね。何と表現したら...
      こんばんは。
      私も実は百田さんご自身はそれほど好きではないです(笑)
      でも、百田さんの作品は、エンタメ性が高いのですよね。何と表現したら良いのかわかりませんが、とりあえず楽しめるんです(笑)

      私もこの作品は、誰かに共感できるかというと、ちょっと違いますね(^_^;)

      とりあえずのハッピーエンドに踊らされた自分が居た気がします(笑)
      ま、私って単純なので(笑)
      2022/09/30
  • とっても面白かった!
    6人のホームレスが誘拐され、犯人から新聞社やテレビ局に身代金の要求がある。
    自分に何の関係もないホームレスの命のために高額の身代金を出すことはできるか?

    表紙を捲るといきなり、登場人物の一覧が!
    え?これ覚えられるかなぁ?ちょっと読む前からめんどくさくなってきちゃったなぁ‥‥ま、いっか。と気負わず読み始めました。
    途中まで、顔なしの人物として読み進める。
    しかし、ホームレスたちの顔が見えてきます。
    犯人に感情移入してきます。
    そうなると、ページを捲る手が止まらない!
    この誘拐、うまくいくのだろうか?うまくいってくれ!と思っている自分がいる。

    人にはそれぞれ顔がある、名前がある、人生がある。
    それが見えていない人たちへの復讐の物語だったと思います。

  • 劇場型犯罪小説。2部から面白くなり一気読み。
    ホームレス誘拐犯vsマスコミ+警察+一般市民。
    マスコミvs誘拐犯+一般市民。
    視聴率や話題性を上げたいマスコミ。それに踊らされる私たち一般市民。その犠牲者になる者もいる。
    いつの間にかホームレスになっていた当事者たち…誰でも不安を抱えて生き、明日の身が分からない。いつ何時今の生活が崩れるか分からない不安をこのホームレスたちの生き様に重ねた。
    社会的弱者の立場ではどうにも解決できないことがある。犯人がマスコミや警察、一般市民を相手に展開する復讐劇は、痛快であった。痛快なんて不謹慎かな…犯人たちの味方になっていた。

    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、おはようございます。

      本書はポプラ並木さんにご紹介いただきました。ありがとうございます。
      特にマスコミについては、あのテレ...
      ポプラ並木さん、おはようございます。

      本書はポプラ並木さんにご紹介いただきました。ありがとうございます。
      特にマスコミについては、あのテレビ局・番組・新聞のことかな、とリアリティがあり、なかなか面白かったです。百田さんの鋭い目線で描かれ、気持ち良かったりもしました。
      社会勉強になる話はいいですね。
      これでポプラ並木さんオススメの劇場型犯罪小説は全部読みました(^^)v
      あとは宮部みゆきさんを読むぞっ(๑•̀ - •́)و
      2022/10/22
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、コメントありがとう(^^♪
      全部完読!!嬉しいです。
      百田さんはこれまで数冊読んでいるけど、すべて当たりでした!
      宮部さ...
      なおなおさん、コメントありがとう(^^♪
      全部完読!!嬉しいです。
      百田さんはこれまで数冊読んでいるけど、すべて当たりでした!
      宮部さんの本もリーダビリティ、登場人物の魅力、こころの揺れ動き、色んな楽しみがありますよ。
      なおなおさんのお薦めも是非教えて下さいね♪
      2022/10/22
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、百田さんは他の本も人気ですよね。「永遠の0」とか。
      私のオススメ本としては……乙一さんはいかがでしょう。
      ブク友さんの影響で...
      ポプラ並木さん、百田さんは他の本も人気ですよね。「永遠の0」とか。
      私のオススメ本としては……乙一さんはいかがでしょう。
      ブク友さんの影響で最近ハマっております。「GOTH」は今まで読んだことのない話で、興味深く読みました。
      好み分かれると思いますが、いつか読むドグラ・マグラの免疫獲得のために!(笑)
      2022/10/22
  • 心理描写が巧み。本当の情報は何か。何を信じて判断すればよいか。

  • 一気読みするほどの内容に引っ張られてしまった。
    タイトルどうり、まさしく「野良犬の値段」だった。

    ネット上に現れた、謎の誘拐サイト。
    誘拐された6人の中年男性からして、どういう身元なのか気にならないわけがない。
    なぜに6人なのか。
    大人の男を何人も誘拐できるのか…

    そして、身代金を要求した相手に嘘だろう…と。
    これは、とんでもないことだ。
    理由があるはずだと。

    次第に上手くいってくれ、と願っている自分は誰を応援しているのか…
    警察ではないことに、やられたなぁと気づく。
    圧巻である。
    しっかりと「劇場型犯罪」を楽しめた。

    • 湖永さん
      ポプラ並木さん はじめまして!

      いつも「いいね」ありがとうございます♪
      そうですねぇ。
      好きですねぇ。こういう感じ。
      最後もにくいじゃない...
      ポプラ並木さん はじめまして!

      いつも「いいね」ありがとうございます♪
      そうですねぇ。
      好きですねぇ。こういう感じ。
      最後もにくいじゃないですか〜。
      2022/06/04
    • ポプラ並木さん
      湖永さん、コメントありがとう!
      最後は確かに、にくいラストでしたね(^^♪
      今後ともよろしくお願いいたします。
      読了後に感想を読むのがとても...
      湖永さん、コメントありがとう!
      最後は確かに、にくいラストでしたね(^^♪
      今後ともよろしくお願いいたします。
      読了後に感想を読むのがとても好きで、湖永さんがいつも大人気で、感想もフランクで素晴らしい!
      2022/06/04
    • 湖永さん
      こちらこそありがとうございます♪♪
      しょーもない感想で、恥ずかしい限りです
      こちらこそありがとうございます♪♪
      しょーもない感想で、恥ずかしい限りです
      2022/06/04
  • 百田尚樹が書くミステリー、それだけでゾクゾクしませんか?

    著者の作品との出会いは「永遠の0」、衝撃がすごかったが故に、普段はほとんど見る事のない邦画(映画)も繰り返し何度か見ました。

    その後、著者の作品を何冊か購入し、まだ積読もありますが、本書で5冊目の読了です。

    表紙を捲った途端に一瞬手が止まりました。

    主要登場人物の紹介...数えたらなんと26人!

    登場人物の相関関係の把握は正直得意ではありません、否、むしろ苦手です。

    そんな私が主要登場人物だけで26人も登場する478Pにも及ぶ長編を楽しめるのだろうか?^^;

    不安感たっぷりで読み始めましたが、読み終えた今、改めて著者の凄さを実感させられました。

    様々な視点にスピード感満載で切り替わっていきますが、わかるんです。

    そしてその緊迫感や怒り、焦り、緊張、等が伝わってくるんです。

    凄いなぁ。

    偽善に対する弱者の復讐劇、早い段階で犯人が明らかとなり、そこからはどんな結末が待ち受けるのかが気になりすぎてページを捲る手が止まりませんでした。

    「野良犬の値段」ってタイトルもうますぎる。

    個人的に大満足の一冊でした。


    説明
    内容紹介
    誘拐された、みすぼらしい6人の謎の男たち。
    前代未聞の「劇場型」誘拐事件が、
    日本社会に“命の価値"を問いかける。


    突如としてネット上に現れた、謎の「誘拐サイト」。
    <私たちが誘拐したのは以下の人物です>
    という文言とともにサイトで公開されたのは、
    6人のみすぼらしい男たちの名前と顔写真だった。
    果たしてこれは事件なのかイタズラなのか。
    そして写真の男たちは何者なのか。
    半信半疑の警察、メディア、ネット住民たちを尻目に、
    誘拐サイトは“驚くべき相手"に身代金を要求する――。
    日本全体を巻き込む、かつてない「劇場型犯罪」が幕を開ける!


    稀代のエンタメ作家・百田尚樹が、
    とうとう「ミステリー」を書いた!
    著者について
    百田尚樹(ひゃくた・なおき)1956年、大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵! ナイトスクープ」などのテレビ番組で活躍後、2006年に『永遠の0』で作家デビュー。2013年に『海賊とよばれた男』で第10回本屋大賞を受賞。

全485件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

百田尚樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×