ヒトコブラクダ層ぜっと (下)

  • 幻冬舎 (2021年6月23日発売)
3.77
  • (91)
  • (160)
  • (118)
  • (20)
  • (8)
本棚登録 : 1232
感想 : 160
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (492ページ) / ISBN・EAN: 9784344038004

作品紹介・あらすじ

マジでやって来てしまった、メソポタミア!

梵天、梵地、梵人(三つ子)。
砂漠に埋もれた古代文明のど真ん中で、
生きるか死ぬかの
奇跡の大作戦開始!!

自衛隊PKO活動の一員としてイラクに派遣された三つ子。彼らを待ち構えていたのは砂漠の底に潜む巨大な秘密、そして絶体絶命の大ピンチだった! 展開予測は不可能。唯一無二の物語の紡ぎ手・万城目学、とどまるところを知らず。ページをめくるたびに新たな驚きが待ち受ける超ド級スペクタクル巨編、ここに完結!

ついにここまで来た!
万城目学が描く歴史的大冒険小説!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読書備忘録926号(下)。
    ★★★★★

    これぞ万城目ワールドでした!

    舞台は日本を飛び出しイラク!
    失われしメソポタミア文明!
    超能力!

    これだけ並べたらどんだけおもろいんや!ってなりますよ。普通にね。
    過去作で言えば、偉大なるしゅららぼんと鹿男あをによしを合わせて舞台を世界に広げた感じ!

    主人公榎土3兄弟。三つ子。
    梵天(ぼんてん)、梵地(ぼんち)、梵人(ぼんど)。
    25年前、家に隕石が落ちてきて両親を亡くした。
    それからは3人で歯を食いしばって生きてきた。
    超能力を使って・・・。
    3秒の超能力。

    梵天:3秒間であれば、壁の向こう側など本来見えないところが見える。
    梵地:人間が話す言葉であれば初めて聞く言語でも全てわかる。3秒がどうたらこうたらというこじつけで。
    梵人:3秒先の未来が見える。格闘系スポーツなどは負けない。

    そして彼らには夢があった。
    梵天:恐竜の化石が大好き!ティラノサウルスの化石を見つけるのが夢。
    梵地:メソポタミア文明の研究に命をかける。イラクに発掘に行きたいのが夢。
    梵人:オリンピック出場が夢。ただし故障で叶わず・・・。

    そして彼らの裏の顔。泥棒稼業。
    壁の向こう側が見える。3秒先まで未来が見える。
    この能力を使えば泥棒は自由自在。
    ただ、私腹を肥やすことはせず、弱きものを助けるための泥棒を働く。

    そんな彼らの人生がひっくり返る出来事が起きる。
    梵地が通訳の仕事でエスコートしたイラク企業の松茸狩りイベント。
    松茸狩りを行った山で恐竜の牙の化石が見つかる。
    イラク企業CEOのベントアンさんがそこに落ちていたと。
    化石を持ち帰った梵地。化石を見た梵天。
    この牙がある山にはティラノサウルスの化石が埋まっている可能性がある!
    この山が欲しい梵天!
    初めて私利私欲のために宝石店に。
    それを元手に山を買う梵天!
    しかしそれは巧妙に仕組まれた罠であった!

    突如3人の前にライオンを伴ってベントアンさんが訪れる。あれよあれよという間に3人は自衛隊に入隊させられ、訓練のあとイラクPKO派遣となる!
    そしてイラクメディアのインタビューに答える特別任務を命ぜられる。
    同行するのは自衛隊広報の銀亀三尉(女子)。
    そして4人は別の場所に連れていかれ拉致される。
    連れて行かれたのはなぞの地下施設。
    そこで米国海兵隊と合流し、さらに連れて行かれたのは枯れたオアシス。
    そこで待っていたのはなんと再びベントアンさんとライオン。
    彼女は自分はイナンナであると。
    そして榎土3兄弟はイナンナのしもべであると。
    そしてヒトコブラクダ層を探せと地中に向けてパラシュート降下する!
    そこには紛うことなきメソポタミアの首都アガデであった!

    とこんな感じが上巻です!
    長い長い上巻!
    そして下巻!
    まさに作品紹介の「ページをめくるたびに新たな驚きが待ち受ける超ド級スペクタクル巨編、ここに完結!」がピッタリでした。

    ブク友の皆様はこの作品を読まないと思いますのでネタバレに注意する必要はないと思う・・・。
    とは言え、上巻の粗筋備忘でも肝心の内容は割愛しているので、意味わからん備忘となっているかと。笑

    それでもこの壮大なストーリーを将来備忘録を読み返して思い出したいので思い出しキーワードを羅列。

    ①メソポタミア文明が高度に発展し突然滅んだ理由とは!
    ②シュメール神話の姉妹。エレシュキガルとイナンナ!
    ③故障とエレシュキガルによる時間凍結。それを解除するイナンナのしるし(円筒印章)!
    ④遡れば25年前の隕石事故とは?榎土3兄弟を他人事とは思えなかった3姉妹の気持ち!
    ⑤宇宙!宇宙!宇宙!

    三つ子の将来に幸あらんことを!

    そうだ!先に本棚登録することで、ちゃんと上下巻を一枚の絵として並べることが出来ました!大・満・足・ですっ!

    • shintak5555さん
      カナさま
      ニヤニヤしばらく眺めてしまいます!
      カナさま
      ニヤニヤしばらく眺めてしまいます!
      2025/07/01
    • shintak5555さん
      住職!
      何言ってるのか分かりません( ゚д゚)クワッ
      住職!
      何言ってるのか分かりません( ゚д゚)クワッ
      2025/07/01
    • どんぐりさん
      私も万城目さんは図書館に積んであります( ̄^ ̄)ゞ
      私も万城目さんは図書館に積んであります( ̄^ ̄)ゞ
      2025/07/06
  • 榎土三兄弟はイラクで窮地に陥る。同行するのは上官の女性•銀亀三尉とアメリカ海兵隊だ。古代メソポタミアの都市に迷い込んだ三兄弟の運命は、果たしてミッションを達成して故国に帰る事が出来るのか…。

    上巻で提示された"あり得ない状況"も、巻末まで読み通すと全て回収されています。もちろん(やっぱりと言うべきか)微妙にSF要素があったり、トンデモ本顔負けのスーパー古代史があったりしますが、それら全てがエンタメになっているのが素晴らしいと思います。(長いけど)

    【余談】
    個人的には、読んでいるうちに、世界史好きだった高校時代の自分の知識が甦ってきて、『解る、解るぞこれ!』ってなった事と、『日本の高校教育も無駄じゃないんだ』という気持ちになれました。いやぁ、世界史、特に古代史って面白いなぁ!

  •  面白かった、とても面白かった。下巻のP151で本書のタイトル、”ヒトコブラクダ層ぜっと”がなんなのかはっきりと出てくる。まあ、あんまり本書とは関係ないというか、どうでも良いような気もするんだが、要するにとても良いタイトルだとも思う。ヒトコブラクダ層自体はもうすこし早くでてくるんだが。ともかく、上巻もとてもテンポがよかったが、下巻ではもっとスピードアップされる。そして、最後はジュラシックワールドですな。私的には予想というか想像していた通りになったので、非常に爽快感があった。読了感最高。

  • 銀亀三尉に星5つ。目玉がギョロギョロして愛嬌があって素敵。

    無事恐竜の化石も見つかって何もかもが上手くいって良かった良かった。

  • 久しぶりにこれほど長い小説を読んだ気がします。
    おそらく、『サラバ』以来ですかね。

    文量は多く、かなりの長編となっておりますが、上巻の中盤あたりから、最後まで読みたいという誘惑に駆られ、走り抜けるように、食べることも忘れて読み終えました。

    物語の主人公である梵天、梵地、梵人の三つ子は、それぞれ兄弟にも話していない秘密があり、その秘密を共有するところから、物語は一気に加速します。

    訳ありで泥棒稼業を始めたり、化石発掘したり、そして色々あって、なぜかPKOとしてイラクへ派遣されるという、ドタバタな話の展開。

    どう終わりを迎えるのだろうかと心配するほどに、ばら撒かれた伏線は、見事に回収されました。

    ライオンを連れた女性には、くれぐれも気をつけようと思います。

  • やっと下巻読了。(なかなか届かなかった為、上巻読了からかなり間が空いてしまったヨ(;´д`))

    いやぁ。面白かったー!メソポタミアの幻の古代都市・アガデ。襲い来るシュメール・ゾンビ(なるほど、ここで「Z」と来たか・・)。遺跡・ジッグラトで待つ謎の女性の狙いとは・・・?
    と、上巻に続き、相変わらず予測不能の展開でこんなに奇想天外な話を創作できる万城目さんの凄さを実感し、たっぷり堪能させて頂きました。
    エレシュキガルやイナンナとのやりとりが、冗長かな、と感じてしまう部分もありましたが、伏線回収&諸々の説明の為には、しゃーなしというところでしょうか。
    上巻では“堅物上官”だった銀亀さんも、カッコ良いところを見せてくれて好感度アップでした。
    終盤のイナンナ達シュメール神がどこから来たか(?)のくだりは、一見ぶっ飛んでる設定のようですが、実は結構都市伝説でささやかれている説ですよね(学生時代に読んだ『青のメソポタミア』という漫画を思い出しました)。
    という訳で、私も三兄弟と共に大冒険をしてきたような読後感でした。
    惜しむらくは、上巻と下巻を読む間が空いてしまった為、ブクログの本棚に上下巻を並べられなかった事ですね。(並べるとタイトルが繋がるデザインなので)うーん、残念!

  • すごい旅を終えた後のような爽やかな読後感。長い旅だった。

    奇想天外はお手のもので、毎回異世界に持ってかれるが、今回も半端ない別世界へ。メソポタミア文明に恐竜の世界。博識ゆえかごく自然に、いやとんでもない奇想天外な方法で連れ出された。時々関西特有の吹き出しつき。たまりません。

    梵天、梵地、梵人の愛すべきキャラの三つ子たち。それに銀亀三位の真っ直ぐで誠実なカッコよさ。惚れ惚れする。4人のとんでもない冒険に、ハラハラしながら、気持ちよくお付き合いさせていただきました。久しぶりの万城目ワールド、とても楽しかった。

  • 変なタイトルだなぁと思ってた。タイトル通りの内容だった。ハサンお爺さんが妙に印象的。

  • 幸せな読書体験だった。

  • 上巻を上回る怒涛の展開が始まる。気づけばページをどんどんめくっている。謎が謎を呼び、なんだか胸の熱くなる人間ドラマもある。これまでにないくらい洗練された物語構造。でありながらも万城目ワールド全開。ワクワク感の消えない読後感、やっぱり読んでよかった。

全160件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。2024年、『八月の御所グラウンド』にて第170回直木賞受賞。ほか小説に『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』『とっぴんぱらりの風太郎』『バベル九朔』『ヒトコブラクダ層戦争』『六月のぶりぶりぎっちょう』など、エッセイ集に『ザ・万歩計』『ザ・万遊記』『万感のおもい』などがある。

「2025年 『新版 ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

万城目学の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×