レインメーカー

  • 幻冬舎 (2021年10月27日発売)
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344038660

作品紹介・あらすじ

「法律は悲しみをぶつける道具じゃない」
急患の子どもの心肺が停止――。
慟哭する親。無念の医師。糾弾される病院。
医療過誤訴訟で救われるのは誰だ?
法廷版〝ハゲタカ〟、ここに結実!

億単位の賠償金を何度も獲得してきた敏腕弁護士の雨守誠。雨のように大金を降らせることからレインメーカーと呼ばれる彼に、ある日総合病院から依頼が入った。急死した二歳児の両親に医療過誤で訴えられた病院と医師を弁護してほしいというのだ。救えなかったら医者か悪いというのは偏見だ――自身の信念に基づき、雨守は医療現場の矛盾や不条理に斬り込んでいく。弁護士の執念を描き切る法廷サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 急患として病院に来た2歳男児が急死、治療を担当した医師二人と病院が『医療過誤』で子どもの両親から訴えられる。この裁判を担当する各弁護士は、元は同じ法律事務所の同僚で……。
    病院、医師、家族など"信頼"を結ぶことの難しさと大切さを考えさせられる話だった。

  • レインメーカーとは、訴訟で大儲けする弁護士とのこと。
    刑事事件を扱ったリーガルサスペンスは多々あるが、本作品は医療過誤を訴因とする民事での法廷サスペンス。
    目次の後の「主な登場人物」欄の面々からどのような話になるのか、いやでも興味が掻き立てられる。
    夜間に搬送された二歳児の急死を巡って、訴訟が起こる。それぞれに過誤を抱える原告の両親よりも率先して、裁判を主導する法律事務所の代表には、何やら思惑が。
    対する病院側の弁護士は、原告の法律事務所を退所した気鋭の弁護士。
    証人尋問から始まり、原告に対する本人尋問、最後が被告側の本人尋問と続く息詰まる法廷シーンは、臨場感あふれ迫力満点。
    「ハゲタカ」シリーズの著者らしく、医療訴訟の裏には思わぬ企みが隠されており、医療法廷サスペンスをさらに膨らみを持たせる内容となっている。

  • ❇︎
    レインメーカー/真山仁

    アメリカの法曹界で訴訟で大儲けする弁護士を
    レインメーカーという。

    個人的には、タイトルのレインメーカー
    という言葉以上に、人の真っ直ぐな想いが
    一部の利己的な人の考えのために歪められている
    現実と戦う人の姿を綴った小説。

    多面的な問題が複雑に絡み合った、
    考えさせられる物語でした。

    病院の体制。
    医師の労働環境。
    隠される事実。
    患者側の知る権利。
    法の恩恵に預かれる者は救われ、
    法を知らない者は救われない不平等。
    人が人を裁く法廷が一部の人の思惑で歪められ、
    利用される不正義。

    『本当に救済されるべき人は誰か』

    真っ当だけで生きるのは難しいと理解できるが、
    せめて誠実に生きている人が疲弊して壊れていく
    ような世の中で無くなってほしいと切に願います。


    〜〜〜〜〜〜
    弁護士の雨守は医療過誤訴訟の原告側(患者)
    弁護人だったが、ある事件をきっかけに恩師と
    袂を分かち被告側(病院・医師)弁護人へ変わる。

    医師と病院を守る側に変わった雨守、
    何が彼を変えたのか。

    ある日の夜間、急な嘔吐、発熱、痙攣で病院に
    駆け込んだ幼児の死亡をきっかけにして、
    医療ミスを疑う申し立てがされる。

    当初の病院説明に両親は納得していたのに、
    病院や医師は戸惑って慌てふためく。

    適切な治療したにも関わらず失われてしまう命。
    折れそうになりながらも、懸命に気持ちを
    奮い立たせ向き合う医師や看護スタッフ。

    雨守は病院側を守れるのか。
    本当に守るべきは誰か。

  • 緊急時の子供への処置が生死に関わる怖さを感じた。母子手帳の携帯、子供への変化には気づけるようしていきたい

  • まぁまぁ。

    子供が急死し、病院での処置が適切だったのかを問う裁判が始まる……

    真山仁にしては文章も内容もライトな気がする。
    悪く言うと、緊迫感はなく、内容も薄いというか、読後の充実感がなく、レビューに何を書けばいいか思い出せないレベル。

    つまらない訳ではないが、積極的にオススメするほどでは無いかも。

  • 紹介記事には、
    法廷版〝ハゲタカ〟、ここに結実!
    と書かれていたが、うーん微妙。

    とはいえ、医療と政治問題、切り離せず、これをシリーズとすることを期待して。

  • 病院で家族を亡くした遺族を訴訟へと焚きつける弁護士と、訴訟により潰されていく医師の側に立ち医療過誤訴訟を闘う弁護士。
    医療過誤訴訟の裏側を描く社会派法廷サスペンス。

    テーマは興味深いんだけど、この内容を280ページで描いているから、どこかサラリとしすぎて2時間ドラマのような軽さ。
    コロコロ変わる目線に戸惑い、関係者が多い割に人物が描ききれていないのでそれぞれの人物像がどれも中途半端な感じ。
    レインメーカーというタイトルも内容にそぐわない気がする。

    法廷シーンは面白かったので、真山さんなら上下巻くらいのボリュームでじっくりと描いて、大河ドラマとは言わないまでも、せめてワンクールドラマくらいには仕立ててほしかった。

  • "「法律を知らないと不幸になる」と医師の側に立ち、法律問題や医療過誤訴訟を闘っている異能の弁護士・雨守誠" のお話。

    テーマは興味あるし、面白かったけど、なんというか、、、あっさりて感じ。
    主人公は、弁護士雨守誠なんだろうけど、あまり出てこないし。
    賠償請求した夫婦の家庭問題の方が気になってしまった。
    負けが確定してるのに、なぜお嬢は裁判したか?も理由が薄い感じがしちゃった。

  • 母子手帳ってそんなに大事なのね。

  • 子供の病で病院にかかるときには、母子手帳の必要性が良く理解出来ました。母子手帳は、大切な情報の宝庫であるのが、患者の側として認識出来ました。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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