特等席とトマトと満月と

  • 幻冬舎 (2022年4月27日発売)
3.75
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本棚登録 : 43
感想 : 3
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784344039148

作品紹介・あらすじ

結婚も出産も、売れてから?
「可愛いくなりたいじゃなくて、面白くなりたい欲って、何なのかな」
女芸人たちの切ないまでのリアルを描く、初めての長編小説。

20代なかばのムシナは“芸人としては”美人で背も高くスタイルも悪くない。そのことと、実家暮らしであることが、コンプレックスでもある。
ウケたい気持ちはあるけれど、それほど向上心もない。恋愛は女芸人には邪魔だとわかっていても、男性に求められると応えてしまう。結婚も出産もしたいけど、売れるまではできない、と思っている。ことさらヒエラルキーを強調する女芸人の先輩たちは、解散して結婚したり、B級タレントに転身したり。かと思うと、見た目にインパクトのある後輩芸人が、あっという間にムシナを抜いていく。「サイコメトリング」というオリジナルのネタを手にし、賞レースの3回戦に進んで手応えをおぼえるけれど、その上には行けない。でもなんとなくテレビに出るようになり、イケメン男優からこなをかけられたりして、底辺からは脱出したような気がするけれど、芸人をやめて結婚出産した先輩のことは、素直に祝福できない。
そんな「どっちつかず」なムシナと、ムシナを取り巻く“底辺”の芸人たちの、もどかしくも切ない日々を、残酷なまでの観察力で生々しく描く長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 芸人さんをリスペクトしている

    なんて言うと当の芸人さんたちには鼻で笑われそうだけど、本物の芸人さんに知り合いもいないので恥ずかしげもなく言ってしまおう
    中でも普通にテレビに出ていたり、賞レースの上位に顔を出すような芸人さんはたとえ一発屋と呼ばれるような人でも天才だと思う
    そんな天才たちのひとり紺野ぶるまさんの処女作

    芸人さんが好きで、芸人さんが書いた小説は思わず手にとってしまうのだが、実はあまり面白いと思ったことがない
    だいたい読み終わった後に「調子のんなよ」とか思ったりする(リスペクトどこいった)

    本作も芸人さんが小説を書きました!にありがちな自分を投影したような芸人が主人公で、芸人さんたちの舞台裏をのぞかせながら普段自分が感じてるあれやこれやを当て込んでいく感じのこれを面白いって言っちゃうと、あーわかってないわこの人恥ずかしって言われちゃうタイプのやつだこれ

    うん、面白かった!(なんと言われようとも)

    あ、一穂ミチさんが帯書いてるわ
    間違いないやん!(急に強気)

    • 土瓶さん
      著者名で吹いた((´∀`*))ヶラヶラ
      芸人さんか~。知らんけど。

      1Q84さん。気のせいです。
      著者名で吹いた((´∀`*))ヶラヶラ
      芸人さんか~。知らんけど。

      1Q84さん。気のせいです。
      2023/04/03
    • 1Q84O1さん
      気のせい…?
      そっか…気のせいかぁ〜(-.-)
      気のせい…?
      そっか…気のせいかぁ〜(-.-)
      2023/04/03
    • ひまわりめろんさん
      ちなみに紺野ぶるまさんは主に下ネタを得意とする女性芸人さんです
      ちなみに紺野ぶるまさんは主に下ネタを得意とする女性芸人さんです
      2023/04/05
  • どこまでホントウ?と思わせるパワーがすごいと思う。

  • かなり刺さった。
    自分の思ってることを素直に発信すれば誰かに必ず刺さる、とぶるまさん本人が言っていたが、ひとつも共感出来ない人が世の中にはいるのかな。と思うくらい自分には刺さった。
    情景描写が綺麗でドラマを見たような気にもなった。

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