情事と事情

  • 幻冬舎 (2022年5月25日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344039599

作品紹介・あらすじ

「すべての愛には、裏がある。」恋愛小説の名手が描く、大人たちの上品で下品な恋愛事情、その一部始終。著書メッセージ:「不倫に嫌悪感を抱いているあなたにも、不倫小説が大好きなあなたにも」だらしない女ときちんとした女。女癖の悪い男と誠実な男。天使と悪魔。結婚と不倫。純愛と情事。あなたは、どっちが好きですか。私はもちろん、だらしない女と、女癖の悪い男と、悪魔と、不倫と、情事です。だって、おもしろいじゃないですか、読むのも書くのも。きちんとした女と誠実な男が結婚したって、つまらない家庭しか築けませんよ。「幸福な家庭はどれも似たようなものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸なものである」と語ったのはトルストイですが、私はこう言いたい。「恋愛を描いた小説はどれも似たようなものだが、情事を描いた小説はそれぞれに不条理で病み付きになる」と。アメリカのテレビドラマシリーズを意識して、毎回ノンストップで読ませるエピソード7つ。今までの小手鞠るいとは、ひと味もふた味も違った悪魔的に優雅な情事小説です。不倫に嫌悪感を抱いているあなたにも、不倫小説が大好きなあなたにも、自信を持っておすすめします。もちろん、恋愛小説が好きなあなたにも、嫌いなあなたにも。

感想・レビュー・書評

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  • すべての愛には、裏がある… らしい。

    Aという出来事がBという出来事につながり、Cという人との出会いがDという人との別れを連れてくる。Eという出来事が起こらなければ、Fという出来事も起こらない。代わりにGという出来事が起こって、Hという人を連れてくる。
    人生は偶然という名の必然でつながっている、一本の電線のようなもの… らしい。

    登場人物全て、サイテイの人間達。
    しかも、ラストは???って感じ。

  • 作者いわく

    「恋愛を描いた小説は

    どれも似たようなものだが、

    情事を描いた小説は

    それぞれに不条理で病み付きになる」

    だそうで なるほどな
    薄っぺらいな と思いつつも

    都合のいい恋愛を

    求める気持ちが 分かる気がする

    人より多めに ずるさを持ってるほうが

    魅力的だなんて

    皮肉だなぁ

  • 少し似たモチーフの同作家さんの話を2作連続で読んだが、どちらかというと女性失格の方が好みではあった。
    ただ、こちらの方がサラッと読めて滑稽な話だなぁと感じた。

    愛梨沙だけは友達になりたくないタイプ。
    一番つかみどころがない。
    他の人は可愛いところを感じられる。

    ほしいものを手に入れるためにはずるさもいるかもしれないが、これまたみんな極端だなと思ってしまった。

  • どの人物にも共感できなかったのに、面白くて一気読み。
    最後のアレには驚いて、数行を何度も読んでしまった。その後の展開が気になる。

    男も女も、狭い世界で欲のまま好き勝手してる。
    途中で何とも言えない気持ち悪さを感じたけど、ヤるとかヤらないとか、盗るとか盗られるとか、踏み台にするとかされるとか、男女がその時の欲に忠実すぎて新鮮。
    自分がこの人たちとは違う普通の、そして退屈な倫理観を持っていることが残念にすら感じた。

    小説として読むのはよし!
    実際にこういう人たちがいるなら、どうか私とは離れたところでやってくれと思う。

  • 女性達の情事が、主人公を変えながら目まぐるしく展開していく。
    そのスピード感につられて一気読み。
    今まで読んだ小手鞠さんの作品とは異なった雰囲気で、これはこれで面白かった。
    が、登場人物の心情はわかるようなわからないような。
    こういう世界に自分が疎くなっているせいかも。

  • <由>
    さて 本書は僕の読書中に時々ある「あれ?この本どうして僕は読んでいるんだろう」な一冊です。きっと同じ作者の本を少し前に読んで面白いと思ったのでその方面へアンテナを伸ばしといて見つけるとスバヤク入手して読むに至ったのだと思います。けれどその前に読んだはずの本がどういう題名のどんな内容だったのかはサッパリ思い出せないのですw。もちろん調べればすぐに分かるのでしょうけど調べない。いちいちキリがないからです。読んでるうちに思い出すかもしれないですしね。

    不思議な感じの作品です。嫌いではないです。悪くも無いです。僕はこの著者の事を割と若い女性作家だと勝手に思い込んでいましたが、巻末のプロフにはキチンと生年が書いてあってなんと僕より3歳も年上の人なのでした。とてもそうは感じない若々しい文章の方だと思います。ある意味とてもセクシーです。物語も題名の通りセクシーなものですがそれを助長する感覚を作家さん自身から感じます。こんふうに感じるの僕だけなのかなぁー。


    例によって物語の中身にはあまり触れませんが、何人かの魅力的な女性が登場します。まあ女性作家が書いた作品なので何人か登場する男性も魅力的なのだろうと察しはしますが僕はそっちは全く何も興味なく無視です(笑う)本書はやはり女性に向けて書かれた小説だと思いました。でも僕が読んでも十分に面白いのでまた次を読もうかと考えています。すまぬ。(あ、今回は すまぬ 的なところはなかったかな)

  • 様々な立場の女と男‥様々な事情で絡み合う、なんだかドロドロした世界を垣間見たような印象を持ちました。友達同士である彩江子と愛里紗、対称的なふたりの描き方が面白く次の展開が気になって仕方なくなりました!

  • 面白かった。ほぼ一気読み。
    江國香織さんを彷彿とさせるけど、もちろんちょっと違う。江國さんの方が一見優しいけど、深い意味で怖い気がする。(別に比べる必要はないのだけども)

    恋愛小説だけど、恋愛の過程というよりは、人間の滑稽さが客観的に描かれていて、そこが面白かった。登場人物がみんな、魅力的なのかもしれないけど、私的には知り合いたくない感じだったのも面白い。

    人間はみんな、滑稽で怖くて可哀想。

  • ここ最近、女性作家による恋愛小説、をフィクションか否かを問わず立て続けに(あくまで自分のペースだが)読んだ。また、男女の或いは人間の情愛について考えさせられる映画(ドライブマイカー)も観た。

    私はこれまで、女性の恋愛観、性愛感、と言うものを全く理解していなかったのだな…と今更ながらに気付かされた。

    この作品の登場人物はみな、情事を絡めて複雑に、(たまたま我々読者が客観的に見て)どこかで繋がっている、男女たちである。短い節?、とでも言うのか?、に分けられた各章を読み進めていく事は、今どきの恋愛小説を読んでいるかのように錯覚してしまうが、頁を読み進めていくにつれて、実に真剣な、どちらかと言うと女性の側に立った、まさに「情事の事情」を軸とした、情愛を描ききっている様に思う。

    途中の経過ではもちろん色々な出来事があるのだが、ただそこにドロドロとした未練とか、誰もが望んでいない様な悲劇的な結末とか、は無いように思う。

    佳作である。恋愛について考えたい、いや、考えるのでは無く自分に置き換えてシミュレーションをしてみたい、或いは色々な情愛の形を断片的に、客観的に、覗いてみて参考にしたい、と言うどちらかと言うと「大人の」女性の方にお薦めしたい。逆に言えば「恋」に悩む女性にはあまりお勧め出来ない、読み始めるときっと嫌悪感を感じるのでは無いかと、私は思うのだが…

  • 自分は特別とか、自分は高尚に思ってる人たちの物語で、でもみんな一皮剥けばただの不倫やらなんか微妙な恋愛をしている人たち。

    美しくあろうとするのに出来なくて滲み出るものに品性がない、という人たちが描かれている作品。
    一言で言えば見栄っ張りな人たちの群像物語。

    2022.6.26
    88

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。
詩とメルヘン賞、ボローニャ国際児童図書賞、小学館児童出版文化
賞などを受賞。松倉香子さんとのコラボ作として『お菓子の本の旅』
『少女は森からやってきた』『未来地図』『晴れ、ときどき雪』『泣くほど
の恋じゃない』『瞳のなかの幸福』(以上、カバー装画)『ようせいじて
ん 星座のようせい』『うさぎタウンのおむすびやさん』『うさぎタウンの
パン屋さん』『ゆみちゃん』(以上、挿画と装画)。本作は、松倉香子さ
んとの初のコラボ絵本となる。

「2025年 『まほうの絵本屋さん 月夜のチョッコラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小手鞠るいの作品

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