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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344039940
作品紹介・あらすじ
今は一人ぼっちでも、またみんなの前で歌うんだ──。100万部突破のベストセラー『陰日向に咲く』を超える、さらなる大傑作!12年ぶりに書き下ろす、圧倒的祝祭に満ちた物語。行き場をなくした女たちが集う浅草の置屋「燕屋」の前に、一人の赤ん坊が捨てられていた。かつて自らの子を亡くした遊女の千代は、周囲の反対を押し切って育てることを決める。お雪と名付けられた少女は、燕屋の人々に囲まれながら、明治から大正へ、浅草の賑わいとともに成長する。楽しみは芝居小屋に通うこと。歌って、踊って、浅草オペラの真似をして、毎日はあんなに賑やかで幸せだったのに。あの男がすっかり台無しにした──。
感想・レビュー・書評
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「陰日向に咲く」を超える作品という期待で読んだのだが、大正期の歓楽街の悲哀が主題で、カラッと楽しめる明るさはなかった。
警官・典獄の卑劣さと庶民の健気さ、という対比は少々安直な気がしないでもないが、素直にお雪に感情移入しやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
劇団ひとりさん、すごいですね。
遊女が、自分の子供ではない子供を育てて、それがつながる…
明るい世界じゃなくても、それなりの幸せは続いてほしい…と切に願いながら読みました。
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陽気な作品かと思ったらそぐわない程暗くて深い内容の小説。
社会の底辺で暮らす虐げられた人達の人情が温かい。それでも負けない気構えの逞しさをあの頃の日本人は持っていたんだ、と思った時、題名の力強さが改めて哀しく響いた。これも映画化されるのかな。 -
なんとも切なくてだけど物語を追いかけていきたくなってしまう、とても心にぐっくとるお話。陰日向に咲くの時も才能に感動したけれど、今回も悲しみの中に強い志や深い情が感じられてすごいなぁとただただ感嘆。厳密にいっちゃうとピアノがそんな簡単にマスターできるわけないとか、7年間も一人で生活するのは不可能ではと突っ込みどころもいっぱいあるのは確かなんだけど、全部ひっくるめて結果オーライであったように思う。
理不尽なことは多々あって何を大切に生きるのか深く考えさせられたお話だった。
題名とのギャップにまんまと騙された人は多いのでは。 -
隙間時間に読み始めなくてよかった。
1行目「赤ん坊がねむっている」から、楽譜の上の音符よろしくリズミカルな文章が踊る。
スルスルとその世界に引き込まれ、頭の中に映像が浮かぶ。
綴られる言葉遣いは、その情景をスムーズに思い起こさせてくれて気持ちがいい。
あっという間、2時間の浅草夢の世界だった。
全編読み終えて真っ先に思ったのはぜひぜひ映像化して欲しいということ。
当然、頭の中ではキャスティングが始まる。
まだまだ暫くは、千代は誰、信夫は誰と楽しめそうだ。
血はつながらなくとも、命はずっと繋がっていく。
読者の胸も踊る傑作。 -
過酷な運命と境遇のなかでも
小さな命をつなげようと
健気に、
懸命に生き抜く姿を描く感動作。
疾走感も躍動感も、
ともに突き抜けていた!
浅草オペラに関東大震災と
大正時代のノスタルジーも満載。
何とも小気味よく、何よりおもしろい!
ルンタッタのリズムが心地よく残り、
劇団ひとりの溢れんばかりの才気に
酔いしれた!!! -
明治、大正時代の浅草が舞台。
雪の日に女郎屋燕屋に捨てられた女の赤ちゃんを拾った千代が母親として娘を守ろうとする。
いつの間にか燕屋のアイドルになっていたお雪をなんとか守ってやりたいという思いが溢れていた。
お雪の強さにも驚く。母性本能が繋がっていく。
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タイトルと表紙からは想像できないくらい、暗くて重いお話だった。
時代背景について、しっかり描かれているから、没入感はすごくあった。
悲しいはずなんだけど、それよりも日本人の強さを感じた。
義理と人情って、最近は重視されないし、古いって思われるかもしれないけど、その恩恵を受けて生きてきた自分にとっては、やっぱり大切にしたい気持ちだなと。 -
心弾む「ルンタッタ」だと思って手にしたら、人間の醜さと優しさたっぷりの物語。ひとりさん、たいした才能です。
劇団ひとりの作品





