かんむり

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344040175

作品紹介・あらすじ

「私たちはどうしようもなく、別々の体を生きている」夫婦。血を分けた子を持ち、同じ墓に入る二人の他人。かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、今はーー。夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。「私のかんむりはどこにあるのか」著者四年ぶり書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 中学の同級生のふたり
    大学生の時再会
    愛し合い夫婦となり息子を持つ
    愛し合いながらも違和感が生じ
    生じながらも話し合い
    別人格を認識しつつ
    折り合えないところに
    時には苛立ち
    時には諦め
    夫婦のまま人生を終えようとしている

    一組の夫婦の会話等から
    男女の役割や嗜好への偏見
    会社という組織での理不尽な扱い
    体型への決めつけ
    などなど たぶん 彩瀬さんが嫌悪していると思われる現在社会の事象を散りばめている

    言葉と体と時間を重ね 時にはぶつかりながら同じ方向を見ていくーそれが夫婦だと思っていた
    それが正しい夫婦像かもしれないけれど
    違う方向を見ながら折り合っても良いんじゃないかと思う
    あまりぶつかるのは気が重い
    現実的な夫婦として地に足がついた小説だと思う

    • Manideさん
      そう、バレーで盛り上がってるかな〜と、
      感想を覗いていたら、、、
      ここで笑いをもらいました(^^)

      バレー見てますよ〜
      イケメン多いですね...
      そう、バレーで盛り上がってるかな〜と、
      感想を覗いていたら、、、
      ここで笑いをもらいました(^^)

      バレー見てますよ〜
      イケメン多いですね。
      現地で見たら、スパイクサーブの音がすごそう!!
      2024/06/09
    • おびのりさん
      福岡まで行きたい!
      今「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」を図書館購入リクエストして、予約1番!読んでます
      なかなか ブグログでバレーで盛り上...
      福岡まで行きたい!
      今「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」を図書館購入リクエストして、予約1番!読んでます
      なかなか ブグログでバレーで盛り上がってくれる人がいない( ; ; )
      でも この本をフォローさせていただいている方が3人くらい読んでいたので、好きな方はいるんだと思います
      もうね、今年は代表戦は日本ではないんですよね
      Vリーグ行きますd( ̄  ̄)
      高橋藍もサントリーと契約したし
      2024/06/09
    • Manideさん
      おびのりさん、髙橋藍好きなんですね(^^)
      イケメン好きですね。

      セッターうまいですよね。
      影山のトスみたいに、ネットに向かって、縦にクイ...
      おびのりさん、髙橋藍好きなんですね(^^)
      イケメン好きですね。

      セッターうまいですよね。
      影山のトスみたいに、ネットに向かって、縦にクイックとか、生で見たら、すごい感動すると思います。

      そうか、今の大会は福岡なんですね、、、
      日本でも遠いです…ね。
      2024/06/09
  • 愛するということは大変だし難しいものだなと感じました。
    愛に限らず、何かを貫き通す事は何かを諦める事ではあるし(諦めた自覚がない場合もあるが)、
    後悔が全くないと言い切れる人なんてごく僅かだと思います。

    しかし子どもがいつのまにか自分を毛嫌いするようになって、小さい頃は一緒に遊んで楽しかったと思う日が来る可能性もあると思うと切ない…
    せめて大切に日々を過ごそうとも思えました。

    官能的な部分も含めて、愛することに関しての主人公の考えが見えやすかったです。

  • 虎治と光は元同級生。
    この夫婦が、子どもを持ち家族になり、そして時を経て夫婦2人の生活になり、やがて独りになるまでを描いている。
    生活環境や育てられ方によって違ってくる2人の子育て論。
    虎治がリストラにあい、再就職を繰り返しても
    それでもなんとか波風立てずにやってき。
    こんなはずではなかったと…どちらも思ったのかもしれない。
    何が正解であるのかも曖昧なまま過ごしていく。

    うまくいってもいかなくても、愛は素晴らしくて、でもとても難しくて重たい一事業だ。
    どのようなかたちであれ、ともかくそれが終わった。始まったものをきちんと終わらせた。
    このことばに全てが集約されていた。

    しんどいなぁ、と思った。
    つつがなく夫婦という関係を維持して家庭生活を送ることは、いろんな意味でしんどい。
    逃げ出せば楽になるのかもしれない…が、逃げ出したところで先は見えない。
    ぐだぐだ文句を言いながら時に無言で圧をかけながら一緒にいるのかもしれない。
    そうやって維持してるのかもしれない。

  • 彩瀬まるさんは初読みの作家さんだった。
    『かんむり』

    とある女性の、中3から70過ぎまでの生き様を描いた作品。
    主人公の高藤光は、消防士の父と塾講師の母のもとに生まれ、銭湯を営む祖父母に面倒をみてもらいながら育つ。
    中3の時に、転校してきた加々見虎治と出会い、一時は虎治の転校で別れたものの、再会して生涯の伴侶を得る。2人の間には新という愛息子も授かり、家族3人それぞれの成長と共に、夫婦或いは親子の関係性も変化していく様子を、光の心理描写を中心に、リアルでストレートに描いている物語。

    光の学生時代では、男女で異なる性の捉え方が鮮明に描かれていて、言葉に表現出来ないが故のもどかしさや、不安や憤りが生々しく伝わって来た。特に成人男性や、クラスの男子が時として暴力的で別人の様に感じてしまう場面には、過去の私自身のほろ苦い記憶も追体験してしまう程だった。

    虎治と結婚してからは、男女間で異なる育て方論、夫婦だからこその遠慮や葛藤、時代やライフステージの影響を受けやすい女性の働き方に対する違和感など、光に去来する様々な心の内側が、混じり気なく等身大に表現されていて、同世代の私には真っ直ぐに響いてきた。

    新の存在により、夫婦の関係性にも徐々に変化が現れて来るが、新と光、光と虎治という、母として、妻として、それぞれの役割を果たしながら懸命に生きる光に、同じ女性としてエールを送り続けながら、半面切なさも感じた。その意味がタイトル『かんむり』に繋がるところ・・・
    ここはきっと作者が、直に感じ取って欲しい所だと思う。

    物語の構成は、時系列でなく、光の回想により、色んな年代の色んな場面にワープする。主人公の光目線という軸がブレないからこそ出来る展開で、それもまた意外性があって楽しめた。
    普段生活している中でも
    こんな事あったなぁ、
    あれこの感覚何だっけなぁ、
    と過去に思考を飛ばすことは誰しもあると思う。
    朧げな記憶を手繰り寄せ、その輪郭がハッキリして行く展開が幾度となく繰り返される構成は、一人の女性の生涯に濃く深く引き寄せられるものだった。

    夫婦だけにフォーカスした物語だと思っていたので、そこはいい意味で裏切られた。
    希望を感じられるラストだったので、読後感も爽快で穏やかな余韻に浸ることができた。年齢をある程度重ねた方のほうが、より味わい深く楽しめる作品だと思う。

  • かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに今は、、
    夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。
    こんなはずじゃなかった、正解がわからない、何もわからない。
    「私のかんむりはどこにあるのか」
    ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

    中学の同級生だった虎治と光の、出会いから別れまでを描いたお話。

    とてもリアルな感じがしたな〜。
    初めは同じ思いだったはずなのに、子育てや仕事をするなか、考え方の違いを感じ嫌悪感を抱いてしまう。
    多かれ少なかれどんな夫婦にもあるんじゃないかな。

    1番の理解者だと思ってた相手との、時を経て変わっていく関係性。
    読んでいると少し寂しい気持ちになってしまった。
    満たされていないと、選ばなかった別の人生がきらきら輝いて見えるってよく分かる。
    自分のかんむりはどこにあるのかと思う気持ちも。

    別の人間であると認めて、それでも一緒に生きていくのか。
    そうだとしたら、それこそ愛なんだろうなと思う。
    水が弾けるとかんむりが出来る。
    あの人を連れて、のラスト、泣けてしまった〜。

  • かんむり|彩瀬まる - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/series/crown

    Keiko KONISHI | tumblr
    https://keikokonishi.tumblr.com/

    かんむり | 株式会社 幻冬舎
    https://www.gentosha.co.jp/book/b14571.html

  •  光と虎治は、中学の同級生として知り合い、その後結婚、新という名の息子も産まれ、子が自立し、別れるまでを描いている。

    彩瀬まるさんの本は何冊か読んでいるけれど、今までにないトーンの一冊でした。性描写も多く、時系列も小刻みに行ったり来たりするので、少し鬱々となりながら読みました。

    登場人物の誰も好きになれないながらも、夫婦が年齢や状況でその関係性を変えていく様が興味深く、そして感慨深かった。

    私には夫がいないので、あまり自分とは結びつかなったけれど、それでも、夫や妻という他人と一生添い遂げることの、しんどい面と素敵な面を感じとりました。

    心に色々とお互い負の感情も溜め込んで、心を開けない部分も持ちながらずっと一緒にいるって、私にはハードすぎて耐えられないかも。でも、恋愛云々でなく生活となれば、諦めが心の多くを占め、それなりに続けていけるものなんだろうか?…想像するしかないので、よくわからない。

    心に残った文
    ○大人として生きていくのは、誰だって苦しいよ。新はまだ、誰かのせいだって思える年齢なんだ。でもそれも永遠じゃない。

    一番好きだった場面。
    ○お母さんと新は保育園の帰りにしりとりをする。「アイス」「すいか」「かっぱ」パ・パ…とお母さんが考えていると、「ママ、パイナップルって言ってもいいよ」「ありがとう。じゃぁパイナップル」

    「パイナップルって言ってもいいよ」って可愛すぎます。新君にキュンキュンになっていたのに、成長して淡々と親を責める言葉を投げつけるようになったのはショックだった。現実はそんなものなのだろうか…。私にも息子がいるけれど、こんな時が来るのなら何を励みに育てていけばいいのかわからなくなりました。

    それでも夫婦愛は美しく尊く、やはり添い遂げたいと思える人は、きっと結婚生活が上手くいくんでしょうね。私には厳しいかな。色々と考えさせられる、ずっしりと心に重くのしかかる一冊でした。

  • 中3から70歳くらいまでの人生を描いた作品。
    時系列が前後するが、違和感なく読みやすかった。
    どうしようもない現実に翻弄される主人公に、はらはらしながら、自分の今までの人生を重ね合わせて苦笑した。
    光さんは真剣に選択しながら、日々すごして…

    女性が仕事を極めるのは大変だと、改めて思った。

  • 中学時代に出会った、光と虎治。結婚し息子が生まれ、時を重ねていく夫婦。年を経るほどに変わっていく心と体。仕事や育児に翻弄され、軋んでいく夫婦関係。
    生と性に正面から真摯に向き合い、それぞれの世代で私たちがスルーしがちな、ジェンダーの違和感を浮かび上がらせる。ぶつかり合うことが面倒で、すっきりしないままに飲み込んだことの何と多いことか。いつも彩瀬作品を読むと、そんなかさぶたを剥がされるような気持ちになるのだけど、それは必要な痛みなのだとその都度思い知らされる。
    女性が背負わされる理不尽さのみならず、マチズモの弊害についても触れており、「~らしさ」から脱却できそうでできないもどかしさ。そして、光がとあるチャンスを逃したことから抱えてしまう淀んだ感情。その吐き出し方にはちょっと引いてしまうけど、ままならなさからどうしようもなく黒い気持ちになってしまうこと、生きていればあるよなぁ…。
    様々なテーマを内包し、コロナ禍~その先まで描いており、色々と試みているなと読みながら感じた。光はアパレル会社勤務だが、彩瀬作品にはデザイナーなど服飾に携わる人物がよく登場し、洋服を扱う場面がとても好きなのだ。衣食住描写が生き生きとしている作品は好ましいな。
    そして、彩瀬さん独特の、生々しい触感の描写。体のコミュニケーションについても今回はすごく考えさせられた。自分の体をどう捉えるかについても。そして、自分の「かんむり」を見つけたい。

  • 読書備忘録755号。
    ★★★。

    かんむり。う~ん。かんむりって何か褒められたり達成したりして他人に認められた時に頭に載せるもの?
    結局それは形のないものであって、自分がこれで良いんだ!と心から思えた時に、他人の頭の上に載っていると思い込んでいるかんむりも消えるんだと思います。

    光と虎治。幼馴染みで結婚した二人は自ら納得するかんむりを得ることはできたのだろうか・・・。

    光はアパレルメーカーの店舗販売員。虎治は老舗時計メーカーの社員。
    育った家庭も環境も違う二人の価値観は・・・、やはり違う。授かった息子の新の子育ての考え方でもずれる。
    それでも二人は愛し合っていた。
    身体を重ねれば、なんとなく明日に向かうことが出来た・・・。

    そして二人を襲う大きな転機が訪れる。多分コロナ禍。二人は40歳。
    虎治の会社は立ち行かなくなる。虎治のリストラ。
    光も店舗規模縮小の中で、お世話になった店長から新しい会社の立ち上げるから店長待遇で来ないかと誘いを受ける。結局、夫の収入減の不安から、今の会社にしがみ付く道を選んだ光。誘いは危ないギャンブルと判断した訳ですね。
    一方の虎治。男は、夫は、一家の大黒柱として強くあらねばならない。弱いと負ける。という固定観念に囚われた虎治は精神的に不安定となり、転職を繰り返す。
    光はそんな虎治に負担を掛けまいと、育児に仕事に奮闘する。

    そして二人はどうにかこうにか50代に。ひとまず虎治の転職も落ち着き、息子はいよいよ独立。一見無事子育てを終え、これからは二人で楽しく、という構図だが、光は自分のかんむりがなんなのか苦しむ。
    店長待遇で誘ってくれた元上司のブランドが大成功の成長をしている現実から、選ばなかった道が正解だったと無意識に感じてしまう。その道にはかんむりがあったのではと。正解の道を無かったことにするために、そのブランドに悪意の書き込みを続ける光・・・。
    そして、そもそもその原因を作ったのは虎治だと無意識に恨む・・・。
    でも二人は愛し合う。

    そして二人は70歳に。虎治は病でこの世を去る。
    光は振り返る。どうしようも無いくらい別の個体であった二人。それでも愛さずにはいられなかった二人。その時々で後悔する二人だっと。

    だから?と読後に思ってしまう。
    光の物語の逆側に虎治の物語があり、どう光との一生を思っていたのかと考えてしまう。

    フィクション小説でありながら、どこにでもあるリアル。やっぱりフィクション小説はサスペンス、冒険、スリラー、SFとか現実逃避感が強い方が良いなぁと感じる。

    • ほくほくあーちゃんさん
      私、彩瀬まるさんの作品で、「これが好きだー!!」って思える作品に、まだ出会えてないんですよねー…。
      これ読んだら、好きになるかなー…。
      んー...
      私、彩瀬まるさんの作品で、「これが好きだー!!」って思える作品に、まだ出会えてないんですよねー…。
      これ読んだら、好きになるかなー…。
      んー、ならないかも…って思っちゃいましたー(-_-;)
      個人的に小説でコロナ禍の状況の話って好きじゃないんですよねー。
      なんか、せめて小説の中では、コロナがないあの時の時代を生きていたいと思ってしまうんです。
      でも、この作品、いつか読むんだろうなー笑
      2023/08/10
    • shintak5555さん
      彩瀬さんの作品でこれっていうのに出会ってない!
      全く一緒です!ホントにそうですね。
      現実逃避したいのに物語が現実なんです。笑笑
      彩瀬さんの作品でこれっていうのに出会ってない!
      全く一緒です!ホントにそうですね。
      現実逃避したいのに物語が現実なんです。笑笑
      2023/08/11
    • ほくほくあーちゃんさん
      「物語が現実」!!
      まさにそうなんです!!
      わぁー、私の語彙力のなさをキレイにshintak5555さんがカバーしてくれましたー!!
      はぁー...
      「物語が現実」!!
      まさにそうなんです!!
      わぁー、私の語彙力のなさをキレイにshintak5555さんがカバーしてくれましたー!!
      はぁー、スッキリー笑
      2023/08/11
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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

彩瀬まるの作品

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