パライソのどん底

  • 幻冬舎
3.33
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本棚登録 : 309
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784344040823

作品紹介・あらすじ

男の首筋に浮き出す血管を数えたことも、くっきりとした白い喉仏に噛みつきたいと思ったこともなかった。“美しすぎる彼”に出会うまでは――。 それぞれの“欲望”と、それぞれの“絶望”が絡まり合い、衝撃の結末へ。「アレに魅入られると、死にますよ」――ここは楽園?それとも地獄?“絶対に口にしてはいけない禁忌”を抱えた村に、転校生・高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが、他の誰も、彼に近づこうとしない。そして、律だけに訪れる、死にたいほどの快楽……。ある日、律の家の玄関が、狂い咲きした花で埋め尽くされる。”花の意味”を知る、神社の“忌子”の口から出た言葉とは!?止まらぬ愛と欲望は、はてしない絶望と恐怖の始まりだった――!この村で、住民がひた隠しにする「伝承(ひみつ)」とは?俺の心と体を支配し、おかしくした、「存在(アレ)」の正体とは?切なさも怖さも底無しの、 BL系ホラー!

感想・レビュー・書評

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  • 民俗学的ホラーとBLをまぜまぜしてできた作品って感じでした。
    面白くないわけじゃないし、するするーっと読めるので良かったのですがどこか物足りず。
    あと作品の都合上、登場人物や時系列が入り乱れておばかには少々読みづらかったです笑。
    ホラーよりかはBLが好きな人の方が楽しめるかも。
    ラストは不穏で、このあとどうなっちゃったの?と気になる終わり方でした。
    漫画サマータイムレンダのバッドエンド?みたいなイメージというか雰囲気がありました。(サマータイムレンダはBL要素ないです)

  • もしかして、実は純文が書きたかったのか…?阿部公房みたいな…シュールレアリスムを目指してる感じ…?
    読後感ももはや限りなく透明に近いブルーが一番近い気がするし…

    エラい目にあったぜ…
    詳しいレビューは明日…

    ******

    夜が明けたので追加でレビューを書くぜ…

    ワイはしがないホラー小説好きだ。
    今回はデビュー作「ほねがらみ」が面白かった芦花公園てんてーの本「パライソのどん底」を読むべく、図書館の予約順位が上がっていくのをワクワクしながら待っていたんだ…

    しかもこの小説は「ホラー×BL」という異色のテーマらしいじゃないか!ホラー好きである一方で腐女子でもあるワイは大興奮、じっくり読み倒すぞと意気込んでいた…

    先日、とうとう図書館の順番が来たので感無量で表紙を開いた…

    ところで、私が想像していた「ホラー×BL」は「光の死んだ夏」みたいな、「どこかどんより暗くて、それでいて少年/青年同士の湿っぽい、ダークな関係を中心に怪異の謎が解き明かされていく」だったので、「ンア〜^ ^ それだけお互いが大事なのね^^ でもそれ以上は…イケマセンねェ〜^^」と合いの手を入れながら読むつもりだったのだが…
    この小説はそんな私を嘲笑うように、冒頭から思いっきり「アカン」シーンから始まった。
    予想の100倍くらいスピードをかっ飛ばしてるBL具合に私は目ん玉が飛び出そうになったが、1ページ目から私は「これはホラー小説ではなくBL小説なんだな」と納得して読むことにした。実際はBL小説ですらなく、安部公房だったわけだが…

    中盤までは割とセオリーどおりというか、王道に進んだ。「これって実は怪異?謎の巫女…いや、巫女なのか…?狂っているのは世界か?俺か?」みたいなやつね。
    怪異のなりたちも突拍子がないとかではなくて、わりと無難な経緯ではある。
    ただ、
    「怪異のなりたち〜主人公の登場まで」の過去譚が、とにかく複雑で…
    まず、BLとかいう枠を超えて、LGBTのL以外GBT全てが登場し、しかもキャラクターたちがこの属性のあいだを行き来したりする。何を言ってるのか分からないと思うが俺もよくわからない。
    具体的には「Tだったが今はTだと思われていない、Bだったはずが今はたぶんG、Bになりかけてるストレート」みたいなのがひたすら出てくる。この時点ですでに頭から湯気が出そうな人もいると思うが…
    そんな人に追い討ちをかけるのが、各キャラクター同士の群像劇。

    ホラー小説なので当然、怪異に関係するキャラクターたちを取り巻く群像劇があるわけだが、セクシャルマイノリティと超常現象の二つの要素を含んでいるせいで、状況が超ややこしくなり、読者としてはついていくのに必死。
    「えーと、この人は女なのに男の体に生まれたせいで過去にはこの人と恋人関係で、でもある時点で女になったから、いや正確には女になったわけではないみたいだけど、とにかく社会的に女に切り替わるタイミングがあって、今はそれからおそらく100年以上経ってて、主人公と接触したのは…えっと…」となってるうちに頭がパーン!
    ミステリーのギミックが難しいからとかじゃなくて、キャラクターの属性情報が渋滞してるせいで頭がパンクしたのは人生で初めてです。

    中盤〜終盤は、とにかく現実離れした描写が続く。「卵は俺…俺は卵…青く美しい湖…胴をかじられた魚…窪んだ胸…赤い珠…」みたいなフレーズがひたすら出てくる。このあたりからもはやBL小説ですらなく、現実世界が消え心象風景だけで構成されるような、シュールレアリスム文学?のような雰囲気。
    あとはひたすら、ラストに向かって読み続けるだけでしたね。

    「ホラー×BL!!」と思ってワクワクしていた昨日の夕方が、今となっては懐かしい。
    ホラーとしては全く怖くないのに(そういう意味ではホラー苦手な人にもおすすめ)、別の意味で恐ろしい目に遭う読書体験でした。

    高評価はつけないけど、これだけ長文で語ることがあったんだから、何かしら動かされるものがあったんだと思うことにする。


  • BLホラー。

    決して逃れることのできないループの中で、
    美しくて悍ましい生き物に苛まれ続ける 
    至福と絶望の物語。

  • 文庫の聖者の落角 が深い話だったので期待したのだが、
    人魚伝説の様な魔物の話

  • 作者読み。
    美しい同性愛の話。

    佐々木事務所シリーズを読んでいて、この作者は圧倒的に美しい人が好きなのだと思っていたが、それが極まれりという印象。

    ラノベというか、乙女小説というか、だんだんBL度が増してきていて、結局この作者もカクヨムで連載するくらいだし、そっち系の人なのね、という残念感。

    BLは嫌いではないが、この作者にBLを求めているわけではないので、いずれ読むのをやめることになるかもしれない。

    ✍追記
    美しい=男(に限る)なのは、作者の偏った趣味ですか?

  • 美少年とホラー(?)って合うね。儚げなイメージが得体のしれないものに結びつきやすいのかな。
    途中に古文書? が出てきた時にやっと「人魚だ! 人魚の森だ!」ってなった。美味しいものだ〜〜!
    この作品を読んで初めて「うまい」「おいしい」に気持ち悪い響きがあるんだな〜って思った。素敵な発見だった。楽しい。
    主人公がリバいけるのも良かった。
    登場人物は巫女の妹しか好きじゃなかった。
    後はイライラする人物ばかりだった。悪い意味で自分勝手だったな……ま、個性強くないとホラーで生き残れない(?)からね!!

    私、最後の終わり方、最高に好き!!
    目に見えて幸せモード出してきたからね。やっぱりこうじゃないと!

  • BL系ホラーというところに興味を引かれて読んでみたが、微妙かな。BL設定が表面的というか、特にその要素がなくても勝負できるであろうに何故って思ってしまった。担当者から「BL設定いれてみたらそっちからも食いつきあるんじゃないすかね?」「じゃ試験的にやってみますか」みたいな感じでこうなったのかなあと勘ぐってしまった。ホラーに関しては、村人が何度も若返ったりしているせいか、途中から何がなんだかわからなくなってきて、考えることを少し放棄してしまい文章をただ目で追うだけで読んでしまった部分もあった。私には合わず…。

  • 人魚伝説ホラー
    もう一回り訳分からなくていい

  • 東京から両親と共にド田舎に引越してきた相馬律。
    田舎に馴染めないまま
    高校一年の秋に高遠瑠樺が転校してきた。
    律は瑠樺の美しさに目を奪われ…ここから始まる物語。
    転校生に魅入られた律。
    律が田舎に引っ越しした本当の理由と瑠樺の正体。
    神社のイミコの役割。
    巡り巡ってそうなるのねって感じの
    人〇伝説に絡めたスケールの大きいホラーで
    確かにBL系ホラー。
    読み応えたっぷりで
    芦花さんの作品だけあってそう簡単に話は終わらない、
    親の因果が子に報いみたいな…
    絡め取られ
    囚われて行きついた先にあるものは…
    ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
    みたいな怖い話で面白かった

  • 最後は驚いた。少し難しめ

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著者プロフィール

東京都生まれ。2020年、カクヨムにて発表した中編「ほねがらみ‐某所怪談レポートー」がTwitterで話題となり、書籍化決定。21年、同作を改題した『ほねがらみ』でデビュー。古今東西のホラー映画・ホラー小説を偏愛する。

「2023年 『聖者の落角』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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