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- / ISBN・EAN: 9784344040823
作品紹介・あらすじ
男の首筋に浮き出す血管を数えたことも、くっきりとした白い喉仏に噛みつきたいと思ったこともなかった。“美しすぎる彼”に出会うまでは――。 それぞれの“欲望”と、それぞれの“絶望”が絡まり合い、衝撃の結末へ。「アレに魅入られると、死にますよ」――ここは楽園?それとも地獄?“絶対に口にしてはいけない禁忌”を抱えた村に、転校生・高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが、他の誰も、彼に近づこうとしない。そして、律だけに訪れる、死にたいほどの快楽……。ある日、律の家の玄関が、狂い咲きした花で埋め尽くされる。”花の意味”を知る、神社の“忌子”の口から出た言葉とは!?止まらぬ愛と欲望は、はてしない絶望と恐怖の始まりだった――!この村で、住民がひた隠しにする「伝承(ひみつ)」とは?俺の心と体を支配し、おかしくした、「存在(アレ)」の正体とは?切なさも怖さも底無しの、 BL系ホラー!
感想・レビュー・書評
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民俗学的ホラーとBLをまぜまぜしてできた作品って感じでした。
面白くないわけじゃないし、するするーっと読めるので良かったのですがどこか物足りず。
あと作品の都合上、登場人物や時系列が入り乱れておばかには少々読みづらかったです笑。
ホラーよりかはBLが好きな人の方が楽しめるかも。
ラストは不穏で、このあとどうなっちゃったの?と気になる終わり方でした。
漫画サマータイムレンダのバッドエンド?みたいなイメージというか雰囲気がありました。(サマータイムレンダはBL要素ないです)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もしかして、実は純文が書きたかったのか…?阿部公房みたいな…シュールレアリスムを目指してる感じ…?
読後感ももはや限りなく透明に近いブルーが一番近い気がするし…
エラい目にあったぜ…
詳しいレビューは明日…
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夜が明けたので追加でレビューを書くぜ…
ワイはしがないホラー小説好きだ。
今回はデビュー作「ほねがらみ」が面白かった芦花公園てんてーの本「パライソのどん底」を読むべく、図書館の予約順位が上がっていくのをワクワクしながら待っていたんだ…
しかもこの小説は「ホラー×BL」という異色のテーマらしいじゃないか!ホラー好きである一方で腐女子でもあるワイは大興奮、じっくり読み倒すぞと意気込んでいた…
先日、とうとう図書館の順番が来たので感無量で表紙を開いた…
ところで、私が想像していた「ホラー×BL」は「光の死んだ夏」みたいな、「どこかどんより暗くて、それでいて少年/青年同士の湿っぽい、ダークな関係を中心に怪異の謎が解き明かされていく」だったので、「ンア〜^ ^ それだけお互いが大事なのね^^ でもそれ以上は…イケマセンねェ〜^^」と合いの手を入れながら読むつもりだったのだが…
この小説はそんな私を嘲笑うように、冒頭から思いっきり「アカン」シーンから始まった。
予想の100倍くらいスピードをかっ飛ばしてるBL具合に私は目ん玉が飛び出そうになったが、1ページ目から私は「これはホラー小説ではなくBL小説なんだな」と納得して読むことにした。実際はBL小説ですらなく、安部公房だったわけだが…
中盤までは割とセオリーどおりというか、王道に進んだ。「これって実は怪異?謎の巫女…いや、巫女なのか…?狂っているのは世界か?俺か?」みたいなやつね。
怪異のなりたちも突拍子がないとかではなくて、わりと無難な経緯ではある。
ただ、
「怪異のなりたち〜主人公の登場まで」の過去譚が、とにかく複雑で…
まず、BLとかいう枠を超えて、LGBTのL以外GBT全てが登場し、しかもキャラクターたちがこの属性のあいだを行き来したりする。何を言ってるのか分からないと思うが俺もよくわからない。
具体的には「Tだったが今はTだと思われていない、Bだったはずが今はたぶんG、Bになりかけてるストレート」みたいなのがひたすら出てくる。この時点ですでに頭から湯気が出そうな人もいると思うが…
そんな人に追い討ちをかけるのが、各キャラクター同士の群像劇。
ホラー小説なので当然、怪異に関係するキャラクターたちを取り巻く群像劇があるわけだが、セクシャルマイノリティと超常現象の二つの要素を含んでいるせいで、状況が超ややこしくなり、読者としてはついていくのに必死。
「えーと、この人は女なのに男の体に生まれたせいで過去にはこの人と恋人関係で、でもある時点で女になったから、いや正確には女になったわけではないみたいだけど、とにかく社会的に女に切り替わるタイミングがあって、今はそれからおそらく100年以上経ってて、主人公と接触したのは…えっと…」となってるうちに頭がパーン!
ミステリーのギミックが難しいからとかじゃなくて、キャラクターの属性情報が渋滞してるせいで頭がパンクしたのは人生で初めてです。
中盤〜終盤は、とにかく現実離れした描写が続く。「卵は俺…俺は卵…青く美しい湖…胴をかじられた魚…窪んだ胸…赤い珠…」みたいなフレーズがひたすら出てくる。このあたりからもはやBL小説ですらなく、現実世界が消え心象風景だけで構成されるような、シュールレアリスム文学?のような雰囲気。
あとはひたすら、ラストに向かって読み続けるだけでしたね。
「ホラー×BL!!」と思ってワクワクしていた昨日の夕方が、今となっては懐かしい。
ホラーとしては全く怖くないのに(そういう意味ではホラー苦手な人にもおすすめ)、別の意味で恐ろしい目に遭う読書体験でした。
高評価はつけないけど、これだけ長文で語ることがあったんだから、何かしら動かされるものがあったんだと思うことにする。
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※
BLホラー。
決して逃れることのできないループの中で、
美しくて悍ましい生き物に苛まれ続ける
至福と絶望の物語。 -
BL系ホラーというところに興味を引かれて読んでみたが、微妙かな。BL設定が表面的というか、特にその要素がなくても勝負できるであろうに何故って思ってしまった。担当者から「BL設定いれてみたらそっちからも食いつきあるんじゃないすかね?」「じゃ試験的にやってみますか」みたいな感じでこうなったのかなあと勘ぐってしまった。ホラーに関しては、村人が何度も若返ったりしているせいか、途中から何がなんだかわからなくなってきて、考えることを少し放棄してしまい文章をただ目で追うだけで読んでしまった部分もあった。私には合わず…。
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人魚伝説ホラー
もう一回り訳分からなくていい -
最後は驚いた。少し難しめ
著者プロフィール
芦花公園の作品





