ユーチューバー

  • 幻冬舎 (2023年3月29日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344041028

作品紹介・あらすじ

20代半ばにしてデビューをした作家・矢﨑健介、70歳になった。

「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、矢﨑をユーチューブに誘う。



承諾した矢﨑が語り出したのは、自由である人間について。自由な人間は滅多にいないのだと言った。

自由であるということは、唯一の希望を生む。



矢﨑は、これまで付き合った女性について話したいと言う。約半世紀の間に、登場しては、消えていった女性たち。思い出して、涙を見せながら、語られる女性たちとの思い出。



それは、今考えると、生命の源泉だった。



亡くなった女性も、行方不明の女性もいた。彼女たちとの付き合いが、作品を生みだし、矢﨑健介という男を作っていたのだ。



待望の傑作連作小説

感想・レビュー・書評

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  • 村上さんです

    春樹さんではないです

    龍さんの方です

    村上龍さんの作品を読むのはかなり久しぶり
    ここ数年読んだ記憶はないです
    っていうか村上龍さんの作品自体あまり読んだことがないかも…

    読んだ記憶がある作品は『限りなく透明に近いブルー』『69(あっ、これは数年前に読んだかも)』あとは『トパーズ』は読んだのかな…
    ただ、どの作品も内容は覚えていませんw


    で、今回は本作『ユーチューバー』です

    「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、七十歳になろうとしている有名作家・矢﨑をユーチューブに誘う

    そこで、矢崎は女性論について語ります
    女性論というかこれまで付き合った女性についての話
    矢崎はモテたんでしょうね
    約半世紀の間に登場しては、消えていった女性たちがたくさんいます

    けどね、なんだろ〜??



    ・・・。



    ごめんなさい…、面白くなかったですwww

    • mihiroさん
      1Qさ〜ん、おはようございます(^-^)/
      わあ〜、なんか分かるかも、、笑笑
      私も「限りなく透明に近いブルー」を以前に読みましたがちょっと合...
      1Qさ〜ん、おはようございます(^-^)/
      わあ〜、なんか分かるかも、、笑笑
      私も「限りなく透明に近いブルー」を以前に読みましたがちょっと合わなくて〜(^_^;)
      龍も春樹も私には難易度高い〜〜〜
      それでも3冊も読まれてるなんてすごい!
      2023/09/09
    • mihiroさん
      あ、4冊目だ〜!(⊙ꇴ⊙)
      あ、4冊目だ〜!(⊙ꇴ⊙)
      2023/09/09
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん、3冊、4冊読んでも記憶に残っていないならダメですね(^.^;
      5冊目は読むのかなぁ〜w
      mihiroさーん、3冊、4冊読んでも記憶に残っていないならダメですね(^.^;
      5冊目は読むのかなぁ〜w
      2023/09/09
  • YouTubeで語っているのは、数々の文学賞を受賞した大物ベテラン作家の矢﨑健介。
    彼のこれまでの女性遍歴を、淡々と語っていくのだが、そこには、様々な女性たちがいた。
    「コインロッカーベイビーズ」、「限りなく透明に近いブルー」に匹敵するほどの衝撃を受けました。私も何か語れる事がいっぱいあれば、ユーチューブに投稿してみたいなと感じました。
    老いてもなお作品が色褪せない、村上龍節に注目したいです。

  • 初めて読みました。村上龍さんの本
    3時間程で読むことができたので星5つにしました。延々と長い作品だったら最後まで読めなかったと思う(本書にでてくる矢崎の指摘した視聴率の伸びなかった理由に重なる)
    矢崎健介イコール村上龍?私の勝手な想像「女性論」ゴシップ好きな世の人々の受けは良いのでは
    ^ ^。
    お酒を飲みながら慌ただしく過ぎ去った時代をゆっくり振り返る時間、画像を通してタイムスリップできる 読了後、しみじみと年をとり年月が経った事を実感。

  • この小説の主な登場人物は3人。人気作家の矢崎健介、その恋人、そして同族会社であったお茶の会社の執行役員を退任したアラフォー男。
    小説の構成としては、4つの短編の連作となっている。本書の題名になっている「ユーチューバー」は書下ろしであるが、残りの3編は、2021年に文芸雑誌「文學界」「新潮」「文藝」にそれぞれ掲載されたもの。一番新しい時期を舞台にした「ユーチューバー」を4編の中での最初に持ってきており、残りの3編は、時間的には「ユーチューバー」よりも「以前に」起こったことであり、一部、時間的な順番が倒錯している。最初の2篇の語り手はアラフォー男、3篇目の語り手は矢崎の恋人、4篇目は矢崎が語り手だ。
    人気作家の矢崎健介は、村上龍自身がモデルだ。矢崎健介は70歳であり、村上龍は1952年2月生まれで、本書発行時点で71歳。矢崎健介は若い頃に書いた最初の小説で、文学賞を得ており、村上龍は、衝撃的なデビュー作「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を受賞している。

    本書の1篇目「ユーチューバー」で、矢崎はアラフォー男が企画したユーチューブの番組に出演し、自身の女性遍歴を語る。住んでいた場所や文学賞を得たこと等の女性遍歴の背景となっていることが、村上龍のそれと重なるので、矢崎の女性遍歴の内容も、村上龍のそれをベースにしているのではないか、と読者は思わされてしまう。
    4篇目の「ユーチューブ」で、語り手の矢崎は、ユーチューブで見る若い頃の映画、あるいは、若い頃に聴いた音楽等を語る。そして、次のような昔語りを行う。
    【引用】
    それは、時間だった。すでに流れた時間だ。取り戻すことはできない。わたしとも重なる。わたしは六十代の後半で、もう七十歳に手が届く。文章を書く人間としてデビューしたのは早かった。二十四歳だった。そこから時間が流れている。多くの作品を書いたが、それは関係がない。作品は墓標というか墓石のようなものだ。今も時間が流れている。マーロン・ブランドの時間は止まってしまった。わたしの時間も止まるときが来る。
    【引用終わり】

    そして4篇目の最後で、矢崎は若い頃に見た、そして、今もユーチューブで繰り返し見ている「にがい米」というイタリア映画に出演していた、当時十八歳のシルヴァーナ・マンガーノという女優が、その映画の中でいかに溌剌としていたかを飽きずに語る。そして、「飽きることはない。生命力に飽きる人はいない。」という文章で、小説の全体を締めくくっている。

    ブグログには、私が誰の作品を多く登録しているかを示す機能がある。実は私がブグログに一番多く登録しているのは、この村上龍の作品であり、この「ユーチューバー」が、ちょうど60冊目の登録になる。
    村上龍は、実験的に新しい小説を沢山書いてきた作家だと思う。デビュー作の「限りなく透明に近いブルー」から始まり、「コインロッカー・ベイビーズ」「愛と幻想のファシズム」「希望の国のエクソダス」「半島を出よ」等は、それまで読んだことのない小説を体験させてくれる作品だったと思う。また現実世界に対しての鋭い批評ともなっていた「すべての男は消耗品である」や、経済・経営への強い関心と深い洞察を示す「カンブリア宮殿」での司会、テレビということで言えば、「Ryu's Bar」等、とてもフレッシュでパワフルな活動を続けてきた人だった。

    本作「ユーチューバー」を読んで、そんな村上龍にも、昔を振り返る時が、すなわち、いよいよ最晩年の時がやってきたのかという寂しさと感慨を得た。

  • 全4章立て。1章目は売れないユーチューバーで自称「世界一モテない男」が人気作家と知り合い、作家にYouTubeの出演依頼をする。作家はYouTubeの企画として自身の女性遍歴を語っていく。セリフ主体で年を重ねた方が記憶の欠片をひとつひとつ思い出しながら語っていく様子が表現されており、「次の章以降はどうなるのだろうか?」と思わされたが。。

    2、3、4章はそれぞれ登場人物の視点が変わって展開していくが、特に盛り上りやトリック等も無く、自分には本書のテーマやメッセージがわからなかった。。自由や愛や希望などなのだろうか。。作中に往年の映画作品や俳優、アーティスト、楽曲、有名人などの固有名詞が出てきており刺さる人には刺さるのだろう。

    よくわからん。

  • ホテルを舞台とした4編の群像劇。
    老作家は村上さんご自身を模しているのかな。
    それぞれのユーチューブの捉え方があっておもしろい。

  • 「ユーチューバー」(村上 龍)を読んだ。
    
村上龍作品を読むのは実に11年ぶりだぞ。
これまでに(たぶん)長編7冊、短編集2冊は読んでいるんだと思うのだが、そのほとんどの内容を覚えていない。
なんかすごくないか?
読んでいる時は面白いと思って読んでいるのにね。
だいたい一回しか読まないんだよ。(村上春樹作品は大抵複数回読むのに)
    
おそらく龍氏の作品は吹き荒ぶ強風みたいで心に留まらないんだな。
    
で、今回の「ユーチューバー」だ。
なんだろうね、これ。
    
吹き荒ぶ強風が止んで完全に凪いでしまっているよ。
    
「ユーチューバー」という中編と、「ホテル・サブスクリプション」「ディスカバリー」「ユーチューブ」の三つの短編で構成されている。登場人物はほぼ被っているので一つの作品と言えなくもないか。
個人的には「ディスカバリー」と「ユーチューブ」が好きだな。
    
薄い本なのですぐに読み終えてしまう。
    
矢崎健介と思われる人物の登場する村上龍作品は過去に読んでないと思うのでよくわからないのだけれど、彼は村上龍本人がモデルということになっているのかな?

  • 連作短編集。
    とはいえ、書かれた順は前後しているようだ。

    海外翻訳本のような佇まい。
    コロナ禍の空白の中、夢のあと先を語っているような。

  • 他の方の感想を読んで思ったが、この本で作者のことを評価?(できる立場ではないが)どーこーいうのは違うのかな、と思った。

    とりあえずあまり面白くない。
    女と酒とセックスと…
    ザ、昭和。 だからなんだ?と、かえって時代を彷彿させて化石化した頃には新鮮になるのだろうか?
    そして小説なんだか、私小説なんだか?
    YouTuberになる、という世界一モテない男と作家のなりとりが短編だが連なっている。
    女性遍歴をダラダラ話す。うーん、オチもなく、なんだったんだ?という感じ。

  • 村上龍の新作小説。
    村上龍の小説は『限りなく透明に近いブルー』をかなり前に読んだ以来だった。

    四つの短編に分かれており、どれもが初老の大物作家・矢崎を中心に展開される。

    本作の表題にもなっている『ユーチューバー』では、矢崎が知り合った男の頼みに応える形でユーチューブに出演し、若い頃に関係をもった女の話をするという内容。
    矢崎の淡々とした語り口によって、彼の生き様が浮き彫りになる構成が面白かった。

    本書の中で語られるように、矢崎は「自由」な男だ。
    彼には中長期的なビジョンがなく、上下関係にも縛られない。
    矢崎が過去に女性から言われた「あなたは用事がない人なのね」という表現が面白いと思った。まさに、彼にはto doがない。タスクがない。だから自由で居られるのだ。

    矢崎=村上龍なのかと思って、少し調べてみたが分からなかった。「勝手に想像してね」ということだろう。個人的には、違う気がする。

    「YouTube」という村上龍とは対照的な題材を取り入れているところが気になって本書を購入したが、あまり面白くなかった。特に後半二つはつまらなさすぎて流し読みしてしまった。
    とはいえ、「今や老人のものになったユーチューブ」と「YouTuberよりも遥かに自由な初老の大物作家」という掛け合わせは良い題材だし、面白かった。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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