白い巨塔が真っ黒だった件

  • 幻冬舎 (2023年7月20日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344041325

作品紹介・あらすじ

患者さんは置き去りで、俺様ファースト⁉ この病院は、悪意の沼です!現役大学病院教授が、医局の裏側を赤裸々に書いた、“ほぼほぼ実話⁉”の教授選奮闘物語。古狸が居心地のいい世界に、明るい未来はない。僕は必ず、新しいカタチの医局を作る! 実績よりも派閥が重要? SNSをやる医師は嫌われる?教授選に参戦して初めて知った、大学病院のカオスな裏側。悪意の炎の中で確かに感じる、顔の見えない古参の教授陣の思惑。最先端であるべき場所で繰り返される、時代遅れの計謀、嫉妬、脚の引っ張り合い……。 「医局というチームで大きな仕事がしたい。そして患者さんに希望を」――その一心で、教授になろうと決めた皮膚科医が、“白い巨塔”の悪意に翻弄されながらも、純粋な医療への情熱を捨てず、教授選に立ち向かう!1965年に出版された『白い巨塔』の世界は、2023年になった今も残っていた!魑魅魍魎が跋扈する、時代遅れの忌まわしき世界へようこそ――。《目次》暗闇の中でサイエンスの落とし穴燃えさかる悪意黒すぎる巨塔怪文書のトリックC大学、お前もか……!?

感想・レビュー・書評

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  • 医師の大塚篤司先生の著書「白い巨塔が真っ黒だった件」読了。

    私が大塚先生を知ったのは、コロナ禍で見始めたYouTube「SNS医療のカタチ」から、だったと思う(それ以前にがん研究の数人の先生の記事は読んでいたので、その時に記事は読んでいたかもしれないけどはっきりとした認識はなかった)。
    「SNS医療のカタチ」にたどり着いたのは、Twitterでのヤンデル先生きっかけだったと思う。

    この本は、皮膚科分野で患者のために最新の研究をしていこうと思っている医師が、「研究」という分野で生き残っていくための階段である「教授」になるための挫折と陰謀について、(たぶん)いくばくかの創作を織り交ぜてのノンフィクション小説(エッセイ風味)でした。

    私がSNS医療のカタチを見ていた頃に、大塚先生は、教授戦での陰謀に悩まされている時期だったわけですね。B'zネタで場をなごませていた先生の裏側に、こんなに辛い日々があったのかと思うと、先生、お疲れ様!と声を届けたい気持ちになりました。

    私はアカデミアの世界に入ったことがないので「教授」という席の有り様を全然知りませんでした。教授ってそんなふうに決まるんだ、という新しい知見と、まぁ、有能な数人の中から1人を選ぶとなると、そこには人と人との利害関係や政治が入り込むのもわかるなぁーという世間一般の当たり前というなの諦めとかを感じながら読ませていただきました。

    小説風にとても読みやすく書かれているし、大塚先生の立ち位置もわかるし、そして、アカデミアの像もわかる。アカデミア世界に生きていない人にとっては「へー、そんな世界なんだー」という興味本位、でも、これから研究者になろうと思っている人にとっては、これから自分が辿る道の道標になる本なのではないでしょうか。

    先生を知る上でも、研究者という道を知る上でも、読みやすくていい書籍だと思いました。

  • 著者の大塚さんが大学病院の『教授』へ
    なるための奮闘記が書かれている。

    医師国家資格を取得するだけでも大変なのに、
    医師になってからの道も思うようにはいかない
    ものなのだと思った。

    医師や教授など人の蹴落とし合いが
    とてもリアルに書かれていて、
    ページをめくる手が止まりませんでした!

    支えてくれた奥さんや娘さんも
    とても素敵な人なんだと感じました。

    医師になってからも
    大変な職業なのだと改めて思った、本当に凄い。

  • 恐ろしき白い巨塔
    今度、教授どう言われる人とお会いしたら、実力でなった人か、政治力でなったか、見分けよう。

    あ、見分け方、わからないや。

  • ドキドキしながら読み進み、気がついたら最後のページでした。

    タイトルにドキリとしましたが、もともとの連載名が「新しい医局のカタチ」であったことを最後に知り、爽やかな気持ちになりました。

    自分がどこに向かっていくのか。
    誰を信じるか。
    道を、どのように歩んでいくか。

    大きな示唆を得られるお話でした。

  • 過去に大学病院で大名行列のような教授総回診を目にし、強いヒエラルキーを感じた事を思い出した。

    本作は現役の大学病院教授によるほぼノンフィクション。
    まさにホワイトでも透明でもなく、真っ黒な巨塔。

    登場する自分ファーストの医師達に自分の命を任せる事への恐怖を感じた。

    パワハラやセクハラがまかり通り、追い詰められた医師は鬱病に。
    教授選では根も葉もない噂が流され正当性とは程遠い。

    医師に対して尊敬の念を抱いていたが、彼らがしている事は学生のいじめと何ら変わらない。
    読み終えると医師や病院への見る目が確実に変化する怖い一冊。

  • 教授選というより教授戦

    こんなドロドロしたところに実を置きたくないというお医者さんは一定数いるだろうな

  • 信州大学附属図書館の所蔵はこちら→ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD03073527

  • 実績よりも派閥が重要? 
    SNSをやる医師は嫌われる?
    教授選に参戦して初めて知った、大学病院のカオスな裏側。
    悪意の炎の中で確かに感じる、顔の見えない古参の教授陣の思惑。
    最先端であるべき場所で繰り返される、時代遅れの計謀、嫉妬、脚の引っ張り合い……。
    「医局というチームで大きな仕事がしたい。そして患者さんに希望を」
    ――その一心で、教授になろうと決めた皮膚科医が、“白い巨塔”の悪意に翻弄されながらも、純粋な医療への情熱を捨てず、教授選に立ち向かう!
    (アマゾンより引用)

  • 数日で読めました!実話に近くて面白かったです。

  • 読み手の立場によって喜劇にもなり悲劇にもなりホラーにもなる、ジャンルが別れる本。
    山崎豊子さんの「白い巨塔」が出された当時も、渦中の人にとってはそれはホラーだったろう。
    それがこの本で「現在版」として味わえる。
    鴨川沿いの居酒屋あそこやーん、と京都に地の利がある人ならわかる描写多数。
    だからこそ余計リアル、私小説だと感じる。

    大塚先生が医者を続ける理由として本書の中でもエピソードがあるが、それに関しては著者の本「心にしみる皮膚の話」で詳細がある。こちらを是非手に取って読むことお勧めしたい。
    https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023318353/kkabashima-22

    教授として着任した病院ではこんな活動も
    医療情報を発信するはずなのに、出演者がほぼ大阪人。最初に必ずぼけツッコミから始まる、そしてひとりツッコミする。
    大塚先生出演回。B'zの話もでてくるか?
    近大メディカルラジオ
    https://voicy.jp/channel/1731/161497

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著者プロフィール

近畿大学医学部・大学院医学研究科皮膚科学学教室主任教授

「2022年 『アロスエルゴン Vol.2No.2 ここまで変わったアトピー性皮膚炎病態論と治療UPDATE ~新しいコンセプトに基づく治療へのアプローチ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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