- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344041714
作品紹介・あらすじ
人は皆、出会ったものでできている。
金も夢も友もない上京したての大学生・暖平。
ひょんなことから落語研究会に入ることになり、
“背負亭(しょいてい)こたつ”として高座に立つ羽目に!?
累計100万部突破の名手がおくる、
新しい自分に出会える人生応援小説。
あらすじ
大学進学を機に群馬から上京したばかりの門田暖平は一人、新品のこたつを亀の甲羅のように背負い佇んでいた。配送料が払えず自力で下宿に持ち帰ろうと思ったが、帰宅ラッシュで電車に乗り込むことができない……。
途方にくれる暖平の前に、一台のワゴンが停まる。乗っていたのは、入学式当日、構内で落語を演っていた落語研究会の部長・忽那碧だった。落研に誘われるが、金もなく、コミュニケーションにも自信がなく、四年間バイト生活をして過ごすつもりだと語る暖平。
「必要なのは扇子一本。あとは座布団さえあればどこでもできる」という碧の言葉に背中を押され、暖平の人生が大きく動き出すーー。
・「面白さ」「上手さ」は一つじゃない
・明日が来るのが楽しみになるくらい準備する
・徹底的に同じ型を踏襲し、初めて個性は爆発する
・追い詰められてはじめて、人は真価を発揮する
・どんな時も楽しむ。自分がやりたいことをやる
感想・レビュー・書評
-
今年のトリ(多分)になるであろう一冊に、本書を選択して正解! 最後を飾るに相応しかったです。
喜多川泰さんの著作は、8年ほど前に4〜5冊続けて読んでいます。「自己啓発小説の旗手」の呼称は個人的に好みませんが、若い人にほど読んでほしい作家という認識は、今も変わっていません。独特の世界観である「喜多川ワールド」は健在でした。
本書は、よりよく生きるための教訓を「落語」の物語の中に落とし込んでいるようです。
自己肯定感が低く、マイナス思考の門田暖平(そうそう、主人公いつもこんな感じ)は、大学進学で上京し、落語と落研の先輩との交流を通して、「守・破・離」の先にある「個性」に気付いていきます。読み手は、暖平を応援し成長を見守りながら、知らず知らず勇気や希望をもらっている気になります。
構成も、まくら・噺が十一席(各演目、中入りあり)・サゲと、寄席の流れにつながる工夫がなされ、楽しくスルスル読み進められました。
名言が道徳っぽく、鼻に付くという方もいるかもしれませんが、悪い人が登場せず読みやすいです。心が温まり、前向きになれること請け合い!
私も〝年寄っ亭しっぷ〟とか、笑える芸名と扇子一本でYouTubeデビューしてみようかしら‥。
ムリムリ、センスなし!(いや、扇子はあるヨ!)
つまらないオチ(泣)‥
次(来年初)の本の準備が整いましたので、今年はここら辺でご無礼します〜お後が宜しいようで〜
今年もブクログの皆様には大変お世話になりました。来年もよろしくお願い申し上げます。
皆様、良いお年を〜〜〜 -
大学進学を機に群馬から上京した門田暖平は、慣れない土地での新生活の不安もあり、新しい友達をつくるのさえ億劫に感じていた。
ひょんなきっかけで、落語研究会に入ることになった暖平が、先輩たちの話を聞くことで今までの殻を破って大きく成長していく姿を描く物語。
落語の登場人物はみんなどこか抜けてる。欠点だらけだけど、一つだけいいところが誰にでもある。
その一つだけのいいところで社会にちゃんと居場所をつくって、お互いにそれでよしとしている。何の文句もない。お互い人間だから、馬鹿なところとか、自分勝手なところとか、あるよねってのが根底にある。
自分もそのままでいいと思ってもらいたいんなら、相手もそのままでいいって思わなきゃいけないって気づいた。
予習をすることで明日が来るのが楽しみになる。
何をみるか、何を聞くか、何を感じるか、何を経験するかによって、世界に対する認識が変わる。
人と関わるのが苦手で、一人がいいって思っているけど狭い世間しか見ずに終わるより、まずは動いてみようと思える。
人と出会うことの素晴らしさを感じる物語である。
寄席に足を運んだことはないけれど、本文に少し出てくる演目にも興味を持った。
-
「運転者」、「賢者の書」同様、優しいお話でした!
大学の落研が舞台となっていて、
落語を実際に聴いてみたくなりました!
オチが綺麗でした!
-
題名の「おあとがよろしいようで」は、寄席などで 「次の演者の準備が整いましたので、私はここら辺でご無礼します」という意味。
なるほど知らなかった。
準備や予習の大切さ、個性とは何か、目から鱗が落ちるほど納得出来た。
息子が思春期や将来について悩んでるとき読んでもらいたい。
喜多川さんの作品は、なるほどーっと府に落ちる話の展開でスーッと心に沁みて、背中を優しく押してくれる感じ。
-
口コミが良く気になっていたけれど、落語と聞いて躊躇していた1冊。
が、そんな心配も吹き飛ばす!素晴らしい!!多くの方に読んでもらいたい!!! -
落語を中心に、とある大学1年生の1年間を描いた小説。主人公暖平は地元群馬から出たくて東京へ進学。人見知りで友達もできない中、ひょんなことから落研に入部。とても小所帯のサークルだが、全部員が思いやりがあり温かく、それも暖平が心を開くきっかけとなったのだろう。人との出会い、落語との出会いを通じて少しずつ前向きな考え方を身につけていく暖平は幸せだ。私は残念ながら落語に不案内だが、落語がわかる人はより一層楽しめると思う。
-
落語の噺を知っていると、もっと深く楽しめただろうなぁ。
馴染みがないこともあり、たかだか数名しか出てこない登場人物なのに、落語をする時の名前が出てくると読み進める流れが狂ったり、誰がどの名前なのか思い返しながら読んだりといった軽い混乱はあった。
自分が見ている世界が全てではないけれど、今の自分があるのは、過去に見てきたものや、これまで過ごしてきた全てがあってのことだということを改めて認識。
そしてこのラスト…ということは、もしやその後…ってなことを想像する楽しさもあった。 -
少し引っ込み思案な大学生が
落語や落研の仲間と出会い、日常を楽しむよう成長していくお話
読後感がよい
まったく落語をしらないで読みました。途中、中弛み感がありましたが、「おあとがよろしいようで」が効いていて、
やられたなぁ、とニヤニヤしてしまいました。
ほんわか優しいお話で好きでした
著者プロフィール
喜多川泰の作品






私もこの作品、図書館予約中です!
本とコさんのレビュー読んで
ますます読むのが楽しみになり...
私もこの作品、図書館予約中です!
本とコさんのレビュー読んで
ますます読むのが楽しみになりました。
こちらこそ、大変お世話になりました。
よいお年をお迎えくださいネ!
そして来年もどうぞよろしくお願いします。
大晦日のコメントうれしいです!
お互いに、来年もよき読書生活ができますように☆彡
大晦日のコメントうれしいです!
お互いに、来年もよき読書生活ができますように☆彡