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本 ・本 (324ページ) / ISBN・EAN: 9784344041899
作品紹介・あらすじ
ただ、江戸を守りたい。非力であろうと、臆病であろうと——。
二百六十年以上にわたる長き泰平の世で、江戸が初めて戦場になった日。
彰義隊は強大なる新政府軍に挑み、儚く散った。
名もなき彼らの葛藤と非業の運命を描く、号泣必至の傑作!
慶応四年。鳥羽伏見の戦いで幕府軍を破った新政府軍が江戸に迫る。多くの町人も交えて結成された彰義隊は上野寛永寺に立て篭もるが、わずか半日で最新兵器を駆使する官軍に敗北——。なぜ、名もなき彼らは、無謀な戦いの場に身を投じたのか。臆病者の旗本次男・小山勝美ら、若き彰義隊隊士の葛藤と非業の運命を情感豊かな筆致で描き出す、号泣必至の傑作!
感想・レビュー・書評
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彰義隊って知ってはいるものの、詳しいことは全く分かってなかったので、一面から描いたものではあるが興味深かった。「青天を衝け」を見てたので、渋沢成一郎や尾高惇忠に渋沢平九郎が登場して懐かしかった
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勝美はいかにも著者が描く類の主人公ではある。武家にあって、およそ立身出世の欲はなし。こと武芸は、とんと才能もなければ腕前もない。手に馴染むのは刀剣ではくて絵筆なのだ。武士としては頼りないが、好きなことには秀でており、心優しいキャラに和まされる。朝顔同心だの御薬園同心だのと、いつもならば。ただし、今回の舞台が上野戦争とあっては、そんなゆるキャラは場違いで通用しないではないか。戦争の善し悪しは置いといて、やはり情けないなあ。個として幸せな結びに描かれるも、わずか一日の戦いで流された同朋の血があまりに虚しいよ。
著者プロフィール
梶よう子の作品





