シニカケ日記

  • 幻冬舎 (2023年11月22日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784344042001

作品紹介・あらすじ

更年期だと思って不調をほったらかしてたら死にかけた!
今のあなたは元気なのではなく、ただ、今は死んでないだけかもしれない。


「シモの毛は剃っておいたほうがいい」
「気になる不調は胡麻麦茶では誤魔化せない」
「四十代は正真正銘、中年です」
「夫の携帯番号はもしもの時には覚えていないもの」
「パンティーライナーの在処を男は知らない」
「悪意は健康な人の心に宿る」
「もう会いたくない人には会わなくてもいい」
「綺麗になるなら病気だって儲けもの」ーーなど
五十路になって初めて極楽浄土の扉を叩きかけた観音さんが病気後綺麗に生まれ変わって悟った「今気づいておいてよかったこと」

感想・レビュー・書評

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  • 51歳の作者が、体調不良を更年期のせいだと思いほぼ放置していたため(着圧ソックス、更年期障害の薬、血圧の下がるお茶と対策していたが)心不全で倒れ、緊急入院やICUを経て退院。そしてその後の生活を語る。まさに『シニカケ日記』

    倒れる前の生活が、加齢に対する、生きることに対する心持ちが、他人事とは思えない。
    そして、入院中の食事についてやシャワーへの欲求、必要な物、同室の人の声などが赤裸々に書かれていて、ちょっと笑ってしまったり感心したりしたが、何より、死を身近に感じてしまった人の心の揺れが、実際に体験してしまったからこそ生まれる生々しさを感じた。
    同年代としては、気づかされることが多かった。中年である自分を大切に生きていかないと。


    『「死」は、もっとふつうで、もっと地味で、ある日突然やってくる。あなたのところにも。私のところにも。』

    『「心配」という名目で、余計なことを言ってくる人間たちに攻撃されるのは避けたかった。心身共に守るためには「元気です」と言うしかなかった。』

    『入院中は、本当に、希望しかいらない。』

    • ミユキさん
      ピザまんさん、初めまして。

      レビューを拝見して気になり読ませていただきました。
      日記のように書いていて読みやすいし、自分の身体と向き合うき...
      ピザまんさん、初めまして。

      レビューを拝見して気になり読ませていただきました。
      日記のように書いていて読みやすいし、自分の身体と向き合うきっかけにもなりました。
      ありがとうございました。
      これからもよろしくお願いします。
      2025/01/18
    • ピザまんさん
      ミユキさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      図書館で何気なく手にした本でしたが、私も、他人事ではないなぁ〜としみじみ思いまし...
      ミユキさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      図書館で何気なく手にした本でしたが、私も、他人事ではないなぁ〜としみじみ思いました。
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      2025/01/19
  • 突然の不調で救急車に運ばれ入院するはめになった著者のエッセイ。

    更年期だと思っていたら大変なことに…。
    入院してから気づくこと、無理せず早めにケアすることが大切。
    限られた人生だから、自分をいじめることはやめて好きにすればストレスなし。


    家事なんて、無理してまでしなくていい。
    お金で解決するならしたほうがいい。
    三食手作りなんて、しなくていい。
    もっとみんな楽したほうがいい。

    確かに無理せずに生きたいと思う。
    迷惑かけない程度に…。




  • ブクログレビューを拝見して知った本。

    レビューを通して、どういう内容かはわかっていたので、村井理子さんの『更年期障害だと思ってたら重病だった話』と同じ状況だと気付いた。
    村井理子さんのエッセイはいっぱい読んでいるが、実はその本は読んでいない。
    でも、村井さんが「更年期障害ではなく心臓病だった」ということは知っていた。
    本書でも、村井さんのその著書について結構ガッツリ触れられていた。
    同業者で同じ病なので、お二人は知り合うことができたみたい。

    一方、本書の作家さんのことは今までお名前も存じ上げなかった。
    調べてみると、私が読まないジャンルの作品を書かれる方のようで、それじゃあ知らないよなぁ。

    本書はスルスルと読めて、結構著者のおっしゃっていることに共感する部分が多かったので、読んで良かった。
    それにしても同じ病室のBさん(とAさん)の傍若無人ぶりがあまりにも酷すぎて、著者さんが本当にお気の毒。
    このBさん達、本当に腹が立つ。
    ただ、コロナ禍期間中だったにもかかわらず、良い医師と看護師さん達のいらっしゃる病院に運び込まれた点は不幸中の幸いだったと思われる。

    私は更年期障害はたぶん無かった、またはあったとしても気付かなかったのだが、『夫源病』(石蔵文信著)に、「閉経直後はなんでもないのに、それから10年くらいたった60歳過ぎから更年期症状が激しくなる女性もいる」そしてそれは夫のせいだ、と書いてあったのを読んで、今後自分にそのような症状が現れたらそれはもう夫源病に違いない!と思い込むに至っていた。

    おっと危ない、危ない。
    もし、これから本書のような症状が現れたら、(夫源病ではなく)心臓病かもしれないと疑ってみようと考えを改めた。

    というわけで本書に感謝するのだが、著者さんは「本を買わない人からの好意はいらない。本を買ってくれ」という主旨のことを本書内でおっしゃっているので、図書館で借りて読んだ私は申し訳なく思う。
    作家さんは皆さん、図書館で借りるのではなく買ってくれと思っていらっしゃることは重々承知しているが、ただの主婦が年間何十万円も書籍購買に費やせるわけもないし、スッキリ暮らそうと断捨離に勤しんでいるので無理な話。
    申し訳ない。


  • 不調に気づいたものの、更年期のせいにして
    放置していたら、心不全で倒れICUに運ばれ、
    即入院。

    これまでの仕事中心の生活や、
    入院生活のアレコレを赤裸々に書いている。 

    体の不調は、歳のせいだけではなく、
    今までの無理な生活やストレスが、
    積もり積もったもの。食生活や運動など、
    自分の生活の見直しをしないといけないと思った。
    言うは、易し。いざ、実行するのは難しいが、
    読んでいて、入院生活だけは避けたいと思った。

  • 花房観音さんの写真を最近拝見しておぉなんて痩せてはるんや!となり、心不全でシニカケたことを知りました。
    この本はめちゃくちゃためになった。
    健康って大切。
    あと会いたくない人にはもう会わなくていいし、好きなことをやりたいし、生きていくのは辛いけどまだ前向きになってていいんだよって言ってもらった気がして呼吸が楽になりました。

  • 51歳の著者でこれなのだから、還暦過ぎた自分はもっともっと死を意識しなければいけないのでしょう。

    失って初めて分かる”健康”の大切さ。最近、加齢なのかいろいろ不調になってきてることもあり、ちゃんと治療なりメンテなりしないと思わせられます。

    エッセイのまとめ本なので当たり前かもしれませんが、全体的に読みやすくていい本だと思いました。

  • 花房観音さんが死にそうになった顚末と、死に損なって気づいた事を綴った闘病エッセイ。

    日頃の体調不良を更年期だと思って放置していたら心不全と診断された花房さん。

    他人事とは思えない。
    巷では健康診断の必要性が謳われるが、健康診断は不要であるとの記事も見受けられる。
    病気は怖いけど病院へ行って悪い病名を告げられるのも恐ろしい。

    生死に関わるエッセイであるものの、迷惑患者の話や病院食、入院中のエピソードなどが軽快に綴られていて深刻さは感じない。

    自分がいつ死ぬかなんて分からない。
    自分の心身を守りながら日々暮らそうと思えた。

  • 心不全で救急車で運ばれて入院の体験記
    お年寄りの病気なイメージだったけど、アラフィフでもなるのか。同年代なだけに自分も気をつけねばと心に誓う。とりあえず健康診断には行こう。

    親切なつもりの素人アドバイス、私つい言ってしまいそう。気持ちに寄り添うにとどめたい。

    それにしても、病院にWi-Fiがあっていいなあ。iPadで読書ざんまい。今はそんな時代なんだね。
    どの病院にもぜひ導入してほしい。

  • ずっと前に読了した気がするが再読。
    死にかけた経験を書いてあり(普段から紙のノートを持ち歩いているそう)ものすごい説得力。
    村井理子さんの更年期かと〜を読みたくて、その前にたまたま手に取った。
    健康でないと欲が出ない、気になる症状を自己解決しない、など大切なワードがたくさん。
    自分が後悔しないため自分の身体の機嫌は自分で取る。

  • ガチで死にかけた方が書くから説得力ある。更年期のせいにせずに病院に行くことの大切さ、そして自分の身体を労らないのは緩やかに死ぬようなものだと。自分が後悔しないためにも自分の身体の機嫌は自分で取らねば。

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著者プロフィール

1971(昭和46)年、兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に「花祀り」団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめくり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』『京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男』など多数、最新刊は『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』。

「2025年 『生きてりゃいいさ 河島英五伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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