板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

  • 幻冬舎
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  • / ISBN・EAN: 9784344042391

作品紹介・あらすじ

原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に!


「ワぁ、ゴッホになるッ!」
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。

墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
感涙のアート小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「我(わ)ぁ、日本のゴッホになる!」そう言って、美の世界に魅入られた青年を、一生支え続けた妻のチヤさんの視点から語られた棟方志功の物語。

    1930年代、棟方一家は、野草のお浸しや煮付けのみの食事に甘んじながら、精力的に製作活動をしていた。 

    1936「大和し美わし」で、棟方志功はバズる。単なる版画ではなく、佐藤一英の「詩」を、絵巻物として彫ったのである。文字も絵の一部だった。

    これを見つけて、柳宗悦は「(駒場の)日本民芸館を作る時に、これを買い上げたい。」と伝える。陶芸の濱田庄司、河井寛次郎らとも知り合う。日本の民芸にある「美」があると、彼らは棟方志功の版画の中に「手仕事の美」を見出したのである。

    その同じ思想の展示物が、実は岡山県倉敷市大原美術館の東洋館にある。まさにここには、濱田、河井、富本憲吉、バーナード・リーチと共に、棟方志功の展示コーナーがあるのである。民芸館を援助した大原孫三郎が彼らの作品を倉敷に持ち込んだのは当然だ。何故ここに棟方志功がいるのか、初めてわかった。

    バズったあと、棟方志功は全長10メートルの大作を思いつく。「面白いなあ!」と驚いてくれる仲間もいたが、柳宗悦は喜ばなかった。対象の本質に迫っていなかったためである。棟方は意気消沈する。柳宗悦は日本にゴッホを紹介した人物でもあり、棟方にとっては師であり父親だった。
    この作品ではないけど、倉敷国際ホテルにある大作を私は思った。コロナ特別割引で同ホテルに泊まった時に、ラウンジにあるこの作品に、私は驚愕した。「大世界の柵(坤) 人類より神々へ」だ。このホテルのために描いた棟方志功史上最大級の板画らしい。人類の生誕と死を、肯定的に受け止めて、人類の幸福と平和を願っている。悔しいけど、ホテルの中にあってこその板画だと思う。

    俳優朗読本の第3弾。最後の最後まで、まるでネイティブの津軽弁で語られる渡辺えり版の棟方志功伝(実際には彼女は山形出身なので、イントネーションには苦労したらしい)。昔気質(かたぎ)の夫婦愛物語だった。

    • ナオさん
      kumaさん、こんにちは
      いつも有難うございます。
      先日、東洋館に行ったばかりで、
      奥様の視点から語られた物語に心惹かれます。
      kumaさん、こんにちは
      いつも有難うございます。
      先日、東洋館に行ったばかりで、
      奥様の視点から語られた物語に心惹かれます。
      2024/04/14
    • kuma0504さん
      ナオさん、こんにちは(^^)。
      東洋館いったんですね。陶芸や棟方志功好きな人ならば、テンション上がりまくりだと思います。私はそれほどではない...
      ナオさん、こんにちは(^^)。
      東洋館いったんですね。陶芸や棟方志功好きな人ならば、テンション上がりまくりだと思います。私はそれほどではないのですが、それでも地元なので過去数回訪ねていますが、どうして陶芸館に棟方志功が居るのか、ずっと疑問だったんです。今回、やっとわかりました。

      ただこの前行った時に1番テンション上がってのは、その奥に中国の甲骨文字などの発掘遺物があったところだったんですけどね。
      2024/04/14
    • ナオさん
      東洋のゴッホに初めて会えました。
      色づかいも豊かで、また見てみたいです。
      大原美術館にはこんなに名画が揃っていたのかと、
      しかも観る者と絵と...
      東洋のゴッホに初めて会えました。
      色づかいも豊かで、また見てみたいです。
      大原美術館にはこんなに名画が揃っていたのかと、
      しかも観る者と絵との距離の近さに驚かされました。東洋館、民芸館合わせて素敵な時間を過ごすことが出来ました。
      2024/04/14
  • 行ってきました、大原美術館に ⁽⁽(◍˃͈꒵˂͈◍)⁾⁾⤴⤴
    原田マハさんの『楽園のカンヴァス』や『〈あの絵〉のまえで』に登場する倉敷美観地区の一角をなす、大原孫三郎さん設立、日本初の私立西洋美術館です
    蔦に覆われた外壁、その中にある古代ギリシャ・ローマ神殿を思わせる洋館の佇まいを見ただけでワクワクしました

    同館には今作の主人公、棟方志功の展示室が併設されているので、この機を逃す手はない!と、訪れる前に読んで予習しましたദ്ദി˙◡・)

    日本の自然な素材を生かした板画家、棟方志功の生涯を妻の視点で描いた原田マハさんのアート小説
    著者自身も子供の頃、ドラマで渥美清さんが扮した彼を好きになり、実際にお父様と同館で作品を見られたそうですね

    彼の才能と妻の大きな支え、そして柳宗悦らとの運命的な出会いが彼の人生を変えていきます
    「白樺」のゴッホのひまわりに憧れ、ゴッホを追いかけ、いつの日かゴッホの向こう側を目指し始めていた…
    ラストは、彼の行動に思わず微笑んでしまいました(*´˘`*)♡


    同美術館で棟方夫婦の苦楽や色々な思いを知った上で作品を鑑賞出来た時間は、格別でした。✧。・゚

    ああ、この作品も彼は顔を板すれすれにこすりつけ、這いつくばって全身で板にぶつかって描いたのだなあ
    ああこれが作中にも出て来る版画巻か、なるほど
    色付き版画は、墨の黒と明るい色彩のコントラストがねぶたの世界を想像させ、予想外に明るく綺麗なんだなあ

    目の前にある作品と本の世界の間を行ったり来たりしていたので、誰よりも長く展示室に居座っていました(๑´ڡ`๑)Շ^✩


    今作を読まずに見学していたら、ここまで満喫出来なかったのは言うまでもありません
    『美しき愚かなものたちのタブロー』と同様、今回も二度美味しい思いをさせて頂き、マハさんに感謝です(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾ᵖᵉᵏᵒ

    因みに海外のお目当ての作品ଘ(。•ө•。)ଓ⁾⁾も、貸出中ではなく見れたので良かったです
    ずっと行ってみたかった大原美術館
    念願叶って充実した時間を過ごせました♡

    • kuma0504さん
      K村さん、
      ようこそ大原美術館へ。
      GWなので、どこまでゆっくり観れたかは疑問ですが、西洋画は真ん中の椅子に座ってうたた寝しながらゆっくり観...
      K村さん、
      ようこそ大原美術館へ。
      GWなので、どこまでゆっくり観れたかは疑問ですが、西洋画は真ん中の椅子に座ってうたた寝しながらゆっくり観るのがお勧めです(←私だけだ!)。

      常設展示なので、十数年に一度訪れて、時が止まった絵の前で、時が過ぎた自分を振り返るのもまたおつですよ♪
      2024/05/18
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      kumaさん、地元ですよね〜
      いいな、いいなあ(*´˘`*)♡
      G.Wを外して平日行ったので、ゆっくり見れましたよ
      西洋画の真ん中の椅子!
      ...
      kumaさん、地元ですよね〜
      いいな、いいなあ(*´˘`*)♡
      G.Wを外して平日行ったので、ゆっくり見れましたよ
      西洋画の真ん中の椅子!
      あれは良いですよねദ്ദി˙◡・)色々な意味で
      私すぐ座ってしまいます笑
      うたた寝もしてみたいです゚°(ㅎωㅎ )ウトウト
      もしまた倉敷に行けたら、kumaさんのレビューにあった倉敷国際ホテルの板画も見てみたいです
      2024/05/18
    • どんぐりさん
      やっと読めました(^^)

      読んでから改めてこの体験記を読むと
      羨ましさ倍増です!!

      なかなか行けないと思ってたけど
      人生は長いですし
      い...
      やっと読めました(^^)

      読んでから改めてこの体験記を読むと
      羨ましさ倍増です!!

      なかなか行けないと思ってたけど
      人生は長いですし
      いつか足を運びたいと思いました(*^^*)
      2024/07/09
  • 事実として知っていらっしゃる方も多いと思うので全部ネタバレで書きます。





    棟方志功の妻となったチヤ子が語る棟方志功の生涯。

    二人が出逢ったのは棟方とチヤの故郷の青森市。
    チヤは18歳で看護師を目指していました。

    棟方は17歳でゴッホの<ひまわり>を見てひと目で心を奪われ東京で青森の絵の仲間の家に居候しながら「日本のゴッホ」になりたいと言っていました。

    チヤと棟方は弘前のデパートで再会し、棟方がその後新聞で公開ラブレターを送ります。
    そして二人は結婚するのですが、東京へ戻った棟方はなかなか食べられず、チヤと長女のけようを呼び寄せてくれません。

    ところが棟方はとある偶然から、
    柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎の三人に認められ、太平洋戦争を経て「世界のムナカタ」になります。

    ヴェネチア・ビエンナーレのグランプリ国際版画大賞を受賞しました。

    日本のゴッホになる、とあの人は最初言いました。
    だけど結局、あの人はゴッホにならなかった。
    ゴッホを超えて、とうとう世界の「ムナカタ」になったんです。
    「私はひまわり、あの人は太陽」。

    棟方は四人の子どもたちとチヤ子のことをとても大切にしていた愛妻家でした。
    若い頃二人が離れ離れに暮らしたのも棟方が妻子を大切に思うからこそでした。

    チヤ子はチヤ子で棟方の為に、版画で使う墨を磨って、子どもたちに「お母さんは墨の匂い」と言われるほど。
    相思相愛の素敵なカップルでした。



    閑話休題

    この本は出る前から私はとても楽しみにしていました。
    というのも、私の母の実家に(母が産まれる前ですが)棟方は遊びにきたことがあるのです。
    母の実家は東京の阿佐ヶ谷に二軒家を持っていて、隣の一軒を青森出身の人に貸していたそうです。
    この本を読むと、その人物とは棟方の居候していた家の主人で、青森出身の松木満史ではないかと思われます。
    そして、棟方が日展(帝展)に初入選した日、二人が「隣の奥さん親切だから御馳走してもらうべ」と言って訪ねてきて母の母(私の祖母)が御馳走すると、「ワァは、世界のムナカタになる」と言い、「奥さん紙をください」と言って何枚も墨絵を描いて残していってくれました。
    そのうち何枚かは、私も家にあったので(母は上の姉二人を乳児の時に亡くした一人っ子です)実物を見たことがあります。
    でも、その絵もうちに置いておくより棟方の好きな方にお譲りした方がいいということで売ってしまいました。

    最後の一枚だったふくろうの墨絵の写真を私のXにポストしておきますのでよろしかったら御覧いただければ嬉しいです。(私のXには私の本棚からすぐ入れます)

  • 待ちに待ったマハさんのアート小説、マハ作品累計35作品(36冊)目の読了です♪

    3年振りの長編アート小説、マハさんが選んだのは世界に誇る日本の版画家「棟方志功」!!
    いやぁ~シブイ( ー̀֊ー́ )

    「風神雷神」の俵屋宗達以来の日本人。
    しかも、絵画ではなく版画です。

    版画→浮世絵→ゴッホ→ひまわり→棟方志功

    この繋がりは( ๑"・・)ヤバイ...

    で、そんな棟方志功を主人公としてド真ん中に置かないのがやはりマハさん。

    本作では棟方の妻であるチヨの視点で描かれていますが、昭和の肝っ玉母ちゃんって感じではなく、けなげなんです。
    でも、しっかり芯は通ってる。

    まさに感動作(*´ω`*)

    昨年、訪れた青森。
    日程的に棟方志功記念館へ足をのばせなかったのが悔やまれます(> <)

    <棟方志功>
    日本の版画家であり、1903年に青森県で生まれ、1975年に東京で亡くなりました。彼は特に木版画の分野で知られており、その作品は日本の伝統的な美を現代的な感覚で表現したものとして高く評価されています。棟方志功は、版画を「板画」と称し、木版の特性を生かした作品を多く残しました。また、墨書や「倭画」と名付けた肉筆画も制作しています。

    彼の代表作には「二菩薩釈迦十大弟子」や「湧然する女者達々」などがあり、1956年にはヴェネツィア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞しています。棟方志功の芸術性と人生は、多くの人々に影響を与え、今もなお語り継がれています。彼の作品や生涯を紹介する棟方志功記念館が青森にあり、彼の文化勲章受章を讃えて設立されました。





    原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に!


    「ワぁ、ゴッホになるッ!」
    1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
    しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
    そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。

    墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
    感涙のアート小説。

    著者について

    1962年東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。12年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。17年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。著書に『暗幕のゲルニカ』『サロメ』『たゆたえども沈まず』『美しき愚かものたちのタブロー』『風神雷神 Juppiter, Aeolus』『〈あの絵〉のまえで』『リボルバー』など。

  • 大好きなマハさんの新作♪


    アート小説はいつも読むのに時間がかかってしまうのでなかなか手が伸びずにいましたが、ブク友さんたちがレビューをあげてるのを見て、気になって気になって、、、笑


    我慢ならずに借りてきました!
    (なんの我慢や!)

    やっと読めました〜♪
    やっぱりマハ様や〜(*´-`)



    まず先に謝ります。
    ごめんなさい

    本当に芸術はうとくて、、、
    棟方先生のことは知りませんでした


    私の芸術の知識はマハ様から得ていると言っても過言ではありません。

    しかも、あんまり得意分野じゃないからなかなか手に取らないし、すぐ忘れるのでその知識も浅く、、、


    お恥ずかしい限りです。




    そんな私でもとても読みやすい一冊でした!!


    棟方志功という板画家の物語
    妻のチヤの目線で語られています


    棟方志功という人はとてもまっすぐ。
    スイッチが入ったらもう一心不乱にのめり込む感じは妻的には大変そうです笑


    でもチヤや家族への愛が根底にあるところが素敵でした(^^)

    写真も検索して拝見ましたが、あぁ!と納得したというか、本に書いてあるまんまの感じの方でした(´-`)

    個人的には棟方さんの告白が好きです笑


    作品も検索しながら読んでいました。
    版画の良し悪しは分かりませんが
    なんか愛嬌があるというか、ユニークというか、あたたかみのある作品だなと感じました


    特に二菩薩釈迦十大弟子とか、ちょっと小物で持ち歩きたくなるような。栞とかいいなと思ったり
    (芸術作品に失礼だろうか、、汗)



    本物はきっとダイナミックなんだろうな〜!!
    世間を驚かせた大型作品とか見てみたいな
    大きさを体感したい!!

    マハ様の作品を読むと現物を見に足を運びたくなります!!

    どんどん眼が見えなくなっていく中
    顔を板にくっつけながら何枚も何枚も板を彫り続けていたのだと思うと胸が熱くなります

    その想いを胸に本物を見てみたいと思いました

    K村さん羨ましい!!


    あと気になってお墓の写真も検索してしまいました笑


    これだけ苦労しても支え続けたチヤさんすごい。
    そして棟方先生の愛も感じ、温かい気持ちになる作品です

    • どんぐりさん
      コメントありがとうございます♪

      わお!
      それは羨ましいです(o^^o)
      こちらは田舎なのでなかなかそんな機会はないなぁ、、、

      8割事実な...
      コメントありがとうございます♪

      わお!
      それは羨ましいです(o^^o)
      こちらは田舎なのでなかなかそんな機会はないなぁ、、、

      8割事実なんですね(´∀`*)
      素敵〜!!
      参考文献も沢山ありましたもんね!
      2024/07/11
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      こんにちは♪

      マハさんのこの作品、私達の様な初心者でもわかりやすくて有り難かったですよね〜(❃´◡`❃)
      そして同じくお墓の検索もしちゃい...
      こんにちは♪

      マハさんのこの作品、私達の様な初心者でもわかりやすくて有り難かったですよね〜(❃´◡`❃)
      そして同じくお墓の検索もしちゃいましたよ〜笑

      私も初めのうちは、マハさんのアート小説読むのにちょっと勇気がいりました
      読んでもわからないかも〜
      読んだ後もわかった気になっているだけかもとか
      でも折角なので勇気を出して興味を持って、毎回自分なりに楽しめればそれで良いやと思っています
      それでも合わなかったら、まあいいっかあ〜です笑

      本棚に再度コメントありがとうございました♪
      2024/07/15
    • どんぐりさん
      K村さん こんばんは♪

      物語がきちんと面白いですもんね(๑˃̵ᴗ˂̵)
      私はホントに芸術の知識がないのでめっちゃ調べながら読んでます笑
      し...
      K村さん こんばんは♪

      物語がきちんと面白いですもんね(๑˃̵ᴗ˂̵)
      私はホントに芸術の知識がないのでめっちゃ調べながら読んでます笑
      しかもカタカナ苦手族なんで、外国のアート作品はもっと時間がかかってしまいます
      でも読みたくなるマハ様はすごいです!

      本だけじゃなくて
      本物の作品も楽しんでるK村さん素敵です(๑>◡<๑)
      2024/07/15
  • ゴッホの「ひまわり」に魅せられた青森の青年が、日本のゴッホになる事を夢見て、、やがて「世界のムナカタ」と呼ばれる芸術家になるまでの物語。

    無知で恥ずかしいけど、棟方志功さん、知らなかった〜…///(> <⸝⸝⸝)
    有名な版画家さんなんですね。
    検索して棟方さんの作品を見てみると、知ってるような、知らないような。
    なぜか懐かしさを感じる、温かくてダイナミックな、めっちゃ味のある作品だった。

    棟方の妻であるチヤの目線で語られる物語。
    今回はミステリーの要素はなく、とても温かみのある内容だった。

    芸術家や学者さんて、一心不乱に一つの事に没頭し突き詰める方が多い印象。
    棟方もそんな一人で、純粋で、向こう見ず。
    どうしても、家庭は二の次になってしまう棟方に振り回されながらも、墨をすり、彼を支えぬいたチヤがほんとに素晴らしかった✩︎⡱
    まあ私なら発狂ものだな笑

    とてもいいお話でした♪
    朝ドラでやってほしいな〜!
    やっぱりマハさんのアート小説は面白い♡♡










    • mihiroさん
      あいちゃ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      私なんて名前すら知らなかったよ〜笑笑

      いやいや、あいちゃんは全然ズボラじゃないと思うよ♡家族思いだ...
      あいちゃ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      私なんて名前すら知らなかったよ〜笑笑

      いやいや、あいちゃんは全然ズボラじゃないと思うよ♡家族思いだもん♡
      昔は旦那さんに尽くす奥さんが多かったんだろうな〜!これ読んで尊敬しちゃったよ。。
      でも私は尽くされたいな〜〜ゞ(≧ε≦*) 爆笑

      私も久々のマハさんだったけど、とっても良かったよ(*^^*)
      あいちゃんもぜひぜひ♡♡
      2024/04/25
    • mihiroさん
      一休さ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      おぉ〜♪そうなんですね〜♪
      久々のマハさんのアート小説でしたが、とってもあったかい気持ちになれましたよ...
      一休さ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      おぉ〜♪そうなんですね〜♪
      久々のマハさんのアート小説でしたが、とってもあったかい気持ちになれましたよ〜♡
      また読まれたら、感想楽しみにしてまーす\♡︎/
      2024/04/25
    • 1Q84O1さん
      久々のアート作品なんですね!
      ((o(´∀`)o))ワクワク
      了解しましたー!
      久々のアート作品なんですね!
      ((o(´∀`)o))ワクワク
      了解しましたー!
      2024/04/25
  •  原田マハさんのアート作品を読む度に、文字表現の絵を実際に観たい、美術館に行きたいと思わせてくれますね。そこがマハさんの筆致の素晴らしさであり、大きな魅力なんですね。
     本作は、版画を芸術の域へ高めた棟方志功の半生を、妻・チヨの視点で描いたアート小説です。

     全編を通じて、棟方志功が真っ直ぐで優しく、誰にも気さくな人物として、生き生きと描かれています。貧困や苦労の連続だったのですが、登場する周りの人は皆いい人で、周囲に愛された志功‥。最後まで清々しいまま読了できました。

     結局マハにハマり(ん?意図せず回文ダジャレ)、スマホ片手に画像検索しながら読むハメになりました。欲をいうと、途中に図録があってもいいのでは?などと思ってしまいました。尚更か、やっぱり現物を観たい!と強く思わせてくれます。

     スマホ検索で驚愕! 「棟方志功記念館が本年3月31日で閉館!49年間に感謝」の一文が‥
     何ですとー! どういうタイミング? ガックシ。
    でも、「所蔵全作品と資料を青森県立美術館へ移し、引き続き展示。展示面積が記念館の約2倍で、7月6日からの常設コレクション展でリニューアルオープン予定」とのこと。やっぱり行ってみたい!

     漠然としか知らない棟方志功作品も、その背景や込められた思いを知ると、やはり全然印象が変わります。原田マハさんの作品への愛情・棟方志功への想いがあふれた作品でした。

  • 棟方志功の絵はなんとなく見たことがあるという程度だった。仏教や能にヒントを得ているのに驚いたし、墨を使う点が先日読んだ水墨画の話とも共通していて嬉しかった。東北弁が楽しいし、仲良し夫婦も良い

  • 子どもの頃、渥美清さんが扮する棟方志功さんのドラマを観た。十朱幸代さんが共演して。特に忘れられないのは、棟方志功さんがふすまに絵を描く場面。大人がこんなことするんだとビックリしたのかもしれない。
    そのドラマ『おかしな夫婦』を小学生だった原田マハさんも観ていたという。『男はつらいよ』が好きなところもおんなじで嬉しくなる。

    この小説、『板上に咲く』は妻チヤの視点で書かれている。棟方志功さんが全身全霊で絵師、彫師、摺師の全部を行う姿を見守っている。ほれぼれしながら。

    絵巻物の「大和し美し」が、認められる場面、絵の大家が棟方志功さんの家を訪ねた場面が面白い。妻チヤの機転、ユーモアに思わず笑ってしまう。圧巻は、京都にゴッホの絵に会いにいった時に起こった出来事。熱いものが込み上げる。

    1941年太平洋戦争。棟方志功さんは富山に疎開している。東京を離れた棟方家も東京大空襲を避けることは出来なかった。

    クライマックスはさらにいい。

    いつもはノンフィクション1割、フィクション9割のマハさんが、今回は逆らしい。

    芸術に対して熱い棟方志功さん。子どものように濁りのない澄んだ目をもつ棟方志功さん。彼は、父としても夫としても人としても熱い。限りなく魅力的な人だ。

    もしもの分かれ道で最善の道を選ぶ。

    久しぶりのマハさん、やっぱり素敵だ。

    • yyさん
      まいけるさん、こんにちは。
      マイケルさんのレビュー、素敵です☆彡
      今回はノンフィクション9割なんだ。
      ゴッホに比べたら、生前の情報が集まりや...
      まいけるさん、こんにちは。
      マイケルさんのレビュー、素敵です☆彡
      今回はノンフィクション9割なんだ。
      ゴッホに比べたら、生前の情報が集まりやすいですよね。

      ところで、渥美清さんと十朱幸代さんのドラマがあったんですね。
      渥美清さんなら雰囲気があっていいかも…。
      観たかったなぁ♪
      2024/04/24
    • まいけるさん
      ありがとうございます。
      私のレビューにふれてくださり、恐縮です。
      めったにないことなので素直に嬉しいです。

      かなりむかしのドラマだし
      当時...
      ありがとうございます。
      私のレビューにふれてくださり、恐縮です。
      めったにないことなので素直に嬉しいです。

      かなりむかしのドラマだし
      当時子どもだったのに
      覚えているということは
      渥美清さん十朱さんの演技力だけでなく
      棟方志功さんの強烈な個性のせいかもしれません。
      わたしももう一度観たいです!
      2024/04/24
  • 妻チヤの視点からの棟方志功(1903-75)の半生。サクサクと読め、二人の夫婦愛が明るく描かれている。棟方が柳宗悦たちに見出される場面が素晴らしく、微笑ましい。チヤから棟方への要望、「これが自分の仕事だと言い切れること以外は、いっさいしないでほしい。」棟方からチヤへの要望、「家族の世話をみる以外の仕事は、いっさいしないでほしい。」
    キュレーターとしての顔を持つ原田さんの作品。代表作『楽園のカンヴァス』もそうですが、アート小説ではピカイチの人。岡山出身というのも親近感があります。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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