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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784344042568
作品紹介・あらすじ
頑張れないのにだって理由がある。
朝起きられない、学校に行けない。
「起立性調節障害」という病を抱えた中学生の夏実は、保健室登校を始める。
そこで、全く笑わないひかるという少女に出会うが……。
16歳で書いた鮮烈なデビュー作。
重版出来!
当たり前の明日は
いつ来ますか?
毎日起きるとまず一日を諦める
自分に失望する
なんで当たり前のことができないの
怠けてなんかない
私がおかしいのかな
怠けてんのかな
なんでだれも助けてくれないの
いつ見ても外は真っ暗
明日が見たい、いつか見れるかな
みんな起きてよ
「eiga worldcup 2021」で最優秀作品賞、
他11の賞を受賞した映画原作!
感想・レビュー・書評
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実話に基づき高校生が書き上げた小説であり、自主制作の映画は高校生映画コンクール「高校生のためのeiga worldcup2021」で最優秀作品賞を受賞。中身もテーマも微笑ましい、というと上から目線で失礼かもしれないが本音である。
主役は起立性調節障害の女子中学生。その苦悩を描く。微笑ましいのだが、とてつもない違和感は何なのか。恐らくタイトルの「負け犬」という語句である。中身とタイトルがアンマッチな気がするのは私の読み込みが浅いからなのか、しかし、病気と格闘する主題に関わる登場人物に対しては、果たして負け犬とか、勝ち犬とか、そんな表現で良かったのだろうか。自分たち自身のことだから良いのだ、というだろうか。
その違和感は、彼女たちが立ち上げた「一般社団法人MAKEINU」という団体にも現れる。敗残者。使役されるもの。この違和感も含めて、未完成な感じの演出ならば、青々しく尚微笑ましいのかもしれない。が、しかし、最も気になるのは、起立性調節障害の人が本書を読んで勇気づけられるのか、あるいは、仲間に囲まれての受賞というような成功体験に触れて複雑な思いを抱きはしないのか。弱者に寄り添うような姿に粉した、ほのかな香りが、気になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全体として、10代の高校生が読めば感化されたり、心を動かされたりする作品だと感じました。
以下は、私が特に気になった点です。
第1章では、主人公・夏実が中学入学を機に、それまで12年間続けてきた人見知りをやめ、「人との関わりを第一に大切にしよう」と決意してクラスメートと仲良くなります。ただ、決意しただけで長年の人見知りを克服できるものなのか?という点には、少し疑問が残りました。
また、本作では「起立性調整障害」について描かれており、病気について知るきっかけにはなると思います。ただ、高校入学以降にその症状がどうなったのかも気になりました。 -
思春期の意識過剰な感情が前面に出ているので、おばさんは感情移入できず、浅く感じてしまった。
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若い人の勢いがあるなという印象。
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少し読みづらいところもあるけれど、中学生と高校生の見ている世界が分かりやすく書かれています。起立性調節障害のことも、もっと広まって欲しいという思いを持って書かれたことが伝わりました。両親や学校の先生、塾の先生など、友達はもちろんですが関わる方々の対応によって、ここまで良くなるんだと感動でした。
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★起立性調節障害って★
コロナ禍に高校生がクラスメイトの「起立性調節障害」を題材にして書いた小説です。思春期に罹る治療法がないこの病気のありのままが描かれ、私達の知らない世界がすぐ隣にあり、それを知ることの大切さを感じます。
病気のつらさや周りの心無い対応にどう生きたらいいのか分からない夏実。前半は暗く、夏実によると「通夜」ですが、後半は友人や家族の力を借り、病と闘いながら高校受験へ挑む圧倒的な生への希望と爽快感があります。 -
借りた本。
高校生が初めて書いた本だからこその
読みにくさとふわっとした感じと
本当に大変な日々がジワリと伝わる気がする。 -
令和6年7月発行のYAだよりで紹介された本です。
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我が子も起立性調節障害。発症して1年半。未だ酷い時には目眩と怠さで一日中横になっている。いろんな事を諦め、普通に出来た事が出来ない自分と闘っている気持ちは凄く分かる。でも我が子は彼女みたいにやりたい事が見つけられてない。彼女みたいに生きる力を持ってくれるようになりますように。夢の力は強いなと感じさせられた。
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女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000070374