心の窓

  • 幻冬舎 (2024年5月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784344042711

作品紹介・あらすじ

開けてごらん「旅の窓」を
感じてごらん「心の窓」で


私にとってカメラを持つことの最大の効用は、世界に「つまらない場所」というのが存在しなくなったことであるーー。ブッダガヤで出会った「瞳の少女」、ヘルシンキで胸を熱くした幼き兄妹の姿、夜のコルドバで心を騒がせた「路地裏の哀愁」……。沢木耕太郎が旅先で撮った八十一枚の写真と、その情景から想起する人生の機微を描いた短いエッセイ。大人気フォトエッセイ『旅の窓』、待望の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 長女が次女にプレゼントした本をちょいと拝借した。
    南沢奈央さんがラジオで紹介していた本だという。
    沢木耕太郎さんと言ったら、私の世代にとっては、バックパッカーのバイブルともいうべき「深夜特急」の著者。イメージは大沢たかおさん。
    スマホの写真ではない。重たいカメラで撮った写真とエッセイ。「世界にはつまらない場所などない。」と語る沢木さんはカメラで、文化を歴史を自然をそして人の内面を切り取る。ひとつひとつの写真とエッセイに慈しみを感じる。
    お気に入りはいくつもあるけど、「真剣勝負」かな。ひとりの女子学生が、老人から何かをレクチャーを受けている光景。彼がホノルルに滞在していた1ヵ月半の間、朝の9時から午後の1時まで、一切のブレークも入れずに繰り広げられていたというのだ。
    ニューヨーク郊外の小さな駅で、覆い被さるように熱心に本を読んでいる女の子の姿もいい。
    スマホしかしらないんだろうな。カンボジアの子どもが、一眼レフカメラをみて、「それなあに?」という表情をしている。カンボジアもスマホ天国なんだね。
    旅の話を読みながら一番行きたくなったのはエストニア。タリンは中世の雰囲気漂う町らしい。
    読んでよかった!

  • 沢木耕太郎さんのフォトエッセイ
    「旅の窓」の続編
    どの写真もその風景に溶け込んだ人々が
    何気なく写っている
    これらを見ると
    どんな国であれどんな環境であれ
    人は変わらず
    生きている
    ことがよくわかる
    心が落ち着いたり、せつなくなったり、
    楽しくなったり
    見るものにいろんな感情を与えてくれる

    今もなお争っている国のトップの方々に
    このフォトエッセイを送りたい
    きっと何か感じてくれるはず
    人類はみな同じなのだから
    傷つけて良いはずがないのだから

  • ブクログレビューを拝見して知った本。

    沢木耕太郎氏の『深夜特急』はまだ1しか読んでいなくて、今年こそ全部読むつもりではいる。

    本書は素敵だった。
    写真がいい。

  • 81篇からなるフォトエッセイ。
    著者と一緒に旅しているような感覚で心が和む。
    現地の人々の何気ない瞬間を独特な視点で捉え、時に寄り添い、時に遠くから見守る。
    絶妙な距離感の写真が素晴らしい。
    人々の表情や姿が印象的で頷いたり微笑んだりしながら読む。

  • 旅先でパチリと一枚。その一枚に著者の感想が添えられた一冊。世界の面白さや美しさ、想像が広がりワクワクする。『ヴェトナムの小林秀雄』『バリ島の稲田』『大英博物館前のスターバックス』…各国を旅した気分だ。

  • 写真とエッセイがリンクしている。
    前作も感動したが、今回も素晴らしかった。
    なんて素敵な場面を切り取れるんだろう。

    旅したくなる。

  • 世界のどこかの街角で、
    沢木耕太郎に、
    「写真撮らせてもらえませんか」
    と言われてみたい。言わせてみたいなー。

  • 旅に行きたくなる。
    だけどお金が無いので、
    図書館で沢木先生の旅行記を
    読むだけで我慢します(笑)

  • 旅先で沢木さんが撮る写真にはほとんど、人物が写ってる。
    いわゆる観光地には行きたくないと仰っている通り、何気ない土地の人の表情や偶然の自然を余所者の距離を保ちながら記録していく姿勢。
    そこだけは若い時から本当に変わらない。そこがちょっとわざとらしいところも沢木さんなんよな笑

  • 旅の窓の方が好きだったかもだけどよかった

  • 写真入りの軽い旅のエッセイ集。気分転換に心地良い一冊。大作「天路の旅路」の原点が「旅」を愛し、楽しむ作者の心にあることが解る。気軽な一冊です。

  • ノルマンディの記事は、心に響く。ドイツの置かれた状況。戦争を始めた国ではあるが、国民への負担は、想像の域を遥かに超えたものであったろう。こうなると知っていたら、ヒトラーを党首に選ばなかったろうに。残念な事に現在も世界のあちこちで、誤った党首を人々が選んでいる。

  • なんて素敵な写真 エッセイなんでしょう。 沢木耕太郎さんが旅した様々な国の日常の1コマ。添えられた 500字の短文が 写真の理解を深め、旅愁をかき立てます。写真は白い余白をたっぷり取り、程よく小さく、まるで小さな画廊に置かれた絵のよう。

    写真のキリトリ方の旨さもさることながら、よくぞこの場面を捉えたなぁ‥という遭遇性にも驚かされます。

    『‥カメラを持つことの最大の効用は、世界に「つまらない場所」が存在しなくなったこと‥』という言葉が、この本の内容をよく表していると思います。

    こんなふうに世界のあちこちをカメラを持って ぶらぶら と散策してみたい‥。それは永遠の憧れ。私にとっては無いものねだり。

    見せてくださってありがとう‥。 癒しのひとときをいただけました。

    本のサイズが小さいのも、とてもいいですね。 私はこの本を持って、ゆっくりと歩きながら、声を出して文章を読み、まるで旅をするように読書していきました。

    ※雑誌「VISA」連載より、『旅の窓』の続編

  • この本を読んで藤原新也のメメント・モリを思い出す。20代の頃なので、インドに行きたいと思った。今はもう行けませんがね。

  • ページを開いて左側が著者の撮った写真。右側がそれに関するエッセイ。
    エッセイは文字数制限があり決められた文字数でよくここまで表現出来るなと感心。
    やっぱり作家はすごい。
    読後の感想は一言で、ただひたすら旅に出たくなった。

  • 「世界につまらない場所はない」は本当にその通りだ思う。旅行に行きたくなった。

  • 旅先で撮ったスナップにちょっとしたストーリーや印象を添える。著者とともに旅をしているような気にさせてくれる。またかつて行った場所を捉えたスナップを見ると、その時の旅の思い出が呼び起こされる。

  • 沢木耕太郎
    歳を重ねてもやはり彼は旅人
    出会った人、風景、食べ物
    一枚の写真から、文章から、
    「彼」を思わせる

  • 世界にはつまらない場所はないのだと思わせてくれる素敵な本でした。

  • 写真もエッセイも好き。
    なんてことない、旅先での「人」のやりとりや、沢木耕太郎と「人」とのやりとりにほっこりさせられたり、ふと見かけた風景からよくこんなにも色々と想像をふくらませられたなぁと感心してしまったり。
    旅欲が満たされる。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

沢木耕太郎の作品

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