パーティーが終わって、中年が始まる

  • 幻冬舎
3.26
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本棚登録 : 1225
感想 : 106
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  • 本 ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344042933

作品紹介・あらすじ

定職に就かず、家族を持たず、
不完全なまま逃げ切りたい――
元「日本一有名なニート」がまさかの中年クライシス⁉
赤裸々に綴る衰退のスケッチ



「全てのものが移り変わっていってほしいと思っていた二十代や三十代の頃、怖いものは何もなかった。
何も大切なものはなくて、とにかく変化だけがほしかった。
この現状をぐちゃぐちゃにかき回してくれる何かをいつも求めていた。
喪失感さえ、娯楽のひとつとしか思っていなかった。」――本文より
若さの魔法がとけて、一回きりの人生の本番と向き合う日々を綴る。

感想・レビュー・書評

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  • phaさん、今は一人暮らしなんですね。
    帯に衰退のスケッチと書いてあるけど、衰退してなかったです。
    定職なくて、家族いなくても、それはそれでいいですよね。
    中年のphaさんのエッセイとして楽しめました。

  • 15年ほど前phaさんがメディアに取り上げられ、若者達は「phaさんの様な生き方いいよね〜」と憧れ、中年以上のおじさん達は「ふざけた生き方だな」と言っていましたね。
    今のphaさんの生活は以前と変わったけれど、ずっと自分に正直に、他人に見栄を張らない人なのだと思いました。
    50代になったらまた様子を本にして欲しいです。

  • 著者と年齢が近いので共感する部分は多々あったが、過去の本には、その中でも新しい発想や考え方が書かれていた。今回は特になかった。ただ、共感してしまった。ファンとしては何か残念な印象が残ってしまった。
    文書以外でも本のタイトル、デザイン、帯も。商業的な印象。これは著者というよりも、出版社の意図だろうが、、、。

  • 20代30代の頃の自分の可能性を信じていた頃と、40代の諦観というか、自分はこんなもんだなってのがわかってしまって、でもそれを受け入れて生きてく感じがとてもエモい。41歳の自分が漠然と感じていたことが言語化されていて共感できた。

  • 蟹ブックスで購入。サイン入り、シールも付いてきた。嬉しい。

    冒頭、道を歩いていたら若い人から悪気なく「おじさん」と呼ばれた挿話が悲しくも可笑しい。20代、30代の頃は楽しめていたものが40代になって楽しくなくなる感覚は同世代なので同意しかない。自分も、読書しても、映画見ても、音楽聴いても、旅行に行っても、若い頃なら感じられただろう強い感動はもう得られない。視聴や体験によって人生が劇的に変わるだろうと期待することもない。

    phaさんの、お金がなくても何人かで集まって安いファミレスでだべっていれば楽しい、そういう生活スタイルはデフレ社会だったから可能だった。将来的にインフレ化が予想される昨今、もうそういう暮らしを送るのは難しくなりつつある、あるいは時代遅れになりつつある。世の中から経済的な余裕が失われ、それに伴い心の余裕もなくなってきている。自分の生き方が時代に合わなくなってきたと自覚し、そのせいなのか以前より仕事の依頼が減った、とあるのに寂しさを覚えた。

    心身の衰退、時代とのズレ、長年連れ添った猫たちの死。phaさんの文章はこれまでどおり明朗で淡々としているのに、そこはかとない悲哀のトーンが終始漂っているようで、それはこれまで読んできた著作にはなかったもので、読んでいて少し切なくなった。もうダメだとかだるいとは昔から言っていたけれど、その言葉、その感覚が以前よりも切実になっているようにも感じられた。

    ひとりものとして自分もどうやって人生の後半を生きていこう、と考えてしまう。
    一人で生きるには人生は長すぎるのだろうか。

  • 読み終わって苦しい、せつない、わかるなあ、そしてやっぱりだるい、という気持ち。何もかも最後にだるいという気持ちがつく。phaさんは昔からだるいと言う人だったが、本書に出てくるだるさは中年のだるさだと感じた。
    自分の心の中の一部を言語化するとこれだ、というフレーズが随所にあって、刺さるというか…グサグサと突き刺されるイメージだった。
    もちろんphaさんとは年齢(おおよそ)以外何もかも違うのだけど、それでも共通の「何か」がある。加齢的なものなのか、世代的な意味なのか、若かりし頃の空気感の共有なのか。それでグサッときている気がする。
    随所に出てくる、もうこのまま逃げ切りたいという気持ち、よくわかる。そして逃げ切るにはまだそれなりに長いということも。
    今後も発信し続けて欲しい。なかなか人には言えないことなので、同じことを考えている人がいる、というだけでも希望になる。

  • ●なぜ気になったか
    phaさんの本は5,6冊読み、その考え方には共感することも多かった。タイトルから察するに人生への向き合い方が変化したのであろう。どう変化したのかを知りたい

    ●読了感想
    語られていることは理解できるが、人の目を気にしなければ中年になろうが続ければいいのでは。結局「自分は他人の目や世間の圧力など気にしない」と言いながら気にしているってことで、それはさすがにダサいと感じた

    #パーティーが終わって、中年が始まる
    #pha
    24/6/5出版
    https://amzn.to/45ddGho

  • Audible にて耳読。前作の「どこでもいいからどこかへ行きたい」はよかったのだが、4年でこんなにも人って年取るもんなんだなぁと痛感。題名の通り、諦念漂うさみしーい人生を垣間見てしまった感じがして。もっと中年に希望を!

  • 若い、とはなんなのか。老いとは何か。
    普通でないことを追い求めることができた理由に気づき出す時、普通を維持する為の生活が始まる。
    それが、老いていく、ということなのか。

  • 図書館の本79

    若さを失っていくことに対する、寂しさや諦めや気だるさといった、ゆるやかな悲壮感を感じた。
    若い頃に楽しいと感じていたことは、楽しさを感じなくなり、無茶苦茶な人生を歩んでいる若者を見ると応援したくなる、と書かれていた。

    若い頃のphaさんに色んな物資を提供していた見知らぬ人は、今のphaさんのような中年のひとなのかもしれないなあ、と感じた。

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著者プロフィール

ファ 作家。

「2024年 『究極の学び場 京大吉田寮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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