- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344043060
作品紹介・あらすじ
元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。
日本の未来を奪った2発の弾丸。
本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?
日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。
奈良県で日本の元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳男性の容疑者。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体とのつながりを主張した――。
日本史上最長政権を築いた元総理が殺された、前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷となった銃弾が、現場から見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。
警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?
感想・レビュー・書評
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柴田哲孝さん著「暗殺」初読の作家さん。
書店にて帯を見て購入したのだが、まさか2022年7月に奈良でおきた「安倍元首相銃殺事件」の真相に迫る作品だとは全く思わなかった。その事件をインスパイアし構築された虚構小説なのだろうと読む前は思っていたので度肝を抜かれた。
陰謀論や隠蔽論が渦巻く「安倍元首相銃殺事件」、統一教会に恨みを持つ人間の犯行としてその場で逮捕、後に起訴された山上被告が実はオズワルド(スケープゴート)だったのでは?という作品。
当時、自分もYouTube等でその違和感や不信感をアップされている動画を何度も見たが、確かに今作品にもあったような不自然な動向等が指摘されていた。
医者のマスコミに向けての発表も最初と死亡後では食い違う箇所も否めず隠蔽論も否めない。
銃弾の角度や倒れ方等にも疑問があり、第三者の手によって周到に計画された陰謀での銃撃として見てもなんら不思議ではない。
本作品はその隠された真実に迫る作品であり、読んでいて「なるほど」と唸る感覚が多々あった。
真実は既に発表されているものなのかもしれないし、隠蔽により闇の中に消えているものなのかもしれない。自分の感覚では後者だろうと感じる。
作者はその見解を小説という物語にしながら核心に迫っており、作者の描いたこれが真相なのではないか?と本気で思えてくる。
素晴らしかった。
この事件で惜しくも命を落とした安倍元首相は凄く支持者が多い方だった。同時に常に非難抽象も多い方だった。
北朝鮮拉致問題には本人が若い頃からいち早く取り組んでおり、その面では自分も強く支持していた。歴代トップの在任期間が安倍さん支持の高さを証明している。
アベノミクスや働き方改革、東京オリンピック、コロナ対応等に関しては肯定否定は控えるが、良い悪いはさておき「桜を見る会」「政治資金献金パーティー」「宗教団体絡み」等はもう少しなんとか誰の目から見ても明瞭で明確にならないものなのか?と常に思っていた。
それは安倍さんだけに限らず政治家全員にいえる事。
誰の目を気にして誰の機嫌をとっているのか?政治家を志した初心を忘れてはいないか?といつも思う。
今回の作品を読んで政治家という人間のうす暗く歪んだ影の部分がより読み取れた。
誰かの利権や思想の為に「暗殺」という手段で始末されたのならば、作者もいずれその手段で殺されかねないという覚悟で挑んだ作品なのだろうと容易に想像できる。作者の覚悟が凄く伝わってきた。
闇深い作品だったが自分は作者に最大の敬意を送りたい。
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これはどういう気持ちで読めばいいんだ?
「実際の事件・社会問題等とは関係ありません」と書かれているがしっかりその事件・社会問題と重ね合わせてしまうし、実際はそうだったんだと納得もしてしまう。
フィクションとはいえめちゃくちゃ具体的。
もうこの小説に書かれていることが真実のような気がしてしまっている。
よく世に出たなぁ。怖すぎる。
この小説の世界観でいくと、作者も消されちゃうよ・・・大丈夫かな。-
2025/03/16
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shintak5555さん
もう頭の中はまさにそれです。
テレビや新聞の報道がすべてではないんだなぁ。shintak5555さん
もう頭の中はまさにそれです。
テレビや新聞の報道がすべてではないんだなぁ。2025/03/16
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本作は安倍元首相の殺害事件をモチーフにしたフィクション作品で、多くの人やものの実名が多く登場しているため、リアルさがあったように思います。
本作は大きく分けて2章構造になっていて、首相殺害までの犯人側の視点と、首相殺害後、その謎に迫る記者目線で描かれております。
私は割とこういう社会派小説は苦手で、特に陰謀論とかを聞いてもあまり盛り上がりもしないタイプですので、個人的にはあまりピンとこなかったのかなという印象でした。
おそらく本作の楽しみ方として現実とオーバーラップさせながら、考察を深めるという楽しみ方が1つあるのかなと思います。そのため事件について予備知識があったり、もともと関心があった人には本作は、事件の裏側を想起させるようで面白かったのかなと思いました。 -
2022年、7月8日午前11時31分近鉄大和西大寺駅前で、元内閣総理大臣が凶弾に倒れ死亡した。
まだ記憶に新しい出来事である。
それと同じような内容で始まるこの小説は、この物語はフィクションである。と一文があるにもかかわらず唸るような内容であった。
この事件は、単独犯ではなく影の存在がいるということや35年前に起きた朝日新聞阪神支局襲撃事件と繋がりがあるということ。
年号が令和に決まったその意味と5月1日に合わせた理由。
政治家、フィクサー、警察、宗教団体が複雑に絡み合った陰謀を1人の週刊誌記者が、命をかけて追う。
いろんなところで想像が膨らんでしまったが、どうなるのだろうと思う気持ちで一気に読んだ。
最後まで謎はある。
命が惜しければ見ざる言わざる聞かざる…なのか。
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社会派ミステリー書評
読書レベル 中級
ボリューム 381頁
ストーリー ★★★
読みやすさ ★★★★
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★
理解度 ★★★★
読後の余韻 ★★★
一言書評:「ミステリ要素もあるよ」という事と、流行っていたので手にした一冊。ミステリ的要素には、、、期待しすぎたかも(笑
そもそも、私がこの本の読み方を間違えたかも、、、
歴史的な事件となった首相射殺事件を「陰謀論」という立ち位置からから考えてみたいという方にオススメです!あと、ガン(銃)マニアの方にもオススメ!結構、細かい描写が多いので、好きな方には堪らないかも。
繰り返しますが、私のように勘違いしてミステリ本と期待して読まない方がいいです、はい。理由はストーリー序盤から黒幕から全てオープンにされてますから。読者には、ほぼ全ての情報が与えられて物語が進んでいきますから。あっ、たった1つだけ、最後の最後に明かされる真実もありました、、、(笑
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読書備忘録896号。
★★★☆。
★5つばっかり付けてきたような自覚があるので、たまには良いでしょう!★3.5。
2022年7月8日。11時31分。
近鉄大和西大寺駅北口ロータリーのゼブラ地帯で選挙の応援演説をしていた安倍ちゃんが狙撃されてお亡くなりになった衝撃の事件!
犯人の山上はその場で取り押さえられた。
母親が統一教会にハマり、家族はすべてを失った。憎むべきは統一教会だが、その存在を許して癒着してきた安倍ちゃんにも責任がある!ということで自作拳銃で狙撃した、という事件ですね。
現時点で我々が知る範囲での公式発表は。
公判前手続きに異例の2年以上が費やされていますが、やっと今年の後半あたりから裁判が開始されるのか?
そしてこの作品。
公式発表の裏に隠された陰謀説を小説化したものです。
読後感想です。
うん。間違いない。これが真実だ。
おいっ!軽いわ!だからネットのフェイクニュースにも騙されんねん!しっかりしろジジイ!
陰謀であるという根拠。
①当初この日は長野の応援演説予定だったのが、前日に変更になった ⇒ 1日では警備体制が整えられない
②大和西大寺の駅で演説をやる場合は普通南口だが北口が選ばれた ⇒ 北口は人通りも少なく演説に適していない。地形的にも警備しにくい
③何が致命傷になったか?の発表が二転三転 ⇒ 致命傷となった傷口は山上被告の射線ではなかった。弾が体を貫通した場合の射出口が無いにも関わらず弾が体内から見つからない
④山上被告の拳銃から発射された弾の弾痕が90m離れた建物の壁に ⇒ 黒色火薬を使った威力の小さい粗悪な自作拳銃では90m飛んだとしても傷はつけられない
という今でも議論さている疑惑を使って物語化。
これからこの陰謀説を読まれるかもいるかもしれないのでこれで備忘録は終了!
陰謀説としてはなるほど!ですが小説としてはワクワクせず、ウルウルせず、ドキドキせずということで★3.5となりました。
いじょっ!-
2025/02/24
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2025/02/26
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ゆーきさま
正解です!
結局は「小説としてはワクワクせず、ウルウルせず、ドキドキせずということで★3.5となりました。」ですから!ゆーきさま
正解です!
結局は「小説としてはワクワクせず、ウルウルせず、ドキドキせずということで★3.5となりました。」ですから!2025/02/26
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2022年の安倍元首相銃撃事件をモチーフにしたフィクション。
単純に好みの問題だと思うのですが、最初から最後まであまり入り込めずに読み終えました。
フィクションとしつつも、実在した事柄や事件、実名が出てきたり、逆に誰もが知っている人や団体の名前を変えてあったりなので…
どういう気持ちで読めばいいのかと思ってしまって、冷めた目になってしまいました。
うーん、もしかしてこういう闇があったのかもしれないね、という感じです。
何十年か先になれば見方が変わるかも?
話題作なのはわかります。
辛口ですみません。 -
下山事件についても書いている筆者ならではの問題作かな。
前半は反抗をを犯す側の視点で、後半は真実を探って行くジャーナリストの視点で書かれていて非常に興味を引き立てられながら読めた。
あくまでフィクションということを強調していたけど赤報隊の事件と絡めて書かれており、限りなく真実に近いのではと読み進むごとに思ってしまいそうになる自分がいて、どこまでフィクションなのかが見極められないので筆者の声をとても聞きたい!
個人的には地上波やいわゆる高級紙と呼ばれる媒体への信頼が地に落ちているのがよくわかった。
ただネットが全て正しいというわけではなく、何が真実で何が嘘かを見分けるのは非常に難しい世の中なのは間違いなく、生きにくい世の中になっているなと感じざるを得ない。
著者プロフィール
柴田哲孝の作品





