- 本 ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344043091
作品紹介・あらすじ
日本とはこんな国だったのか
日本人の行動原理はここにあったのか
あなたの知っている日本の歴史がひっくり返る!
目からウロコ 衝撃の面白さ
ゼロから学び直す真(シン)・日本史!
教科書も学者も教えてくれない「歴史の流れ」がわかる! 謎が解ける!
「比較」と「宗教」の視点を持てば、日本史ほどユニークで面白い歴史はない。
シリーズ累計580万部突破『逆説の日本史』著者による、30年の歴史研究のエッセンス。
(目次)
第一部 「比較」から日本史を読み解く
第一章 「世界と日本」はこんなにも違う
第二章 「長期の時間軸」で見ると歴史はわかる
第二部 「宗教」から日本史を読み解く
第三章 日本人の宗教の原点は「穢れ(ケガレ)」
第四章 日本人はなぜ「怨霊」を神として祀るのか
第五章 日本人はなぜ「和」を一番大切にするのか
第六章 「言霊」に縛られる日本人は不吉なことを口にできない
第七章 「穢れ」忌避信仰が武士を誕生させた
第八章 「朱子学」という外来宗教が日本にもたらした毒
感想・レビュー・書評
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日本の歴史を「比較」と「宗教」から読み解いた本。
とても面白かったですが、なんとも、著者の歴史学者への文句、意見については辟易します。
こうした、著作物の中で記載するなんて、よっぽど恨みがあるんでしょうね(笑)
前半は「比較」から日本史を読み解きます。
・日本はレンガ作りでなく木造、木造建築へのこだわり
→これはそうだと思ってた。
・日本の道路舗装率は低い。
・日本は馬車が使われなかった。
→なるほどって思いました。家康の想いもあったのね。
・信長が作った兵農分離
→なるほどです。
・戦争を簡単には辞められない。
→これもそうだと思っていました。
・信長の宗教団体の武装解除
→これも物は言いようだけど、そんなイメージ持っていました。
・家康の「朱子学」の導入
→家康が武士道の最初を作ったんですね。納得。
・綱吉が「戦国時代」を完全に終わらせた
→世界レベルで見ても、優秀。偉大な政治家だったとのこと。びっくりしました。説得させられました(笑)
後半は「宗教」から日本史を読み解きます。
・日本人の宗教の原点は「穢れ」
→なるほどと思います。
・天皇毎に遷都していた理由
→そういうこと?
・「怨霊」のもととなるもの、その呪いのこわさ
→これは、怖い(笑)
・「言霊」に縛られる日本人
→これは、その通りだと思います。
言葉にしてしまうと、それが起きてしまう・起きることが前提となってしまう。日本人は「言霊」に縛られ過ぎです。リスク管理という点でとらえ直す必要があります。
・武士と天皇
→そう、なぜ武士によって天皇家は滅ぼされなかったのか?
朝廷による軍事権、警察権の放棄、武士の誕生
へーーそうなのね。って面白い
ということで、特に宗教から日本史を楽しく読み解ける物語。この点で説明されると腑に落ちます。
お勧めです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
井沢先生は、よっぽど歴史学者が嫌いなんですね。
何度も何度もそのフレーズが出てきて気になります。天敵の○ざ先生との持統天皇めぐる論争を別途みましたが○先生の方にブがあるかなあ。井沢先生が言うように歴史は大きな視野で見るものであって、1つの見方で全てを説明するのは危険なような感じがします。井沢先生がそこにおちた気がしました。いろいろな見方があるということいいんじゃないでしょうか。しかし、発想力と推察する力はやはり素晴らしいです。読み物としては最高です。 -
言いたい放題。井沢元彦さん、相変わらずで、楽しく読み終わりました。
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本当に面白い歴史的考察は色々変化したり解釈の仕方が変わっていいと思う、現代教育に毒されはいけない、自分から学びたい姿勢がないと常識と思っていることが、偏見になっていたりするから
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この人の本は初めてかな、なかなか面白い。ただ本人の歴史学者への攻撃は、よく事情を知らない人間からすると少し辟易するな。少なくとも本人が認めているとおり著者は歴史家であって学者ではないので、現在の日本の歴史学と方法論的な違いがあるのは仕方ないこと。自分の説を教科書に載せていれば、なんてのはちょっとちゃうんじゃないかと思うが。もちろんおれ個人としては、学術的にどうこうではなく大きな視点で歴史を俯瞰する人は必要だと思っているし、そこから常識を覆すような視点を提示している著者の説はいいと思う。
比較と宗教という視点を持つことは著者は重視していて、比較に関しての例としてなぜ日本はレンガ文化でなく木造文化なのか、道路舗装率が低いのか、則天武后が日本を真似て女帝になったかなど。信長の軍は信玄や謙信と違って兵農分離が進んでいたと言ってるけど、じゃあ第二次川中島の戦いの200日対陣はなんだったんだとか思うけど。信長が宗教団体を武装解除した、信長は女性を大切にしていたから松姫の名前が記録に残った、日本の女性は世界最強だった、綱吉が日本のモラルを高めたし側用人というシステムを作ったとかも面白い。
日本人の宗教の原点は穢れであるとし、大きな徳があるがゆえに死ぬと穢れが大きいから天皇が死ぬごとに遷都していたのを持統天皇が仏教のやり方で火葬させることで首都を固定化した、最強の怨霊となった崇徳上皇の呪いとそれが現代に至るまで及ぼしていた影響、怨霊鎮魂としての源氏物語や能楽、言霊に縛られる日本人、万葉集からある和歌の前の平等、平安時代に開店休業状態だった朝廷の軍事部門とカウボーイとして開拓し自ら武装した武士、家康が導入した朱子学によって職業による身分差別や女性や外国人蔑視、安土宗論の誤解と実際にあったと思われることなどなども大変面白い。 -
日本の歴史、日本国民の感情や感覚、価値観から生まれる行動特性を、宗教の視点から説明したとても興味深い内容だった。
日本は無宗教と言われ国民もそれを信じて疑わない。日本国民が信仰する神などいない。この本を読むまでは私もそう考える1人だった。
ただ、日本では少なくとも平安の時代から呪いが信じられ、呪いの元凶、怨霊という神がいた。ゲゲゲの鬼太郎然り、呪術廻戦然り。現代でもこのような作品が世に広まり人気を集めているのは、日本国民に受け入れられやすいから、つまり怨霊のような呪いの類を心のどこかで信じ、もしかしたらあるかもと想像できてしまう怨霊信仰が当たり前のように、DNAレベルで根付いているのではないかと感じた。(かなり脱線)
また、日本人は心優しく、人を傷つけることを滅多にしない。加えて、日本人の事なかれ主義、謝ったもん勝ちという日本独特の価値観も怨霊信仰ひいては言霊、つまり今回の本の内容である、日本に根付く、宗教という視点から説明もできるのではないかと思った。
古代より人をまとめるため生まれた宗教。人間の狩猟採集から国家形成までの、紀元前の我々祖先の歴史も宗教なしでは語れない。
歴史を理解する上で欠かせない、最も重要で、かつ大きなポテンシャルを秘めたこの宗教という視点を、地政学、文化人類学の視点と掛け合わせ多角的に世の中を見つめることがとても大事だと感じ、さらに興味を持つことができた。
あと歴史学者をこけ下ろしてて、すごく尖っていてよかった。 -
本書の終章に「歴史研究では、そのような推論を行ってはいけない」という歴史学者の発言が引用されている。そのようなことが歴史学者の常識なら、これは歴史研究の自己否定だ。推論のない歴史研究は、ただの暗号解読でしかなく、歴史への理解にはならないからだ。
本書では「比較」と「宗教」という2つの視点から大胆な推論を行うことで、日本の歴史を、一貫性のあるストーリーとして読み解かせてくれる。
日本の歴史教科書がつまらないのは、ただの暗号解読の積み重ねに過ぎないからで、完全に他人事だからだ。
本書の歴史論は、日本史を完全に他人事から自分事にパラダイムシフトさせてくれる。こんなに歴史が現代の自分と繋がっていると思わせてくれた本はない。
この本の内容は、大部分が著者のYouTubeチャンネルとダブっている。 -
大変興味深い歴史の本
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2024.12.22
楽しい一冊だけど、そんなにムキにならなくともとも思う。いわゆる歴史学者の大人げなさは充分に想定されるが、それにまともに反応しすぎて辛くなる部分がある。 -
【History】真・日本の歴史/井沢元彦/ 20250312 / <27/1117> / <359/175603>
◆きっかけ
・?
◆感想
・指摘が事実だとすると、納得のいくことが多い(日本でなぜ馬車を使わなかったのか)。
・日本史だけ見たのでは日本史はわからない、その通り。
◆引用
・世界の常識はレンガ文化
・日本は近代になって鉄道馬車を運用する以前は馬車を使わなかった世界唯一の国。道路を舗装しなかったのは地方の強力な敵が江戸に攻め上がってくるスピードを上げさせないため。
・日本史だけ見たのでは日本史はわからない
・戦争を簡単には辞められないという世界史の常識。強力な軍事力を持ってその国を平定した人間は決して戦争をやめようなどとは言いだせない
・信長が最終的に目指したのは宗教団体の武装解除
◆今後
著者プロフィール
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